E3 2011レポート
Bethesda、大作ファンタジーRPG「Skyrim」を初出展
いよいよ完成間近! ようやく見えてきた「300時間」RPGの全貌をたっぷりお届け
米Bethesda Softworksは、現在開発中のファンタジーRPG「The Elder Scrolls V: Skyrim」をE3に初出展した。北米ではPS3、Xbox 360、Windows PC向けに2011年11月11日の発売を予定し、日本ではPS3とXbox 360向けに年内の発売を予定。Windows PC版については現在検討中というステータスだ。
残念ながら試遊台は置かれなかったものの、4月に実施されたプライベートイベント「BFG 2011」より新しいビルドでのデモンストレーションが実施され、開発が順調に進んでいることを実感させてくれた。
また、Bethesda Softworksブースでは「Skyrim」のほかに、「Prey 2」や「Rage」なども出展していたが、「Prey 2」は来年発売、「Rage」はほぼ完成ということで、「Skyrim」のアピールにもっとも力を注いでいた。まとめてお伝えしていこう。
なお、「Skyrim」については、BFGレポートやエグゼクティブプロデューサーTodd Howard氏インタビュー、ゼニマックス・アジア ゼネラルマネージャー高橋徹氏インタビュー、「Prey 2」についてはBFGレポートと「Prey 2」アソシエイトプロデューサーMatt Bisenius氏インタビュー、「Rage」についてはBFGレポート、「Rage」Design Director Matt Hooper氏インタビュー、「Hunted」&「Rage」ブロガー体験イベント等で取り上げているのでそちらも参考にして頂きたい。
■ 150のダンジョンに、500のインタレストポイント、「300時間」分のコンテンツが詰まった超弩級RPG
今回のデモンストレーションの内容は、「BFG」で初披露されたデモンストレーションとまったく同じだった。雄大な世界観、美麗なグラフィックス、一新されたインターフェイス、星座状のスキルツリー、すべて3Dオブジェクト化されたアイテム、手応えのあるバトル、NPC達の生活が息づく街、探索しがいのあるダンジョン、場所によって動的に天候が変わるダイナミックウェザーシステム、そしてドラゴンとの邂逅などなど。視聴者に感嘆のため息をつかせるインパクト抜群のデモンストレーションだ。
その新しいデモンストレーションで確認できたいくつかの進化点について言及しておくと、まず新たな移動手段に馬が追加されていた。前作「Oblivion」ではアニメーションのかっこ悪さから、その機能性の高さとは裏腹に不評だった。エグゼクティブプロデューサーTodd Howard氏も「BFG 2011」のインタビューで実装の確約を避けたほどだが、新しいビルドでは無事実装され、雪山の登山がずいぶん楽になっていた。
インタビューに応じてくれた「Skyrim」プロデューサーのAshley Cheng氏は、「実装できるクオリティになったので実装したまで。馬は前からあるし、実装したいとはずっと前から考えていた」と回答してくれた。馬は街で購入できるほか、クエストで獲得できることもあるという。
また、武器と魔法の仕様がほぼ確定していた。「Skyrim」では右手と左手に好きな組み合わせで武器や盾、魔法などを設定できるが、両手に同じ魔法を設定すると、その効果を倍加させることができるようになっていた。デモでは両手の中程で魔力を増幅させるような感じでなかなか格好良く、キャスターとしての冒険が楽しさを増していた。「Skyrim」には、そのほかに各種スキルやドラゴンシャウトと呼ばれる特殊能力も扱えるため、かなり忙しいバトルとなる。
3点目はドラゴンに複数のタイプがいることが明らかにされた。ファイアブレスを吐くファイアドラゴンに加えて、コールドブレスを吐くアイスドラゴンが確認でき、そのほかにもまだバリエーションがあるという。彼らを撃破するとドラゴンソウルを吸収でき、それによってドラゴンシャウトの性能が強化されるという。
