WeMade Entertainment、モバイルタイトルインタビュー

日本を意識した農園SLG「ぽけぺっと王国」とライトMMORPG「ARK SPHERE」


11月8日~11日開催

会場:韓国釜山BEXCO


 「G-STAR 2012」においてWeMade Entertainmentが力を入れて展開しているスマートフォン用のモバイルゲームは、東京ゲームショウ 2012E3 2012でも出展を行なっている。

 「G-STAR 2012」での出展の様子はこちらで紹介しているが、今回は東京ゲームショウ 2012でも出展していた「ぽけぺっと王国」と「ARK SPHERE」についてインタビューを敢行した。

 インタビューに応えてくれたのは、「ぽけぺっと王国」を担当する新プロダクト開発SNGディレクターのジョン・ジンウク氏、「ARK SPHERE」プロデューサーのイ・ヒョンスン氏。いずれも東京ゲームショウに出展しているということで、日本での配信を見込んでいる。両氏には、タイトルのコンセプトや狙いについて伺っていった。



■ 日本ユーザーを意識した農園シミュレーション「ぽけぽっと王国」

新プロダクト開発SNGディレクターのジョン・ジンウク氏
動物たちが勝手に生産や収穫を行なってくれるほか、コミュニケーションが取れる
ペットの種類は現時点で60種類が用意されている

 「ぽけぺっと王国」は、原題を「PET ISLAND」とする農園シミュレーションゲーム。様々な動物たちが画面内を闊歩するのが特徴で、動物たちが自動で農作物の生産や収穫を行なってくれるという機能を持つ。

――「ぽけぺっと王国」のコンセプトを教えてください。

ジョン・ジンウク氏: 最も大きいのは農園要素で、そこにペットを撫でたり育てたり、といった要素を加えています。農園のSNG(ソーシャルネットワークゲーム)+ペットといったコンセプトになっています。

――日本のユーザーを意識しているということですが、どの辺りの要素に現われていますか?

ジョン氏: ペットが自動で生産してくれたり、走り回ったりするような要素は、日本のユーザーを意識しました。日本法人のWeMade Onlineとも積極的にやり取りをしていますし、東京ゲームショウではこれらの要素が受け入れられたので、勝算はあると思います。

――モバイルだからこそ注力した点というのはどこですか?

ジョン氏: 1つは、グラフィックスです。モバイルというスペックの制限がある中で、最もキャラクターがかわいく見えるものを目指しました。もう1つは、UIです。何でもかんでも詰め込むとごちゃごちゃしてわかりづらいですから、なるべくシンプルにしています。

 最後は、プレイ時間の要素です。通勤や昼ごはんなど、ちょっとの時間にプレイできるようにしています。この3つの要素において、ある程度満足できるようなものになっていると思います。

――本作はペットのお願いを聞いていくものになっていますが、ストーリーなどはありますか?

ジョン氏: 島にいるペットたちは、最初は経済観念がないのですが、クエストを通して物を生産したり売買する方法を学んでいきます。クエストは300個ほどあって、ユーザーがペットに生きる知恵を教えていくという感じです。

――ペットの種類はどれくらいありますか?

ジョン氏: 開発中ですが、現時点で60種類はいます。犬や猫、といったペットだけでなく、犬と猫の間のような独特なペットもいて、ペット同士は掛け合わせることで違うペットになっていきます。このほかにも、ペットはそれぞれスキルを持っています。

――スキルとは?

ジョン氏: ペットにはノーマルと、ユニークという特別なペットがいます。具体的には言えないのですが、ノーマルのペットは生産に関するパッシブスキル、ユニークのペットはアクティブスキルを持っています。

――ユニークペットの入手方法は?

ジョン氏: 現在は購入を考えています。

――ペットとのコミュニケーションが特徴となっていますが、できるアクションはどのようなものがありますか?

ジョン氏: スキンシップとしては、頭を撫でる、掴んで放り投げる、休憩場所に置いてあげるなどができます。ペットは疲れると動きが鈍くなるので、かわいいですよ。先ほどお話したペット同士の掛け合わせは、この延長上にあります。

 今後も、スキンシップを活かしたゲーム全体のコンテンツ量は増やしていく予定です。

――サービス時期はいかがでしょう?

ジョン氏: 韓国では2013年の前半、KAKAO TALKのコミュニティを使ってサービスします。ただ、意識したターゲットは日本なので、韓国での状況次第ですぐに出したいと考えています。その際、LINEで出すかどうかは未定です。

――ありがとうございました。


【「ぽけぺっと王国」トレーラー】



■ 元「ドラネス」チーム開発のライトMMORPG「ARK SPHERE」

「ARK SPHERE」プロデューサーのイ・ヒョンスン氏
グラフィックスに注力したというだけあり、滑らかな動きでアクションが楽しめる。

 「ARK SPHERE」は、モバイル向けのMMORPG。敵が近づけば自動で攻撃し、直線を描く、弧を描く、円を描くという3つの操作でスキルを発動させていく。MMORPGにタッチ操作を融合させたタイトルとなっている。

――「ARK SPHERE」のコンセプトを教えてください。

イ・ヒョンスン氏: モバイルでの、ライトなMMORPGをコンセプトとしています。タッチスクリーンをいかに活かせるかということ、UIをシンプルかつ直感的にして、スキル使用にも混乱がないようにしました。

――「ライトなMMORPG」というのはどのような狙いがあるのですか?

イ氏: スマートフォンで本格的なMMORPGはあまり前例がなく、通用しないと考えてライトなものを目指しました。パズルゲームやライトなシューティング、アクションなど、徐々にコアなものに移っていくのかなと考えていて、その橋渡しになると思います。

――ジェスチャーでスキルを出す「フィンガースキル」は3種類ありましたが、スキルの設定などはできるのですか?

イ氏: スキルはキャラクターごとに異なっていて、各フィンガースキルに2種類ずつ用意されています。そこからそれぞれ1つずつ選択していくような感じです。

――制作で苦労した点はありますか?

イ氏: 開発メンバーは、実はほとんどが元「ドラゴンネスト」チームで構成されているので、制作はPCゲームの流れを汲むタイトルになっています。そのためプログラム自体はそれほど苦労はなかったのですが、モバイルということで、容量の制限に苦労しました。

 特にキャラクターの表現には気を使っていて、モバイルデバイスの中でも小さなキャラクターがかわいく見えることを目指しました。シェーダーやポリゴンが使えなかったので、これらは全て手書きで行なっています。グラフィックスの美しさを重視したタイトルになっているので注目してほしいと思います。

 またオンライン要素として、友人にソーシャルポイントを渡せるようになっています。ソーシャルポイントを利用すればアイテムと交換できるので、接続していない時間でも友人と交流できるようになっています。

――サービス時期はいかがでしょう?

イ氏: 韓国では2013年春を予定しています。ここで様子を見て、日本での展開を考えたいと思っています。

――期待しています。ありがとうございました。

【「ARK SPHERE」トレーラー】


(2012年 11月 12日)

[Reported by 安田俊亮]