ゲームポット、WIN「メビウスオンライン」体験レポート
カジュアルゲームとTPSを繋ぐステップアップ・3Dアクション


3月4日より クローズドβテスト開始予定


 株式会社ゲームポットが2月26日に発表したWindows用新作チーム連携型オンラインアクション「メビウスオンライン」。ゲームポットが独自に立ち上げたClickChopスタジオで開発された、同社初の自社開発タイトルである。

 本作は、他のプレーヤーとともに戦う3Dオンラインアクションゲームだ。序盤はプレーヤー同士で協力して巨大なモンスターに立ち向かうという内容だが、途中から最大64人で対戦するコンテンツも現われ、モンスター戦と対戦の2本柱で楽しめるゲームとなっている。

 プレーヤーはゲーム中で、時代を行き来するという設定になっている。中世ステージでは剣や弓で戦うが、現代に移ると銃火器が登場し、ゲームの雰囲気と戦略は一変する。先述のモンスター戦、対戦のゲームシステムと合わせて、遊びの幅がとても広いのが特徴だ。

 今回このゲームを先行体験する機会が得られたので、その内容をもとに、本作の特徴について順を追って説明していく。なお本作は3月4日19時から7日12時までクローズドβテストを実施予定で、その参加者を3月3日24時まで募集している。参加したい方はこちらの記事からご応募いただきたい。




■ 操作はシンプルな3人称視点アクションゲーム

ゲームを始めると、図入りで操作が説明されるチュートリアルが始まる

 本作は3Dアクションゲームとなっており、3Dフィールドをキー操作で前後左右に歩いて移動する。前移動のキーを2度押せばダッシュして、素早く移動もできる。ジャンプ操作は存在しないが、ダッシュ中に壁にぶつかるとある程度の高さまではよじ登れたり、ダッシュしながら溝を飛び越えたりといったアクションはできる。

 マウスクリックで攻撃できる。ただし敵をクリックすれば自動的に攻撃し続ける一般的なMMORPGとは違い、敵に近づいて、射程内で狙って攻撃しなければならない。剣などの近距離攻撃ならば、敵に密着するほど接近して攻撃する。遠距離攻撃ならば、射程内まで近づいてから、敵に照準をあわせてクリックすればいい。比較的カジュアルな感覚で操作できる3人称視点のアクションゲームとなっている。


【スクリーンショット】
ダッシュは高速に移動するだけでなく、壁をよじ登るなどのアクションにも使用する
剣と銃では扱い方が全く違う。右クリックで1人称視点の精密射撃モードにもできる



■ 剣や弓で戦う中世ステージ

プレーヤーはこの「シューター」という装置を使って時空を移動する

 本作のプレーヤーは、「時空を管理する組織の一員」という設定になっている。その組織の拠点となる街のようなMMOフィールドからゲームを始めることになる。ここには、「シューター」と呼ばれるゲートが設置されており、プレーヤーはそこからミッションを選択してプレイする。他のプレーヤーが開始したミッションにも、人数に空きがあれば参加できる。

 ゲームを始めてすぐの頃には、中世を舞台にしたモンスター戦のミッションを受けられる。出撃前に、プレーヤーは職業と武器を選ぶ。最初は剣で戦う「ウォーリアー」と、弓を使う「アーチャー」、ゲームを進めることで、矢や爆弾を補充できる「ワーカー」、回復と蘇生を担当する「モンク」なども選べるようになる。

 ミッションの目的は、巨大モンスターを討伐したり、モンスターの群れを全滅させてりなど多彩だ。ステージに降り立つと、画面のレーダーが指し示す方向にモンスターが現われる。最初は小型のモンスターが出現するが、それらを倒しつつ移動していくと、最後に巨大モンスターが出現する。戦闘中は、仲間とともに攻撃するだけでなく、「モンク」が回復アイテムを落としたり、倒れた際に蘇生したりといったサポートも重要。最大の参加人数である8人で挑戦すれば、プレーヤーやモンスターが入り乱れて、賑やかなゲームになる。

