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PS3「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST」「一遊入魂」ステージ

AC版に登場する「ガンダムエピオン」を実機先行プレイ!

小菅氏と大久保氏が登壇
9月21日 開催

実機プレイは福崎氏が担当した

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアブースにて、プレイステーションフォーマットゲームの実機プレイなどをお披露目するステージ「一遊入魂」が行なわれているが、9月21日、バンダイナムコゲームスのPS3「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST」(EXVS.FB)のステージが行なわれた。

 その直前に東京ゲームショウメインイベントステージで行なわれたイベントに続き、バンダイナムコゲームスの小菅プロデューサー、そしてバンダイナムコスタジオの大久保制作プロデューサーが登壇した。

 この「一遊入魂」ステージは、アーケード版の次のバージョンアップにて投入される「ガンダムエピオン」を、PS3版で先に実機お披露目という、AC版譲りの作りこみを誇る「EXVS」らしい趣向で展開した。実機プレイは本作のディレクターである福崎氏が担当。アーケードスティック「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST Arcade Stick for PlayStation 3」でプレイした。

 「ガンダムエピオン」はコスト3,000。画面右に武装・弾数ゲージが表示されていないことからおわかりいただけるように近接攻撃しか持っておらず、射撃兵器はない。メイン射撃はホーミングダッシュ、通常格闘はビームソード、サブ射撃はヒートロッド 打ち上げ、↑サブ射撃がヒートロッド 叩きつけ、←→サブ射撃でヒートロッド 横薙ぎ、特殊射撃でビームソード【出力切替】、特殊格闘は特殊移動、そしてバーストアタックはビームソード【最大出力】と、本当に射撃兵器のない尖った性能となっている。

 なぜこのコマンドがわかったかというと、PS3版にはコマンドリストが表示されるようになっているため。メイン射撃のホーミングダッシュを使ってブーストゲージを節約しつつ相手に接近し、ヒットすればどんどん攻撃がつながるという格闘武装の使いこなしがポイントとなる機体のようだ。

 なお、TGS試遊版では「ニュータイプコース」をプレイしていると、この機体が敵として登場する。

小菅プロデューサー、大久保制作プロデューサー、福崎ディレクターにミニインタビュー!

 ステージを無事終えられた小菅プロデューサー、大久保制作プロデューサー、福崎ディレクターに、短い時間だがお話を伺える機会を得られたので、ここからはミニインタビューの形式でお伝えする。

――今回、「EXVS.FB」の家庭用で1番こだわっているところはどのあたりにありますか?

福崎氏:1番こだわっているところはやはり「完全移植」ですね。今アーケードで稼働している最新作を、PS3でそのまま楽しめる。その上で、前作の家庭用「EXVS」に対して届いたユーザーさんの要望や開発側で「もっとこうしたほうがいい」と思っていたことなどを徹底的にチューニングしています。

大久保氏:ネットワーク対戦/協力まわりに、それが1番表われているかと。そういった部分を改善したものを、パッケージとして提供するということですね。

小菅氏:PS3版でオンラインプレイを楽しみにしている方には、重要なポイントですので本日の主催者ステージでも、決してステージ映えはしないのですが、あえて時間をとってきちんと説明させていただきました。

福崎氏:前作のPS3版「EXVS」の開発中はオンライン対戦に関して、どれぐらいの人数と頻度で遊んでくれるのか、予想するしかなく、開発も手探りな部分もありました。発売後はおかげさまで、アーケード版「EXVS.FB」が稼動しても、前作PS3版のオンラインにはまだ人がいっぱいる状況でした。「これなら(今作も)たくさん遊んでもらえる」というのが前提となるので、それならプレイ環境を整えられるように徹底的に調整しよう、というところからPS3版「EXVS.FB」の開発はスタートしてますね。

――「鉄拳」シリーズなど、御社のタイトルでもPS3でオンライン対戦を実現しているものがありますが、ネットワーク環境がある程度固定されている業務用と、ユーザーによって様々な環境になるPlayStation Networkでの通信対戦を安定させるのは難しいな、と思うんですが?

