東京ゲームショウ 2011レポート
ソニー・エリクソン、「Xperia PLAY」発表会開催
PSタイトルはローンチ時25本。TGS会場には実機をプレイアブル出展
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの金子克之氏 |
「Xperia PLAY SO-01D」の特徴であるゲームパッド |
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社は9月15日、新型Android端末「Xperia PLAY SO-01D」の発表会を、幕張メッセ・国際会議場にて開催した。
端末に関する情報は14日に発表済みだが、発表会では端末の特徴や狙い、またゲームコンテンツに関する情報などが発表された。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ マーケティング部統括部長の金子克之氏は本製品について、「世界で初めてPlayStation Certifiedを取得した製品。より気軽に、よりクオリティの高いゲームを楽しんでいただける」と本製品におけるゲームの重要性を示した。
また金子氏は、携帯電話におけるゲームの利用用途と頻度は、メール、電話、WEB閲覧についで4番目であり、またスマートフォンはゲーム業界でも最も成長が著しいセグメントだと説明。「多くの方がスマートフォンを購入され、より手軽にスマートフォンでゲームを楽しみたいというユーザー層そのものが拡大している。ゲームパッドを搭載した『Xperia PLAY』と、それに最適化されたゲームが登場することで、新しいマーケットや新しいユーザー層の開拓に貢献できると考えている」と述べた。
ゲームパッド対応ゲームのダウンロード方法は大きく分けて2種類。1つはプレイステーション用のゲームを入手できる「PlayStation Store」。管理アプリの「PlayStation pocket」を使い、最近遊んだゲームや買ったゲームを素早く確認できる。
もう1つは、ゲームパッドに対応したAndroidゲームをダウンロードできる「Xperia PLAY Game Launcher」。対応タイトルのアイコンが並んでおり、タッチすればAndroid Marketや各社のゲーム配信マーケットに繋がる。対応タイトルはゲームロフトやGMO「Gゲー」など複数の配信元から提供されるため、ソニー・エリクソンが独自に対応タイトルを紹介する仕組みになっている。
ソニー・コンピュータエンタテインメントの杉本滋氏 |
PlayStation Storeのラインナップについては、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント 第2事業部 PSS部課長の杉本滋氏が紹介した。ローンチ時にはSCEが提供する25タイトルが配信予定で、「XI[sai]」、「I.Q Intelligent Qube」といったカジュアルなタイトルから、「ワイルドアームズ」、「ポポロクロイス物語」といった大作RPGまで、幅広いラインナップになっている。
端末にはPSタイトルとして、「みんなのGOLF 2」と「クラッシュ・バンディクー」がプリインストールされるほか、特別企画として「LocoRoco -Midnight Carnival- 傑作集」が期間限定で無料提供される。ただし、PlayStation Storeのローンチ時期についてはまだ未定で、10月から11月とされている端末発売時にサービスが開始されているかどうかも明言されなかった。
ゲームパッド対応Androidタイトルは、端末発売時に約50タイトル登場予定としており、こちらは発売時から利用できる。また端末には、ゲームロフトの「Asphalt 6: Adrenaline HD」と「Star Battalion HD」、Digital Legendsの「Bruce Lee Dragon Warrior」の計3タイトルがプリインストールされる。
【PlayStation Store ローンチタイトル】
アーク ザ ラッド / アディのおくりもの / アランドラ / ガンナーズヘヴン / がんばれ森川君2号 / クライムクラッカーズ / クラッシュ・バンディクー / ジェットモト / タイニーバレット / デストラクション・ダービー / どっちもメチャメチャドッチメチャ / ベアルファレス / ポポロクロイス物語 / マジカルダイスキッズ / みんなのGOLF 2 / メディーバル 甦ったガロメアの勇者 / ラリークロス / ワイルドアームズ / ワイルドアームズ 2nd イグニッション / DEPTH / KulaQuest / I.Q Intelligent Qube / Jumping Flash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻 / PHILOSOMA フィロソマ / XI[sai]
【ゲームパッド対応Androidゲーム ゲームロフトタイトル】
アサシンクリード ~アルタイル・クロニクルズ~ HD / インフィニット レガシー HD / オーダー&カオス オンライン HD / スペースフロント: Collision HD / セイクリッド オデッセイ: Rise of Ayden HD / ジェームズ・キャメロン アバター HD / ブラザーインアームズ2: Global Front HD / モダンコンバット2: Black Pegasus HD / リアルサッカー2011 HD / レインボーシックス: Shadow Vanguard HD / レッツ!ゴルフ 2 HD / ワイルド・スピード MEGA MAX: Official Game HD / BackStab HD / Dark Quest 2 HD / N.O.V.A. 2 Near Orbit Vanguard Alliance HD / Spider-Man: Total Mayhem HD / Sprinter Cell Conviction HD / UNO HD
