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【E3 2013】PS4注目のレース「Driveclub」はF2Pでコミュニティ連動要素に注力!

プリアルファ版で見えてきた“クラブ”システム。ライバルを越える走りを見せつけろ

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

実機で試遊できた「Driveclub」コーナー

 2月に開催されたプレイステーション 4発表会にて、フォトリアルな映像で見る者を驚かせたレースゲーム「Driveclub」。本作はPS4のローンチタイトルとして急ピッチの開発が進められており、今回、E3 2013の会場では“開発度35%”というプリアルファバージョンがプレイアブル出展されていた。

 本作を開発するEvolution Studiosはレースゲーム開発の老舗のひとつで、PS2時代に「WRC 世界ラリー選手権」シリーズ、PS3時代には「MotorStorm」シリーズを手がけてきている。長年の蓄積があるスタジオであるだけに、今回の「Driveclub」も手応えのあるレースゲームに仕上がっている模様だ。

ライバルを越える走りでポイントを獲得。コミュニティが作る“クラブ”に貢献しよう

ブース内ではコミュニティ機能と連動したゲームプレイを確かめることができた
各コーナーに設定されたチャレンジ区間でライバルとのスコア対決ができる
平均速度、ドリフト、コーナリングの3項目でFAME(名声)ポイントを獲得

 本作はフルバージョンのパッケージ版のほかオンライン配信を予定しており、PS4の有料オンラインサービス「PlayStation Plus」のユーザーには基本要素を組み込んだバージョン「Driveclub PS Plus Edition」が無料配信。いわゆるF2P(Free to Play)のサービス展開が予定されている。それだけ多數のプレーヤーが参戦する見込みがあるなか、本作ではコミュニティ連動型のレース機能が見どころのひとつとなっている。

 SCEAの巨大ブース内に設けられた本作の試遊ゾーンには8台の試遊機が並べられており、実際のプレイを楽しむことができた。興味深いのは、出展されていたのが単なるマルチプレイヤーモードではなく、ひとりでプレイしながらも他のプレーヤーとテクニックを競えるユニークな形式となっていたことだ。

 ゲーム開始時にはPlayStation Eyeを使って顔写真をパシャリ。これが自分のプロフィールとなり、レースは基本的に1人で出走するのだが、コース上には成績の近い他のプレーヤーのゴーストカーが登場して、いわば非同期対戦が展開する。

 高速・低速の各コーナーは色分けでゾーニングされており、それぞれ「平均速度」、「ドリフト」、「コーナリング」のテクニックが評価される。それぞれのゾーンに突入するたび、ライバルの成績が表示され、それを上回る走りを披露できれば高ポイント獲得という流れでバトルが進行していく仕組みだ。たとえ総合タイムで負けていても、ドリテクなら負けないぜ!という遊び方ができるというわけである。

 自分のペースで遊べる内容ながら、要所でフレンドとのマッチアップができるという面白い仕組みになっており、ドライビングテクニックの磨きがいが有りそうだ。さらに、自分の走りで獲得されたFAME(名声)ポイントは、所属する“クラブ”にも累計される。これを通じて、コミュニティが作る集団同士でのライバル対決も同時展開。ぜひフレンドと一緒にクラブを作り、世界中のライバルと競いあいながら楽しみたい。

【DRIVECLUB - E3 Trailer (PS4) | E3 2013】

気になるドライビングモデルはパッド操作も可能なレベルながらシム系の香りも漂う

これぞ!というスーパースポーツカーが登場
映像面では特に車中視点のリアル感が凄い
オーバースピードで突っ込むと簡単にスピン&クラッシュ。しっかりとした操作が必要

 実際にプレイしてまず目を楽しませてくれるのはフォトリアル感たっぷりの映像。特にドライバー視点で見る車内の様子は細部まで作りこまれておりこれまでにないクオリティを感じさせる。

 操作面では、今回出展されたバージョンではDualShock 4のアナログスティック、もしくはジャイロセンサーを使った傾け操作でのドライビングが可能だった。車種は「AUDI R8 V10 PLUS」、「MP4-12C」、「PAGANI HUAYRA」、「Hennessey VenomGT」の4種が使用できた。前者2つはMEDIUM難易度、後者2つはHARD難易度という区分けで、やはり高性能車はそう簡単に扱えないバランスだ。

 そして気になるドライビングモデル。今回用意されたものはパッド操作を前提としていたためアーケード風のカジュアルさが感じられたが、どうもそれだけではないようだ。

 やや地面が盛り上がる形になった高速コーナーなどでは前輪のトラクションが浅くなりオーバーステアになりやすく、車体が跳ねて深く沈み込んだ瞬間に大きなステアリング操作を行なえば、予想以上のトラクションにてギュルッと車体がオーバーステア挙動を見せるなど、シム系の香りがする挙動を確認することができた。

 ブース内で話をきいたところ、本作ではPS4の性能を生かし詳細なタイヤシミュレーションも行なえるエンジンになっているとのことで、コアなレースゲームファンにはリアル感溢れるドライビング体験を約束してくれた。また、ブース内のデモではフレームレートがやや不安定だったが、製品版では60fps動作を実現するという。

 また、将来的にはPlayStation Eyeを使ったヘッドトラッキングや、各種ステアリングコントローラーにも対応していきたいという。なにぶんまだ開発度35%という段階だったためわからないことも多かったが、カジュアルなプレーヤーからレースシムのコアファンまで幅広く満足させることに対して、開発チームとしてはかなりのこだわりを抱いているようだった。

 当初の収録を予定している車種は20程度と少なめだが、そのぶん車内構造も含めて非常にディティール感たっぷりの作りこみが行なわれる。また、ローンチ後には追加車両が有料配信される見込み。ゲームシステム的にはオープンワールドのシステムは採用せず、各国の公道をモチーフとした周回型コースを多数用意するとしている。

 こういったスペック面からすると、当初は意外と小粒なスケールで展開しつつ、次第にその内容を拡大していくような、オンラインゲームらしい展開が見られそうである。フリーミアムのビジネスモデルを採用することで、PS4定番のレースゲームとして人気を集めることになりそうだ。

PS4の性能を生かしフォトリアルな映像でドライビングを楽しめる1本。「Drive Club PS Plus Edition」はF2Pモデルを採用し、幅広い層に楽しまれる作品になるはずだ

(佐藤カフジ)