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Windowsタブレット「Surface Pro」で「DQX」を遊ぶ!
ゴロ寝スタイルから外でのプレイまで、自由に使えるナイスマシン!!
(2013/10/23 00:00)
- 【Surface Pro(128Gバイトモデル)】
- 価格:
- 8万9800円(128Gバイトモデル)
- 【Windows版「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」】
- 価格:
- 3,990円(パッケージ版/DL版、20日間無料利用券つき)
何を隠そう筆者「タブレット端末」が好きだ。数年前に初代iPadを購入して以来、生活は激変した。Webサイトを見たり、電子書籍で本を読んだり、メールをチェックしたり、Twitter等のSNSを見たり。そういった閲覧目的なら、PCよりもタブレットの方が圧倒的に楽なのだ。寝転がりながら見られるフリースタイルの魅力は何物にも代えがたい。ウェルカムぐうたら! である。
だが、そんなiOS/Android系のタブレットでも不便を感じることはやはりあって、そこに、「これは!」という製品が登場してきた。それが「Surface Pro」だ。日本マイクロソフトが発売した「Surface Pro」は、要するに“タブレット型のWindowsパソコン”。Windows 8を搭載し、タッチ操作で使うもよし、キーボードやマウスを繋げてノートパソコンにするもよし。Windowsのアプリケーションが普通に動き、PCゲームももちろんできる。
ちなみに東京ゲームショウ2013の取材のおり、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」のステージイベントでは、齊藤プロデューサーが「Surface Pro」でWindows版「DQX」のプレイを披露していた。それを見た筆者は、「おーさくさく動いてる。いいなあ……」なんて思っていたのだ。
そんな筆者に今回タイミングよく「『Surface Pro』で『DQX』をやってみませんか?」という話が舞い込んできた。渡りに船とばかりに承諾し、「Surface Pro」をお借りした次第だ。
さてさて、前置きが長くなったが、本稿ではそんな筆者が「Surface Pro」でどれぐらい快適に「DQX」を楽しめるのか? タブレットPCではどんな違いがあるのか? を試してみたので、“タブレットPCがある生活”の魅力をお伝えしていこう。
「Surface Pro」って何? 「DQX」は動くの? 「標準設定以上でバリバリ動くよ!」
そんなこんなで我が家に「Surface Pro」がやってきた。早速開封してみると、中箱を横に引き出すスリット型のオシャレな箱から、本体が登場した。マグネシウム合金の筐体に1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応10.6型ワイド液晶ディスプレイ(Corning Gorilla Grass採用)が搭載されていて、まさに“板状のWindowsパソコン”。手に取るとマグネシウム合金が剛性感たっぷりの感触になっていて、高級感がある。
筐体の大きさは27.5×17.3×1.4cm(横×縦×厚み)と、そこそこ大きめ。重量は約907gと、やはり軽量なモバイルノートPCぐらいにはあるのだが、それもそのはず。この筐体の中には「Core i5」のCPU、フルHD解像度(1,920×1,080)のディスプレイ、128GBまたは256GBのSSD、4GBのメモリ、約4時間動作するバッテリーなどがギッチリ詰まっている。それを考えるとむしろ全体的なサイズはコンパクトに仕上がっていると思える。
端子やポート類のいわゆるインターフェイスもしっかりしている。USB 3.0、Mini DisplayPort、microSDXCメモリカードスロット、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、720p HD LifeCam(前面+背面)、マイク、ヘッドフォン用ステレオミニジャックを搭載。USBなりBluetoothなりで、キーボードやマウス、ゲームパッド等もWindows用のものをそのまま使えるのが大きなメリットだ。詳しいスペックについては下に表を掲載するので、そちらをご確認頂きたい。
「Surface Pro」 | |
---|---|
OS | Windows 8 Pro(64ビット版) |
画面サイズ | 10.6型ワイド |
画面のアスペクト比 | 16:9 |
