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桝田省治さんの生前葬を開催!? 「勇者死す。」スペシャルステージ

「まもなくお亡くなりになります。」

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 日本一ソフトウェアから2016年2月25日に発売される予定のPlauStatiion Vitaソフト「勇者死す。」。価格はパッケージ版が6,458円、ダウンロード版が5,143円(いずれも税込)。本作のステージイベントが、東京ゲームショウ2015のセガゲームスブースで行なわれた。

 本作は、勇者が魔王を倒すところから物語が始まる。そして世界は、魔王を倒しただけでは解決されない、様々な問題があふれている。しかし勇者に残された時間は、たったの5日間。「限られた時間で物語を進める」マルチシナリオ型RPGとなっている。本作は元々は携帯電話向けのアプリであったが、今回PS Vitaに移植されることになった。それに伴ってBGMが増えたほか、メインキャラクターのボイスも追加された。

 ステージには、登場する「サラ」役の声優・五十嵐裕美さん、「メリーアン」役の声優・松井絵里子さんのほか、本作のゲームデザイナーである桝田省治さんが登場。「勇者死す。」に引っかけて、桝田さんの希望もあり、生前葬を行なうというストーリーで進行した。

「サラ」役の声優・五十嵐裕美さん(左)、「メリーアン」役の声優・松井絵里子さん(右)
ゲームデザイナーの桝田省治さん

 「帰りに車にはねられるかも」が桝田さんの第一声。なんとなくネタっぽくなった生前葬だが、「こんなに集まんないよな」と桝田さん。そして「勇者死す。」のゲームについて語ってくれた。

 「めんどくさいゲームです」と桝田さん。解決の方法がたくさんあり、片方を解決しようとすると、もう片方がどうにかならなくなったり、時間内で解決しようとしても無理だったりと、折り合いを自分の中で見つけていくゲームだという。「桝田さんのゲームでめんどくさくないものを見たことがない」と五十嵐さんが突っ込む。台本を読んでいても「桝田さん怖いわー」という所がかなり多かったと松井さんも語る。

 本作の特徴は、勇者が最強の段階から、だんだんと弱くなっていくこと。「腰は痛くなってくるし、電車が入ってくるのが見えても、階段を駆け上がれない」と桝田さん。年を取ってかなり弱っているようだ。「めんどくさいゲームなんで、1回や2回ではとてもクリアできないです」とも。「次はこうやろうと覚えておいて、その次の回に実行するといったことを繰り返した方がいいです。あとエンディングも変化するので、死んじゃうキャラクターもいるし。弔辞は一杯書きましたよ」(舛田氏)。

 今回初出しとなったサラとメリーアンだが、2人ともいいキャラクターだとか。しかしそこで桝田さんが「君たちは自分のセリフしか知らないからね。周りの人の評判とかは耳に入ってないでしょ」と、また怖いことをつぶやく。「結構適当な、『どうでもいいけどね』といったことをつぶやくのがメリーアン」だとか。

 また桝田さんによると、めんどくさいゲームになれた頃に、それを壊しに行くキャラクターたちが加わるのだとか。「せっかく慣れたのにルールが壊れるんです」(桝田さん)。一体どのような展開になるのだかさっぱりわからない感じだ。

 ちなみに五十嵐さんが演じるサラは、あまりに普通のキャラなので、特徴がないキャラクターは力がない声優さんには任せられないと、桝田さんは五十嵐さんを褒めてみる。「戦争が終わった状態で、いろいろなものが壊れ、人が死んでいる状況で普通にいられるのはすごい」(桝田さん)。

 メリーアンについて松井さんは、最初甲高い声で吹き込んだのだが、あとからやっぱり低い方がいいか、となり、録り直しになったのだと語る。「松井さんの場合は、とっても才能のある声優さん。彼女には新しい役をあげたいと思っていてやらせてみたが、そのときは面白かったんだけど、家に帰って聴いてみたら、やり過ぎだなーと」(桝田さん)。録り直しに至ったのはそんな理由だったようだ。

 続いて話題は本作の開発裏話に。「1番の苦労話といえばこの企画で。『天外魔境』が終わってからなので、20年前の企画なんだ」と桝田さん。携帯電話のない時代に立てた企画が本作だったと言われて五十嵐さんも松井さんもびっくり。今に至って本作が出たことに桝田さんは「いや、長いね」と一言。「100に1つとは言わないけど、20に1つくらいしかゲームにならないわけ。でも本作はできあがったんだから幸せなほう」(桝田さん)。

 と言っている間に昇天の時間が。最後に桝田さんは「今週の中頃に伊藤賢治さんから楽曲が上がってくるはずなんだけど、PS Vitaを意識して作ってくれてノってます。あとはイラストレーターのクロサワテツ君。かわいい女の子を描くより、滑稽な男を描く方がうまいんです。まだ出ていないキャラクターもいるんだけど、男は面白い」と言い残して去って行った。

 そして、五十嵐さんと松井さんの2人が召される前に残す遺言とは、と聞かれて五十嵐さんは「『勇者死す。』は桝田さんも言っていたように、かなり小難しいゲームになってますので、是非楽しんでいただければと思います」と語り、松井さんは「ゲーム自体がどのようになっているのか私たちも知らないので、これからの情報解禁を待ってみたい」と語ってイベントが終了した。

(岩泉茂)