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BFG 2011レポート

米Bethesda、ファンタジーRPG「The Elder Scrolls V: Skyrim」を初公開
ついに秘密のヴェールを脱いだ超大作RPG メインテーマは“ドラゴン”


4月11日〜4月13日開催(現地時間)

会場:ユタ州パークシティ



 米ZeniMax Mediaのゲーム部門Bethesda Softworksは、傘下のゲームスタジオの最新作を集めたプライベートショウ「BFG 2011」を現地時間の4月12日と13日の両日、ユタ州パークシティにおいて開催した。

 今年で2年目となる今回の「BFG 2011」では、Bethesda Game Studiosの新作RPG「The Elder Scrolls V: Skyrim(以下、Skyrim)」を筆頭に、id Softwareの「Rage」、Human Head Studios「Prey 2」、inXile entertainmentの「Hunted: The Deamon's Forge」、Splash Damageの「Brink」の5本のBethesdaタイトルを公開。プロデューサー/ディレクターによるプレゼンテーションだけでなく、両日をフルに使ってハンズオンやインタビューも精力的に実施された。BFG 2011レポートでは各タイトルの最新情報をお届けしていくが、まずは本稿では、イベントの主役となった「Skyrim」の情報からお届けしたい。

 「Skyrim」はプレイステーション 3、Xbox 360、Windows PCの3プラットフォームでの展開を予定し、北米の発売日は2011年11月11日の1並び。日本でも北米での正式発表直後に日本展開を発表しているが、音声、テキスト共に日本語による完全日本語版で2011年内の発売を予定している。

【Stein Eriksen Lodge】
今回の会場となった米国ユタ州パークシティにあるリゾートロッジStein Eriksen Lodge。昨年は「Rage」のイメージから米国ラスベガスが会場に選ばれたが、今回は「Skyrim」のイメージから、雪景色の残るここが選ばれたという



■ Todd Howard氏自らが「Skyrim」をアピール

「Skyrim」のデモを行なうTodd Howard氏
美しいグラフィックス。実機でのインパクトはこれ以上のものがあった
咆吼するドラゴン。「Skyrim」ではドラゴンがストーリーの柱となる

 「Skyrim」のプレゼンテーションは、同作のエグゼクティブプロデューサーを務めるBethesda Game StudiosのTodd Howard氏が自ら行なった。Howard氏は「The Elder Scrolls」シリーズのデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、「Oblivion」や「Fallout 3」ではエグゼクティブプロデューサーを務め、それぞれ大ヒットさせるなど、いまや同社を代表するヒットメーカーだ。それだけにメディアの注目度も抜群で、プレゼン後に行なわれたQ&Aセッションでは、彼への質問が尽きなかった。

 「Skyrim」は、「The Elder Scrolls III: Morrowind」、「The Elder Scrolls IV: Oblivion」に続く、「The Elder Scrolls」シリーズ第5弾。Bethesdaの名前を不動のものとした同社の筆頭フランチャイズであり、前作「Oblivion」は300万本以上のセールスを記録し、シリーズ累計は1,000万本を超える。今や北米市場を代表するRPGといっても過言ではない。

 今回は実機によるデモを行ない、開発が順調に推移していることを印象づけた。1時間弱のデモでは、緩やかな傾斜の付いた丘陵地帯から始まり、麓までくだり、川辺を経て街Riverwoodへ入り、クエストを受けてから雪山、ダンジョンの探索、そしてデモの終盤ではドラゴンプリーストやドラゴンとの戦いといったシーンも見ることができた。1度行った場所にワープする「ファストトラベル」やセーブデータのロードなどは織り込まず、すべて徒歩での移動で、その狭い空間の中でのめくるめくドラマティックな展開に驚かされた。

 今回はストーリーについてはまだ多くは語られなかったが、前作では主導的な役割を担った帝国の勢威が衰えた200年後のタムリエル大陸スカイリム(Skyrim)地方を舞台にしている。前作「Oblivion」ではオブリビオンゲート(Oblivion Gate)と呼ばれる魔界に繋がる門が大きくフォーカスされたが、今回はファンタジーゲームでは常に最強の生物として君臨する“ドラゴン”がメインテーマとなる。Skyrim地方にドラゴンが頻繁に訪れるようになり、主人公はドラゴンボーン(Dragonborn)としてその謎を解き明かす役目が与えられるという。

 短いデモの中で2度もドラゴンとの遭遇シーンが織り交ぜられた。1度はSkyrimを象徴する雪山を登る途中で遭遇。その少し前に遭遇した人の倍ほどの背丈があろうかという巨人“ジャイアント”ですら小さく見えるほど巨大で、豊かな両翼で空を飛び、ファイアブレスをはいて繰り返し攻撃してくる。地上に降りるとビリビリと大地が震える。

 このときはダンジョンにエリアチェンジして逃げたが、ダンジョンから出た後に再び遭遇した際は、後述するマジックやシャウトを駆使して、見事ドラゴンを撃破した。倒れたドラゴンは全身が燃え上がるようなエフェクトに包まれ、そのエネルギーを主人公が吸収して、今回のデモが終了となった。この意味するところはまだ教えられないということだったが、ストーリー上ドラゴンが重要な意味を持つのは間違いなさそうだ。




■ グラフィックス、UI、バトル、様々な要素がブラッシュアップ!

