インタビュー

【年末座談会】e-Sportsと共に進化していくゲーミングブランド「Logicool G」

2016年、e-Sports界は大きく変わる? メーカー、チーム、選手それぞれの大展望

2016年、e-Sports界は大きく変わる? メーカー、チーム、選手それぞれの大展望

2016年はさらにe-Sportsの発展に寄与してきたいと語る古澤氏

──みなさんの2016年の抱負を聞かせてください。

古澤明仁氏:ギアの展開としては、私達がテーマにしている「GAME WITH PASSION. WIN WITH SCIENCE」という言葉の「サイエンス」にあたる部分ですね。誰もがアッと驚くようなテクノロジーを搭載した新しいギアを投入していきます。その先に、e-Sportsの繁栄というものも、デバイスとの両輪で進めていけるよう活動していきたいですね。マーケティング的にもギアだけをアピールするのではなく、どちらかというとe-Sportsに取り組んでいる彼らにフォーカスして、彼らを支えているギアはこれなんだよ、というところにどんどん新しいものを入れていきたいと考えています。

──具体的にはどのような製品が出てきそうですか?

古澤明仁氏:まだ詳しくはお話しできませんが、マウス、キーボードは期待していてください。キーボードについては、まずはラインナップの拡充を狙っていきます。

各ユーザーの幅広い好みに合うよう、ラインナップのさらなる拡充に期待するStanSmith氏
さらにファンに寄り添った活動をしていきたいとDustelBox氏

──StanSmithさんはアンバサダーとして活動してきましたが、来年はどういう期待を持っていますか?

StanSmith氏:ギアについては全ジャンルで期待しています。ヘッドセットについてはつい最近新しい物がでましたけども、そのローエンド版とか、マウスやキーボードについても、ユーザーの皆さんがそれぞれに選びやすいものが増えていくといいですね。3種類よりも4種類から選べるほうが自分にあうものが見つかりやすいと思いますし、そういう、かゆいところに手が届くラインナップの拡充に期待しています。

──DustelBoxさんは、第一線で活躍するプロゲーマーとして来年はどういった年にしたいと考えていますか?

DustelBox氏:もちろん、大会で良い成績を残していくというのがベースにあります。あとは「Overwatch」がどうなるか、気になりますね。まずは大会等でしっかり結果を出しつつ、これまで以上にユーザーさんに寄り添う形で活動していければと思っています。海外では、e-Sports選手であると同時に人気のストリーマーでもあるという人が多いんですが、日本ではまだ少ないんですよね。そういったところを強化していって、ゲーム実況が好きな人にe-Sportsの魅力をもっと伝えていきたいなと考えています。

──ニコニコ動画などが、e-Sportsの解説動画で溢れるような風景を作りたいと?

DustelBox氏:そうですね(笑)。

DetonatioNも、よりファンに近い活動に注力しつつ、2016年は「LoL」のWorld Championshipへの出場を目標に掲げて活動するという

──梅崎さんは、DetonatioNの代表として、2016年の目標はどこに置いていますか?

梅崎伸幸氏:来年の目標は、やはり今年あまりできなかったファンとの交流や、そのためのシステム作りですね。ファンクラブとか、グッズ販売とか。その中で考えているのが、“ゲーム塾”みたいな取り組みです。オンラインとかオフラインで、選手がファンにゲームを教えにいくというもので、これを来年早々にはやりたいなと考えています。場所はネットカフェでもいいですし、オンライン上で会員制の講座を開いてもいいですし。こういうのは特に「LoL」などで需要があると思うんですよ。「ブロンズからシルバーにあがるにはどうすればよいか、その境目を教えて!」みたいな。やはりプロだからこそ教えられることも多いですしね。

 そういった、プロとしてのブランドを使った施策をやっていきつつ、新規タイトルも増やしていくことも今後の活動の軸と考えています。そこで強化していきたいのが、スポンサーさんとのコラボレーションですね。例えばニデックさんのe-Sports用メガネとタイアップしますというときに、「Logicool G」のロゴが入ったメガネもコラボで展開していくというような、DetonatioNが架け橋になる形で製品と製品、会社と会社を繋げていくということをやっていきたいです。

 それから「LoL」では、World Championship(Riot Games公式の世界最高峰の大会)に出ることがマストです。来年のワイルドカード(国際予選)からのスタートとなりますが、今の状況なら行けると思います。行けるだけの選手のラインナップは揃えました。

──ちなみに「LoL」のプロチームDetonatioN FocusMeは、世界ランクでいうとどれくらいの位置にいるんですか?

梅崎伸幸氏:いまはまだ80位台くらいです。まだまだ低すぎですよね(笑)。World Championshipの決勝トーナメントを勝ち抜くのはまだまだ難しいとは思いますし、そこは2年後、3年後を見据えていますが、まずは来年、ワイルドカードで勝って、World Championshipに出場することが目標です。

──来年には「LoL」の国内サービスも正式に始まりそうですが、その影響はありそうですか?