ディスプレイ解像度 | 1,920×1,080ドット |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4000 |
CPU | Core i5-3317U (1.7GHz/最大2.6GHz) |
タッチパネル | 10点マルチタッチ対応 |
ペン入力 | 筆圧検知対応(1024段階) |
メモリ | 4Gバイト |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0 |
インタフェース | USB 3.0、Mini DisplayPort出力、ヘッドフォン出力 |
カードスロット | microSDXCカードスロット |
センサー | 環境光センサー、加速度センサー、 ジャイロスコープ、デジタルコンパス |
カメラ | 前面:720p、背面:720p |
ストレージ | 128GB/256GB |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約275×173×14mm |
重量(実測値) | 907グラム |
バッテリー動作時間 | 約4時間 |
Office | Office Home and Business 2013 |
価格 | 89,800円(128GBモデル)/109,800円(256GBモデル) |
最初のセットアップを終えた後にいろいろ触ってみる。起動はさすがSSDというところで、電源オフ状態から約7秒でスタート画面へ。起動後に電源ボタンを押してスリープ状態にしてからの復帰なら約2秒程度だ。使いたくなったらスッと手にとってポチッと電源オン、すぐに使用開始というタブレット端末の利点をきちんと実現している。
細かいところだが、側面に音量のボリュームスイッチがあるのも、やはりタブレットスタイルで使う上では嬉しい存在だ。また、ACアダプターもコンパクトで、コネクタは棒状の独特の形状をしており、本体の端子にマグネットで吸い付くようになっている。スタイリッシュな外見で使い勝手も良い。
今回はオプションのタッチセンサーキーボードカバー「Touch Cover」もお借りした。ディスプレイカバー兼キーボードとタッチパッドというもので、これを組み合わせればまさにノートパソコンスタイルになるというものだ。着脱は電源端子同様にマグネットになっていて楽々。
「『Touch Cover』は必須?」というのを考えると、Surface Pro単体でタッチ操作とソフトウェアキーボードでマウス・キーボード操作を使えるし、今回のテーマである「DQX」を遊ぶのなら、ゲームパッドとソフトウェアキーボードによる本体のみでのプレイもできなくはない。とは言っても、やはり物理キーボードとタッチパッドがあるのは便利なのであったほうがいい。「Touch Cover」でなくとも、こちらの記事にある「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」なども相性がいいようだ。もちろん普通にPC用のUSBキーボード・マウスも利用できる。
さて、いよいよ今回のテーマであるWindows版「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」のインストールだ。ここで注意したいのは、Surface Proにはディスクドライブはないので、パッケージ版なら外付けのUSBドライブなりネットワークからの共有ドライブなりが必要になる。スクウェア・エニックス e-STORE等からダウンロード版を購入するのも手っ取り早い。無料体験版もあるので、まずはそれで試してから製品版に移行するのも手だ。
繰り返し書いてきたようにSurface Pro自体はタブレット型なだけでWindowsパソコンなので、インストールもなんの問題もない。主にインストール作業は「Touch Cover」はつけずにタッチ操作で行なったが、特に問題もなくスムーズに操作できた。
続いては環境設定。どれぐらいのグラフィックス設定で動かせるのか。ここが今回のひとつのポイントだろう。まずは「DQX」のベンチマークソフトをダウンロードし、これでスコアを確認してみた。なお、キャプチャとフレームレートの確認をするためにキャプチャツール「Dxtory」を同時に動かしている。
まず、解像度「1,920×1,080」、グラフィックス設定「最高品質」、表示方法「フルスクリーン」と、いわゆる最高設定で動かしてみたが、さすがに重い。フレームレートは10fps前後というところで、スコアは1,120。これでは実際のプレイは厳しいところだ。
