バンダイナムコ、PS3/Xbox 360「鉄拳タッグトーナメント2」体験会レポート
体験プレイ&プロジェクトディレクター原田氏による
プレゼンも行なわれた充実の体験会!


8月25日 開催

会場:バンダイナムコゲームス本社 未来研究所


 株式会社バンダイナムコゲームスは、9月13日に発売を予定しているプレイステーション 3/Xbox 360用対戦格闘「鉄拳タッグトーナメント2」の体験会を開催。プロジェクトディレクター原田氏によるプレゼンテーションと体験会の2部構成のイベントだ。早速、レポートしていきたい。




■ 熱い思いの込められた原田氏のプレゼンテーション!
  「ファイトラボ」、「TEKKEN TUNES」といった注目の新機能をプロジェクトディレクター自ら紹介!

 前半のプロジェクトディレクター原田氏によるプレゼンテーションでは、自己紹介から始まり、「鉄拳」シリーズの市場の特性、製品の特徴についての紹介などが行なわれた。冒頭の自己紹介から遊び心溢れるものになっていたりと、実に原田氏らしいプレゼンテーションだ。なお、自己紹介については、下記のスクリーンショットをご覧いただきたい。

 ゲームの特徴として最初にプレゼンされたのが、1対1、2対2、1対2の対戦に対応している点。これは鉄拳5や6から始めたプレーヤーの約3~4割が2キャラクターをマスターしていない現状、1体ずつ練習したいという要望に対し、誰もが気軽に対戦に参加できるよう配慮した結果。1対2でプレイすることでタッグでの戦い方がわかるし、1対1なら対戦にも入りやすい。1対2でも対戦が成り立つよう調整も加えているが、極めるほど2人を使った方が強くなるよう調整されているそうだ。なんと3つの対戦人数タイプは、ランクマッチにも対応。1対1や1対2での対戦は、ランクマッチでは除外されていたり、独立したランクマッチなのではと思っていたのでこれには驚かされた。

 プレイアブルキャラクターが50体以上いる点に関しては、「50体以上とまとめてはいるが皆さんの想像より多い」とのこと。ジャック、プロトタイプジャックのように似たキャラクターがいるのは、パートナーを誰にするか悩むプレーヤーに対し、簡単に扱えるよう操作系の似ているキャラクターを入れたそうだ。


自己紹介の写真が株式会社ヴァルハラゲームスタジオ 代表取締役CTO 板垣氏に!開幕から原田氏らしい遊び心溢れた資料だ。板垣氏はいい飲み仲間なんだそうだ鉄拳の市場の特性について。北米などにはアーケード施設が少ないこともあるが、業務用と家庭用のユーザー比率が逆転しているケースは珍しいとのこと全てではないが、製品版が出回っている国の例。また、鉄拳ファンが喋る言語は、1位英語、2位スペイン語、3位インドネシア語ときて、日本語は8位にくるそうだ。海外で売れていることが良くわかる例
鉄拳だけに留まらない格闘ゲームへの熱い思いが込められたメッセージ。同氏の活躍をチェックしている人達には充分に伝わっていることだろう。コラボだけでなく、イベントなど国内外と協力して盛り上げていく考えがあるそうだ1対1、2対2、1対2の対戦に対応。タッグゲームではあるが、1キャラクターだけでもオフライン/オンラインプレイが楽しめるのがありがたい。また、プレゼンテーションでは語られなかったが、本作は3Dにも対応しているプレイアブルキャラクターはなんと50体以上。これまでに発表されている以外にもキャラクターは存在し、アップデートで追加されていく

 オンラインについては、前作でサービスイン当初に快適に遊べなかった経験を踏まえつつ、好評のオンライン対戦を搭載した「ソウルキャリバーV」チームと技術協力。「オフラインと変わらず遊べる快適さを実現している。開発には結構な時間をかけた」と原田氏はコメント。他にもアップデートにより遊びを拡充し、長期に渡り遊べるようになっていること、待ち受け中にプラクティスができる機能を搭載していることについても触れていた。