山岳地帯は雪原が目に付くが、麓は豊かな緑が広がる
キャラクターのモーションが強化されたことで3人称視点のゲームプレイもよりパワーアップ

 さて、今回の短いデモの中でもっとも大きな変化として感じられたのはグラフィックスの強化を筆頭に、ゲーム全体がしっかり5年分ブラッシュアップされているところだ。

 前作「Oblivion」は2006年(日本では2007年)の作品だっただけに、とりわけグラフィックスは大幅な進化が感じられる。もちろん2008年にリリースされたBethesda Game Studioの1つ前の作品に当たる「Fallout 3」よりも美しいグラフィックスを実現しており、「Skyrim」をもって、一気に現行水準までグラフィックスが引き上げられたという印象だ。

 具体的には主人公を含むすべてのキャラクターやオブジェクトにライティングとシャドウイングが施され、木々や草花は生命の息吹を感じさせるほどみずみずしく、近づいてもアラが感じられないほどの高精細で描かれている。空を見上げると、ゆっくりと雲が流れ、Skyrimの至る所にある山岳地帯には雲がかかり、フォトリアルな風景を実現している。ファンタジーゲームとしては文句の付けようのないグラフィックスだ。

 また、メニュー周りも感心させられた。今回、ゲーム中に頻繁に呼び出すメニュー画面は、十字架状の形をしており、スキル(上)、インベントリ(左)、マジック(右)、マップ(下)の4つの項目が割り当てられている。

 スキルを選ぶと、星空を見上げ、スキルのひとつひとつを星に見立て、スキルツリーを星座状にして表示するなど、見せ方が非常にカッコイイ。インベントリはWindowsのスタートメニューのように左から右にプルダウンメニューが広がっていき、マジックは逆に右から左への展開となる。最後のマップは、現在地を基点に、広域マップが3Dモデルで描かれ、一気に洗練された印象を受ける。

 ゲーム視点は今回も1人称に加え、3人称視点にも対応。3人称視点では、前作と比較してより自然なアニメーションを実現していた。基本スタイルは右手に剣、左手に盾を持ち、通常攻撃、強打、盾回避、盾バッシュといったアクションを駆使して敵に対峙していくことになる。このオーソドックスなバトルスタイルから、好みや敵の種類に応じて、自由にバトルスタイルを変更できるのが「Skyrim」のバトルの大きな特徴となっている。

 具体的には右手に武器、左手にマジック、両手にそれぞれ別のマジックを持つこともできる。マジックは「Bioshock」のように武器と同時に使うことができ、マジックで敵を弱体化させて剣で強打を繰り出すという戦い方が「Skyrim」の基本になりそうだ。ほかには両手に弓、左手に杖を持ちファイアボールのようなエネルギー弾で攻撃を繰り出すなど、ファンタジーゲームで求められる武器はひととおり揃っているという印象を受けた。

 マジックに関しては、「シャウト」と呼ばれるカテゴリが新たに加わっている。デモでは「Dragon Shout」という名称で後半に披露されたが、扱いとしては吟遊詩人(Bard)の歌や演奏の効果などと似ており、MPは消費せず、クールダウンタイムを待てば繰り返し使うことができる。すべてのシャウトには3段階があり、高レベルになればなるほど、クールダウンタイムが長くなるということだ。

 今回はSlowTimeという時の進みが遅くなるシャウトを多用し、ドラゴンプリーストやドラゴンといった強敵と対峙していた。シャウトを繰り出すと、短いかけ声と共に波動のようなものが画面奥へとはき出され、SlowTimeの場合は、さらに画面の色味が淡く変化し、自分以外の周囲の時の進みが遅くなる。言うまでもなく効果は絶大で、「Skyrim」で重要なアクションのひとつになりそうだ。




■ 会話も完全リアルタイムに、より生活感が感じられるようになった街

Radiant AIによって随所に生活感を感じさせる街。主人公はここで話を聞き、様々なクエストを受けていく
今回も多彩な種族が登場する。これはオーク

 「Skyrim」の魅力はもちろんバトルだけではない。街における情報収集やクエストの受託も重要な要素だ。今回は始まりの村として位置づけられているRiverwoodに足を踏み入れた。

 街での大きな変化のひとつは、街で暮らすNPCとの会話シーンだ。前作「Oblivion」や「Fallout 3」では、NPCを選択すると「会話モード」に切り替わり、時間は止まった状態で1対1の会話がスタートする。その会話の内容によってクエストが受けられたり、バトルになったりする。この会話モードへの切り替えは「Mass Effect」シリーズや「Fable」シリーズなど他のRPGでも採用されている一般的なアプローチだ。

