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PS Vita「俺の屍を越えてゆけ2」×「プレコミュ」制作会議を開催
4月中には体験版の配信も決定!
(2014/3/15 18:50)
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、2014年夏の発売を予定しているPlayStation Vita用RPG「俺の屍を越えてゆけ2」の体験イベント「『俺の屍を越えてゆけ2』×『プレコミュ』制作会議」を3月15日に開催した。
体験会では、オンライン要素を含む最新ロムを使用してゲームを体験することができたほか、ゲームデザイナーの桝田省治氏と永嶋克規ディレクターが出席し、来場者が意見交換を行なう「制作会議」も開催された。
「俺の屍を越えてゆけ2」は、「東京ゲームショウ 2013」において体験版が公開され、以降徐々に情報が公開されている。「東京ゲームショウ 2013」バージョンでは、PS Vitaのカメラ機能を使い自分の顔を取り込み、プレーヤーの顔写真をキャラクターに反映させたキャラメイクを体験でき、いくつかのダンジョンに出陣することができた。今回はオンライン要素を含む最新ロムを使用して体験することができるということで、かなり制作が進んだバージョンとなっている。
「俺の屍を越えてゆけ2」では、生きていた証をゲーム外に残すことができる。可愛い子供が生まれたり鬼を倒したときなど、スクリーンショットを撮影し、シームレスにSNSに投稿することができる。今回のROMでもこれを実際に試すことができた。ゲームプレイ中はほぼ常時画面右下にカメラアイコンが表示されており、これをTouchすることでスクリーンショットを撮影。そのままTwitterから配信することができる。もちろん、一言添えることもできるし、サンプルコメントをタッチすればハッシュタグも簡単につけることができる。今回、この記事で使用したスクリーンショットもすべてこの機能を使い、つぶやかれたスクリーンショットから使用している。
体験版では2年間プレイすることができた。やれることが多いゲームなので、個人的に実際にプレイできたのは2時間で約1年程度。それでも駆け足だった印象で、細かく本格的に指示を出していたら、もっと長時間遊ぶことができたと思う。ちなみに今回はストーリーは全く収録されておらず、自分の写真を撮影し取り込んでのキャラクターメイキングを行なうと、だいたい8時間くらいプレイした状態のデータでスタート。それゆえかなり攻撃力もあり、当初は楽々プレイすることができた。
まだ「あまり賢くない(桝田氏談)」というナビゲーターキャラクターの“コーちん”だが、プレイ開始時にコーちんのアドバイスに従うと、ほぼ自動的に装備を調え、討伐のスケジュールを設定し、季節が変われば神様と交神を執り行ない……とほぼ○ボタン連打でもゲームは進行する。
もちろん、様々なパラメーターが数多く用意されており、システム的にもできることが多いゲームであるため、慣れたプレーヤーであれば細かくデータを見ながらゲームを進めることができる。一方、コーちんに丸投げしていると、ある意味昨今のスマートフォンのカジュアルゲーム的な手軽さでゲームを進めることができる。慣れてくれば気になることをプレーヤー自ら操作していくことができるわけで、個人的にはいいシステムバランスだと感じた。
ちなみに話はずれるが、このコーちんがなかなか味を出していて、良い感じのキャラクターに仕上がっている。1度ボス敵に挑み剣もほろろに倒され屋敷に戻ると、コーちんは一言「布団にくるまって悔し泣きしながら負けた理由を考えるといいよ」と言い放ち、思わず吹き出してしまった。
さて、今作では街に存在する施設にも成長要素があり、プレーヤーごとに違った街が形成されていく。他のプレーヤーの街には自分の街には売っていないものが売っていることもあり、新しいオンライン機能を利用し他のプレーヤーの街に行くことができ、自分の街には売っていない武器や防具を購入することもできる。
