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「ジョジョの奇妙な冒険 ASB」発売記念スペシャルトークショー開催

他では聞けない? トークで盛り上がる

8月29日 開催

会場:ヤマダ電機LABI1池袋 モバイルドリーム館

開場直前。多数の来場者でぎっしり

 バンダイナムコゲームスは、8月29日に発売されたプレイステーション 3「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」(ASB)の発売記念イベントの一環として、ヤマダ電機LABI1池袋 モバイルドリーム館にて、店頭体験イベントと、スペシャルトークショーを開催した。

 スペシャルトークショーには、バンダイナムコゲームスの新野範聰氏と、サイバーコネクトツー代表取締役社長松山洋氏が登壇した。160名の整理券はあっというまに配布終了。立ち見も多数という盛況ぶりとなった。来場者には、午前中秋葉原で配布された号外チラシがプレゼントされた(新野氏と松山氏による配布は500部配布付近で安全確保のため引き上げとなったそうだ)。前日行なわれた「発売前夜祭ッ!」に引き続き、女性比率が高さには驚かされるものがあった。

 最初の挨拶で、来場者に本作を購入したかどうかを松山氏が聞くと、ほとんどの来場者が挙手。さらに限定版購入者を訪ねてみたところ、かなりの購入者がいたようだ(実際プレスエリアのすぐ側の女性も、限定版を持ってきていた)。多数の購入者にお礼を述べるとともに、「あれ以上はもう作れない限界の数なんで、なかなか手に入らないというお叱りを受けたんですけれども、一所懸命頑張った結果なんで、これ以上は勘弁してください」と松山氏はお詫びを述べた。

 受注(出荷)50万本を突破した本作。発売を迎えて、「こんな日が来ようとは……サイバーコネクトツーさんもこだわって作ってらっしゃいますので、開発が本当に終わるのかと、このままずっと作り続けていたいと……そんな感じになるんじゃないかと思って、“開発レクイエム”になるんじゃないかとすごく心配したんですけれども、ちゃんと完成させて、ようやく皆さんにお届けできたことを嬉しく思っています」と新野氏が挨拶。

 松山氏は昨日行なわれた「発売前夜祭ッ!」でも言っていたが「連載開始当時の自分に今の自分の姿と、自分自身がクリエイターとして作品を作って、たくさんの人に支持いただけているという姿を見せてやりたい。長年の夢がかなった、今日は本当に素晴らしい日」と心境を語った。

 トークショーは、提示されたお題について語るという形で進行した。

プロモーション関連の話題となった前半戦

・TVCMについて

尽きることはないのでは? という勢いでアツいトークを繰り広げる新野氏(左)と松山氏(右)

 2タイプ制作されたTVCMについては、「発売直前のプロモーションの忙しいさなか、定期的にスタジオにこもって作りました」(松山氏)。「日活の撮影所で撮影したんですが、“止まっていて下さい”と、1人1人が止まっている姿を撮影したものを合成したものです」(新野氏)とのこと。

 今年前半に放映されていたアニメには、ジョジョ好きのために作ったというダービーと承太郎との対決を描いた「ゲーム対決篇」が流れていたが、実写篇は目標50万本を達成するための新しい施策としての目的で制作されたものだという。各種CMは公式サイトで確認できる。

・交通広告について

 これも今までのバンダイナムコ×サイバーコネクトツータイトルになかった施策。「ジョジョASBトレイン」に関しては、来場者の半数以上が実際に乗ったと手を挙げており、中には偶然通りかかって乗ったという来場者もいた。また、山手線の各駅に掲示された巨大ポスターのキャラクター選定に関しては、東京駅に始まり、ということでジョナサンが決定していたものの、どの駅にどのキャラを掲示するかに関しては、すんなり決まらず、多数のプランが検討されていたという。

 「主要な駅にジョジョとボスキャラクターを配置したいということで割り振っていくと、どうもこうもうまくいかない。検討に検討を重ねた結果があれです」と新野氏。新野氏的には「ディアボロ」を目黒駅に配したのは「ちょっとディアボロって見た目がヘビーメタルな感じがあるじゃないですか。目黒はいいなと思っていたんですけれども」ということらしいが、来場者にはあまり反応がなかった(笑)。