 「Skyrim」では会話モードへの移行を撤廃し、時間の進みも止めず、現実世界と同じようにリアルタイムでの会話となる。相手も1人限定ではなく、場合によっては近くにいた関係者も話しに加わってくる。こちらが会話の選択肢を選べる場合は、ダイアログが透過表示され、任意で選択することで話をより深めることができる。会話中に辺りを見回したり、NPC自らが動き出し、後を追うことで、移動しながら会話を続けるなど、非常に自然で洗練された会話シーンを実現している。

 「Oblivion」の大きな特徴となっていた人工知能システム「Radiant AI」は、今回もさらに強化された形で実装されている。街で暮らすNPCたちは時間の進みに伴い、Radiant AIに従って行動している。街では彼らNPCの活動によって様々なリソースが生み出され、それが製品へと加工されていく。主人公自らが街にある工具を用いてアイテムを作ったり、素材を生み出したりもできるようだ。

 また、「Oblivion」では、クエストを受託できるNPCを殺害するなど排除すると、クエストそのものが消滅してしまったが、「Skyrim」では仮に同じ状況になっても、対象から関係が近いNPCが、新たに対象となり、引き続きクエストを受けることが可能だという。これもRadiant AIの進化点のひとつといえそうだ。




■ 探検、バトル、謎解き、多くの楽しさが詰まったダンジョン

「Skyrim」でもダンジョン探索はたっぷり。多くのモンスターが待ち構えている
こちらは寺院らしき施設。陰影がリアルタイム処理となったことで、屋内の雰囲気がガラッと変わっている

 探索でもっとも印象に残ったのがダンジョンだ。今回は街の近くにある入り口と出口の異なる複雑な構造をしたダンジョンを見ることができた。大クモが蜘蛛の巣を作っているゾーンもあれば、アンデッドがひしめくカタコンベのようなゾーンもあり、地形を利用して敵と戦っていた。

 ダンジョンでの目的は、ダンジョンにいるNPCから、ゴールデンクロウと呼ばれるアイテムを獲得し、そのアイテムを使ってダンジョンの深部の扉を開くというもの。NPCは大クモに囚われ、大クモのすみかの奥に蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされており、主人公は大グモを倒して、蜘蛛の糸を切り開いて救出。蜘蛛の糸が取り除かれた先には道があり、奥へと続いていた。

 ここからは複数の解決方法がありそうだが、今回は助けたNPCをそのまま後ろから弓矢で殺害し、彼のバックパックからゴールデンクロウを獲得するという最も野蛮な方法を採用。道なりにしばらく歩いて行くと目的の扉へと到着した。しかし扉はゴールデンクロウを鍵穴に差し込むだけでは開かず、鍵穴の周囲に3層で構成された3つの図柄を正しい順番に並べるという謎解きが組み合わせられていた。

 そこで今回はインベントリからゴールデンクロウを表示した。「Skyrim」では、「Oblivion」と同様にすべてのアイテムが3Dオブジェクト化されており、眺め回すことができる。ゴールデンクロウをぐるりと回すと、反対側に3つの図柄が並んでおり、これがカギを空ける答えになっていた。扉を開けると宝箱が散在され、レアな片手剣などのお宝を手にすることができた。




質疑応答を受けるTodd Howard氏、左にいるのはBethesda Softworks副社長のPete Hines氏

 その後、ダンジョンを出た主人公は、ドラゴンプリーストやドラゴンと高レベルなシャウトやスペルを駆使した派手なバトルを繰り広げた。ドラゴンプリーストには負けてしまい、その直後にフリーズするというα版前らしいアクシデントにも見舞われたが、先述したように、ドラゴンは見事撃破し、主人公がドラゴンの魂を取り込んだところでデモは終了となった。

 少し気が早いようだが現時点で断言したい。このゲームは間違いなく大ヒットする。「Skyrim」は、「Oblivion」や「Fallout 3」の成功の方程式をベースに、さらに多額の開発費を投じて最新作として磨き込みを加えたことで、多くのRPGファンが求める卒のないファンタジーRPGに仕上がっている。唯一の懸念点は、ハードは据え置きのまま、グラフィックスやシステムが進化しているため、多くの敵が出現するバトルや、大勢のNPCが行き交う街の目抜き通り、あるいは視界が開けた空間などでパフォーマンスが低下しないかどうかという点ぐらいだろうか。

 E3でプレイアブルが出展されるかどうかはわからないということだが、今年、多くのゲームファンが注目を集めるタイトルになるのは間違いない。日本での完全日本語版の発売がいつになるのかも楽しみだ。続報を待ちたい。


The Elder Scrolls V: Skyrim (C) 2011 Bethesda Softworks LLC, a ZeniMax Media company. The Elder Scrolls, Skyrim, Bethesda, Bethesda Game Studios, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.

(2011年 4月 18日)

[Reported by 中村聖司]