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【特別企画】ガレージキット、「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」レビュー
手軽で本格的! 充実した“作りごたえ”を実感できるキット
(2015/4/4 00:00)
RCベルグは、KONAMIのシューティングゲーム「沙羅曼蛇」の登場メカをモチーフにした、カラーレジン組み立てキット「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」、「沙羅曼蛇 『ロードブリティッシュ』」を発売した。2月10日から3月10日までの受注生産で、3月20日より発送が行なわれている。
今回、この製品のサンプル版をいただいた。そこで「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」を組み立ててみたので、その魅力をレポートしたい。カラーレジン組み立てキット「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」は、大量生産のプラモデルではなく、「ガレージキット」である。
ガレージキットは小規模なグループや、模型メーカーが生産する製品で、組み立てに模型技術が必要となる場合が多い。筆者自身、かなり敷居の高いジャンルというイメージを持っていた。筆者はガレージキットはほとんど触ったことがなく、プラモデルも素組ばかりという腕前だが、本商品は初心者でも楽しく組み上げることができる敷居の低いキットだった。作品の魅力を紹介したい。
ビックバイパーを初心者でも楽しめるガレージキットで立体化
モチーフとなったビックバイパーは、「グラディウス」シリーズにも登場する“超時空戦闘機”である。シューティングゲームには魅力的な機体が多数登場するが、ビックバイパーはその中でも人気が高い機体で、KONAMIを象徴するメカの1つといえる。
「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」にも本機をモチーフにした変形ロボが登場するし、KONAMIがスポンサーだったアニメ番組「アムドライバー」や「スカイガールズ」などにもビックバイパーがデザインベースになったメカが登場する。
ビックバイパーの大きな特徴は“巨大なはさみ”のような、2つに割れた機首だ。機体のメインカラーは白で、青いラインがアクセントとなっている。機体と一体化した翼、大きな垂直尾翼も印象的だ。全体的にシャープでスマートなイメージの機体だ。
ガレージキットは製品によってはフィギュアの顔そのものをユーザー自身が描かなくてはいけなかったり、部品の補修をしなくてはいけなかったりする。少量生産だからこそ、こだわりのモチーフを立体化してくれるガレージキットは、模型ファンにとって、あこがれは強く感じるものの、組み立ての難しい、敷居の高いジャンルなのだ。
カラーレジン組み立てキット「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」は組み立てるには、ニッパーだけでなく、デザインナイフややすり、瞬間接着剤が必要となる。しかし、パーツは細かく“色分け”がされており、組み立てるだけで設定イラストに近いカラーリングでくみ上げることができる。パーツの造形もシャープで歪みは少なく、きちんとくみ上げることができる。
今回触ったRCベルグの「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」は完成度は、筆者の中のガレージキットのイメージを大きく変えてくれた。バンダイの「ガンプラ」のように接着剤不要の、組み立てるだけで完成するものとは違うが、とても組みやすく、塗装なしでもカッコイイ、かなり大きな満足感をもたらしてくれた。
シャープな造形、全体の細かいモールドにこめられた開発者のこだわりと、それを実現できた造形技術にはうならされる。組んでいて、ガレージキットのレベルはここまで上がっていたのかと感心させられた。面白かったのは、“機首の鋭さ”だ。このキットの機種の先端はものすごくシャープだ。この鋭さは、低年齢ユーザー向けの安全対策のなされている大手のプラモデルにはできない表現だと感じた。
1つ1つパーツを組み合わせていく楽しさ。“俺のビックバイパー”完成!
組み立ては、かなり楽しかった。細かくわけられているパーツだが、バリがあったり、パーツの切り離し時に残ったゲートがついたままだったりする。こういった部分を、ニッパーで切り離し、デザインナイフで跡を整え、やすりをかけて消していく。作業そのものは簡単だが、“本格的な作業をしている”という気分になる。
パーツはプラモデルのようにランナーについて番号が割り振られているわけではないので、部品表を見てどの部品かを見比べていく。組み立てに関してはちょっとわかりにくかった。順番で表示されているのではなく、どのパーツがどこにくっつくかを1つの図だけで説明しているので少しわかりにくい。
パーツの接続は瞬間接着剤で行なうので、やり直しにくい。1度張り付いたものを外そうとすればパーツが壊れかねない。まず組み立て図に書いてあるパーツ番号を調べ、そのパーツを部品図を参照して袋の中から探し出し、パーツのバリやゲートをきれいにしてからはめてみて、はめる場所がきちんとわかってから瞬間接着剤を塗って、貼り付ける。こうして1つ1つ慎重に組み上げていく。
実際の組み立ては、黒い基部のパーツに、1つ1つ白い装甲パーツをはめ込んでいく形になる。パーツには凹凸が設定されており、きちんとはめ込まれていく。ただ、ちょっと失敗した部分もあった。インテーク部分の飾りを、ゲート跡と勘違いして切り取ってしまったのだ。公式ページの完成写真を見ながら組めばよかったと後悔したが、後の祭りだった。なので、完成写真と比べると差異がある。模型技術の腕があるならば補修するところだが……筆者は「“俺のビックバイパー”という解釈で行こう!」と無理矢理自分を納得させた。
こうして、2時間ほどで組み上げられた。完成したビックバイパーは無塗装なのに非常にカッコイイ、スミ入れをすればさらに良い感じになりそうだ。大きさは17cmほどだが、40以上のパーツが組み合わさったモデルは密度も感じさせてかなり満足感がある。ちょっとだけ不満なところは、台座に“接着”されてしまっているところだろうか。一度くっつけると、手に持って遊びにくいが、ディスプレイ台も凝っていて、飾っておいて角度を変えて眺めてしまう。
やはりゲームの“自機”が手に持てるモデルとして立体化されるのは楽しいし、筆者の腕前と未塗装品でもこれだけのクオリティが実現できているのは、驚きだった。ガレージキットに関して、興味と期待が出てきた。現在、「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」、及び「沙羅曼蛇 『ロードブリティッシュ』」は受注を行なっていないが、今回の記事で興味を持った方は、製品の再販や、新製品をチェックしてはいかがだろうか。
(c)Konami Digital Entertainment