ニュース

「シャイニング・レゾナンス」インプレッション

キャラとボイスの魅力もさることながら、しっかりと遊びこめるRPG

12月11日 発売予定

価格:
8,222円(パッケージ版・ダウンロード版、税別)
16,800円(フィギュア付き特別限定版、税別)
CEROレーティング:A(全年齢対象)

プレイ人数:1人

 セガより12月11日発売予定のプレイステーション 3用タイトル、竜と奏でるRPG「シャイニング・レゾナンス」のプレイインプレッションをお届けしよう。

 「シャイニング・レゾナンス」は、Tony氏がキャラクターデザインを手がけ、豪華な声優陣がボイスを演じる、新生「シャイニング」シリーズの最新作。今作では据え置き機であるPS3で登場となり、ストーリーや世界観、キャラクターを一新。Tony氏の描くイラストを3Dモデルで再現しているところも注目ポイント。そのあたりを含めつつ、魅力をお伝えしよう。

―― Story ――

いにしえの大陸に「アルフヘイム」と呼ばれる神の地が存在する。かつて、この世界で栄華を誇った竜たちは滅び、その魂は結晶化して世界に散らばっていた。

 しかし、あるときドラゴンの生存が確認される。彼の名は「煌竜イルバーン」。失われた竜の力を求めて、数々の勢力が動き始める。彼らの手からドラゴンを救ったのは、ひとりの「少女」だった。

 やがて、「竜の奏者」と呼ばれる戦士たちがドラゴンのもとに集う。ドラゴンの脳裏に、幼いころ傷ついた自分を助けてくれた「少女」の記憶がよみがえる。それは、運命の再会であった。

 ドラゴンと少女をめぐる、美しくも切ない物語が奏でられる。

豪華声優陣の演じるキャラクター、「竜」と「歌」をテーマにしたファンタジーRPG

ゲイルリッツ監獄に囚われていた少年ユーマが、ソニアと出会うところから本作の物語が始まっていく

 物語はゲイルリッツ監獄という収容所に、ソニアたちが作戦を実行するところから始まっていく。囚われていたのはユーマ・イルバーンという名の少年だ。竜の心を宿す本作の主人公だが、長く囚われの身となっていたようで、逃げ出す気力すら失っている。

 それを励まし、ユーマと2人で監獄の外へと脱出を図るソニアだったが、帝国の竜騎士姫こと皇女の「エクセラ」に見つかり、絶対絶命の状況に追い詰められてしまう。その時、ユーマの身体からまばゆい光が発せられ、ユーマはその身を神々しい竜の姿「煌竜」へと変えるのであった……。

 このように始まる本作の冒頭シーンだが、キーワードとなるのは「竜」、そして「歌」だ。物語の舞台となる洋上の島「アルフヘイム」は、神の住まう大地と呼ばれ、かつて、この地に住むハイエルフ族は「聖印歌(ルーンソング)」を通じてドラゴンと語り合っていたという。

 だが、千年以上前に、「神」に抗い竜やハイエルフたちが戦ったという「神竜大戦(ラグナロク)」が起こり、辛くもドラゴンたちが勝利するも、ほとんどのドラゴンは滅び、ハイエルフもこの地を去ったとされている。長い年月が流れアルフヘイムに人が戻り、アストリア王国が建国されたが、その地に大陸の国家ロンバルディア帝国の侵攻の手が迫っていた。

 帝国と王国、この世に7つあるという魔法の楽器「竜刃器(アルモニクス)」を扱う「竜奏騎士(ドラグナー)」、そして伝説とされる「煌竜」の魂を宿している少年ユーマ。ユーマが煌竜へと身を変えた時から、物語が大きく動いていく。

帝国兵を退け脱出を目指すソニアとユーマだったが、竜を従えるドラゴンマスターであり帝国の竜騎士姫と呼ばれる「エクセラ」に追い詰められてしまう。竜奏騎士のキリカが助けに来るも、それでも窮地に陥った時、ユーマが煌竜へと姿を変えた

Tony氏の描くキャラクターデザインが、テイストそのままに3Dモデリングになり、動きまわる

 「シャイニング・レゾナンス」はキャラクターの魅力、ストーリーにフォーカスを当てた、スタンダードなRPGだ。伝説にある戦いの後、竜がわずかながら生き延び、歌を用いて竜と通じ合える「歌巫女」、竜刃器を扱い戦う「竜奏騎士」、さらには竜を使役するドラゴンマスターなど、竜と歌を中心にしたファンタジー世界を形成している。

