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3年目のゲーム大会「RED BULL 5G 2014 Finals」が今年も開催!

「みんゴル」など3タイトルが新たに参戦。人を惹きつける大会の魅力をレポート

12月21日 開催

場所:AKIBA SQUARE

入場料:1,500円(レッドブル1本、マフラータオル付き)

 レッドブル・ジャパンが主催するゲーム大会イベント「RED BULL 5G 2014 Finals」が12月21日にAKIBA SQUAREで開催された。

 「Red Bull 5G」は、日本のゲーミングシーンに“翼を授ける”ことを目的にレッドブル・ジャパンが主催する東西対抗のゲーミングイベント。東西の2チームにわかれ、5ジャンルで勝負を行ない、先に3ジャンルで勝利したチームが総合優勝となる。勝利チームには優勝賞品として「2015年F1日本グランプリ観戦ツアー(或いはそれ相当の賞品)」とレッドブル1年分が贈られる。

 2012年に初めて開催され、今年で3回目の開催。2012年に「Red Bull 5G」が誕生し、進化したのが2013年大会であるとすれば、2014年大会は“変化”があった大会と言える。

 何が変化したのか、そして多くのの観客を惹きつける魅力はどこにあるのか。今回の大会を通じて感じたことをレポートしたい。

2014年は「FPS」ジャンルが消滅! 大会の方向に変化あり

「FPS」と入れ替わる形で「PUZZLE」ジャンルが新たに追加された

 2012年、2013年は「RACING」、「FPS」、「SPORTS」、「FIGHTING」、「FREE GENRE」という5つのジャンルで大会が行なわれた。1年目と2年目で基本的な部分に変更はなかったが、今回はいくつかの点が変更された。

 まず「FPS」が無くなり、「PUZZLE」が追加された。2012年、2013年の大会では「FREE GENRE」で「ぷよぷよ!!」シリーズが採用されてきたが、今回は「PUZZLE」ジャンルという新たなジャンルで「ぷよぷよテトリス」が種目として採用された。

 代わりに「FREE GENRE」に採用されたのが「バイキングぽいぽい!!」だ。フィールドに出現するオブジェクトを相手に投げつけて倒すというシンプルなゲームルールで、ガチなゲームというよりはカジュアルなお祭りゲームという印象だ。

 また「SPORTS」もこれまではサッカーゲームの「FIFA」シリーズが採用されてきたが、今回はなんとゴルフゲーム「みんなのGOLF 6」が採用されて、サッカーからゴルフへと大きな転換があった。

 今世界でe-Sportsと言えば「League of Legends」、「Dota 2」といったMOBA、「StarCraft II」といったRTS、そして「Counter-Strike: Global Offensive」といったFPSがメインストリームなのだが、そこに「ぷよぷよテトリス」、「バイキングぽいぽい!!」、「みんなのGOLF 6」を採用するということで、世界的に見ても新しいチャレンジとなっている。

 最初は「そんなタイトルで競技として成り立つのか?」という疑問はあった。しかし実際に試合を見てみるとそんな不安を吹き飛ばすものであり、どのゲームもプレーヤースキルが反映される立派な競技となっていた。

 「ぷよぷよテトリス」では、2対2のチーム戦ルールが採用され、「ぷよぷよ」1人、「テトリス」1人でダブルスを組む。テトリミノやぷよを消すと、相手のフィールドにお邪魔ぷよやテトリミノが出現する。

 トッププレーヤー同士の戦いとなると、「テトリス」の方が攻撃が早く、「ぷよぷよ」は遅いが大連鎖で大きな攻撃を行なうという展開が多かった。「テトリス」の攻撃を受け流し、「ぷよぷよ」同士の戦いになるとどちらが先に連鎖を仕掛けるか、カウンターを返せるかが見所になる。

 また2人の息を上手くあわせて「テトリス」と「ぷよぷよ」で一斉攻撃を行なって、相手に反撃の隙を与えずに沈めるというシーンもあり、怒涛の攻めで一瞬で勝負を決めた時などは観客からも大きな歓声があがった。

 「バイキングぽいぽい!!」は、オブジェクトを拾って敵に投げつけるというシンプルなルールだが、ダッシュを駆使することで飛んできたオブジェクトを咄嗟に避けることが可能だ。敵がどちらにダッシュするかを先読みしてオブジェクトを投げたり、オブジェクトが飛んできた時に避けられるような立ち回りなど、読み合い、刺し合いが熱い試合展開だった。

 「みんなのGOLF 6」では風を読み、向きを決め、フィールドの傾きを読み、障害物をどう避けるかなどを考えた上で、ミスしないように正確なショットを打つという、反射神経だけではない冷静な読みとスキルが要求される。

