「GeForce LAN / NVIDIA Gaming Festival 2012」新作PCゲームタイトルレポート

中国ゲームから北米ゲームまで「PhysX」を使用した4つの新作を紹介


4月29日、30日開催

会場:上海正大廣場 9F



 今回の「GeForce LAN / NVDIA Gaming Festival 2012」では、「GeForce GTX 690」や、「GeForce Experience」といったNVIDIAの最新技術の発表に加え、「PhysX」を採用した4つの新作PCゲームが紹介された。

 「PhysX」は、ゲームに物理シミュレーションを行なうためのNVIDIAのミドルウェア。Unreal Engine 3.0や、Unity 3Dといったゲームエンジンに対応しており、現在までに250以上のタイトルで採用されている。

 今回発表された新作PCゲームタイトルは、中国での発表ということもあり、いずれもアジア市場を強く意識したものばかりで、日本での展開も視野に入れて現在開発を進めているという。早速、ご紹介したい。




■ PhysXで上海を破壊しまくり! 1930年の上海を舞台にした「光栄使命(PLA)」

「PhysX」を使用したゲームを紹介してくれたNVIDIAプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Ujesh Desai氏

 「光栄使命」(英:PLA)は日本に占領された1930年の上海を舞台にしたオンラインFPS。本作は今回初公開で、オープニングでは、NVIDIAが発表したばかりの最新GPU「GeForce GTX 690」による「光栄使命」のベンチマークプログラムを使ったデモが行なわれた。デベロッパーは中国Giantで、Unreal Engine 3.0およびPhysXが採用されている。

 本作は北米のゲームで、ニューヨークを筆頭とした様々な都市が破壊される演出にインスピレーションを受けて、今度は上海が壊されるゲームを作ってみたかったという。基本的には、2つのチームに分かれて、対戦するオーソドックスなオンラインFPSゲームで、1930年代の上海を舞台にしたところが、一番の特徴だ。

 ちなみに、歴史上だと本作の舞台は上海市民軍と日本軍の戦いになるのだが、この件に関して、デベロッパーであるGiantに質問してみたところ、日本軍とははっきり説明せず、上海市民軍対Bad Guys(悪いやつら)だとジョークを混ぜながら答えた。実際の歴史上のように史実に即した日本軍が登場するのか、それともまた別の架空の勢力として登場するのかは気になるところだ。

 デモプレイは、昔の上海の街並みを再現し、様々なところで爆発が起こり、その都度、爆風と共に破片が飛び散るという内容となっている。地面の細かいデコボコや、爆破する時の破片、ガラス、閃光など、目に見える細かいところすべてをリアルに表現したのも特徴だという。このベンチマークプログラムは予定通りにいけば、5月中旬には公開される予定としている。

 「光栄使命」は、今年末にクローズドβテストを中国で実施する予定だ。その他の地域へのサービスに関しては未定だが、日本や韓国でのサービスも積極的に検討しているという。


【光栄使命(PLA)】
PhysXによってダイナミックな破壊が行なわれるオールド上海の街並み。当時のイメージを十分に生かしたアジア向けのFPSとのことだ




■ 9人で開発していたインディゲームがついに本格始動! 久しぶりの爽快なロボット系FPS「Hawken」

「Hawken」のパブリッシャーであるMeteor Entertainment CPO Bill Wagner氏。12年12月12日にOBTをすることになった理由を尋ねたところ、「気に入ったから」と答えた
GeForce GTX 690のパフォーマンス
GeForce GTX 690 Quad SLIのパフォーマンス

 「Hawken」は「アーマードコア」や「鉄鬼」を髣髴とさせるPCのメックFPSゲームだ。基本無料プレイで、ビジネスモデルはアイテム課金。今年の12月12日にオープンβテストを実施する予定だ。

 本作は9人で開発したインディゲーム としてスタートし、一躍注目を集めたタイトルだ。今は80人以上のスタッフたちが、本作の開発に取り組んでいる。Unreal Engine 3.0を使用して開発しており、開発は70%以上完成しているという。ゲーム自体はほぼ完成していて、武器や防御具といったコンテンツを増やしていく途中とのことだ。

 ゲームは基本的にマルチプレイで、最大12人による6対6を対応している。参加人数をもっと増やすことも考慮してみたが、あまりにもマップが大きくなってしまうので、6対6にしたという。シングルプレイとしてはトレーニングモードが用意されている。

 ゲームモードはオーソドックスなDeath Matchや、Team Death Matchから、Siege Modeという特殊なゲームモードが用意されている。Siege Modeは、攻撃側と防御側に分かれて、防御側のベースを攻撃側が攻めていくゲームだ。攻撃側は普通より選択できる武器が豊富なのが特徴だという。

 登場するメックはライト、ミディアム、ヘビーと3つに分かれたタイプが存在し、ライトになるほど、スピーディなメックで、ヘビーになるほど、動きは鈍いけど、攻撃力や防御力が高いメックになっている。

 「Hawken」のパブリッシャーであるMeteor Entertainmentによると、中国、日本、韓国とのパブリッシャーと積極的にコンタクトを取っているという。日本でのサービスも期待できそうだ。今後の展開に注目したい作品である。


【「Hawken」のトレーラームービー】

【Hawken】
ゲームプレイを見ると、とにかくスピーディで派手な戦闘が印象的だった。久しぶりのメックFPSの登場で、期待するユーザーも多そうだ




【QQ Dance 2】
Horizon3Dが開発するオンラインダンスゲーム「QQ Dance 2」。前作「QQ Dance」は中国で同時接続者数200万人を超える大人気作だ。自社のH3Dエンジンを採用し、グラフィックス面での差別化を図っている。前作との一番の違いは、「PhysX」を使用することによって、髪の毛や、服の微妙な揺れが、リアルに表現されるところ。ユーザたちにより素晴らしい経験を与えられるという。操作は前作同様にキーボードを使用。中国では、今年の第4四半期にリリースする予定だ

【Age of Wushu】
Snail Gameが開発する武侠MMORPG「Age of Wushu」。中国では去年の10月に第1次クローズドβテストを実施したという。「PhysX」の使用することによって、リアルな中国の山林の表現や、キャラクターの動きを実現できたという。レベルシステムを使用せず、プレーヤーのスキルだけで競いあるフェアなプレイと、豊かな中国の武術、水面上や木の上を走る華麗な軽功術が特徴だという。韓国では既にNtreev Soft社とパブリッシング契約を締結している

(2012年 4月 30日)

[Reported by DongSoo“Luie”Han]