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日本マイクロソフト、Windows 10版「Quantum Break」を初公開

“Xbox”がハードウェアプラットフォームからサービスプラットフォームへ

4月4日開催

 日本マイクロソフトは4月4日、東京品川の本社会議室にて、ゲームOSとしてのWindows 10について、体験会を兼ねたメディア説明会を開催し、4月7日にXbox One版と同時発売が予定されているWindows 10版「Quantum Break」を初公開した。

説明を担当したのはXboxマーケティング戦略本部の井上正之氏
Windows 10の登場ですべてのデバイスがWindows 10デバイスに
Xboxの今後のスローガンは「遊びたいゲームを遊びたい友達と遊びたいデバイスで遊ぶ」

 今回実施された説明会は、2月下旬に米国本社で実施されたプライベートイベント「Xbox Spring Showcase」で発表された内容を日本向けに改めて紹介するというもので、その概要についてはすでにニュースや、GDCレポート等を通じてお伝えしたとおりだが、今回改めて日本マイクロソフトから、グローバルと同等の方針でWindows 10ゲーミングを推進していく方針が発表された。

 Microsoftは2001年のXbox発表以降、Xboxを活かすために、ゲームOSとしてのWindowsの展開を実質的に止めていた。この戦略についてはGDCレポートでも詳しく紹介したとおりだが、今後はこの方針を全面撤回し、Xbox OneとWindows 10を同等に扱っていく。具体的には以下の通り。

・Windows 10ゲームラインナップの拡大
・Xbox One、Windows 10とのクロスプラットフォームプレイ
・DirectX 12&4Kのゲーム体験
・Xbox One版とWindows 10 PC版の同時発売

 日本のゲームファンにとって大きな変化は、Xbox Oneを買わなくても手持ちのWindows 10 マシンでXbox Oneタイトルが楽しめるようになるところだ。と表現すると「すわ、Xbox終了か?」と感じるゲームファンもいるかもしれないが、実際には逆で、これまでハードウェアを固定したゲームプラットフォームだったXboxをWindowsにもサービスレベルで広げ、今後は、Windows 10という統一されたプラットフォームの中で、ゲームをコアとしたサービスプラットフォームとしてXboxを押し出していく考えだ。

 Xbox Oneユーザーにとっては、今後はWindows 10ユーザーも含め、より多くのユーザーとコミュニケーションやマルチプレイを楽しめるようになる。誰にとってもメリットの多い戦略転換となる。

 そして、今後は自らの環境に応じてプレイするハードウェアを選択できるようになる。手軽に遊びたいのであれば今後もXbox Oneだろうし、4K&60fps表示や、最長2時間のゲーム録画機能を活用したければWindows 10 PCを選択すればいい。

【今後リリースされるWindows 10タイトル】
「Ori and the Blind Forest: Definitive Edition」。詳細は後日発表
「Killer Instinct Season 3」。基本プレイ無料で配信中
「Minecraft: Windows 10 Edition」。まだβの取れない本作だが、Oculus Riftにも対応し、Oculus Storeでも配信されることが決定。今春リリース予定
「Forza Motorsport 6: Apex」。「Forza」シリーズ初のWindows版。基本プレイ無料で今春リリース予定

【Forza Motorsport 6: Apex - アナウンス トレーラー】

「Quantum Break」プロダクトマネージャー南雲聡氏
いよいよ4月7日発売
DirectX 12ベースで、美しいグラフィックスと高いパフォーマンスを両立させている「Quantum Break」
本日4月4日までWindows 10版無料プレゼントキャンペーン
「Quantum Break」システム要件

 Xbox OneとWindows 10をゲームプラットフォームとして同等に扱う最初の機会となるのが4月7日発売予定のアクションアドベンチャー「Quantum Break」だ。両プラットフォーム版が同時発売で、セーブデータのみならず、実績、ゲーマースコアまで共有できる。

 しかも、本日(4月4日)までのキャンペーンでXbox One版を購入するとWindows 10版のダウンロードコードが入手できるので、両方でプレイできる環境のあるコアゲーマー、もしくはフレンドにPC/Xbox Oneゲーマーがいるという方はぜひこの機会を逃さないようにしたい。

 将来的にはいずれかのバージョンを購入すれば両方のプラットフォームでプレイできる“クロスバイ”が基本となる見込みで、2016年内にXbox StoreとWindows Storeが完全統合されたあとは、手持ちのハードを意識せずにゲームのオンライン購入が可能になる予定となっている。

 説明会では、初公開となるPC版「Quantum Break」のデモンストレーションが行なわれ、パートナーメーカー各社による「Quantum Break」推奨ゲーミングPCが発表され、さっそく推奨PCでPC版「Quantum Break」を試すことができた。

 「Quantum Break」はXbox One版、Windows 10版共にDirectX 12ベースで開発されており、両者の間でグラフィックスに大きな違いはない。違いはPC版は4K表示、60fps表示が可能なところで、エフェクトがより精細になっているという。

 ちなみにPC版「Quantum Break」は、動作に必要となるシステム要件について、「最小」、「推奨」、「ウルトラ」の3段階用意されている。それぞれの意味は、「最小」が文字通り動作に必要な最小環境で、「推奨」がフルHDの標準環境でプレイするのに適した環境、「ウルトラ」はグラフィックスオプションを最大にした状態で1080p/60fpsを保証する環境となる。PC版のウリである4Kについてはいずれも保証していないところが注意点となる。

 これについては、ハードベンダー側で独自の動作確認を行なっており、今回各社から発表された「Quantum Break」推奨PCの中には、G-Tuneの「NEXTGEAR i650PA4-SP3-QBK」のように4K対応を謳う上位モデルも存在する。推奨PCのスペックもメーカーによってかなり違いがあるため、「Quantum Break」をどう遊びたいかをしっかり決めてから選びたいところだ。

 なお、多くのPCゲーマーが待ち望んでいるWindows 10マシンでXbox Oneコントローラーがワイヤレス接続で使えるようになるアダプター「Xbox Wireless Adapter for Windows」は、日本でも発売予定ではあるものの、発売時期はまだアナウンスできる段階ではないとしている。これがあればWindows 10でも、Xbox Oneと同じように中央のXboxボタンを押すだけで無線接続でサクサクゲームが楽しめるだけに、早期の日本での発売を望みたいところだ。

【「Quantum Break」最新トレーラー】

【「Quantum Break」デモンストレーション】

【パートナーメーカーによる「Quantum Break」推奨PC】
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(中村聖司)