 注目の新機能「ファイトラボ」についてのプレゼンテーションはかなり力の入ったものに。「ファイトラボ」は、技を「コンボット」というロボットに組み込んで、オリジナルファイターを作ることができるモード。

 これは「当初チュートリアルを作ろうとして生まれたもの。プラクティスは、『鉄拳2』で世界で初めて導入したが、時間が経つにつれて上級者用のモードになってしまった。初心者がゲームを始める時、チュートリアルから始まるかというとそんなことはなく、対戦かCPU戦を遊んでしまう。これに気づいた時、チュートリアルを作ろうとするのをやめた。行動を分析した結果、ミニゲームやストーリーは誰でも楽しめるし、誰でも遊ぶため、ファイトラボにはストーリーをつけ、ミニゲーム集にしようと決めた」という。

「初心者はクリアすると中級者の一歩手前までこれるし、上級者は面白いストーリー、ミニゲームが楽しめるだけでなく、知っている人ほどオリジナルファイターを作る面白さが理解できるはず。2周目は難易度が上がっていたり、稼ぎ方がわかったりと繰り返し遊ぶ楽しさがある。(プレイ結果には)C~Sとランクが付けられ、高ランクを取らないと得られない技もある。格闘ゲームにおいて、技を自由に組み合わせてキャラクターを作れるゲームは数少ないと思います。3D格闘だからこそできる稀なモードですので注目してもらいたい」とコメントした。なお、「ファイトラボ」のキャラクターは、ランクマッチで使うことはできない。オフラインプレイ、プレーヤーマッチなどでは利用できる。

エンディングムービーは50本以上、総尺80分以上収録。長いもので1本3分以上あり、水彩画風、立体的な紙芝居風、アニメ調など、レンダリングを分けているので楽しみにしておいてもらいたいとのことオンイランプレイには様々なモードを収録。快適なオンライン対戦プレイはもちろん、待ち受け中のプラクティスも搭載。段位についてはオフラインとオンラインで別々のものに。昇降格条件はどちらも同じになっている「ファイトラボ」では、ストーリー、ミニゲームを楽しみながらゲームシステムが自然に理解できる

 話題の「TEKKEN TUNES」(本体に取り込んだ音楽データをメニューやステージに割り当てる機能)については、コスチューム、アイテム技、様々なキャラクターの技を組み込めるファイトラボといった要素に加え、音楽までカスタムさせたい思いから生まれたモード。録音した音声データも流せるので、父兄の方は子供に向けてエンディングに「いい加減、宿題しなさい」と入れたり、彼女へのメッセージ、カラオケ、ドッキリみたいにも使えるとのこと。なお、著作権の問題により、オンラインで対戦相手に自分の設定した楽曲を流すことはできない。

 「シリーズの決定版と言えるものになっていると思います。進化した遊び、新しい遊び、TEKKEN TUNES、オンラインの機能を含め、ユーザーのフィードバックを活かしつつも、ユーザーが予想していない機能を盛り込んで大きく進化させております。できるだけ切り売りのスタイルでなく、このタイトルを買ってもらえれば安心して遊べて、タイムリリースのようにキャラクターや機能が徐々に増え、遊びが拡張されていくタイトルを目指しています」とプレゼンテーションを締めくくった。

