インタビュー

【年末座談会】e-Sportsと共に進化していくゲーミングブランド「Logicool G」

意外なお気に入りデバイス。MOBA向けマウスをFPS勢が、FPS向けマウスを「LoL」勢が好む?!

意外なお気に入りデバイス。MOBA向けマウスをFPS勢が、FPS向けマウスを「LoL」勢が好む?!

話題はお気に入りのデバイスについて。テーブルに実際の製品を広げながら語り合った
どれもそれぞれに良い所があって、どれが1番とは言い難いという中立視点のStanSmith氏

──今年もたくさんのLogicool Gシリーズデバイスが発売されましたが、その中からみなさんの1番のお気に入りデバイスを教えて下さい。

StanSmith氏:……ないですね(笑)。

──それは、どれも素晴らしくて選べないという意味ですか?(笑)

StanSmith氏:おっしゃるとおり、もうどれを選ぼうかなと。私の家にたくさんあるんですよ、ヘッドセットだけでも「G633」は3つ、「G933」も2つありますし。まずデバイスだらけで、どれを選ぼうかなというのは本当に難しいです。個人的には、デキがいい順番で言えば、まずキーボードの「G910」かなというのはあります。

 ヘッドセットについては、「G933」が国内では初めての無線モデルですし、ユーザーさんからの反応もすごくいいんですよね。実際使ってみても、無線で心配される遅延とか、バッテリーの持ちとかの問題も少なくて、すごい便利で。それでいま、「G633」、「G933」両方持っているんですが、「G933」を使っていますね。特に私はPCと一緒にPS4で「CoD: BO3」とか、iPadで「Vainglory」をやったりするので、無線でPCのSkypeをしながら、さらにジャックでiPadを繋いで同時にプレイするとか、「G633」、「G933」の両方でできるので、すごい便利ですね。逆にPS4を無線で繋ぎたいというユーザーさんの意見もあるので、いつかそういうものもできたら凄くいいなと思っています。

 マウスに関してはいろんなタイプがあって、私自身もいろいろと使い分けています。「FFXIV」をやっていたときは「G600r」でしたし、その後「G402」を長く使ってて、その次に「G502」も使って。「G302」が出た時にはそれもずっと使っていました。いまは「G303」で落ち着いてはいるんですけど、形的には「G402」が大好きで。「G402」に「G502」のセンサーが付けば私的にはほぼ完璧かなと思いますね。

お気に入りの「G303」とともに、「G310」を使った大会持込スタイルを披露するDustelBox氏

DustelBox氏:1番のお気に入りは「G303」ですね。MOBA用といいながら、実はけっこうFPSプレーヤーに人気なんですよ。やっぱりセンサーの性能がすごくいいということと、それに加えて小型軽量、というのが他になかなかないんですよね。手にもフィットしますし、FPSプレーヤーはセンサー性能をすごく気にしますから。素早くマウスを振ることも多いので、軽量化型というのは非常に合ってます。

古澤明仁氏:意外ですよね。我々メーカー側としては、例えば「G402」はFPS向けにチューニングされていて、製品名にもFPSと入っているんですけども、実際の彼らの話を聞いてみると、「G303」を好むFPSプレーヤーが多くて。かと思えば、MOBAのプレーヤーであるDetonatioN FocusMeの皆さんは、多くの選手が「G402」を使っているんですよ。

StanSmith氏:私も現役のFPSプレーヤーだったら「G303」を使っている可能性が非常に高いですね。

──それは面白い、やっぱり聞いてみるものですね。ではキーボードはどれがお気に入りですか?

