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AC「ロード オブ ヴァーミリオンIII」ロケテストVerプレイレポート
タッチ操作とスピーディーなプレイが生む“忙し面白い”没頭感の高さが魅力
(2013/3/9 15:11)
スクウェア・エニックスが2013年夏より稼動予定のアーケードカードゲーム「LORD of VERMILLION III(以下、「LoVIII」)」。現在最新Ver.でのロケテストが行なわれているが、今回このロケテストVer.をプレイする機会を頂いたので、プレイレポートをお伝えしよう。
この日プレイしたのは、8台の筐体で4VS4のマルチバトル。使い魔のカードはスターターパック(プレーヤーカード含め6枚)と、開発チームで選んだ10枚を加えた16枚。8人全員が同条件でプレイを行なった。なお、プレーヤーキャラクターはギデオンかアンジェラのどちらかを選択できるようになっていた。
まずは簡単にマルチバトルのルールをおさらいするが、マルチバトルは4人チームで相手チームとバトルを行なう。マナタワーを制圧しつつマナを溜めて「使い魔」を召喚し、互いの陣地に置かれているアルカナストーンの破壊を目指す。アルカナストーンは両軍ともに3カ所ずつ置かれているので、どこを狙うか、守るか、どんな戦法とデッキで戦うのかが鍵を握る。ゲームジャンル的にはRTS(リアルタイムストラテジー)だ。
筐体に座り、まずは各部をチェックしてみる。「LoVIII」の筐体の見所は、なんと言っても27インチの「タッチモニター」だろう。垂直に設置されているこのタッチモニターは、高精細で発色もいいし、筐体に座ってみると、27インチがちょうど視界を埋めてくれ、迫力も満点。
従来からある「プレイスクリーン」に使い魔のカードを置き、カードを登録、プレイ中に動かしていく。プレイスクリーンの上側8割ほどの赤い部分は「オフェンシブゾーン」、下2割側の青い部分は「ディフェンシブゾーン」となっていて、どちらにカードを置くかでそのカードのカードのバトルスタイルが切り替わる。文字通り、相手陣地に攻めていくならオフェンシブに、マナスタワーやアルカナストーンを守るならディフェンシブに、というのが基本。通常はオフェンシブに置いておくのがいい。
プレイスクリーンに8枚のプレーヤー+使い魔のカードを置いて、いよいよ対戦開始! 操作の中心になるのはタッチスクリーンで、画面のカードアイコンから使い魔のユニットをドラッグして召喚、移動させたいユニットをタッチし、目的地をタッチして移動させる。筐体の左右にあるシフトボタンでアイコンを複数選択したり、2本指で引っ張るようにタッチするとまとめて選択可能だ。
まずは自陣で低コストのユニットをいくつか召喚したのち、自陣付近にあるマナタワーの確保へ。スターターパックだと「ロロ」がマナヘイスト(マナの溜まるスピードアップ)を持っているし、マナコストの低い「シュウ」を召喚して、ユニットにマナタワーからのマナを稼がせるのがベターと思えた。
そうして互いがマナを溜めつつ中央付近に上がってくると、いよいよ激突! マナタワーを確保している間は、そのユニットは攻撃ができないので、そこを狙って互いが牽制するという場面が続くのだが、マナを溜めて召喚した強力なユニットが来ると均衡は崩れる。この日試したカードの中では「デュランダル」や「イージス」が来たら蹴散らされる。
今作の新要素「覚醒」と「超覚醒」も覚えておきたい。召喚したユニットにさらにマナを費やし「覚醒」させることでユニットの能力がさらに高まる。「超覚醒」はさらにもう一段階パワーアップする。
「覚醒」で消費するマナは召喚に必要な量と同じで、「超覚醒」もまた同様。「イージス」ならマナコストが70なので、「超覚醒」までに210マナが必要となる。かなりの量だが、それだけに「覚醒」&「超覚醒」させたユニットは強力。見た目にもユニットのサイズが巨大になり、相手を圧倒できる。「覚醒」&「超覚醒」できるユニットは限定されているので、そうした高コストかつ「覚醒」&「超覚醒」可能なユニットをデッキに入れるのか、どれぐらい重要視するのかで、プレイスタイルはだいぶ変わっていきそうだ。
プレーヤーそれぞれの戦力の軸が生まれていくなか、マナを見つつ、ミニマップを見つつ、常に自分が何ができるかを考えていく。今作はチーム戦なので、例えば相手チームの強力なユニットが来たら一旦退散して、味方が多い場所に誘い込んだり、味方がこちらの戦いに気づいてユニットを差し向けてくれたりと、連携プレイができるのが大きなポイント。醍醐味と言えるだろう。互いのチームの覚醒した強力なユニットが激突し、ユニットが集結している様子をよそに、こっそりと敵ラインの穴を抜けてアルカナストーンを狙いに行くというのももちろんあり。そうして撹乱するのも有効な戦法だろう。
こうして3、4回プレイしての感想をまとめると、まずはともかく、操作に慣れるのが重要だ。タッチ操作は直感的なので基本操作はすぐにできるようになると思うが、攻撃ターゲットを指定したりマナを溜めさせたりと「それらが思い通りにちゃんとできているのか」を把握するところから始まっていくように思える。
ユニット移動にしても、慣れないうちはタッチスクリーンを指でスライドさせてマップを動かしていたのだが、これはカードアイコンとミニマップをタッチした切替を使った方がスムーズ。ユニットをポンっとタッチし、ミニマップで目的地へ飛んで、そこを移動先としてタッチする。スライド操作はミニマップ移動後の微調整程度に使えるになるといいのかもしれない。