 だがこれらのピースがかっちりとハマるとスーパープレイが生まれ、中距離から一気にグリーンにボールを乗せ、そのままバックスピンでカップに沈めるという鮮やかなプレーもあり、こちらも盛り上がりを見せた。

 あえてコアなゲーム大会らしくないタイトルを取り上げつつ、立派な試合として成立させることで、「ゲーム大会の面白さ」を伝えていくのが「Red Bull 5G」の今後の大きな役目になっていくのかもしれない。

【ぷよぷよテトリス】
「ぷよぷよ」と「テトリス」がタッグを組んで戦うパズル界のドリームマッチ
左から西代表のKamestry選手、せーは選手、東代表のHBM選手、Selva選手

【バイキングぽいぽい!!】
オブジェクトをどうぶつけるか、どう避けるかの駆け引きが熱いゲームだ
左から西代表のKatayumi選手、Falqon選手、東代表のPoigaman選手、バイキー選手

【みんなのGOLF 6】
風を読み、地形を読みという頭脳を使う要素と、正確な力でショットを打つスキルが求められる種目
西代表の斬鉄剣選手と、東代表のVAN選手

【グランツーリスモ6】
レッドブルの名を冠した「レッドブル・リンク」を使って行なわれた。緊張のせいかミスが多かったが、安定した走りを見せたねぎ選手が勝利を勝ち取った
左から西代表アユム選手、ねぎ選手、東代表カルソニック選手、ほんだ選手

【ウルトラストリートファイターIV】
「狂オシキ鬼」を使う西代表のひかりん選手と、「ジュリ」使いのaiai選手のバトル。アグレッシブなスタイルでせめて言ったひかりん選手がaiai選手を追い詰める展開。ひかりん選手の3本先取となった
左から西日本代表のひかりん選手、東日本代表のaiai選手

トッププレーヤーのストーリーを知ることで、大会はさらに面白くなる!

DJ HANGER氏によるDJプレイ。会場のテンションを大きく上げた
円形のステージを観客が囲んで観戦するというスタイルも熱い

 多くのゲーミングイベントは、そのゲームのファンがそのゲームの試合を見るためだけに会場を訪れるため、表現は悪いが“内輪向け”のイベントになりがちだ。

 しかし「Red Bull 5G」の場合は、5種目の勝負であったり、会場を盛り上げるDJがいたり、東西対抗のチーム戦というルールだったりと、従来のゲーミングイベントとは趣向が異なっている。

 そしてこれらの要素が組み合わさった舞台をレッドブルがショウアップし、その舞台でトッププレーヤー達が魂を込めて最高のプレイを魅せ、そこで選手たちのストーリーが描かれることで、「Red Bull 5G」らしい“カッコ良さ”が生まれている。

 特に印象的だったのは「みんなのGOLF 6」の西日本代表として参加した斬鉄剣選手。事前のインタビューで「40代のじじいでも戦えるということを証明したいと思います」とコメントしている通り、ファイナリスト最年長の43歳だった。その言葉を裏付けるように、ミスにも動じず冷静なプレイを見せ、見事勝利を飾った。

 また「Red Bull 5G」に「ぷよぷよ!!」代表選手として2年連続で出場したものの、優勝を逃してきたKamestry選手はテトリスのトッププレーヤー、せーは選手とタッグを組んで見事に「ぷよぷよテトリス」で勝利の座を勝ち取った。

 他にも2012年「SPORTS」ジャンルの勝者POIGAMAN選手(2012年大会の選手名はjengaman)と、2013年「SPORTS」ジャンルの勝者VIKEY選手(2013年大会の選手名はマイキー)がタッグを組んだ「SVB」が「バイキングぽいぽい!!」で勝利したりと、過去のエピソードを知っているとさらに面白くなるストーリーが生まれた。

 筆者はゲーム大会、e-Sportsの大会が好きでウォッチしているが、どこでも言われるのが「日本では流行らない」という言葉だった。だが「Red Bull 5G」を見ていると「そんな事はないんじゃないか」と思う。

 単純にトッププレーヤー達の試合は見るだけでも面白いし、どんな選手にも、どんな試合にもあるストーリーを知ることでもっと面白くなる。実際に会場にいて感じたのは、そこに素晴らしい演出が加われば、他のエンターテイメントに負けないくらい魅力的なイベントになるということだ。

 会場の様子を感じるために、今からでもインターネット放送を視聴して欲しいし、可能であれば次回会場を訪れてみて欲しい。「日本では流行らない」という雰囲気とは少し違う、熱いゲーミングシーンが垣間見えるはずだ。

(八橋亜機)