(2012/12/11 00:00)
バンダイが11月23日に発売したプラモデル1/144「RG(リアルグレード) Zガンダム」は、1/144という小サイズながら、「完全変形」に挑戦した意欲作である。MS(モビルスーツ)の中で、特に複雑な変形をするZガンダムを、どのように表現したのだろうか? 今回、ホビーレビューとして「RG Zガンダム」を取り上げ、さらに開発者にインタビューを行なった。
「RG Zガンダム」は単純な“アニメの機体をプラモデル化したもの”ではない。ガンダムのプラモデル“ガンプラ”は1/144の「HG(ハイグレード)」、1/100の「MG(マスターグレード)」など様々なブランドがある。「RG」はお台場に現われた1/1 ガンダム立像がきっかけになって生まれたという。全長17mという巨大な像を造るために、バンダイは造形技術を結集させた。「RG」はこの1/1 ガンダムを1/144にし「現実世界にガンダムがあったらこういう構造になっているのではないか」という“夢”を実現するというのがコンセプトだ。今回の「RG Zガンダム」は、1/1 Zガンダムを作るつもりで設計し、それを1/144に“縮小”したもの、というわけだ。
さらに今回の「RG Zガンダム」では大きなテーマがある。それが“変形”である。ZガンダムはMS(モビルスーツ)形態から、高速移動形態であるウェーブライダーに変形する。Zガンダムのプラモデルは過去いくつも発売されているが、変形パターンが複雑なため、変形機能を削ったものや、プロポーションを調整したもの、一部の部品を差し替えることで変形を実現させたものもあった。Zガンダムの変形は、バンダイのプラモデル技術が進化するごとにチャレンジしていた“課題”だったのである。今回、「RG Zガンダム」は差し替えなどのない「完全変形」を成し遂げたというのだ。
今回はこの変形を特にフォーカスし、実際に組み立て、変形機構をチェックしてみた。そして、バンダイホビー事業部企画開発第二チームサブリーダーの西澤純一氏にインタビューを行ない、開発者がどのような想いで「RG Zガンダム」を開発したか聞いた。さらに“ガンプラ”そのものの技術的な話や、設計と言った専門部分、西澤氏自身の“夢”も聞いてみた。
ガンプラの最新技術が詰め込まれた“完全変形”、「RG Zガンダム」
「RG」シリーズは2010年より始まった比較的新しいシリーズだ。その最大の特徴は「アドバンスMSジョイント」というで骨格(インナーフレーム)が設定されていることだ。プラモデルはランナー(プラスチックの枠)からパーツを切り離し、組み立てていくのだが、アドバンスMSジョイントの場合ランナーにくっついている状態で複数のパーツが組み合わさっている。これにより可動部分の耐久度と、小さいサイズでの可動を可能にしていると感じた。
いざ組んでいくと、かなりパーツが細かい。また手足の関節だけでなく、変形部分の可動部分もとても多いため、部品組み立ての“向き”にかなり注意を払わないといけないと感じた。部品も小さいものが多く、ある程度プラモデルに慣れてる人向けのモデルだと感じた。
それにしても、バンダイのプラモデルは組む度に感心させられる。接着剤も要らず、組み合わせるだけでしっかりと固定できる。色分けもとても細かく、塗装しなくてもアニメの設定にかなり近い形で組み上がる。そして、“素材”部分も驚かされる。装甲部分は堅い部品、関節や可動部分は軟質樹脂が使われていて、動かしてもゆるゆるにならないし、ポージングが決まる。プラモデルは作るのが楽しいが、バンダイのプラモデルは組み上がった後、色々いじれるところも大きな楽しみだ。複数の素材を組み合わせ、見た目と耐久性を実現しているここまで“プレイバリュー”が高いプラモデルはバンダイならではないだろうか。
「RG Zガンダム」も可動部分が多いにもかかわらず、プレイバリューと耐久性を両立している。組んでる途中も、「ここがこう動くのか」とぐりぐり動かすのも楽しかった。今回、特に股関節、胸部分の構造が複雑だった。ランナーから外すときのプラスチックの残りの部分はかなり気をつけて取らないと、合わせ目がしっかり合わず、変形で部品が引っかかり、スムーズに動かなくなることもあった。
変形機構を持っていながら、MS形態のポージングの幅も広い。腰ブロックと足は変形時左右に分割する構造にもかかわらず、きちんと太ももの可動範囲も広い。腰はMS形態はひねる事ができ、変形時はロックすることができる。MS時のスマートなかっこよさ、ウェーブライダー時の航空機的なフォルムどちらかっちりと決まる。気になった部分はMS形態の時、シールドがちょっと細いかな、というくらいで、特にウェーブライダー時には様々な部品が詰まっている感じが楽しい。
今回、できるだけ気をつけて組んで、8時間弱かかった。もちろん、器用な人はさらに短時間で組めるだろうし、デカールを貼る本格的なモデラーはもう少し時間を見ておきたいところだ。「RG Zガンダム」には「リアルスティクデカール」というシールを全身に貼り、さらに本格的な雰囲気を出すこともできる。
実際に変形させてみると、Zガンダムはここまで複雑な変形をするのか、と驚かされた。改めてこの機構をプラモデルに再現する難しさを実感できた。Zガンダムのプラモデルは、これまで変形機能を持たせるためMS形態のプロポーションに難があったり、可動範囲が狭かったり、構造的に弱かったりするところもあった。「RG Zガンダム」はプレイバリューとかっこよさを両立した、Zガンダムプラモデルの決定版と言える作品だと感じた。



























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