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AC「ロード オブ ヴァーミリオンIII」ロケテスト開始!

開店前に300人超の長蛇の列! プロデューサー柴氏にミニインタビュー

3月8日~10日 開催

場所:
池袋GiGO
27インチのタッチモニターと新型のプレイスクリーンでプレイする最新作「LoVIII」。ロケテの盛況ぶりからしても期待の高さが伺える

 スクウェア・エニックスが2013年夏より稼動予定のアーケードカードゲーム「LORD of VERMILLION III(以下、「LoVIII」)」。この最新Verによるロケテストが、本日より池袋GIGOにて開催されている。

 ロケテストは池袋、秋葉原、大阪の3回が行なわれる予定で、池袋GiGOで3月8日~10日まで、タイトーステーション秋葉原では3月14日~17日まで、ラウンドワンスタジアム千日前店では3月21日~24日まで、いずれも3日間行なわれる。

 その初日となる3月8日の池袋GiGOでは、開店前からなんと300人を超える長蛇の列ができあがった。先頭に並んだ人はなんと前日の23時(閉店前)から並んでいたというのだから驚かされる。このことからもシリーズの人気の高さ、そして最新作「LoVIII」への期待値の高さ、プレーヤーからの熱意の強さが伺い知れる。

 今回のロケテストでは8台の筐体が用意されていたが、初日とはいえ平日でこの状態だったので、明日以降はより熾烈になるやもしれない。開店後、池袋GiGO 5Fの特設エリアは満杯に。順番の回ってきたプレーヤーは、「LoVIII」の特徴であるタッチパネル操作、そして8人でのマルチバトルを興味津々で楽しんでいた。

開店前にはなんと300人を超える行列が! 池袋GiGOの店舗沿いに列があるが、角を曲がった先にも列が続いていたほど。整理券の配布が始まると、先頭グループは写真のような笑顔を見せてくれた
池袋GiGO 5Fに作られた特設エリアには筐体を8台用意。初めてアーケード店舗内で触れる機会の訪れた初日であり、非常に熱気があるシーンとなっていた。右下の写真のようにロケテ店舗ではのぼりが飾られ目印となっている

プロデューサー柴 貴正氏へミニインタビュー!

 この日はプロデューサーの柴 貴正氏も開店前から様子を伺っていて、訪れたファンの方とも積極的に交流をはかっていた。柴氏にインタビューを行なったので、最後にその内容をお伝えしよう。

プロデューサーの柴貴正氏。シリーズ作から意欲的な変化を遂げた「LoVIII」について、そしてアーケードシーンへの思いを語ってくれた

――前日の夜から並んでいる人もいたそうで、大変に盛況です。いかがですか?

柴氏: 非常にありがたいですね。こうして並んでくれるだけの熱量が、ゲームが面白ければプラスになってくれるし、面白くなければマイナスになってしまいます。面白いゲームにしていかなければ、と改めて感じますね。

――今回のロケテストで、注目してもらいたいのはどんなところでしょう?

柴氏: これまでのシリーズとは完全に違っているという部分があるので。特に操作方法ですよね。今までレバー+プレイスクリーンだったものが、今回はタッチモニター+プレイスクリーンになりました。移動の概念をタッチ操作で行ないます。

 あと、マルチバトルですよね。これまでは1VS1だったものが、最大8人の4VS4です。試合の勝敗よりもランキングを争うゲーム性にもなっていますね。そのあたりの違いというのを楽しんでもらえたらなと思いますね。

――先日行なわれた「JAEPO2013」でもユーザーさんといろいろとお話をされていましたが、「LoVIII」について、どんな意見が多かったですか?

柴氏: これまでシリーズ作を長く楽しんできてくれている人にとって“今が1番良い状態”というところがあると思うんです。それこそ、どうなるかわからない未来よりも今のままがいいというか。そこに対して私たちは次の“未来”を提示したわけです。そこに対して不安というか、マイナスイメージの意見もありました。特に「JAEPO2013」の前は多かったですね。

 ですが、「JAEPO2013」で実際に「LoVIII」を遊んでもらうと「これは面白いね」と言ってもらえて。そこから次への期待というか、だいぶイメージが変わってきたと思います。ただそれは、遊ぶことのできたごく一部のユーザーさんしかまだ実感できていないものですので。今回のロケテストでより多くの人に実感してもらえたらと思っています。

――「JAEPO2013」で出展したバージョンと、今回のロケテストバージョンとでは違いはどのようなものがあるのでしょう?

整理券と一緒に、遊び方ガイドも配布される。こちらからPDF形式でダウンロードできるので、事前に目を通しておくといいだろう特設エリアに設置されていたモニターでは、プロモーションのムービーも上映されている

柴氏: 今回のロケテストではカードが排出されますし、ユーザーインターフェイスも結構いじっています。あと、「JAEPO2013」での1回のプレイだけではポイントを伝えきれなかったのですが、今回はチュートリアルの映像を用意しています。店頭はもとより公式サイトでも見れますので、予習をしてもらってからプレイ頂けると、また印象が変わるのでは? と思います。

――今作ではチーム戦になり、評価のランキングはプレーヤー1人への個別のものになっていますよね。そうすると、チーム内でもランキング狙いの競争も起こるということになるかと思います。そこで、本作のプレイは利己的なプレイに走るのがありになるのか、チームプレイ重視なのか。どちらになっていくのでしょう?