ミニマップの活用は戦況の把握にも重要だ。今作はなにしろ4VS4のチーム戦であり、敵味方ともにどんな動きをしているかはミニマップを見ればわかる。それを見て、自分がどう動くかをその都度、判断できるようになるのがポイントだろう。
プレイに慣れてきたところで、使い魔カードの入れ替えを自由に行なっての対戦に入っていく。こうなると人それぞれの戦法に個性が出てくるわけだが、この日は渡されていた使い魔の中で最もコストの高い「ヨルムンガンド」を戦力の中心にするのが流行った。ヨルムンガンドを「覚醒」&「超覚醒」できればまさに敵無しといった様子で、超覚醒までには270マナ必要だが、そのぶん大きな戦力になる。
一方の筆者は、コスト20の「プロメテウス」と、コスト30の「武則天」を中心に、念のために高コストな「デュランダル」も入れておきつつも、コスト10のユニット程度の低コスト中心に固めていった。
「プロメテウス」は低コストながら「超覚醒」まで可能だし、「武則天」は施設を攻撃するのに適しているというアドバイスを頂いたので、早めにこの2体を召喚して速攻をかけるというスタイル。おそらくは速攻で仕掛けて相手チームのペースを乱す“荒らしスタイル”に近づいていたのだろう。ただ、この時に同時に流行っていた超覚醒ヨルムンガルドが来たら、一目散に逃げて、そうした時には仲間を頼るという動きを取った。
こうして7~8回程度対戦が行なわれていくと、だいぶ全員が慣れてきて好勝負が展開されるように。ちょっかいを出すような牽制とその撃退、その一方でひたすらにマナを溜めての超覚醒狙いと、それを妨害する動きが繰り広げられていく。ミニマップを見ての戦況把握も慣れてきて、互いのチームの対応も早くなっていった。
互い陣地のアルカナストーン周辺は激戦になり、この日はその激戦を高コストユニットで押すか、それとも数でカバーするかという様相になっていた。
主人公キャラが発動できる「アルティメットスペル」で、ユニット全員のHPを回復する「キュアオール」や、ユニット全員の移動速度を一定時間早くする「クイックドライブ」などを駆使する場面も多く、その発動を見て互いのチームメンバーがそれに合わせた動きを展開していくという様子が見られた。
また、今作ではプレイの流れが「アルティメットスペル」、「アルカナストーン破壊の告知」以外ではほぼ止まらない。そのため、常に動き続けるプレイの中で「アルティメットスペル」発動の時に自分のユニットやマナの状況、ミニマップを見ての戦況把握をする猶予ができる。そういう意味でも、アルティメットスペル発動がきっかけになって展開が変わるというところがあった。
ここからさらに理解が深まると、ユニットのジョブによる三すくみがポイントになるという。すなわち「アタッカー」、「ディフェンダー」、「マジシャン」の3つの相性だ。ただこの日はまだユニットのジョブ把握すら心許ないという状況だったので、三すくみを意識するまでに至らなかったのが心残り。
また、プレイスクリーンのカードを動かして発動する「スマッシュアタック」も鍵になっていく。アタッカーなら強力な攻撃の「ダッシュアタック」、ディフェンダーなら相手の移動速度を下げる「スロウアタック」、マジシャンなら範囲攻撃の「スプレッドショット」を放てる。例えばマナタワー周辺でマナ稼ぎをしている低コストユニット集団なら、マジシャンの「スプレッドショット」を浴びせれば一網打尽にできる。
ただ、このスマッシュアタックの要素も、筆者を含めてほとんどの人が活用する余裕がなかったようだ。これを鮮やかに決められるぐらいに上手くなると、テクニックを駆使する気持ちよさが加わりさらに面白くなるだろう。その片鱗は充分に感じることができた。
最後にランキングについて。ランキングの順位はプレイ中の行動で得たポイントの総計で決まり、査定される行動は撃破、破壊、制圧、妨害、防衛など項目が多い。試合自体の勝敗もポイントは加算されるが、それほどポイント量が多くはないので、勝敗よりもプレイの中身が問われるというものだ。
筆者は最初の3~4回のプレイはほとんどランキング7位や8位といった結果で低迷気味だったのだが、理解が進むにつれて、2位、3位も取れるようになっていった。ランキングが上がった1番の理由は、やはり“慣れ”だ。これは制作スタッフのみなさんと話題にも出たが、本作はある程度プレイをして“わかってくる”と、加速的にスムーズなプレイができるようになる。そして、その“わかってきた”ところからの面白さはかなりのものだ。
この日は大体10戦ほど体験プレイをさせて頂いたのだが、多少新しい操作であるタッチパネルの使いこなしに数プレイは必要。逆に言えば数プレイでだいぶ馴染んでくるぐらいに、直感的で遊びやすく、慣れてからは、非常にスムーズだと感じられた。
チームプレイだからこその戦況が大胆に変わっていく様子、デッキの組み合わせやテクニックを駆使する奥深さ、それらを全てひっくるめての戦略性の高さと奥深さは、非常に魅力的だ。
プレイの感触としては“忙しくて面白い”というものがあり、忙しいからこそ生まれる没頭感の高いプレイが楽しめる。27インチタッチパネルの迫力と、タッチ操作による手を動かしてゲームプレイしている独特な気持ちよさがある。今後にまだロケテストが行なわれるし、夏には稼働も開始されるので、ぜひ機会を逃さずにプレイして頂きたいと思う。
最後に、ロケテ会場でも上映されている「チュートリアル動画」の前編後編が公開されたので、こちらも掲載しておこう。明日以降、ロケテストに参加される場合など、プレイ前の予習にぜひご覧頂きたい。
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