 作品中でも最も大きな魅力や特徴と言えるのは、Tony氏の描くキャラクターであり、それを豪華な声優陣が演じる魅力だろう。主人公ユーマを演じる島ア信長さん、ソニアを演じる瀬戸麻沙美さんをはじめ、水樹奈々さん、沢城みゆきさんなど、全員の名前を挙げていたら膨大になってしまうほどに、主要キャラクターを演じるのは豪華なメンバーだ。そちらは公式サイトのキャラクター紹介でもご確認頂きたい。

 キャラクターモデルも見所だ。いわゆるムービー(プリレンダリング)ではなく、リアルタイムに動くモデルでも、Tony氏のイラストそのままと言っても良いぐらいに、陰影やニュアンスがきっちり再現されている。それでいて3Dモデリングならではの奥行き感や身体の厚みもあり、それがモーション豊かに動く。加えて、実力のある声優さんが演じるボイスがあり、キャラクターの見せ方はこれまでのシリーズ作から何倍もステップアップしているという印象だ。

リアルタイムのイベントシーンでも、Tony氏のイラストそのままといっていいクオリティでキャラクターが動く。キャラクターの見せ方は非常に力が入っている

主人公ユーマは驚くほどに消極的で、窮地にもただただ立ち尽くすばかり。心の内から響く煌竜の声にかなり後押しされないと、勇気を出せない。ある意味インパクトのある主人公だ

 そんなキャラクターたちだが、その性格やキャラクター性も個性的。

 主人公ユーマは序盤をプレイする限り、非常に後ろ向きで消極的な少年。RPGの主人公としては珍しいと感じるほど、諦めが早く、判断のタイミングでも優柔不断を通り越して、意志の薄弱さを感じさせるものがある。

 ユーマへの率直な印象をあえて厳しい言葉選びをして書いているが、後ろ向きな方向に性格付けが徹底しているところがあって、これはこれでインパクトがある。この主人公がいかにしてそんな性格になってしまったのか、物語を通して成長していくということだが、どのように成長するのかは、ちょっと違った意味で気になる。

 その一方でソニアは、キャラクター紹介においても「本作の女主人公ポジション」と書かれているぐらいで、特にユーマが頼りない序盤は彼女がリードしていく。王女という立場でありながらも、ゲイルリッツ監獄に単独潜入するなど、男勝りな少女だ。

 そんな2人を軸に、敬虔な歌巫女キリカ、ムードメーカー的なお姉さんキャラのリンナ、面倒見のいい兄貴分アグナムなどなど、個性的なキャラクターが序盤から次々に登場してくる。

 仲間とは、宿泊時の夜に特定のキャラと会話して親密度を高められる「ナイトイベント」があったり、フィールド移動中にもパーティーチャットがあって、会話によってはL/Rボタンで返答も可能だったりと、コミュニケーションの機会が多いため、キャラの魅力も多く掘り下げて楽しめるようになっていた。ちなみにナイトイベントを多くこなしていくと「デート」もできるようになるそうだ。

 システム的には「キズナダイアグラム」というものがあり、パーティーメンバーを配置し、キャラクターの性格や個性を示す「パーソナリティ」を決めていく。相性の良いものをチョイスできると、戦闘中に「共鳴(レゾナンス)」が起きるようになり、特殊な攻撃や支援を行なってくれるようにもなる。親密度を高め、絆を深める事で、バトルを有利に進められるというわけだ。

王国側、帝国側問わず、個性的なキャラクターが次々と登場し、いずれのキャラクターのボイスも実力のある人気声優さんが演じられている
パーティーメンバーとは宿泊前に見つめると、ナイトイベントという会話イベントが発生。親密度が高まると、パーソナリティが手に入ったり、デートも可能になる。絆を高めれば、キズナダイアグラムの組み方次第で、戦闘時に特殊な行動を取ってくれるようにもなる

 「歌」というテーマも、本作の随所に重要な要素として取り入れられている。物語のベースに「竜と心を通じ合わせるための歌」というものがあるが、それ以外にも、例えば帝国の竜騎士姫エクセラが歌いつつ竜を従えて登場する時には、BGMにも水樹奈々さんが歌う曲が流れたりと、演出にも歌が効果的に使われている。

 また、バトルでのフォース(魔法や特殊技)を使ったり、作戦指示を出した時のエフェクトも、譜面や音符をモチーフにしたものになっていたり、武器の性能を変えることを「チューニング」と呼んでいたり、歌や楽器のモチーフが作品全体に込められている。