梅崎伸幸氏:あります。正式サービスが始まりますとプレーヤー人口も増えますし、プロ活動もより活発になるはずです。そこで、世界で勝てる組織をいかに作るかが大事になると思っています。来年はまだDetonatioNの一強になるかなとは見ているのですが、その先、他のチームもどんどん強化されていって、本格的に切磋琢磨できる環境になっていくはずです。そこから初めて、日本の「LoL」シーンが本当に強くなっていくんだと思いますね。ライバルの登場はめっちゃ待ってますよ。やっぱり、本番と同じ低レーテンシーの環境で、日本人同士の強い相手とやっていくことが強くなる上で重要かなと思っています。

古澤明仁氏:どの業界でもそうなんですけれども、やっぱり必要になるのはヒト、モノ、カネなんですよね。e-Sports界は、来年はそれが大きく大きく動く年になるのではないかと思っています。まず「LoL」の正式サービスがきっかけになることは間違いなくて、SANKOさんが展開されている「LJL」も一気に拡大していくのではないかと思いますね。そうして競技人口が爆発的に増えてきたときに、これまで誰も見なかったようなe-Sportsの新しい展望が、来年の末くらいには出てくるんじゃないかなと。

 例えばLJLの決勝大会も、今年はベルサール秋葉原での開催でしたが、来年は武道館とか、スタジアムとか、何倍ものステージで行なわれることを1ファンとして期待しています。それができるようになる可能性は充分にでてくると思いますし、それができれば、これまでe-Sportsに注目していなかった業界からもリソースが入ってきますよね。今年は梅崎さんのようにプロチームができ、e-Sportsの専門学校も具体的になってきましたし、来年はそのあたりの歯車がさらにガチっと合って、ほんとにまだ見ぬ景色が見えるようになるんじゃないかなと期待しています。我々としても、流れが速くて、アクセルをどれだけ踏んでも足りないくらいです(笑)。

急速に拡大するe-SportsシーンとともにあるLogicool G。ブランドを代表する各氏ともに、2016年にはさらに大きな変化を期待しているようだ

──最後に、みなさんからファンの皆さんに一言ずつメッセージをお願いします。

StanSmith氏:ブランドアンバサダーとしては、ぜひもっと多くの皆さんにLogicool Gのデバイスを使ってもらって、「LoL」だけでなくいろんなe-Sportsタイトルに触れていただければと思っています。また、e-Sportsと最新のLogicoolギアがワンストップで体験できる「Logicool G Arena」にもぜひ足を運んでいただければ嬉しいです。

 ゲームキャスターとしては、今年だけでも15タイトル以上で活動をしてきたのですが、これからもいろんなゲームを増やしていったりとか、スマートフォン、コンソールや、アーケードのタイトルにも広げていければと思っています。こうしてキャスターを続けられるのも、選手のみなさんやファンの皆さんのおかげですので、もっと陽の目を浴びられるようにしていって、みんなにも目指してもらえるような職業にしていきたいなとも考えています。

DustelBox氏:プロのe-Sports選手というと、手が届かないような存在だというふうに見てもらえることもあるんですが、今後はそれだけじゃなくて、選手の人間性、こういうキャラクターなんだというのを、もっといろんな人に見てもらえるようになればもっと面白くなるんじゃないかなと思ってます。各選手の強さだけでなくて、そういった部分にも注目していただければ嬉しいです。

梅崎伸幸氏:DetonatioNとしては、来年はさらにファンを大事にしていきたいと考えています。ファンの方たちに、DetonatioNの試合をビールを片手に観戦したいただけるよう、交流を大事にしていきたいですね。もちろん、そこにLogicool Gの製品群をからめることができたら最高です。

古澤明仁氏:私達としては、e-Sportsの認知を促進させる活動にさらに力をいれていくということが全てに繋がると思いますので、彼らや、e-Sportsアスリートが取り組んでいるひとつひとつの活動を、もっと多くの人達に知ってもらうための活動を包括的にやっていきたいと考えています。彼らアスリート、イベント、そして私達のギアという、この3つの柱を大事にしていきます。

 ちなみにまだ構想段階なんですけども、来年は「Logicool Gチャンネル」といった生放送コンテンツを始めたいと考えています。StanSmithさんやDustelBoxさん、DetonatioNの選手の皆さんなどに交代で登場してもらうような番組ですね。そこでデバイスの紹介はしなくていいんです。彼らのファンが満足できる内容であればよくて、それでこそ面白いチャンネルになると。そういった試みをはじめていきたいですね。

──来年の活躍も期待しています。ありがとうございました!

(中村聖司/佐藤カフジ)