「ファンタジーアース ゼロ バンクェット ~Glorious Road 2012~」開催

決勝大会で新たな戦術が誕生! 7~8月開催のイベントも発表


6月30日 開催

会場:ディファ有明

入場料:無料



会場のディファ有明には、約770名の観戦者も参加

 株式会社ゲームポットは6月30日、同社が運営するWindows用オンラインアクションRPG「ファンタジーアース ゼロ(FEZ)」のオフラインイベント「バンクェット ~Glorious Road 2012~」をディファ有明にて開催した。

 このイベントでは、7対7で戦う「バンクェット」の決勝トーナメントが行なわれた。事前に行なわれたワールド別のオンライン予選では、Ishuldワールドで「Champignon」、Jeremiahワールドで「りすさんもふもふ」、Ketherワールドで「ReName」の3チームが優勝。これに敗者復活戦を勝ち上がったKetherワールドの「悪即斬」を加えた4チームで優勝が争われた。




■ 2年半ぶりの「バンクェット」で新たな戦術が生まれるか?

トーナメント表は当日発表された

 「バンクェット」での公式大会は、ネットカフェでの小規模なものを除けば2009年末以来で、実に2年半ぶり。それ以前は恒例イベントとなっていたのだが、「半歩」と呼ばれるキャラクターの位置ズレ問題が騒がれたことで、2010年以降は開催されていなかった。この「半歩」について、今年4月にアカウント停止を含む罰則が設けられ、取り締まりも始められた(システム的には修正されていない)ことを受けて、久々に開催されることになった。

 前回大会を振り返ると、大剣の攻撃力の高さが頭1つ抜けていたことで、大剣スキルを持つウォリアーが少なくとも3人、多いチームでは6人と偏り気味だった。他の職種では短剣スカウトと氷系ソーサラーが数人見かけられた程度で、それ以外はほぼ見当たらないという状態だった。

 ただ今回はかなり状況が変わった。大剣の「ソードランページ」が弱体化(それでもトップクラスの攻撃力ではある)されるなど一部のスキルでバランス調整が行なわれていることに加え、新たに銃や魔導具が追加されたことで、スキル選択の幅が広がっている。「バンクェット」は7人という限られた人数でのチーム構成や戦法が求められるため、メインコンテンツである50対50の「戦争」とは異なる職種のトレンドが見られる。それが今回はどうなったのかというのも1つの見所だ。

 ルールは7対7で10キル先取を競う「バンクェット」公式ルールを採用。対戦ごとにメンバーのスキル・クラス変更は可能。準決勝および3位決定戦は1本勝負、決勝戦のみ2本先取で行なわれる。決勝戦では1試合目に決めたクラス・スキルは、2試合目以降の変更は認められない。


普段は格闘技の試合に使われるリングの上で、7対7の試合が行なわれた。司会進行および実況解説はGMポルヌ氏とGMウチヤマ氏のコンビが担当



●準決勝第1試合:「りすさんもふもふ」対「ReName」

 メンバー構成はどちらもウォリアー4、スカウト2、ソーサラー1。所持スキルは、ウォリアーは大剣または片手(ハイブリッド含む)、ソーサラーは氷雷で共通。スカウトは短剣と弓のハイブリッドとなっていたが、「りすさんもふもふ」側はやや弓スキルを多く取得しているように見受けられた。

 試合は開始直後からやや膠着し、中央での削り合いではどちらもキルが奪えない状況が続く。途中から徐々に「りすさんもふもふ」が押しこんでいく形になったが、その隙を「ReName」がうまく突いて2キルを奪う。ただ元々が押し込まれる形だっただけに、数的優位ながら相手を押し込むには至らない。

 体勢を立て直した「りすさんもふもふ」は、再び相手を包囲する形で押し込んでいく。「りすさんもふもふ」のスカウトは短剣スキルで妨害するより、弓スキルでの削りを優先し、「ブレイズショット」のほかにも「スパイダーウェブ」や「トゥルーショット」も使って相手の動きを封じて包囲を狭めていく。

 そのまま水場まで押し込むと、我慢しきれなかった「ReName」から1キルを奪う。そこから「りすさんもふもふ」が一気になだれ込み、今度は短剣スキルを使っての連携で、さらに3キルを奪って逆転。「ReName」も何とか4デッドで抑えたという形で体勢を整えたが、その後も「りすさんもふもふ」が包囲して押し込むという展開は変わらず。最後は「りすさんもふもふ」が10キルを奪って勝利を決めた。


「りすさんもふもふ」が弓をうまく使って終始押し込んでいった。「ReName」も瀬戸際での粘り強さは見せたが、強烈なプレッシャーを止めるには至らなかった



●準決勝第2試合:「Champignon」対「悪即斬」

 両チームの構成はどちらもウォリアー3、スカウト3、ソーサラー1のバランス型。第1試合とは異なり、スカウトはいずれも短剣をメインにした妨害を主体として、そこから崩すというオーソドックスなスタイルのぶつかり合いとなった。

 「悪即斬」は敗者復活チームながら、第1回大会で優勝した「StarShipです。」の「StarShip」選手など過去の大会にも出場経験がある選手が多い。それだけにオーソドックスなスタイルにはかなり自信があると思われる。