メニューやステージなど、シーン別に自分好みにBGMをカスタマイズできる「TEKKEN TUNES」。使用できるのは本体に収録されたMP3などの音楽データ。実演デモでは、メニュー画面やキャラクターセレクト画面のBGMをマッピーやアイドルマスターの曲にセット。鉄拳とは思えない、不思議な印象に
初回封入特典の資料。1つ目のプレイアブルキャラクターは弊誌でもお伝えした通りだ。日本では初回封入特典として、4キャラクターが付くが、海外では予約特典であったり、店によってはキャラクター2体だけだったりと、日本が1番お得になっている。「SNOOP DOGGステージ」については、特に欧米で大きな話題になっているそうで、本人自らTV番組でPRしてくれたが、MCから「いつから鉄拳ファンなのか」と聞かれ「80年代から大好きだ」(初代鉄拳は1994年リリース)と答えたことで、そこまで濃い鉄拳ファンではないとバレてしまった事件もあったが、プレイを見ると近年のシリーズを遊んでいることが伺えたというこぼれ話も
「水着コスチューム」は、ツイッターの冗談から生まれたコンテンツ。全キャラクターで水着コスチュームが使用できる。「リリのふわふわスカート」は、鉄拳ではHavokを布の処理に使っており、動きの激しい格闘ゲームでは難しいロングスカートもうまく表現できるようになったため、特典にしたとのこと。これら初回特典に付く、キャラクター、コスチュームなどは、「鉄拳タッグトーナメント2」のコンテンツ(技、ステージ、コスチュームなど)は有料DLCにしないというルールを守って提供されるものだ。気をつけてもらいたいのが、初回封入特典を逃してしまった場合だ。上記ルールを守っている以上、初回封入特典は無料で配信される可能性はあるが、配信時期はかなり後になると予想される。これについては同氏のTwitterでも言及されていることだ。初回封入特典を逃さないよう早期購入をオススメする。また、過去の鉄拳シリーズのサウンドをTEKKEN TUNESに入れたいという要望がある一方、もうCDが販売されていない現状があり、これらについては「鉄拳タッグトーナメント2」以外のコンテンツなので、DLCとしてアルバム単位で安く提供できたらと考えていることが明らかにされた




■ 体験会では、オンライン対戦や新モード「ファイトラボ」をプレイ!

 体験会会場には、PS3/Xbox 360版「鉄拳タッグトーナメント2」が複数設置されており、PS3版でオンラインモードや「ファイトラボ」などをプレイすることができた。

 ■ 「オンラインモード」

 まずはオンラインモードでのランクマッチをプレイ。外部サーバーを経由し、体験会会場内でオンライン対戦を行なった。「オフラインと変わらず遊べる快適さを実現している」というだけあって、遅延を感じさせないスムーズな対戦プレイができた。

 続いて行なわれたのが、「プレーヤーマッチ」にてルームを作ってのオンライン対戦。「ソウルキャリバーV」のように、対戦中の2名以外はテキストチャットをしたり、試合を観戦したりできる。「ソウルキャリバーV」チームの協力関係については「チーム間での人材の入れ替え、意見交換を行なっている。実は鉄拳5の後半辺りで同じフロアになるまでは仲が悪かった(笑)」といった話を聞くこともできた。なお、原田氏のTwitterのフォロワーならご存知の通り、「プレーヤーマッチ」のルーム最大人数は6人で、部屋名は自由につけることが可能。今後のアップデートで、50人が入れるロビーアリーナ、その中で16人が入れる対戦・チャットラウンジなどが随時追加予定となっている。

 また、「プレーヤーマッチ」では2人でのプラクティスも体験できた。オンラインで2人で練習できるモードで、ボイスチャットなどを使いながら上級者に教えてもらったりといった使い方ができる。「STREET FIGHTER X 鉄拳」の「ブリーフィングルーム」などにも搭載されている、このようなオンラインで2人でトレーニングできる機能は、今後の対戦格闘ゲームでは当たり前になっていくのだろうか。

オンラインプラクティスでは、オンラインで2人で練習できる。ボイスチャットを使えば、より良い練習ができることだろう

 ルーム検索の検索オプションは、「プレーヤーマッチ」の場合、「エリア」(何でも/自分と同じ)、「使用言語」(何でも/自分と同じ)、「プラクティス」(無効/有効/何でも)、「ボイスチャット」(無効/有効/何でも)が選択できる。また、「ランクマッチ」には「ランク制限」(無制限/±3のみ/±3優先/±5のみ)、「回線品質」(無制限/5のみ/4以上/3以上)といったオプションも用意されている。