自分がプレイした国「芸夢国(GAMEをもじって作成。ちなみに作成したキャラクターの名前は芸夢魚智)」では、火焔獄道とねうねう亭という2つのダンジョンが登場。しかし遠征して他のプレーヤーの国に行くと、海沿いから洞窟に入っていくダンジョン「竜宮渡り」に潜ることができた。
他のプレーヤーの国に遠征に行くことで、自分の国では交神できない神様が登場したりといった要素もある。ネットワークに繋がる環境のある人であれば積極的に遠征に行くと良いだろう。ただ遠征に行くと1カ月で戻ってくることができなかった。このため、スケジュールをよく考えた上で遠征した方がよい。
また、今回はプレイ時間が2時間であったこともあり、プレーヤー間で違った武器などが売っているといった違いが現われなかったため、その恩恵を実感することはできなかった。しかし、製品版が発売されればプレーヤーが増えれば、それだけ違った街が存在することになり、その恩恵は爆発的に広がることだろう。
こういった、他のプレーヤーと微妙に繋がっている感は、最近のゲームの流行といえるが、「俺の屍を越えてゆけ2」では繋がることでプレイの幅が広がるようになっており、よりゲームを奥深く、長く楽しめるものにしているようだ。
桝田省治氏と永嶋克規氏出席の制作会議では、様々な意見が続出
第1部の体験会で体験した内容を来場者はアンケート用紙に書き込み、それをもとに第2部の「制作会議」が開催された。
冒頭、桝田氏は「コーちんってあり?」と切り出した。桝田氏は「僕はいらないと思う」と話すと永嶋ディレクターは「それは桝田さんがゲームをわかっているからですよ」と指摘。来場者は前作もプレイしたファンがほとんどだったため、必要ないとする人が多かったようだ。
桝田氏は「難しいゲームなので、初めの数カ月は(コーちんを)使って欲しい」と語り、導入部のチュートリアル的な位置づけを示した。一方で、コーちんが行なったことに対して結果がわかりにくいことから、よりわかりやすいアナウンスが必要である点などの指摘もあった。
さらに、現状のバージョンでは、コーちんに「まかせる」コマンドが1番上にあることから、ゲームに慣れた人にとっては邪魔であるといった意見もあった。制作者的にはコマンドを使って欲しいからこそ上位に設置したようだが、こういった反応も踏まえコマンドの配置も検討されるかもしれない。
同時に指摘があったのが、細かいところだが非常に重要な「はい」と「いいえ」の位置について。行動を行なったあとの確認で「はい」と「いいえ」が表示されるが、この位置が「俺の屍を越えてゆけ2」では「いいえ」が先に表示され、デフォルトで「いいえ」を選択するようになっていた。
これはボタン連打によってゲームが進行し取り返しのつかない事態を招かないようにするためだが(プレーヤーに意識を持って「はい」を選択させるため)、ゲームの進行的に「はい」を選択することが多いのも事実で、わざわざ毎回「はい」を選ぶのは確かに面倒ではある。こういった制作陣にとって非常に頭の痛い問題でありながら、細かい問題であるため後回しにされがちな点も、今回指摘があったことで次回のバージョンでは改良されることだろう。
プレイレポートでも触れた、他のプレーヤーの国への遠征についても数々の意見が交わされた。そんな中、これまでは公開されていなかった情報として、家紋システムが明らかになった。プレーヤーの名前の前に表示されている紋がそれだが、他のプレーヤーの国に遠征し交流試合を行ない勝つと、家紋をもらうことができるという。遠征することで家紋の収集要素も用意されていることで、制作側としてはこういった「遠征してもらう理由」を数多く用意しているようだ。
今回の制作会議で「交流関係のコマンドの位置が悪い」と桝田氏は語り、まだまだ改良の余地があると判断したようだ。最期に桝田氏は「4月中に今回の体験会のバージョンをベースに体験版を配信します」と新情報を明らかにした。その体験版についても「まだまだ直しますので、プレイして確かめて欲しい」と語り、今回の体験会にとどまらずTwitterをはじめとしたメディアで意見を出して欲しいと挨拶し、制作会議は幕を閉じた。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.