「歌」というテーマも作品全体に登場する。歌によって竜に力を与えるシーンではボーカルソングがBGMに流れたり、戦闘中の特殊技や作戦支持も、譜面や音符的なエフェクトがついている

画面切替え無しのスピーディーなバトル、切り札的な「煌竜」への変身や、ドレスアップして歌う「B.A.N.Dパフォーマンス」など独特な魅力が多い

物語の拠点となるアストリアの王都「海楼都市マルガ」

 アストリアの王都「海楼都市マルガ」を拠点に、物語はアルフヘイムの各所へと少しずつ広がっていく。マルガでは街並が広がり、住人との会話やクエストの依頼、バトルやフィールドを調べると手に入る素材「マテリアル」を使って、アイテムやスキルの錬成も可能だ。

 武器・防具という概念はないのだが、ステータス項目はスキルを装着することで高められるし、武器の「竜鳴剣」や「竜刃器」はチューニングによって性能を変化できる。攻撃重視、魔力重視などチューニングには様々なものがあり、ものによっては攻撃スピードが速まったりなど特徴もある。バトルを重ねるとチューニングのレベルも高まっていく。

 チューニングの種類は、レベルアップしたりクエストをこなしたりすると、新たなものが使用可能になるので、武器を購入してステップアップするのに近い感覚でカスタマイズできるし、武器・防具の買い換えとは違って、初期のチューニングも使っていけるものになっている。

アイテムの錬成や、スキルの錬成や装着、武器の「チューニング」など、カスタマイズ要素も独特

フィールドにいるモンスターのシンボルとぶつかると戦闘に入る、シンボルエンカウント方式

 フィールドは広く、エリアチェンジの境目で各方面へと繋がっている。モンスターの姿が見えているシンボルエンカウント方式で、近づくと発見され、こちらに向かってくる。逆に、見つからずに背後からぶつかっていけば、数秒間、敵が行動不能になる有利な状態で戦闘を開始できる可能性がアップする。

 バトルでの大きな魅力は、一部のボス戦を除いて、モンスターにぶつかったあと画面切替え一切なしでスピーディーにバトルが始まるところだ。読み込み等の待ち時間がなく、非常にテンポがいい。

 バトルは自分の手で移動させながら攻撃していくアクション要素をふんだんに取り入れたスタイルだ。○ボタンで攻撃、△ボタンでブレイクアタックという特殊攻撃になり、○ボタン数回からの△ボタンでブレイクアタックというようなキャンセルコンボも自由にできる。

 ただし、行動には全てキャラクターの足下にあるアクションポイント(AP)が必要で、APが自動回復するのを見つつ、適度に敵の攻撃を回避しながらのヒット&アウェイが重要だ。

 また、Lボタンと○△□×ボタンの組み合わせで、フォース技という強力な攻撃や魔法が使用可能。フォース技はMPを消費するが、MPは○ボタンや△ボタンでの攻撃で回復していくので、こちらもバランス良く使っていくのがポイントになる。

戦闘はアクション操作で戦うリアルタイムバトル。ボス戦では攻撃パターンをしっかり見極めるのが重要で、結構歯ごたえのある難易度になっている

 エンカウントだけでなく、バトル中もテンポは早め。敵味方ともに攻撃をぶつけあうようなスタイルだ。主人公ユーマのブレイクアタックは猛烈な突きによって敵をダウンさせられるので、敵の特殊技を止めたりするのに重宝する。ただ、序盤だからか、ダウン技以外ではあまり敵はひるまないので、攻撃の手ごたえの面では少々軽さを感じるところもある。このあたりは中盤以降の展開に期待、というところだろう。

 今回のインプレッションにあたって難易度はスタンダードでプレイしていったのだが、本作は見た目とは裏腹になかなか手ごわい。バトルにおいては特にボス戦が強烈で、移動やガード(□ボタン)、ダッシュ(×ボタン)を駆使するのが、かなり重要になっていた。ボスの攻撃パターンを掴み、キャラの移動で攻撃が届かないところまで避けていかないと、あっという間に倒されるということが多々ある。逆に、そうした移動を中心にしたアクション操作次第で、だいぶ戦闘模様が変わってくる作りをしている。

