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【特別企画】Logicool GアンバサダーStanSmith氏に学ぶ「G910」の使い方
ロジクールが放つハイエンドゲーミングキーボードの使いこなし術
(2014/12/5 00:00)
ロジクールのハイエンドゲーミングキーボード「G910 RGB メカニカルゲーミングキーボード」がいよいよ発売となる。東京ゲームショウで正式発表され、ロジクールのゲーミングデバイスブランド「ロジクールG」のアンバサダーとしてプロゲーマーのStanSmith氏が就任することも合わせて発表された。
「ROMER-G」を引っさげて登場した史上最強のゲーミングキーボード「G910」
「G910」は、オムロンとの共同開発で生まれたメカニカルキースイッチ「ROMER-G」を初搭載した史上最強のゲーミングキーボード。同社はこれまでにも数多くのゲーミングキーボードをリリースしているが、ここ最近は価格を抑えたオンラインゲーム向けキーボードや、ゲームのみに特化したゲームボードなどに注力していたため、フルスペックのゲーミングキーボードとしては、2013年5月にリリースされた「G510s」以来、約1年半ぶりとなる。
この「G910」、とにかくデカくて重い。横幅約50cm、奥行約25cm、厚みは3.5cmほど、そして重量は1,530gもある。「ROMER-G」による耐久性能は7,000万回にも達し、9個のプログラム可能なGキーや、1,680万色から自由に選んでカスタマイズできるキーライト設定、iOS/Androidデバイスにゲーム情報を表示できるARXコントロール機能など、非常にリッチな機能を数多く備えている。
ただ、日本のPCゲーミングシーンで無視できないのが、テンキーレス(テンキーのないキーボード)派の存在だ。日本を含むアジアでは、住宅事情からなのか、体のサイズからなのか、具体的な理由はわからないが、欧米と比較してテンキーレスの需要が高い。ベストセラーの「Realforce91UBK」を筆頭に、Razerはテンキーレスの「BlackWidow Tournament Edition」がヒットしたし、今は無き「Dharma Tactical Keyboard」にもテンキーレスモデルがある。果たして彼らテンキーレス派にとって、「G910」に乗り換えるメリットはあるのだろうか?
そんな折、「G910」の紹介にStanSmith氏がGAME Watchを訪れてくれた。個人的に興味があったのは、この超弩級戦艦のようなキーボードをStanSmith氏がどう使いこなしているかということだ。StanSmith氏は、「ロジクールGアンバサダー」として「G910」をすでに3カ月以上使っているという。各種FPSタイトルのほか、「League of Legends」、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」などあらゆるゲームを「G910」でプレイしているというので、アレコレ聞いてみた。
StanSmith氏は「G910」について開口一番「ゲーミングキーボードの中ではダントツに良い」という。その理由は「ROMER-G」と呼ばれるオムロンと共同開発したメカニカルキーの存在だ。従来のゲーミングキーボードが備えている、打鍵感や耐久性、同時押下数、キーライト機能といった要素ではなく、純粋にキーの押しやすさだという。
「ROMER-G」では、新開発の十字型の軸と、指を包み込むようなすり鉢状のキートップの採用により、キーが反応するまでのストロークが短く(約1.5mmの位置にある)、キーがブレずに安定し、かつ端を触ってもしっかりキーが入り、それでいて誤押下が少ない。具体的な数字としても、一般的なゲーミングキーボードと比較して25%入力が速いという。
StanSmith氏はこうした点を踏まえながら、「キーボードに2万円は高いと思われるかも知れませんが、これを2万で買えるなら安いと思います」と断言してくれた。
現在、米Logitechでは伝家の宝刀である「ROMER-G」を採用した下位モデルの企画開発を進めており、冒頭でも触れたテンキーレスモデルの投入も検討されているという。ただ、いずれにしてもハイエンドモデルは「G910」ということで、ベストなゲーミングキーボードが欲しいなら他に選択肢はないという。
StanSmith氏が教える「G910」の使い方
それではStanSmith氏は「G910」をどう使っているのだろうか。というのもStanSmith氏もまたテンキーレス派のゲーマーだからだ。率直にフルサイズとテンキーレスのどちらが良いか率直に尋ねたところ、「個人的な意見を言えばやはりテンキーレスが好み」ということで、「ROMER-G」採用のテンキーレスモデルを待っている1人ということだが、「G910」のテストプレイを続けていくうちに、現在は「G910」がいいと思えるようになるまで手に馴染んだという。
そこで実際のゲームシーンでどう使っているのか実演して貰った。StanSmith氏は第一線で活躍するプロゲーマーだけに様々な持ち方を教えてくれた。日本と欧米では住宅事情が異なり、比較的狭い環境を強いられる日本では必然的に空間を上手く使った置き方が好まれ、逆に広々とした個室を与えられる欧米では空間をたっぷり使った置き方になるようだ。
StanSmith氏がオススメしてくれた置き方は、マウスとキーボードの位置関係をハの字にし、お互いが干渉しないようにする置き方だ。StanSmith氏自身は、正確なマウス操作を実現するために“脇を締めてプレイしたい”派ということで、キーボードは膝の上に置いてテーブルにはマウス(とマウスパッド)のみ置く置き方を実践しているという。これはスペースが限られる場合にも有効な置き方だ。
今回聞いた中でももっともユニークだったのは、“モニターの奥”に置く置き方。ちょっと言っている意味が分からないかも知れないが、キーボードとマウスをモニターの奥に配置し、モニターの両脇から手を伸ばしてデバイスを操作する。目の前にあるのはモニターだけ、モニターの両サイドから手を伸ばすためマウスとキーボードが干渉することもないというコロンブスの卵的な発想に基づく置き方である。
この置き方は、そもそもモニターが近すぎるとか、キーが肉眼で見えないとか、冷静に考えると色々問題がある方法だが、実際にトライしてみて盲点だったのは、それなりに体が大きい人間でないとキーボードに十分手が届かないということだ。世界にはそういう置き方をする人もいるぐらいに考えておけばいいかもしれない。
StanSmith氏はまとめとして「普通のキーボード、普通の軸に飽きた人にオススメしたいキーボードです。25%も速いので速さにこだわる人にも最適ですし、エッジでもキチンと入力されます。研究のしがいがあり、自分なりの使い方ができるキーボードだと思います」とコメントしてくれた。
フルサイズ派はもちろんのこと、StanSmith氏のようなテンキーレス派も十分使いこなせる「G910」。「ROMER-G」のインパクトは触ってみなければわからないので、まずは店頭で触れてみるところから初めて見てはいかがだろうか。