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「ガンプラビルダーズワールドカップ2012」世界一決定戦開催
お国柄を感じさせる作品達が集結、世界一は香港、ジュニアはインドネシア
(2012/12/23 21:45)
バンダイは12月23日、お台場のガンダムフロント東京で、「ガンダム」のプラモデル・ガンプラ作りの世界コンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ2012」の世界一決定戦を開催した。
ガンプラ作り世界一を決めるコンテストは、昨年から開始され、今回が2度目となる。今回は日本、中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、北米、イタリアの13の国と地域で予選大会が開催された。各予選を勝ち抜いた選手はジュニアコース(14歳以下)11作品、オープンコース(15歳以上)13作品の合計24作品。世界一決定戦の会場には世界中から作品と共に製作者が集まった。
13カ国で競うガンプラ世界大会、優勝は香港のン エディ氏。大河原邦男氏も祝福
「ガンプラビルダーズワールドカップ2012」世界一決定戦は、予選を勝ち抜いた13のくにと地域のジュニアコース(14歳以下)11作品、オープンコース(15歳以上)13作品で世界一を競う。日本予選大会は こちらを参照して欲しい。
イベントでは最初にバンダイ代表取締役社長の上野和典氏が挨拶を行なった。上野氏は「進化し続けるガンダムワールドを体験・体感できる『ガンダムフロント東京』でガンプラの世界大会を開催できるのは、ガンプラを世界中に広めていこうという我々、そして世界でガンプラを楽しんでいるみなさんにとっても意味深い大会となると思います。皆さんの作品の技術力、アイデアは本当にびっくりしました。どなたが世界一になってもおかしくないと思います。今回は表彰式を楽しんで下さい」と語った。
世界大会の審査員はガンプラの企画・製作で“川口名人”と呼ばれるバンダイホビー事業部の川口克己氏、同じくホビー事業部の岸山博文氏、そして模型誌のホビージャパン編集長・谷村康弘氏、電撃ホビーマガジン編集長・安蒜利明氏、モデルグラフィックス副編集長・髙久裕輝氏が務めた。審査員は“工作”、“塗装”、“アイディア”という3つの視点でそれぞれ10点満点で評価し、優秀作品を決定した。川口氏は声優の池澤春菜さんと共にイベントの司会も担当した。
岸山氏は今回の予選を勝ち抜いてきた作品に関して「昨年は香港で世界大会が行なわれ、その時も私は審査員でしたが、今年は昨年以上にグレードアップしていて、感動しました。皆様の作品は“愛”に溢れており、この愛を励みに私達も様々な商品を頑張って作っていきたいと思いました」と語った。
さらにスペシャルゲストとしてメカデザイナーの大河原邦男氏が登場した。大河原氏はアニメ「機動戦士ガンダム」のメカデザインを担当し、その後も多くのガンダム作品で主役機を始めとした様々なデザインを生み出している。
大河原氏は「私はガンダムをデザインしたのは30歳でした。今は65歳になりますが、これまで私が真剣に作ったガンプラは1/60のザク1つだけです。実は昨日まで『Gガンダム』のパワーアップデザインをしていました。正月7日に提出予定ですが、お正月は1日だけ仕事を休んで、それ以外は全部仕事をします」と挨拶。Gガンダムに関しては、富野由悠季氏以外が監督を務めた「ガンダム」として、大河原氏も思い入れが深いという。
さらに「『ガンダムSEED』、『ガンダムSEED DESTINY』以降はプロダクションからのオファーがなく、ガンダムをやりたいと思っているが他の仕事で頑張っています。ガンプラブームは最初一過性のものかと思っていましたが、このように続きグローバルな物になるとは想像もしていなかった。もうちょっと真剣にガンダムをデザインしておけば良かったと今反省しています」と冗談を交えて語った。
大河原氏のトークの後、優秀作品が発表された。ジュニアコースの優勝者はインドネシアのアレン フェブリアント氏の「カブキ」。審査員の谷村氏は「彼の作品は、工作、塗装、アイディア全てにおいて抜群で、特に顔部分に歌舞伎を思わせる隈取りがしてあって、面白いなと感じました」と受賞理由を解説した。ジュニアコース2位は香港のヴィンセント ホイ氏の「セービングガンダムベース」、3位はタイのクリット ソマバ氏の「ジェスタ スペシャルオペレーション」となった。
オープンコースの優勝者は香港のン エディ氏の「プロジェクト グエン-リゼル FA+FW」。谷村氏は「今回のオープンコースは各国の“お国柄”がよく出た作品が集まったと感じました。設定にとらわれない発想力の高い作品が多く、審査もとても楽しかったです。1位を取ったエディ氏の作品ですが、リゼルをベースに最近流行りのパーツをとことん使っていますが、これだけパーツを使っているのにどの角度から見ても造形に破綻がないんです。色々な意味でバランスの高い作品でした」と語った。
オープンコースの2位はフィリピンのアリステオ ラミダ サーバドラ ジュニア氏の「1/100 AGE タイタス」。3位は韓国のゴ ヨンチョル氏の「ザ ザク(リターン オブ ザ ジェイ ライデン)」となった。
最後に大河原氏が再び登壇し、「私がガンダムを手掛けている頃は、『ザンボット3』、『ヤッターマン』、『ゼンダマン』、『ザ・ウルトラマン』を同時に進めていてとても忙しい時期だったが、ガンダムがこれだけ長く、広く愛される作品になったというのは私の想像もしなかったことです。私達送り手はこの現実を踏まえて、皆さんに愛してもらえる作品をどんどん世界に発信していかなくてはいけない、そういう気持ちになっております。この数十年、ガンダムに関わった者を代表して、お礼を言いたいと思います。おめでとうございました」と入賞者に語りかけた。
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