福崎氏:ネットワークの環境がユーザーさんによってまちまちなので、すべての人を1つにまとめて、ちゃんといい対戦ができる、という環境を作るのはやはり困難ですね。前作では回線状況の良い人、良くない人が混ざることでお互いに不満があったと思うので。業務用の場合だと環境がある程度固定されているので基本問題は起こりにくいですが、そこが家庭用の場合は異なってくる、ということがあって。今回、ゲーム中の設定項目では「制限」という言葉を使っていますが、どちらかというと“ゾーニング”なんですよね。回線条件の近しい人同士で集まれる。回線条件で集まることもできるという前作になかったオンラインプレイ時の要素を実装できたのは大きいと思っています。

 あとは、格闘ゲームと違って、「ガンダムVS.」シリーズは、ゲーム性自体がフレームを競うゲームでないので、そこに関してはネットワーク対戦はまだやりやすいほうかな、と。

大久保氏:それでも、チューニングはカツカツにしていますけどね。

福崎氏:カツカツですねえ(一同笑)。

――バッファをある程度持たせるにしても、4人同時対戦があるわけですし、それはそれでシビアになっていると思いますが。

大久保氏:格闘ゲームのように、1フレーム遅れるとジャブが当たらない、というほどはきつくはなくて、いろいろと設計上マージンを持たせてありますので。

福崎氏:通信ラグがいわゆる閾値(いきち=境目となる値)を越えたときに、ゲームになる、ならないといったラインがあると思うんですが、それが一般的な格闘ゲームよりは幅が広いと思います。

小菅氏:そんな中、今回はオンライン対戦にバトルBGMのカスタムサントラ機能が対応しています。

――ステージで発表されていましたね。あれもすごいです。

大久保氏:やはり負荷がかかる部分ではあるんですよ。ただ、その負荷の部分とネットワークのチューニングの部分で、できるだけユーザーさんの対戦環境での不都合の出ない範囲でなんとか“いける”という部分を探って今回、実装に向けて動いた、という感じですね。

――「EXVS.FB」のアーケード版と並走する形で開発が進行していると思いますが、PS3版の仕様は最終的にどうなるんでしょうか?

小菅氏:PS3版はプレイアブル機体をはじめとした、アーケード版の最終形をお届けしたいと思っています。

――今回、対CPUの協力プレイが導入されていますが、これはアーケード版でいうところの横並びでの協力プレイに近い感覚のものを、ネットワーク越しにやるというイメージですか?

大久保氏:はい。マッチングの関係もありまして、そのままの形でというわけではないんですが。

――前作のPS3版にはなかったものですが、これもユーザーさんの意見によるものですか?

大久保氏:家庭用ですから対戦でがっつり遊ぶユーザーさんばかりではなくて、難易度の高いコースを自力でクリアするのはちょっと厳しい、という方もいらっしゃいます。であれば、友人などと協力して遊びたい、というニーズも結構あったんですよ。

小菅氏:協力プレイの情報を出した後、ユーザーさんの反応としては、喜んでいただけているのかなという感触を受けていますね。

――「ボスラッシュコース」は協力プレイならではだな、と感じるのですが、対戦ばかりではない、というユーザーさんも結構いらっしゃる感触ですか?

小菅氏:家庭用でしか遊ばないというユーザーさんも多くいらっしゃいます。遊ぶ時間や、対人戦は苦手だけど、CPU相手に誰かと一緒に2 ON 2バトルの醍醐味は味わいたい、という方も多くいらっしゃいますので、そういった方にはとても楽しんでいただけると思います。

――「一遊入魂」ステージではニュータイプコースに新機体となる「ガンダムエピオン」が敵として出現すると言う話が出ていましたが、TGS試遊版でここを見て欲しい、というところが他にありましたら教えていただけますか?

福浦氏:そうですね。実は難易度の低い一般兵コースの3戦目に「Ξガンダム」が出てくるのですが、原作にあった、あのマフティーの演説がフルボイスで全部流れます。

小菅氏:スタート直後からずっとしゃべり続けています。TGS会場では音の環境的に厳しいので聞こえづらいかもしれませんが、ニュータイプコースに挑みづらいという人が、こちらのコースをプレイされている際、気付いてもらっていれば嬉しいです。

――そんな仕様が盛り込まれていたんですね。ありがとうございました。

【9月22日追記】ミニインタビューを追記しました。

(佐伯憲司)