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「Red Bull 5G」プロジェクトアドバイザー松井悠氏インタビュー

「ゲームに触れたことがあるありとあらゆる人に見てもらいたい」と語るその魅力とは

12月収録

12月15日 「Red Bull 5G 2013 FINALS」開催

会場:日の出・TABLOID

 レッドブル・ジャパンは12月15日に日の出TABLOIDにて「Red Bull 5G 2013 FINALS」を開催する。「Red Bull 5G」は日本のゲーミング界に“翼をさずける”ことを目的としたゲームトーナメント。5ゲーム、5ジャンルにおけるゲームプレーヤー日本一を決める東西対抗戦となっており、10月のオフライン予選、11月のオンライン予選を勝ち上がった各ジャンルのプレーヤー達がぶつかりあい、12月15日の「Red Bull 5G 2013 FINALS」で雌雄を決する。

 今回は自身も過去に格闘ゲーム日本一に輝いた腕前を活かしてゲーミングイベントやゲームのプロモーション活動を行なっている本イベントのプロジェクトアドバイザー、グルーブシンクの松井悠氏に、「Red Bull 5G」の魅力についてお話を伺った。

ゲーミングシーンに“翼をさずける”その理由

「Red Bull 5G」プロジェクトアドバイザーの松井悠氏
「Red Bull 5G」は5ジャンル、5ゲームで争われる東西対抗戦
ゲームに限らず、カルチャーシーンに“翼をさずける”ことが目的の1つにあるという

――本日はよろしくお願いします。まずは「Red Bull 5G」との出会いのきっかけについて教えて下さい。

松井氏:一昨年の12月くらいに、レッドブル・ジャパンの方とお話する機会があって、その時に日本におけるゲーミングシーンやその当時のe-Sportsへの僕の考え方、あるいはプロゲーマーの現状について意見交換しました。それで2012年の早い時期に「Red Bull 5G」というプロジェクトがあると伺って、そこからプロジェクトアドバイザーという立ち位置でお手伝いをさせていただいております。

 なぜプロジェクトアドバイザーという立ち位置になっているかというと、ゲーミングシーンは一般的なイベントと比べるとすごく特殊なんですね。例えばゲームルール、機材調達、どれもが1歩間違えるとコミュニティから失望されてしまう。トラブルがどういう風に起きるか、電源の問題であるとか、機材の相性であるとかのノウハウを持っているところが少ないので、それに関する助言やゲーミングシーンに対するアドバイスを行なうと。レッドブルとしては「あいつらゲームわかってないよね」と言われたくないし、ゲーマー達からも「レッドブルがゲーマーを利用しようとしているのではないか」とも思われたくない、と。

 それはレッドブルが他のスポーツやカルチャーに寄与してきた時に一貫して持ってる思想なんだそうです。例えばスポンサードだけしてお金払って後はよろしくというのではなくて、あくまでも一緒になってゲームシーンを盛りあげていこう、あるいは盛り上がっているシーンの1つに「Red Bull 5G」があるよねという形にしたいんだと言われました。その中にどういう風に寄与していけば良いかを考えていきたいということでした。

――自分も含めて「レッドブルがなぜゲーム?」と思われている方が多いと思います。

松井氏:レッドブルがやっているスポーツといえば、まずはF1がありますよね。ただ、その他にもブレイクダンスとか、フリースタイルフットボール、フリースタイルモトクロス、1on1バスケットボール、カートレースなど、いろいろなスポーツに対するアプローチがある中で、2012年あたりからレッドブルがデジタルスポーツに興味を持ち始めたそうなんです。

 レッドブルってどちらかというとマイナーだけど未来がありそうなシーンの人たちをサポートしていて、今既にメジャーなものに対してはそこまで取り組まないんです。熱い人に対して“翼をさずける”という言葉を、活動を通して伝えていくという考えで、その中にe-Sportsがカルチャーとしてフィットしたというわけです。

 さらに、エナジードリンクをいつ飲めばいいかという問いの答えの中の1つとして、レッドブルが持っているのがゲームをする時なんですよ。“心、体みなぎる”時ってことですね。スポーツの時や運動の時以外にも、マインドをシャープにして何かパフォーマンスを発揮したい時に使う飲み物であると。

――そういう流れもあって、「Red Bull 5G」をやろうという話になったんですね。

松井氏:「Red Bull 5G」のコンセプトの、東西チーム対抗戦、5ジャンル、5種目、というのはすでにがっちりとイメージが固まっていました。

 僕が今までやってきたWCG(World Cyber Games)、International E-sports Festival、他の国内のイベントもそうですが、これらとの大きな違いとして挙げられるのは、短期の単発イベントではないということです。「Red Bull 5G」は1月の定例会議から始まって12月に開催するという年間を通したイベント・プログラムなので、かなりいろいろなことを練り込んでいけます。

 また、レッドブルから言われたのは、「Red Bull 5G」の5年後、10年後を想像して欲しいということでした。これは、すごい命題なんですよね。

 「Red Bull 5G」のコンセプトはその名の通り、1つのゲームをずっとやり続けるわけではありません。色々なタイトルが毎年移り変わっていくでしょうし、もしかしたらジャンル自体が変わるかもしれない。でも、「Red Bull 5G」は“ゲーミングシーンに翼をさずけ続けていく”んです。そこに対して僕は今までのゲーミングイベントにない何かを感じました。自分のいままでのキャリアを全部突っ込んでもいい、と思えるくらいに手応えのあるプロジェクトだと思っています。

――「Red Bull 5G」は去年から開催されましたが、振り返ってみてどうですか?

松井氏:去年はがむしゃらに走った感があります。レッドブルのスタッフの皆さん、選手、ゲームメーカーさんも共通したゴールのイメージがなかったんですね。「かっこいい東西対抗ゲームトーナメントをやろう」という漠然としたものはあるんですけど、初めてのイベントは実際にどんな風になるんだろう……とすごくふわっとしてて。

 僕自身、オフライン予選が終わって、FINALSの図面が上がってきた時にやっとゴールが見えた感じなんですね。それが11月くらいで。だから、それまでは僕としてベストと思うことをとにかくがむしゃらにやり続けていました。

 そして、迎えた「Red Bull 5G 2012 FINALS」では誰も見たことのない空間を作りあげることができて、しかもそこで選手達が見せてくれた試合はどのジャンルも一生の記憶に残る素晴らしい試合でした。一般的にe-Sportsと呼ばれている、「Counter-Strike」や「StarCraft II」じゃないタイトルをファイナルの最終試合にもってきても、誰もが納得する、激戦も含めて素晴らしくハマった大会だったなと思いますね。

(八橋亜機)