 序盤は「悪即斬」が徐々に押し込む形で進行。しかし押されていた「Champignon」の短剣がうまく敵を引き込んだところで「ヴォイドダークネス」を入れ、一気にカウンターを決めて先制キルを奪う。その後は双方が短剣の妨害スキルから突出した敵を倒していく乱戦状態となり、キルを取り合うスピーディーな展開となった。

 局地的には双方がキルを取る形になったが、経験で勝る「悪即斬」が安定してキルを重ねて最初のデッド分を奪い返し、さらに「Champignon」との差を広げていった。そのまま中央付近での戦いが続き、混戦での戦いを常に優位に進めた「悪即斬」が10キルを奪って勝利した。


こちらは短剣での妨害がお互いに入り、乱戦模様に。しかし終わってみれば「悪即斬」が地力の強さを見せる試合となった



●3位決定戦:「ReName」対「Champignon」

 「ReName」は準決勝と同様、まず守ってから突出する敵を倒すという守りのスタイル。対する「Champignon」は積極的な妨害を仕掛けて「ReName」の守りを崩していくという展開になった。

 序盤は「ReName」が先制キルを奪うが、すぐさま「Champignon」も1キルを取り返す。その中で「Champignon」が徐々にラインを押し上げ、「ReName」を水場まで押し込んだ。しかしここで「Champignon」の足並みが揃わず、水場に飛び込んだ選手が逆に「ReName」のカウンターを受けて2キルを取られてしまう。

 ここで「ReName」は無理な攻めをせず、スコアの有利を持って再び守りを固める。「Champignon」は妨害を入れて再び攻め込むが、中央での争いでは互いにキルが取りづらい状況が続く。しかし「Champignon」が再び前線を押し上げ、終盤についに水場まで押し込む。今度は足並みの乱れもなく、「ReName」を完全に突き崩すことに成功。「ReName」に体勢を整える暇を与えず、一気に逆転し10キルを奪った。


序盤の競り合いから一転、終盤に「Champignon」が「ReName」の堅い守りを破り、一気の攻めでキルを奪った



●決勝戦:「りすさんもふもふ」対「悪即斬」

 予選では弓スキルを活用して敵の動きを封じる戦法を成功させた「りすさんもふもふ」と、オーソドックスなスタイルで安定した強さを見せ付けた「悪即斬」による決勝戦。「りすさんもふもふ」の戦法が今回もはまるのか、それとも「悪即斬」がそれをかいくぐり、短剣による妨害で崩しきるのかというのが見所になった。

 構成は「りすさんもふもふ」がウォリアー3、スカウト3、ソーサラー1。「悪即斬」はウォリアー4、スカウト2、ソーサラー1となった。

 1試合目は序盤から「悪即斬」が積極的に攻める形。やや強引な形から短剣による妨害を入れていき、中央でのもみ合いになった。「りすさんもふもふ」の弓を使うを、短剣の妨害とウォリアーの積極的な攻めによって力ずくで潰しに行った形だ。「りすさんもふもふ」側はそれに付き合わされたが、スカウトがうまく短剣で立ち回ってカウンターのキルを狙う。

 中央での押し合いでお互いにキルを取り合う流れになり、一進一退のスコアが続いたが、終盤は序盤の無理な攻めがたたった「悪即斬」が息切れの状態。そこを的確に突いて攻め込んだ「りすさんもふもふ」が10対6で1本目を先取した。

 2試合目は打って変わって、序盤から「りすさんもふもふ」が押し込む展開。「悪即斬」は1戦目の戦略が当たらなかったことを受けて、あまり無理な攻めはせず当たっていった。お互いに1キルを取ったものの、しばらくは中央での削り合いで停滞する。ただこの形は「りすさんもふもふ」の臨むところで、中盤に「悪即斬」のまとまりが崩れたところを一気に叩いて7対1まで差を広げる。

 しかし「悪即斬」も踏みとどまる。終盤は「りすさんもふもふ」側がコスト切れを起こしたのか、頼みの綱である弓の攻撃ペースが落ち、そこを突いた「悪即斬」が少しずつ「りすさんもふもふ」からキルを奪っていく。「悪即斬」は4キルを奪い返して追い上げたが、残り時間も僅かになったところで「りすさんもふもふ」が踏みとどまって10キルを達成。優勝はJeremiahワールド代表の「りすさんもふもふ」となった。


1試合目は「悪即斬」の積極的な攻めで、「りすさんもふもふ」の得意な戦法を封じる乱戦に。「悪即斬」の狙い通りの形だったが、慌てず的確に敵を倒した「りすさんもふもふ」が1勝する
2戦目は「悪即斬」が正攻法に切り替え、「りすさんもふもふ」の戦法に付き合う形に。やはり弓のプレッシャーが厳しく、「悪即斬」はメンバーが分断されて一気にキルを取られるなど、「りすさんもふもふ」主導での戦いとなった