 しかし、「ディアボロってどこが良かったですか?」と新野氏に逆に聞かれると、来場者も首をひねる状況になり、「確かに難しい! 自分だったらディアボロは二重人格なところがあるから、北口と南口があって、どっちもでかいロータリーがあるとか、2面性がある駅を選ぶね」と持論を述べた松山氏も、「じゃ、ずばりどこですか?」と新野氏に聞かれると答えに窮する状態になっていた。

「オールスターバトルリーグ」について

 CPU対戦を配信するというこれまたあまりないプロモーションとなった「オールスターバトルリーグ」。昨日の「発売前夜祭ッ!」は、最大14万人の視聴があったという。「やっぱりCPU戦なので、誰が勝つかわからない不安があった。最終的に『承太郎』と『DIO』が勝ち残って、運命を感じました」と新野氏。

 その新野氏に、準々決勝で「花京院」のエメラルドスプラッシュの嵐にもめげず勝ち残った「DIO」が勝って小躍りしたことを「岸辺露伴はあんな踊りはしない」とたしなめられた松山氏は、「(お客さんを呼んで開催されることが決まっていた)決勝戦は(広瀬)康一くんと花京院、という組み合わせも起こりえたわけだからね、実際の話。(準々決勝の時)視聴者に(松山氏が)あれだけ喜んでいるんだから、ガチでCPU同士の対戦なんだなと信じてもらえた。本当に嬉しかった」と理由を説明した。

 なお、「発売前夜祭ッ!」の模様は、アーカイブが再編集された後、再配信される予定だという。また、「DIO」が勝利したことを受け、PS3用のカスタムテーマが無料で配信されることが決定しているが、東京ゲームショウの時期あたりに完成の予定だという。

他では聞けない? 話題が出てきた後半戦

・本作の開発について

 ここからは、今まであまり明かされていない話ということで、まず新野氏と松山氏の出会いについてが語られた。旧バンダイネットワークスで「着メロ」やimodeのゲームを手がけていた新野氏は、同社の再編成でバンダイナムコゲームスに移籍。本作の開発がスタートしてから現在のポジションに就いたという。そこで「少年ジャンプ」関連のコンテンツを扱っていたこともあり、同社のタイトルを手がけるチームに異動。「銀魂のすごろく」を手がけ、2作目が本作だという。

 新野氏と松山氏が出会ったのは2年前。新野氏は当時、松山氏を知らなかったという。最初に上司に紹介される際、突然顔合わせをセッティングされたという新野氏は、「私がどれだけ『ジョジョ』を愛しているのかを説明します」と松山氏に1時間半、ずっと話をされたという。松山氏も「うちの会社が面倒くさい会社なんで、どれぐらい面倒くさいかをちゃんとわかってもらわないといけない。それが私の役目なんで」ということで、1時間半を説明に使ったのだという。

 その話を聞いて、新野氏は「そんなに好きなんだ。そんなに自分がこれからやる仕事に自信があるのなら、一緒にがんばって行きましょうと。『お前のその黄金のような夢に掛けよう』と、そういう気持ちになりました」という。

 「『すごく苦労も多いと思うんですけれども、ウチと(仕事を)やると、人間的な成長とか、結果がどうこう、ということも含めて、結果的に人より評価されて、えらくなってもらうから、それで勘弁して』という話をいつもしているんで、あなたこれからえらくなってもらうから」という松山氏に「えらくなれるといいな。なれるといいな。まあ、松山さんが問題を起こさなければね」と切り替えした新野氏に「この2年間でこういう返し技をね……腕を上げるねー」と会場も松山氏も苦笑。トークも息の合うものになっていた。

 また、新野氏は「ここまでやるんだ」という開発現場の情熱にもやられた、という。開発の進捗を毎週見せてもらっていたそうだが、それが楽しみだったそうで、細かいところまで作りこまれていたことに感動しつつも「気がついたら作りすぎていたということもあった。ちょっと危ない時期がありましたね。“このままじゃ発売できないぞ”という状況もありましたけれども」と当時を振り返った。

 新野氏のスタイルは「ずっと泥臭く、新野さんなりのやさしい言い方で、言葉は鋭く」(松山氏)現場につきあっていたそう。「ちっぽけな根性が実にタフだ」と現場の声があったことを松山氏が披露した。