柴氏: そのあたりを上手く作れるかが僕らの挑戦だったのですが、基本的に評価は“良い事をすればプラス査定”になっていて、チームが勝つ方へと貢献すれば、それがランキングのプラスになっていきます。

――ということは、漁夫の利を得ようとするようなスタイルでは、ランキング上位にはなれない?

柴氏: それはなれないですね。自分で相手チームプレーヤーを撃退するという行動の方がポイントが大きいです。チームに貢献するというポイントを細かく取っていて、勝利よりも“勝利へと導いた働きをした”というものが判定として大きいです。

――プレイ中の過程の方が重要というところでしょうか? その都度、ランキングへの評価がされているというような?

柴氏: そうです。時間や、撃退数、どれぐらい失ったかなど。かなり細かく査定されます。

――試合の勝敗よりも、プレイ内容の査定のほうがランキングには大きく影響したりしますか?

柴氏: その通りです。例えば、撃破ボーナスは1,000ポイントぐらいもらえる時もあるのですが、勝利ボーナスは50ポイントになっています。もちろん、その50ポイント差でランキングが入れ替わることもあると思うので、負けてもいいとはならないと思いますが。単純に、チームが勝てるようにがんばっていればランキングでは上になりますね。

 実際に開発チームでプレイすると、4人中の3人は弱いけど1人がすごく上手いチームと、4人ともがそこそこなチームで戦うと、1人だけ上手いチームは負けるんですが、ランキングではその1人がトップになりますね。

――チーム戦ではあるけれど、あまり上手ではなくても迷惑がられないような仕組みに思えますね?

柴氏: まさにその“迷惑にならない仕様”という感じですね。「俺は足引っ張っちゃうからやめておこうかな」という人がいても、ランキングの仕組みをわかっている人からすれば「全然大丈夫だよ、俺が助けるよ」となります。仲間を助けるプレイで自然とランキング上位が狙えますからね。

 もちろん、まだロケテ段階ですので、そうしたバランスにもこれからも調整は必要と思うのですが、そういうコンセプトの仕様になっています。調整はもう半年ぐらい続けていますし、このロケテでも調整をしますから、調整期間は長く取っています。

――夏の稼働開始まで、開発チームとしてはどんな流れになっていくのでしょう?

柴氏: ストーリーモードの追い込みが大きいですね。「LoV」ならではの1人でたっぷり楽しめる、没入できるモードを今回はたっぷり入れるので。ある程度上手くなってマルチバトルへと入ってもらえる導入がストーリーモードだと思うので、そのためにそこもガッツリ作りこんでいます。今回のロケテで、どういうところを1人用のモードで教えないといけないのか探るというのもありますね。

――筐体ですが、「LoVIII」は新規筐体のみですか?

柴氏: そうですね。タッチモニターになっていますし、プレイスクリーンも変わっていますし。

――プレイスクリーンはどのようなところが変わったのでしょう?

柴氏: かなり性能が良くなっています。読み込みを良くするためにカードの印刷が変わっていますし、それを読み取る技術も変わっています。カード印刷の工程も短く、スピーディーになりました。それによって1回のバージョンアップで導入するカード種類も増やせます。

 カードの持越しについては悩んだのですが、目先の1年を見るよりも、5年10年を見据えてやっていこうと決断したものです。僕らにとっても、ゲームを楽しんでくれるプレーヤーさんにとっても、そのほうがいいだろうということで、これまでのものとは変えました。ちゃんと面白いものを作ればプレイしてくれる。そういうお客様が特にいてくれるのがアーケードだと思いますので。そこを信じて、初心に帰って、というところです。

――操作デバイスについてですが、タッチモニター以外にも例えばマウスにしてしまおう、なんてプランはありませんでしたか?

柴氏: マウスもありかなとは思ったんです。コストとしてもタッチモニターよりも安いですし。ただ、アーケードゲームって、お店に行かないとできないものでないと、という考えがあって。27インチのタッチパネルのモニターって、現状は家庭には無いと思うんですよ。それを使った体験をというものですね。

――プレイ中のスタイルというか動きは激しくなりそうですね。片手をタッチモニターへ、もう片手をプレイスクリーンへ、というような感じですか?

柴氏: 上手い人のプレイ姿はもうガシャガシャやっていますね。今回はゲームが止まらないんですね。前作までは特殊技で進行が止まっていたんですが、今回はアルティメットスペル以外は止まらないです。プレイ中ずっと手を動かすような感じで、アルティメットスペルの時に一息ついてカードをちょっと整理する、みたいな。忙しいゲームですが、お金を払って楽しむぶんの満足感のようなものは十分にあると思います。

――それでは最後にユーザーのみなさんに向けて一言いただけますか?

柴氏: これだけ熱量の高い人たちがたくさんいて、今日も来てくださって。僕らはこのみなさんとも真剣に向き合っていきます。僕らのプロジェクトって“スクエニっぽくない”って言われることもあるぐらいに泥臭い感じでやってきているんですが、ユーザーさんに近い距離感でやっていきます。でも、ゲームって元々はそういうものだと思いますので。アーケードに集まってワイワイ楽しむ、そういうユーザーさんのコミュニケーションを繋ぐツールとしても、盛り上げていきます。

――ありがとうございました。

(山村智美)