●今回の「バンクェット」考察

 今回の見所はやはり優勝した「りすさんもふもふ」の見せた、弓スカウトによる戦略だ。これまで「バンクェット」のスカウトといえば短剣による妨害が主体で、弓は「ブレイズショット」によるサポートに使われる程度だった。ところが「りすさんもふもふ」はもっと多くの弓スキルを使い、「スパイダーウェブ」や「トゥルーショット」を使うスカウトまで入れていた。

 弓は瞬間的な攻撃力は高くないが、「ブレイズショット」や「ポイズンショット」のDoTで削ることで、相手に回復を強いることができる。また長射程を生かして、敵のスカウトやソーサラーを相手の射程外から妨害できる。ソーサラーのHPを減らしておけば、「ハイパワーポット」を使う回数も減らせるし、短剣も見つけられた時点でDoTを付けられるとなると、入り込むのがかなり難しくなる。

 また弓は、短剣のようにハイドで入り込むための時間が不要で、常に前線で敵を攻撃できる。「ハイパワーポット」を飲み続けて豊富なPwを確保し、常に相手を攻撃し続けることで、前線を押し上げるのに大きく貢献できる。これが「りすさんもふもふ」が常に相手を押し込む形を取れた理由だ。そして水場まで押し込んでしまえば、逃げ場のない相手は自分のペースで戦えなくなり、圧倒的に優位に立てる。

 ただ、この作戦は簡単にはいかない。「悪即斬」が決勝戦の第1試合で見せたように、最初の当たりで相手ウォリアーが一気に押し込んできたり、相手のスカウトにうまく妨害されたりすれば、一気に崩れるリスクもある。弓スキルを多く取れば、「アームブレイク」や「ヴォイドダークネス」といった短剣の最上位スキルが取れなくなるので、切り返しも難しい。実際どういうスキル構成だったかまではわからないが、「パワーブレイク」を切るなど思い切った構成も必要になるだろう。

 弓主体の戦法は、常に攻め続けられることや、ハイドで潜り込むリスクを減らせるといった合理性がある。ただそれを実現するには、敵のハイドをサーチする技術と、ここぞというタイミングで短剣に持ち替えて攻防するという状況判断で、どちらにも高いレベルが求められる。それをチームで実現するとなると、かなりの熟練を要することは想像に難くない。

 「りすさんもふもふ」の戦法は確かに強力で、今後1つの選択肢になりえるのは間違いない。だが、今回は相手の研究不足もないとは言えない。次回は弓中心の戦法がトレンドになるかもしれないし、また短剣スカウト中心に戻るかもしれない。先が読めない展開で、今後が楽しみだ。

 なお次回の「バンクェット」公式大会は、今冬に行なわれることが発表された。詳しくは後日の発表となるが、およそ半年で次回の開催となるので、参加したい人はそこを目標に腕を磨いていただきたい。




■ オンライン・オフラインで「大感謝祭」を開催

 大会の途中、直近のイベントについて発表が行なわれた。1つはゲーム内イベント「ヴィラーノ大感謝祭」、もう1つはオフラインイベント「メルファリア大感謝祭」。

 「ヴィラーノ大感謝祭」では7月2日から8月6日までの約1カ月間にわたって、ゲーム内で各種獲得ボーナスが用意される。まず7月2日から17日までの2週間は経験値5倍と闘技場ポイント2倍。17日から23日まではRing2倍。23日から8月6日まではクラスチェンジ無料とオフィシャル更新周期の短縮が行なわれる。

 また同期間、カジノでは特別ルーレットが用意される。詳細は語られていないが、任務戦場のNPCや、昨年のルーレットで登場していない各国側近NPCと思われるシルエットなどが紹介された。さらにこれ以外のイベントも予定しているという。

 一方の「メルファリア大感謝祭」は、8月26日有明TFTホールで開催される。場所は昨年と同じだが内容は若干変わっており、50対50のオフライン戦争をメインイベントとして対戦数を拡大する。また別のホールでは5対5の「バトルコンクエスト」も行なわれ、来場者が参加できるイベントを増やしていくようだ。

 また今年も来場者特典を用意。昨年は召喚獣をモチーフにした武器だったが、「去年は防衛側、じゃあ今年は……」と思わせぶりなコメントも聞けた。これ以外にも様々な企画が予定されている。既に開催まで2カ月を切っているので、間もなく詳細が発表されるものと思われる。

 このほか、ゲームポットの会員登録数が1,000万人を突破したことを記念して、生放送イベントも行なわれる。7月6日22時より開始され、GMウチヤマ氏やGMポルヌ氏、ぱんさんらスタッフが「FEZ」をプレイ。戦争で1キルすれば1ポイント、エクリプスを破壊すれば3ポイント、オベリスクを破壊すれば5ポイントの計算で、合計1,000ポイントに達するまで生放送を続けるという企画になっている。見事1,000ポイントを達成できた場合、7月17日から23日まで経験値5倍ボーナスが全プレーヤーに付与される。


7月にはゲーム内イベントと記念生放送、8月には再びオフラインイベントと、ハイペースに各種イベントが行なわれる

【イベントで使われたムービー】

(c)2005-2012 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.Licensed to Gamepot Inc.

(2012年 6月 30日)

[Reported by 石田賀津男]