 もちろん経験値を稼いでのレベルアップ、いわゆる育成要素も非常に重要。1レベル上がることでの能力アップ度合いが大きく、ボス戦の前にレベルアップさせておくのは必須だ。このあたりはシンボルエンカウントのゲームであり、うまくモンスターを避けていくと戦闘なしに次のボスまで行けてしまうところもあって、意識してレベル上げするようにしないと、ボスでつまづくことになる。全体的に焦らずじっくりと遊びこむと、結果的にスムーズに楽しめるようなバランスを感じた。

煌竜に変身! 圧倒的な攻撃力でねじ伏せられる。ただ「暴走」してしまう時も……

 バトルでも、本作全体のテーマでもある「竜」と「歌」は切り札的な存在になっている。

 主人公ユーマはある程度ストーリーが進むと、戦闘中にL1+R1ボタンで「煌竜」へと変身できるようになる。煌竜の攻撃はいずれも強烈! ここぞという時のたたみかけに欠かせない。ただ、煌竜に変身中はMPが減っていき、MPがなくなれば変身は解けるし、MPが少なくなってきた時には「暴走」して、味方を攻撃してしまうことすら起きてしまう。

 そんな「暴走」を止められるのが歌だ。戦闘中に歌を発動するのを「B.A.N.Dパフォーマンス」といって、魔法の楽器「竜刃器」を奏でて全員で演奏して、暴走中のユーマを正気にも戻せるし、歌の力で攻撃のクリティカル率を高めたり、ダメージを軽減したりと、様々な強化の効果ももたらされる。

 「B.A.N.D」では、パーティーメンバーの中から「センター」を決め、センターのキャラそれぞれに演出が用意されている。キリカをセンターに設定し「B.A.N.Dパフォーマンス」するとコスチュームがドレスアップされ、BGMも専用のボーカルソングが流れる。なお、「B.A.N.Dパフォーマンス」を使用するには、専用の「BPMゲージ」が一定以上貯まっている必要がある。「BPMゲージ」は敵に攻撃を当てるごとに増えていき、3本まで貯めることが可能。

「B.A.N.Dパフォーマンス」でパーティー全体を強化!煌竜の暴走も止められる効果がある

 というわけで、ボス戦の一例を書くと、適度にアタックしつつ、ボス戦の攻撃パターンを読んで回避。攻撃を重ねるとブレイクというダウン状態にできるので、ここぞというところでユーマを煌竜に変身させて猛然と攻撃を与えていく。暴走した時には「B.A.N.Dパフォーマンス」でそれを鎮めつつ、パーティー強化の効果を得て、さらにボスを追い詰めていく……といった感じになる。ボス戦のクライマックス、トドメへと、ボーカルソングのBGMをバックに高まっていくのは他にない魅力だ。

 もちろんこれらを上手く展開できるかはプレーヤー次第であり、プレーヤーが自ら演出していくような形にもなっている。なお、ユーマはMPがあれば煌竜に何度でも変身できるので、なかなか勝てないボスに、エーテルを大量に持ち込んでMPを回復させまくって煌竜で攻め立てる……という、ある意味ゲームっぽいゴリ押しの攻略もできた。そのあたりをどう楽しむかは、やはりプレーヤー次第というわけだ。

テンポ良く、それでいてじっくりと楽しめるRPG

キャラクターの良さをばっちりと楽しめるグラフィックスがまず魅力だが、RPGとしてもしっかりとやり込める出来になっている

 PS3での完全新作として、豪華な声優がずらっと並ぶキャラクターたち、Tony氏のテイストをそのままに再現した3Dキャラモデルなど、最大の魅力と言っていいキャラの見せ方が非常に高まっているところが、まず、印象的な作品だ。

 また、竜と歌を中心にしたファンタジー世界は、RPG作品としてしっかりと世界観が作り込まれており、フィールド探索や依頼によるクエストなど、じっくりと遊びこめるものになっている。育成を重視した、やり込みがある程度必要なバトルバランスであり、それでいて腕前や動き次第でも変わってくる。バトルのスピーディーさ、画面切替えなしで始まるテンポの良さも良好だ。

 歌をテーマに、魔法の楽器「竜刃器」を扱う竜奏騎士の仲間たちがいて、「B.A.N.Dパフォーマンス」もユニーク。ボーカル付きのBGMをふんだんに取り入れて盛り上げるところも魅力的だ。キャラの魅力が目立っているのは間違いないが、RPGとしても個性的でじっくりと楽しめる作品となっており、ファンタジーRPGが好きという人にもオススメのタイトルとなっている。

(山村智美)