それでは前作「Oblivion」でOblivion Gateを閉じるのがゲームの目的だったように、「Skyrim」ではドラゴンスレイヤーとしてドラゴンを捜索し、撃破して、ドラゴンソウルを集めるのがゲームの目的なのかというと「必ずしもそうではない」という。Cheng氏によれば、ドラゴンは敵対してくるものばかりではなく、友好的なドラゴン、言葉を操るドラゴンなどもおり、単にドラゴンスレイヤーとしてドラゴンを撃退するだけがゲームの目的ではないという。「Skyrim」の冒険の基点としては、「なぜSkyrim地方にドラゴンが再び訪れるようになったのか」というクエスチョンがあり、ドラゴンとの関わりがゲームの柱になっていくのは間違いなさそうだ。
なお、デモでのドラゴンとのバトルシーンでは、バトルの終盤にドラゴンの首に乗りかかり、脳天に一撃を加えるアニメーションが挿入され、ドラゴンスレイヤーとしての生き様を見せつける演出が加わっていた。
ゲームのストーリーについてはまだ明かせないということだったが、コンテンツボリュームについてはほぼfixし、実装をほぼ終えて、バグフィクスの段階に入っているという。世界の広さは「Oblivion」とほぼ同等だが、高さが違うため、総面積は数割ほど増しているという。拠点としての機能を備えた街の数は全部で5つ、ダンジョンは150、マップに登録されるインタレストポイントは500箇所に及ぶ。遊び尽くそうと思った場合のプレイ時間は「300時間」と、RPGファンには嬉しい悲鳴を上げたくなるボリュームたっぷりのRPGとなっている。
なお、前作同様、基本的に見えるところには行けるようになっており、何百メートルもあるような山にも登ることができる。山の頂上には村があったりなどインタレストポイントが設定されており、苦労して登っても徒労に終わるようなことはなく、ひとつひとつ登っていくことで何らかのリワードが得られるという。
また、「Skyrim」は、PS3、Xbox 360、Windows PCの3プラットフォームでの発売が予定されているが、各プラットフォーム版の違いは、基本的にWindows版がMODに対応しているのみという。コンテンツやグラフィックスクオリティに違いが出ないように現在調整しているという。
なお、Windows版限定の公式MODツールは、「Skyrim」本編の発売に合わせて現在開発中で、これを利用することで独自のコンテンツを「Skyrim」にビルトインすることができるほか、インターネット上で公開して仲間内で共有することもできる。ツールの基本的な内容は、シリーズを踏襲しており、過去にMODツールを利用したことがある人ならすぐ使い方がわかるものになっているという。
Cheng氏は、「2011年11月11日の発売を再度コミットしてほしい」と御願いしたところ、「それは大丈夫だと思う」と笑顔で応じてくれ、「『Skyrim』は、Bethesda Softworksに10年以上いるコアメンバーで構成されたコアチームで開発されている。我々がこの10年間で培ってきたオープンワールドRPGのノウハウをすべて注ぎ込んだことで、Bethesda史上最高のRPGに仕上がっている。どうぞ日本の皆さんも期待してください」とコメントしてくれた。日本での発売日がまだ不明確なのが心配だが、年内発売を心待ちにしたいところだ。
【Skyrim】 | ||
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「Skyrim」の美しいグラフィックス。雪原地帯が多いため雪景色が多いが、青々と緑が生い茂る一帯もある | ||
近接、遠隔、魔法と何でも可能なのが「Skyrim」のバトル。右手と左手に性質の異なる攻撃手段を組み合わせることでバリエーション豊かなバトルが可能だ |
【Prey 2】 | ||
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「BFG 2011」で発表されたSFアクションシューティング「Prey 2」。今回はまだ発売が来年と言うこともあり、「BFG 2011」とまったく同じデモンストレーションが行なわれ、発表内容もまったく同じだった。こちらも発売が楽しみなバウンティハンターゲームだ |
□Electronic Entertainment Expo(E3)のホームページ(英語)
http://www.e3expo.com/
□Bethesda Softworksのホームページ(英語)
http://www.bethsoft.com/
□ゼニマックス・アジアのホームページ(日本語)
http://www.bethsoft.com/jpn/index.html
(2011年 6月 8日)