 ■ 「ファイトラボ」

 家庭用専用の目玉モードの1つである「ファイトラボ」。公式サイトのムービーからも分かる通り、ストーリーを追いながら、指定されたコマンドを入力していったり、ミニゲームをプレイすることで、楽しみながらゲームシステムを理解できるという従来のチュートリアルとはまた違ったモード。操作キャラクター「コンボット」の技をカスタマイズできるという点も本モードの楽しみの一つだ。また、各セリフはフルボイスだったりもする。

 ゲームを始めると、ストーリーパートがスタート。続いて前進、後退、しゃがみ、ジャンプなどの基本操作を教えてくれる実戦パートに。打撃練習では、攻撃すべき位置や攻撃方法(パンチ・キックなど)が相手キャラクターの部位にアイコンで表示される。それが終わると、本モードらしいミニゲームに。地面に設置された爆弾や相手の攻撃を交わしつつ、攻撃を当てていくものだ。このミニゲームでは、ジャンプやしゃがみでの攻撃回避などを遊びながら学ぶことができた。そしてステージクリア後のリザルト画面では、クリアタイム、残り体力、エクストラボーナス(ミニゲームで好成績を残すことなどで獲得可能)により、スコアとランクが決定。デベロップメントポイント、ファイトマネーが獲得できる。前述の通り、ランクは獲得できる技にも関係してくる。

 「コンボット」の技をカスタムできる「コンボットチューニング」では、LPやRPといった技をアサインするボタンを選択すると、選択したボタンに対応する技の一覧が表示される。例えば、LPを選択すると、シャオユウの「架推掌」(LP)などが出てくる。各技には必要デベロップメントポイントが設定されており、ポイントを支払うと技が得られ、装備すれば使うことができる。技の一覧は左側に表示され、技を選択すると画面右上で技が再生される。さらにセレクトボタンを押せば、画面右上にいるコンボットを自ら操作することも可能だ。画面の切り替え、ロードなどを挟むことなく、そのまま技の使い勝手を確認できるのがありがたい。


 「ファイトラボ」の体験プレイを終えた辺りで、残り時間は僅かになってしまったが、「プラクティス」にも少し触れることができた。「フリースタイル」、「ディフェンシブトレーニング」、「VS CPUトレーニング」と3つのモードが用意され、コンボ練習、特定の技に対する防御・確定反撃の練習、CPUと戦う実践的な練習ができる。表示項目では、ダメージ、技属性(HIGHなど)に加え、硬直までも表示できる。オンライン対戦に向けて入力遅延の設定(アンテナの本数で指定)も可能だ。他にも技表からの技やコンボの再生(コマンド入力履歴表示可)もあり、初心者から上級者まで使いやすいモードになっていた。

 最後に行なわれた質疑応答では、カスタムアイテムや声の高さが変わるといったアイテム技が多数追加されていること、ネットワーク対戦は経路次第だが、海外のプレーヤーとも快適に対戦できること、アップデートの頻度は様子を見ながらだが、月1程度を予定(最初のアップデートは10月の早い内を予定)していること、当初オープニングムービーは巌竜が起きる所から始まる予定だったが、誰も前作の設定(巌竜の夢だった)を覚えていないだろうからやめた、ということなどが聞けた。




 原田氏によるプレゼンテーション、オンラインを含めたプレイと、かなり充実した内容の本体験会。今回のレポートが鉄拳ファンの方々にとって少しでも役立つものであれば幸いだ。また、全てのモードをプレイすることができず、お伝えできなかったこと、ご容赦いただきたい。

 従来の要素を進化させ、新たなモードも多数追加と「シリーズ決定版」、「アルティメット鉄拳」という原田氏の言葉に嘘偽りのない本作。個人的にも発売が非常に楽しみだ。また、発売後にはどのようなアップデートがなされるのか注目していきたい。




(C) 2012 NBGI

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(2012年 8月 25日)

[Reported by 木原卓]