 また、新野氏が「お客様のために、とんがった仕様をいかにマイルドに、おもしろいものをお届けできるのか、が自分の立場かな」と言えば、松山氏は「先入観がないんですよ。我々がいつも考えていることとは違う切り口で物事を言ってくれるし……やさしいからだと思うけれども、おかしな心配も多くて。けれども、ウチらは(開発に)慣れているからゆえに、そこが落とし穴になっていて、ご迷惑をおかけすることが今までもあったんだけれども、そういった細かい配慮が結果的にプラスに働いたと思う。なんだかんだウチの現場とも相性は良かったと思う」と振り返った。

・ボイス・キャストについて

 過去の「ジョジョ」タイトルや、OVAに起用された声優陣と、今作のキャストが異なったことに関して、松山氏は「結構たくさんのお客さんからいろんなお話を頂いた。『ASB』は3部や5部のゲームを作るわけではない、今までのものとは違う新しい価値観の作品を作る以上は、新しい気持ちで、新しいお客様に商品を提供したい。今までの作品で誰が誰の役をやっていたというのをいつまでも引っ張りすぎるのも良くないなと。とにかく新しいお客さんに、より多くのお客さんに知ってもらうために、1回頭をリセットしてキャスティングをゼロからやろう、と」とコンセプトを説明した。

 収録は、「『ジョジョ』だから」ということで、キャスト陣も「ものすごくがんばってくれていた」(新野氏)。「役者さん自身がファンの方も多くて、私物の単行本に付箋を貼って収録に臨んでくれていたり、収録時のシーン説明にマンガのカットを表示しようとすると、『全部頭に入ってます』という方もいらっしゃって」と松山氏。「ジョジョ」のセリフの特徴である「ッ」や「〜するんじゃあない」の「あ」を「とにかく立てて(強調して)ください」といったことを毎回説明していたという。

 「ジョジョ」はテンションの高いセリフが多く、通常なら前半を抑え気味にして、後半をパワーをかけてメリハリをつけるといったことが多いが、本作に関しては、前半も後半もテンションを上げて、といった指示が多く、キャスト陣にもめずらしい収録になっていたようだ。のべ半年に渡って行なわれた収録は、アニメも平行して収録していたこともあって、のどの維持のためもあり、セリフの多い主役クラスのキャストは、間隔を空けつつ何度か収録が行なわれたそうだ。

 いろんなキャストが収録に参加したが、「それぞれの世代にそれぞれの『ジョジョ』のファンの方がいらっしゃって、役者さんの持つ『ジョジョ愛』に助けられて本作のクオリティは上がったなと思いますね。(収録した)ボイスが(ゲームに)入った瞬間に、開発現場の顔色がすごく変わってテンションが上がりました」と松山氏は振り返った。

 本作のギャラリーモードの中で聞けるボイスの中には、収録されたものの、バトルやストーリーモードで使用されていないものも収録されているという。ゲーム内通貨を使用して解放していく形となっている。

・キャラクターについて

 1キャラ1キャラ、作りこまれていることが本作の特徴だが、「『このキャラ面白い』というキャラは?」と新野氏に話題を振られた松山氏は、自身がコスプレをしていることもあり、「岸辺露伴」を挙げた。

 4部において、主人公は何人もいる、ということで議論の後に参戦が決定した「露伴」だが、漫画家ということで、原作ではやられているシーンは多いものの、戦っていることがほとんどなかったため、バトルゲームに落とし込むにあたり、頭を悩ませて仕様を作ったという。

 本体モードでは、相手の動きを拘束、封印する能力、スタンドモードでは直接攻撃して相手のライフを減らしていくキャラになっており、攻撃を封印するという駆け引きがあり、中級より上の使いこなしが必要だという。また、対人戦では「露伴」によるスタンド攻撃を受けていることを実感しやすいが、CPU戦ではCPUの思考がわからないため、対人戦で真価を発揮するという点で、「友達と遊ぶときに使って欲しい」と語っていた。