【ゲームパッド対応Androidゲーム ローンチタイトル】
ソニック・ザ・ヘッジホッグ(セガ) / 忍カラクリ伝(SUZAK) / 超ヒーロー皇牙(SUZAK) / デビル メイ クライ 4 リフレイン(カプコン) / ドリフトサーキット(SUZAK) / DARK SPIRITS(SUZAK) / LUMINES TOUCH FUSION for Gゲー(キューエンタテインメント) / Wonder Land(SUZAK) / -0[MINUS ZERO](LukPlus)
【ゲームパッド対応Androidゲーム 配信予定タイトル】
El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON Android Version(仮)(Ignition Entertainment) / ゴースト トリック(カプコン) / スーパーモンキーボール(セガ) / 零・超兄貴 for android(エクストリーム) / ねじ巻きナイト(Robot invader) / ぷよぷよフィーバー(セガ) / Max Payne 1(Rockstar Games) / ロードランナー(Tozai Games)
計20台の「Xperia PLAY SO-01D」の実機が並んだ |
会場でプレイできるPSタイトルはこの8本 |
Androidタイトルも多数収録されている |
「東京ゲームショウ 2011」の会場では、計20台の「Xperia PLAY SO-01D」の実機が用意され、いくつかのゲームを体験できた。
PSタイトルでは、プリインストールタイトルに加え、「アーク ザ ラッド」や「XI[sai]」など数タイトルがインストールされていた。Androidタイトルでは、ゲームロフトのプリインストールタイトルのほかに、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や「デビル メイ クライ 4 リフレイン」、「ぷよぷよフィーバー」などがプレイできた。
まずPSタイトルをプレイしてみた感触だが、いずれのタイトルも端末上で見事に再現されている。ボタン操作の反応の遅れも感じられない。ストロークは浅めながらクリック感はしっかりある。「普通の携帯ゲーム機で遊んでいる」といった風で違和感がない。本体重量は175gで、PSPよりやや軽く、PSP goよりやや重いというのも、違和感を覚えさせない一因だろう。
端末の液晶解像度がPSの解像度を超えているため、グラフィックスはややディザが目立ち、Androidのネイティブアプリに比べると荒く見える。しかし約4インチと大型の液晶のおかげで、ゲーム中の文字が見えづらいということはなく快適。アプリ起動時にはPS起動時のロゴとサウンドも再現されており、懐かしさを感じてしまう。ともかく「PSゲームが当たり前の様子で動いていた」というのが最重要トピックだろう。
続いてAndroidアプリを試してみた。実は今回プレイできたPSタイトルには、中央部のタッチパッドを使うものがなく、Androidアプリにはいくつか存在していた。まずレースゲーム「Asphalt 6: Adrenaline HD」をプレイしてみたところ、左のタッチパッドがハンドルになっていた。タッチパッドに触れた位置を認識して左右に曲がるようで、普段は中央に指を置きながら、曲がる時には左右をタッチするという感じのプレイになる。
続いてFPS「モダンコンバット2: Black Pegasus」をプレイ。こちらはタッチパッドで視点を動かせる。「Asphalt 6」の感覚で向きたい方向をタッチしてみたが、反応がない。こちらはタッチパッドのどこかに触れてから指を滑らせると、滑らせた方向に視点が動くというインターフェイスになっていた。
つまりタッチパッドは純粋にタッチパッドであり、「アナログスティックに見立てて触れている位置を認識する」のも、「単なるタッチパッドとして操作を読み取る」のも自由で、作りこみはゲーム次第だということ。このあたりは画面をタッチして操作するスマートフォンゲームをプレイしている人には、むしろ直感的でわかりやすい。
ちなみに本製品ではゲームパッド対応ゲームしか遊べないというわけではない。ゲームパッドを使わない一般のAndroidアプリは、タッチスクリーン操作で問題なく使えるそうだ。
本製品のターゲット層は、20代から30代の男性だという。スマートフォンを使いたいし、さらにPSゲームも遊べれば嬉しい、というところにどれだけの魅力を感じるかがポイントになる。実状としては、コアゲーマーはPSPやPlayStation Vitaを持ち歩くので、さほど強い訴求力はない。ゲームは好きだがゲーム機を常に持ち歩くほどでもない、あるいは最近はゲームから離れ気味という方にこそ、PSゲームもAndroidアプリもしっかり遊べる本製品をオススメしたい。
左から、「みんなのGOLF 2」、「I.Q Intelligent Qube」、「ガンナーズヘヴン」。いずれのゲームも、プレイに何ら違和感ない状態で動いていた | ||
起動時のPSロゴとサウンドもきちんと再現 | こちらはゲームロフトのAndroidアプリ「Star Battalion HD」と「Bruce Lee Dragon Warrior」。グラフィックスが美しく、操作もゲームパッド対応で快適 |
(2011年 9月 15日)