次に、解像度「1,280×720」、グラフィックス設定「最高品質」、表示方法「フルスクリーン」では、フレームレートはほとんどの場面では30~40fpsで、重い場面では15fps程度に落ちるところもあったものの、ほぼ及第点。スコアは2828でやや重い判定だった。
さらにもう1段階落として、解像度「1,280×720」、グラフィックス設定「標準品質」、表示方法「フルスクリーン」でテスト。フレームレートは35~45fpsでほとんど動作し、重い場面でも20fps程だった。スコアは3,464、判定は「普通」となった。これなら実際のプレイでも問題ないだろう。
続いて、実際のオンラインプレイでフレームレートを見つつ判断していった。Windows版の魅力と言える1,920×1,080のいわゆるフルHDでプレイしたかったが、標準画質でもフレームレートは10以下~15程度となり、快適なプレイは厳しい。やはり解像度は1,280×720、グラフィックス設定は標準画質がバランスがいい。ただ、もう1歩踏み込んで、エフェクトの設定にある「被写界深度と光が溢れ出す表現を有効にする」と、「ぼんやりした光の表現を有効にする」にはチェックを入れてみた。この2つのエフェクトをONにすると、画面の印象はだいぶ変わり、特にダンジョン内の光の表現がリッチになる。これでもだいたい常時40fpsは出るので、バランスも良好だ。
ノートPC風のフル装備でのプレイから、ベッドサイドでのゴロ寝プレイまで! フリースタイルで使ってみた
クライアントの設定も落ち着いたところで、いよいよ本格プレイに向けて操作関係を整えていく。自宅ではゲームパッドと「Touch Cover」を組み合わせたフル環境でのプレイだ。ゲームパッドはPC用の定番「Xbox 360 コントローラー (有線)」を使用した。さすが定番というところで、ゲーム内のボタン表示もきちんとボタン名(Aボタンなど)になってくれるのでわかりやすい。他のコントローラーでは表示はボタン番号(1ボタンなど)になる。「Touch Cover」でチャットも快適。ノートパソコン的なスタイルだ。
ワイヤレスのゲームパッドでより快適にプレイはできないものかと、筆者がスマートフォン等で使用しているiPega「Bluetoothゲームコントローラー PG-9017」も試してみた。Surface Proとペアリングさせ、「DQX」のコンフィグでキーアサインを設定。こちらも問題なくプレイに使用できた。ちなみにこのゲームパッドはスマートフォン向けにしては珍しく、2個のアナログスティック(スライド式)も備えているので、移動やカメラ操作もできる。
一方でゲームパッドを使わず、「Touch Cover」だけでのキーボードオンリープレイでもプレイはできる。W/A/S/Dキーで移動、カーソルキーでカメラ操作をしてのプレイだ。外に持ち出してのプレイではこれが一般的だろうか。
基本的なノートPCスタイルでのプレイを楽しんだ後は、よりフリーなスタイルでの使い方を試していった。ここからがSurface Proの真骨頂だ。
まずは「Touch Cover」を使わず、Surface Pro単体とゲームパッドでのプレイ。こちらもできなくはない。ゲームプレイのほとんどはゲームパッドしか使わないので問題ないとして、チャットなどの文字入力はソフトウェアキーボードで行なう。Surface Proはタスクバーのキーボードアイコンをタッチすればいつでもソフトウェアキーボードを呼び出せる。ログイン時のパスワード入力もソフトウェアキーボードで行なえる。
ただし、ソフトウェアキーボードは横置きなら画面の下半分を、縦置きでも画面の3分の1ぐらいを覆ってしまう。解像度設定によっては「DQX」のウィンドウも隠れてしまい、横置きでは入力中のテキストが確認できないのがネックになる。そこでSurface Proを縦置きにし、「DQX」は解像度1,024×768のウィンドウ表示に(Windows版「DQX」は縦置き時には解像度設定が「640×480」、「800×600」、「1,024×768」の3つになる)。そうして、ディスプレイの上に「DQX」のウィンドウを、下にソフトウェアキーボードを表示してみた。これで、ゲーム画面を隠さずにソフトウェアキーボードでチャットしつつ、ゲームパッドでプレイというわけだ。
Surface Proは背面にあるスタンド「Kickstand」があるが、横置き専用なので、縦置き状態では別途スタンドなり、立てかけられる場所が必要になるのが少々ネック。筆者の場合は、他のタブレット用のスタンドを使っている。膝上にSurface Proを置いてプレイというのもできなくはないが、「DQX」など負荷のかかる3Dゲームを動かすとSurface Proの背面が結構熱くなるので、そこはご注意頂きたい。