DustelBox氏:キーボードは「G910」をメインに、オフライン大会とかで環境を持ち出すときには「G310」を使っています。どっちも好きです。私の場合、マウスのセンシティビティが凄く高い(※操作に必要なマウスパッドの面積が少ない)ので、「G910」くらい大きくても全然問題無いです。でも時々、調子が悪くなってくるとだんだんセンシティビティを下げちゃったりするので、そういうときには「G310」があるとありがたいですね。

マウスパッドは消耗品!スポーツ用品と同じような定番性と、細かなニーズへの対応

選手たちが口々に「消耗品だ」と語るマウスパッド。まさにスポーツ用品的な位置づけか

──ロジクールというとマウス、キーボード、ヘッドセットのイメージが強いですが、マウスパッドもありますよね。

古澤明仁氏:いまは普通サイズの布製のもの(G240R)と大型の布製のもの(G640)と、プラスチック製の硬質なもの(G440R)で、3ラインナップを展開しています。基本的にはこの3ラインナップを継続していく計画ではあります。マウスと違って、マウスパッドはそう仕様が変更されないもので、かつ、プレーヤーにとっては消耗品なんですよね。選手レベルですとすぐに摩耗するといって、2カ月に1回は新品に交換するそうです。

──摩耗ですか。

古澤明仁氏:そうなんです。私なんかは1枚を平均で1年は使うんですけども、プロゲーマーの彼らは1カ月くらいで表面が摩耗して、滑りが悪くなるっていうんですね。

StanSmith氏:滑りが悪いというのを実感し始める頃には、もう滑りが悪すぎた、という感じですね。実感しはじめる前に、マウスパッドとかソールを新品に換えると滑りが良くなりますので、「滑りが悪い!」と気づいたころには、もう終わっている状態なんです(笑)。

DustelBox氏:私も布のマウスパッドだと2カ月くらいで変えています。

──文字通り消耗品なんですね。

StanSmith氏:人によっても違うんですよ。使いふるしのほうがなれていて、好きという人もいますし、新品のほうが好きという人も多いです。スポーツ用のシューズとかでも、慣れたものがいいとか、新しい物がいいとか、好みがありますが、それと同じですよね。ただ、マウスのセンサーにとってはマウスパッドは新しい方がいい。これは間違いないです。

──マウスパッドにどのモデルを使用していますか?

DustelBox氏:私は「G640」ですね。大きくて厚みのあるやつです。すべりが良くて、縦横の抵抗がだいたい同じというか、全く違和感なく使えるので、気に入っています。

古澤明仁氏:大きいマウスパッドをテーブルクロスのようにして、上にキーボードも載せちゃう人も多いんですよ

──DetonatioNの皆さんはどういったマウスパッドを使っていますか?

梅崎伸幸氏:基本、多いのは布製のものですね。ちなみに「LoL」に関しては、キーボードが「G910」と「G710p」が半々くらいにわかれています。「G310」については、非常に軽いので、ゲーム中に熱くなりすぎると力が入っちゃって、ズレちゃうことがあるので、FPSや「LoL」の選手たちはより大型のフルキーボードタイプを好んで使っていますね。

Ceros選手が好んで使っているという「G710」。パームレストの形状や安定感の高さが競技プレーヤーに好評

──競技中はそんなに力がかかるものですか。

梅崎伸幸氏:結構かかりますね。特に「LoL」ではスキルを出すときに激しくキーを押しますから。

古澤明仁氏:そこはまさにウチの強みかなと思っています。例えばマウスの「G302」も、第一線で活躍している選手たちと一緒に開発をしたんですよね。そのフィードバックを反映させるために、発売予定をずらしてまで作りなおしたりと。実は選手とのスポンサー契約の強みはそこにもあると思っています。例えば「G310」ですと、滑りやすい接地面ですとグッと力を入れた時にスライドしちゃうと、そういうフィードバックもありましたので、次回以降の製品では底面にラバーを入れたりだとか、そういった改良にいちはやく繋げることができています。

 それからCeros選手ですと、「G910」はパームレストの形が好みに合わないということでいまも「G710p(茶軸)」を使っています。ですので私達としましては、今後はもっとキーボードのラインナップを拡充させていきまして、その中からベストフィットなものを選んでください、という言い方ができるようにしたいと思っています。

──ニッチをくまなく埋めていくような方向性ですか。

古澤明仁氏:そうですね。ゲームのジャンルや、人それぞれの手の大きさやプレイスタイルによっても最適な形は違ってきますので、そういったニーズをひとつひとつカバーできるラインナップの広さというのが、ゲーミングブランドとして、今は重要かなと考えています。

(中村聖司/佐藤カフジ)