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SCET、「Taipei Game Show 2013」に先駆けて記者発表会を開催

PS Vitaの新色「冰雪銀」や、「One Piece 海賊無双 2」など14本もの中文版タイトルを発表

2013年1月30日開催

南港展覧館

 ソニー・コンピュータエンタテインメントのアジア部門Sony Computer Entertainment Asia(SCE Asia)傘下のSCET(Taiwan)は1月30日、翌1月31日より台湾台北市にて開催されるゲームショウ「Taipei Game Show」に先駆けて記者発表会を開催した。発表会では、SCE Asiaの新総裁(プレジデント)に就任した織田博之氏と、SCETの総経理に就任した江口達雄氏の御披露目と、Taipei Game Show SCETブースでの目玉となるゲームハードの新色や、台湾メディアにとって関心の的となる中文タイトルの発表が行なわれた。

ゲームショウ前日に記者発表会を開催するのはSCETとしては初の試みとなる
SCE Asiaプレジデント織田博之氏
SCET総経理江口達雄氏
世界に先駆けて発表されたPS Vitaの新色「冰雪銀(アイスシルバー)」

 毎年Taipei Game Showで最大規模のブースを構えるSCE Asiaは、初日の朝にオープニングセレモニーに合わせて記者発表会を実施するのが通例だったが、昨年の8月にSCE Asiaで長年プレジデントを務めた安田哲彦氏が定年退職し、新プレジデントとして織田博之氏が就任したことから、今年は始めて前日に記者発表会が実施されることになった。

 SCE Asiaプレジデントの織田博之氏、SCET総経理の江口達雄氏共に親会社のソニー出身で、流ちょうな中国語で挨拶やプレゼンテーションを行ない、織田氏はSony China、江口氏はSony Taiwanの元トップということもあって、多くの台湾メディアとは既知の間柄のようで、時折冗談も交えながら発表会は終始和やかな雰囲気で進められた。新体制の御披露目としては上場の滑り出しとなった。

 記者発表会の発表内容としては、毎年恒例となっているゲームハードの新色の発表と、中文版タイトルの発表が中心だったが、かつてないボリュームで、昨年以上の勢いが感じられた。今年はMicrosoft Taiwanが出展を見送っており、ゲームコンソールは名実共にSCETの一強状態ということになりそうだ。

 まずゲームハードについては、プレイステーション 3の新色となる「石榴紅(ガーネットレッド)」と、「石青藍(アズライトブルー)」の2色。日本で発表されたばかりの新色だが、アジアでも展開される。しかも、日本が2月28日発売予定に対して、アジアでは春節直前の2月8日に先行発売し、春節前後の需要拡大に備える。内蔵HDDは500GBと、日本モデルの2倍の容量を備え、価格は8,880NTドル(約27,500円)。

 PS Vitaでは、日本未発表の新色「冰雪銀(アイスシルバー)」を発表した。雪景色をイメージした白銀カラーで、PS Vitaの青地のライトとの相性が抜群のカラーだ。2月28日発売予定で、価格は8,980NTドル(約27,800円)。台湾および香港で発売予定で、「アジアオリジナルモデルではない」とのことなので、今後日本でも発売されることが推測される。

 次にアジア限定タイトルとして、「MLB 13 THE SHOW」(PS3/PS Vita)も御披露目された。パッケージに台湾人メジャーリーガーの陳偉殷選手を採用し、3月5日発売予定。内容的には、英語版「MLB 13 THE SHOW」と同一となる。「MLB」シリーズでは、過去にもWBCに合わせて発売されたタイトルで、台湾代表チームとコラボレーションした経緯があり、新コラボとなる。

【PS3新カラー】
石榴紅(ガーネットレッド)
石青藍(アズライトブルー)

【PS Vita新カラー】

冰雪銀(アイスシルバー)

【MLB 13 THE SHOW】

発表会にはサードパーティーも招かれた。左からセガ ネットワークスの河井大輔氏、Namco Bandai Partners TaiwanのWilliam Wang氏、TECMO KOEI TAIWANのSammy Liu氏
江口氏は、今年のTaipei Game Showのブースデザインを説明。こうしたこともこれまでにはなかったことだ

 続いて発表されたのが、PS3およびPS Vita向けの中文版タイトル。正確にはPS3タイトルは中文繁体字にローカライズした中文版、PS Vitaは、英語と中文繁体字の両方のデータが入った中英文合版となる。その数は14タイトルにも及び、1度の発表では過去最多となる。ラインナップは以下の通り。


プレイステーション 3タイトル(中文版)

「みんなのGOLF 6」(SCE) 2013年発売予定
「God of War: Ascension」(SCE) 2013年3月2日
「KILLER IS DEAD」(角川ゲームス) 2013年発売予定
「Lightning Returns: FINAL FANTASY XIII」(スクウェア・エニックス) 2013年秋期発売予定
「One Peace 海賊無双 2」(バンダイナムコゲームス) 2013年発売予定
「真・三國無双 7」(コーエーテクモゲームス) 2013年発売予定
「Tomb Raider」(スクウェア・エニックス) 2013年3月5日発売予定
「The Last of Us」(SCE) 2013年5月7日
「Wonder Book: 魔呪之書」(SCE) 2013年4月発売予定

PlayStation Vitaタイトル(中英文合版)

「KILLZONE MERCENARY」(SCE) 2013年発売予定
「Malicious 災禍重生」(SCE) 2013年2月28日発売予定
「Samurai & Dragons」(セガ) 2013年発売予定
「Soul Sacrifice」(SCE) 2013年発売予定
「Tearaway」(SCE) 2013年発売予定

【「Lightning Returns: FINAL FANTASY XIII」中文版】
「Lightning Returns: FINAL FANTASY XIII」中文版のスクリーンショット

【2013年の中文版ラインナップ その1】

【2013年の中文版ラインナップ その2】
セガ、バンダイナムコゲームス、コーエーテクモゲームスの3社は、関係者が参加し、大型タイトルの中文版の発表を行なった。日本からはセガネットワークス「Samurai & Dragons」プロデューサーの河井大輔氏がゲームの紹介を行なった

アジアオリジナルコンテンツプロジェクトは今後も継続していくことを発表
発表会にテレビを含め多くの報道関係者が参加していた

 ラインナップの特徴としては、まず数が多いこと、とりわけサードパーティー製タイトルが増えていることだ。このラインナップの充実ぶりについては、体制が変わったからというわけではなく、タイミングの良さや、サードパーティーの中文化への理解が深まったことなど良い条件が重なったためだとしている。

 ちなみに日本や欧米では苦戦が伝えられるPS Vitaだが、アジア圏ではコピーの無い良質のポータブルゲームマシン兼デジタルメディアプレーヤーとして高い評価を受け、ゲームハード、ゲームソフトとも好調だという。それが今回のPS Vitaの中文版の充実ぶりにも繋がっているようだ。中には日本のセールスと同等のヒットを飛ばしているタイトルもあるということで、今後も強気の姿勢で攻めていく方針のようだ。

 Taipei Game Showでは、初日のオープニングセレモニーを皮切りに、連日、上記タイトルを含む、数多くのタイトルのステージイベントが予定されている。ステージイベントでは、日本のクリエイターを招き、アジア向けの新規発表を行なうタイトルもあるということで、多くのゲームファンの来場が期待されるところだ。弊誌でもできる限り紹介していくつもりなので、ぜひご注目いただきたい。

【ゲームハード新カラー&コンパニオンの御披露目】

(中村聖司)