 そして「およそ13カ月、普通やらない長期にわたるプロモーションをやってきました。我々の出す情報と、皆さんのリアクション。こういった対話を繰り返して、皆さんと一緒に大きなうねりを作ってきたタイトルは珍しいと思いますので、受注が50万本、ここまでタイトルとしてブームとして盛り上がることができたのは、皆さんと一緒に盛り上げることができたからだと思いますし、事実だと思います。皆さんが盛り上げてくれなかったら、こんなに期待もなかったと思いますし、数字も上がることもなかったので、『ジョジョ』好きの皆さんに感謝をしています。我々を育ててくださったのは皆さんのおかげですので、これからも、オンラインキャンペーンやダウンロードコンテンツも続きますので、これから先も、皆さんと一緒に『ジョジョ』愛を持って盛り上げていきたいと思いますので、発売しましたけれども、これからもよろしくお願いします」と松山氏。

 「皆さん盛り上げていただいてありがとうございます。皆さんが支えていただいたおかげで、今日を迎えることができました。ゲームやアニメ、原作で皆さんと一緒に『ジョジョ』という作品を一緒に楽しんでいけるということは本当に嬉しいことだなと思います。荒木先生の作り上げた魅力ある世界を皆さんと一緒にこれからも楽しんでいければいいなと思います。ありがとうございます」(新野氏)とシメの言葉でトークショウは終了となった。

延長戦では実機を使ってのスペシャルマッチを開催!

木村氏(左)と中舎氏(右)が飛び入りで延長戦に参加

 さて、想定以上に来場者が集まったため、同社のイベントでは恒例のプレゼント大会やサイン会は開けない、ということで、ここからトークショーが延長戦へと突入することとなった。

 発売に合わせて、サイバーコネクトツーの開発メンバーが東京へと出張していることもあり、本作のアートワーク全般担当の木下氏、開発チームリーダーの中舎氏が登場。

 当初の予定では、ストーリーモードに詰まった人向けのレクチャーが予定されていたが、来場者にアンケートをとったところ、必要ないということで、木下氏(ぶっ飛ばされる側)と中舎氏(ぶっ飛ばす側)と役割が決められたスペシャルマッチが行なわれた。

 第1戦は「イベントではあまり使っていないキャラ」という松山氏のオーダーを受け、「エルメェス」と「ナランチャ」の対決。エルメェスはダウンするとはがれてしまうが、シールを貼って自分の手足を2倍にして攻撃力を増やす、一気に相手のライフを減らせるキャラ。「ナランチャ」は「エアロスミス」による遠距離攻撃が可能なキャラ。「エルメェス」を使用する中舎氏は懐にもぐりこめるかが鍵を握る対戦となっていた。

 さらに、「オールスターバトルリーグ」決勝でのCPUの動きにもやもやしたものを感じていたという松山氏らのリクエストに応じて、「承太郎」対「DIO」のエキシビションマッチが行なわれた。

 「ザ・ワールド」で時を止める「DIO」に、「スタープラチナ」で時を止め返すという攻防や、ラストは、瀕死の承太郎に時を止めてロードローラーを叩きつける「DIO」に、「スタープラチナ」で時を止め返して窮地を逃れる原作再現シーン(時止め返し)を実際に披露。この時止め返しは、コマンドをロードローラーが落ちてくるカットインの瞬間に入れ、承太郎のカットで「プッツーン」の擬音が入っていれば成功となるという。最後もあのシーンのシチュエーションで締めくくり、原作再現度をアピールする対戦となった。

 最後に、木村氏は「『ASB』は今まで映像化されていなかったキャラクターがたくさん入っている、『ジョジョ』の決定版ともいえるタイトルになっています。我々ビジュアルを作る人間も、なみなみならぬ覚悟で最高のものをお届けしようと、『1本で決めちゃおう』という勢いで覚悟を持って開発を行ないました。皆さんも触っていただくと、『あの人たち、この辺で苦労しているんだな』ということをいろいろ思ってくださると、我々も報われるといったところです。本日、めでたく発売となりましたので、皆さんよろしくお願いします」と挨拶、

 中舎氏は「『ASB』は1部〜8部のキャラクターが入っている、夢のようなタイトルになっています。チーム一同がファンで構成したような、純度の高いチームで制作しました。皆さんにもきっとご満足いただけるような内容になっていると思いますので、手にとって遊んでみてください」と挨拶し、スペシャルマッチも終了となった。

 続いてサービスとして、4人がジョジョ立ちでポージング、来場者へのフォトセッションとなった。イベントの最後には全員で「アリーデヴェルチ」で締めて、イベントは無事終了した。

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(佐伯憲司)