チャットはせずに黙々とソロプレイをする、という時なら横置きフルスクリーンでプレイするのもありだ。筆者の場合、ベッドの枕脇に置いて、横に寝ながらゲームパッドでプレイという、最高のぐうたらスタイルでプレイを楽しんでいる。従来のノートパソコンでも筐体を限界まで開けばできなくはないが、Surface Pro単体のほうがすっきり置ける。
外でスマートフォンからのテザリングでオンラインプレイ! タッチ操作のみでのプレイはもう1歩進化に期待
自宅内でフリースタイルな使い方を楽しんだ後は、外での活用方法だ。インターネット通信は「iPhone5(Softbank契約)」からテザリングさせて行なった。電波状況や場所によるが、都内では喫茶店や駅構内でもダウンロード5M弱、アップロード6M弱ほどは速度が出ていてレスポンスも良好だ。パーティープレイをせず、クエストを進めたり、バザーをチェックするぐらいなら特に問題なく行なえる。
バッテリーでの動作時間は、電源設定の「バランス」で「DQX」のオンラインプレイを行なうと、約1時間40分でバッテリー残量が10%ほどになり、スリープに入る。もう少し長く駆動してくれないものかと「省電力」設定でディスプレイの明るさも最低にすると、4時間13分でスリープに入った。ディスプレイの明るさをもう少し上げると、大体3時間は動作するというところだ。内蔵バッテリーでこれだけプレイできるのなら、充分といった印象だ。
外での問題は「操作をどうするのか」だろう。外でも「Touch Cover」を広げたノートパソコンスタイルで使えるのなら、それは問題なくプレイできるし、ゲームパッドを使える状況なら、上に書いた縦持ちプレイでソフトウェアキーボード使用でいける。だが、そのどちらも厳しい時には工夫が必要だ。すなわち、Surface Pro単体のみで「Touch Cover」もゲームパッドも使わないプレイだ。
こちらのスタイルでは「ソフトウェアキーボードのW/A/S/Dキーで移動すればいいのでは?」と最初は思ったものの、ソフトウェアキーボードは、例えばWASDを押しっぱなしにしても1入力にしかならない。移動できず、キャラがぴくっと動くだけだった。カーソルキーは押しっぱなしが使えるのだが、ソフトウェアキーボードのカーソルキーは左右のみで、上下がない……。
そこで、「DQX」のコンフィグから、マウスの設定で、タッチ操作の左クリックを移動に割り当てた。これで、ディスプレイをダブルタッチすると、前方向へキャラクターが移動してくれる。また、タッチホールドでの右クリックにカメラ操作を割り当てた。これで、ぎこちないながらも移動と視点の操作はできる。カーソルキーの左右はキャラクターの左右移動に割り当てると移動の補助的に使える。
決定はエンターキー、キャンセルにはデフォルトで割り当てられているEscキーがソフトウェアキーボードにないので、BackSpaceキーにも割り当てた。コマンド選択のためのカーソルキーは、W/A/S/Dキーに割り当てた。これでなんとか、移動とNPCキャラクターとの会話は行なえる。バザーのチェックぐらいならなんとかSurface Pro単体で行なえる。
とは言っても、正直に言うと、Surface Pro単体でのタッチ操作だけプレイは難しい。最低限、カバーキーボードを併用したい。ここはひとつ、Windows版「DQX」に、タッチオンリー操作の設定追加を期待したいところだ。
Windowsタブレットだから制限なしに何でもできる! WIN版「DQX」用としてもオススメ
タブレット端末大好きな筆者がSurface Proでの「DQX」プレイに挑んでみたのだが、このサイズのマシンでフルのWindows機であり、「DQX」も充分に動かせる。内蔵バッテリーでも設定次第で、2~4時間は動作する。なんと言っても魅力は、フリースタイルに使えるところで、自宅でも外でも楽々活用できる。
ゲームプレイ以外でももちろん活躍する。Surface Pro単体を持って横になり、Web閲覧や動画サイトを見たり、なにかWindowsアプリケーションを動かすのも制限なく行なえる。Windowsでできることは全て問題なくできるところは、他のタブレットにはないWindowsタブレットならではの強みだろう。
このSurface Pro、Windows版「DQX」をプレイするためのマシンの1つの選択肢に加えてみてはいかがだろうか?
【追記】日本でもSurface 2が発売されることが決まった。性能を引き上げつつバッテリ駆動時間が延びているほか、上位モデルはメモリとストレージ容量を倍増させたものが用意される。「DQX」もより軽く動くようになることだろう。期待したい。
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