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「Quantum Break」インプレッション
巨大タンカーが崩壊していく中を突き進め!
(2016/3/28 16:01)
4月7日に発売されるXbox One/Windows 10向けアクションアドベンチャー「Quantum Break」。前回の体験レポートでは、第1章を紹介したが、今回はさらにしっかりゲームをプレイすることができた。そこで、第2章の前半の感触を紹介していこう。
筆者がそうだったように、プレーヤーはコントローラーを握りながら何度も「このゲームはスゴイ」とつぶやいてしまうだろう。第1章の実写ムービーで開発元であるRemedy Entertainmentがやりたいことが明確にわかり、第2章でゲームとしての具体的な姿、そしてなにより第2章パート2の「グランド ゼロ」で「Quantum Break」でしか表現できない世界を見ることができた。
実写とゲームの融合、様々な仕掛けをこらしたフィールド表現、アクション性の高い戦闘……Remedyは、「アラン ウェイク」で提示した様々な要素を今作においてより明確に、そしてすさまじいパワーアップをさせている。今回はあえてストーリーや展開には触れず、ゲームのメカニクスを中心に紹介したい。
実写ならではの、ゲームだからこそできる表現、2つの手法が生むドラマ性
「Quantum Break」の最大の特徴は、「ゲームと実写ドラマの融合」である。これまでのゲームも実写でのデモを入れているものもあったが、本作は“次元”が違う。ゲームのインターミッションというにはあまりに贅沢な実写ドラマが挿入される。
役者はゲームと全く同じなため違和感はないし、実写の方で大きく存在をピックアップされるキャラクターも多い。人間同士の繋がりや葛藤を感じさせる会話劇はもちろん、派手なアクションシーン、カーチェイスまでも挿入される。
ゲームでは表現できないカメラアングルや、キャラクターの感情が伝わる演出……両者が融合することで、新たな可能性が見えてくる。Remedyは、「アラン ウェイク」でも実際の俳優を使ってゲーム作りを行なっていたが、本作ではさらに一歩踏み込んでいる。ゲームでの、実写でのドラマの描き方とはどういうものか、それを強く感じさせる。この驚きは是非体験して欲しい。
強くなっていくジャックの力、しかし敵も謎の超技術で対抗
第2章において、ゲームのメカニクスがより明確に明らかになった。タイムマシンの事故に巻き込まれたジャックは時間を歪ませる空間を作り出す能力を獲得しており、時間がたつほどに強力になっている。第2章では新たな能力の獲得と共に、その能力のパワーアップ手段も明らかになる。
能力のパワーアップはフィールドに存在している「クロノン ソース」という物質をジャックが吸収することで可能となる。クロノン ソースはフィールドに複数あり、あるものは場所はわかるのにそれをとる方法がわからない、という場合もある。フィールドを探索し、クロノン ソースにいかにたどり着くかというゲーム的な楽しさをもたらしてくれる要素でもある。
クロノン ソースを集めることで「アップグレード メニュー」からプレーヤーの意思でパワーアップが行なえる。索敵を行なう「タイムビジョン」の範囲や持続時間を増したり、敵に向かって突進する「タイムドッジ」の時間を増やしたりできる。さらに2章では広範囲に爆発を起こす「タイムブラスト」といった能力も獲得できる。これらを組み合わせたジャックの力は非常に強力でまるでスーパーヒーローになったかのようなパワフルな戦いが楽しめる。
しかしジャックを追うモナークソリューションは新たな敵を投入してくる。全身をアーマーに包みショットガンを撃ってくる兵士、さらに背中に特殊な装置を背負い、静止した時間でも自由に動ける兵士までも登場する。モナークが何故こんな技術を持っているかも大きな謎である。ジャックはこれらの新たな敵に対抗するために、能力をパワーアップさせていくのだ。
崩壊する巨大タンカーの中を進む。提示される強烈なイメージに圧倒される
そして第2章パート2の「グランド ゼロ」でプレーヤーは「Quantum Break」が提示する鮮烈なイメージを目の当たりにすることになる。
ゲームの舞台は“ドライドック”。船舶を自ら引き上げて修理・整備をする施設で、ジャックはこのドライドックに置かれていたタンカーの崩壊に巻き込まれる。このとき“時間のひずみ”が襲いかかり、ジャック時間の流れがむちゃくちゃになった中を進んでいく。
時間のひずみの表現はきわめてドラマチックで、プレーヤー誰もが強い衝撃を感じるだろう。高さ数十メートルの鉄の建造物が部品をまき散らしつつ崩壊していく、その中をジャックは進んでいく。時間のひずみはきわめて不安定であり、時間が停止した場所もあれば、崩壊から元に戻るのを繰り返している場所もある。
プレーヤーはタイミングをはかってジャックを前に進めさせていく。フィールドのダイナミックな変化による見応えのあるゲームシーンは、昨今のゲームでおなじみとなった表現だが、「Quantum Break」では崩壊し、降り注ぐすさまじいオブジェクトの真ん中を駆け抜けるという表現を行なっている。しかもプレーヤーの手でこの危機をくぐり抜けていく、この感触は、このドキドキ感はゲームでしか体験できない。崩壊していくタンカーの中を進むというこの場面はゾクゾクさせられる興奮を感じた。「スゴイゲームだ」と実感した瞬間だった。
実写とゲームの融合、ダイナミックな世界の描写、特殊能力を活かした戦闘……「Quantum Break」は進化していくゲームの“最先端”を提示する作品である。この世界はぜひ体験して欲しい。