 ボスを倒してミッションが終了すると、プレーヤーの貢献度に応じてランキングが発表され、ゲーム内通貨と経験値が加算される。また、違う職業を開放する時などに使う「アンロックポイント」もここで加算される。「アンロックポイント」を一定量貯めれば、違う職業を解放できる。


【スクリーンショット】
砂漠には馬も登場。乗れば格段に移動速度が速くなる。2人乗りも可能で、後ろに乗ったプレーヤーが弓で攻撃できる
巨大モンスターは、全員で協力して倒しにかかる。アイテム や攻撃、キャラクターが画面に入り交じるので、お祭り状態になる



■ モンスター戦で慣れたら、気軽に参加できる対戦ステージへ

対戦相手はモンスターのようなグラフィックスで統一されていて、すこし怖い

 モンスター戦をある程度こなしていくと、対戦ステージができるようになる。この対戦ステージも、モンスター戦と同様に、先述した「シューター」から参加できる。操作はモンスター戦と全く変わらないので、モンスター戦で操作を覚えたプレーヤーであれば、気後れせずに対戦に参加できるだろう。

 目的は、ステージに設置されたいくつかの拠点を占拠すること。このステージも同様に、出撃前には職業と武器を選択する。サポートにまわるか、攻撃に徹するかはプレーヤーの自由なので、よりチームに貢献できると思った職業と武器を選びたい。

 ステージの目的は、マップに複数存在する拠点を取りあうというもの。拠点への攻撃と防衛には当然戦闘が発生するが、倒した数や倒された数は勝敗には影響しない。どんな不慣れなプレーヤーでも、前線に出て戦っていれば味方の役に立つというわけだ。

 なお、相手チームのキャラクターは、そのプレーヤーがメイキングしたものではなく、モンスターのようなグラフィックスで統一されている。これは、キャラクターの身長や頭身によって攻撃判定に格差ができるのを防ぐためだそうだ。


【スクリーンショット】
拠点の占拠が目的のPvP。操作はモンスター戦と全く変わらない



■ 緊張感が全く違う、銃で戦う現代ステージ

現代ステージではもちろん、モンスターにも銃で挑む

 さらにゲームを進めていくと、プレイできる時代が追加され、現代のステージが登場する。中世では剣と弓での戦いだったが、ここでは主力武器が銃になる。

 選択できる職業も、前線で戦う「突撃兵」、スナイパー役の「狙撃兵」と様変わりする。これらの職業は時代ごとに独立したものなので、「アンロックポイント」を使って現代の職業を開放する必要がある。現代は現代で、全く違う職業を育てていくということだ。

 モンスター戦と対戦という、基本的なゲームの流れは中世のステージと同じ。ただし先述のとおり、武器が全く違うので、プレイ感覚も別物になる。特に対人戦は、「どこから狙われているかわからない」、「不用意に飛び込むと危ない」など、中世ステージにはなかった緊張感がある。

 対戦にせよモンスター戦(相手は人型の兵士もいるが)にしろ、相手も銃を持っている。銃弾に当たらないように動き回りながら、きっちり狙って撃たなくてはならないのだが、銃には反動まであり、なかなか狙いが定めにくい。接近戦が主体だった中世よりも、冷静かつ正確な操作が要求される。

 視点と移動を細かく刻むように操作して、相手の出方を探り合う。手に汗握る熱戦と緊張感を楽しんでいるとき、「あ、これはアクションゲームというよりは、TPS(サードパーソンシューティング)なのか」と気付いた。操作方法は先ほどまでプレイしていた中世のものと変わらないのに、いつの間にかジャンルの違うゲームを体験していたわけだ。

 今後、違う時代のステージが登場すれば、その都度新しい職業と武器が体験できることになる。それが剣や銃とはまた違った使い方をする武器であれば、また新しいゲームが誕生するも同然といえる。


【スクリーンショット】
現代ステージでも操作性は全く変わらないが、武器が違うので、ゲーム内容はTPSになる。緊張感や戦略が中世ステージとは全く変わる



■ 「MMORPGやカジュアルアクションのプレーヤーにTPSの楽しさを伝える」という狙い

個性あふれるプレーヤー同士の、ジャンルを越えた交流があるかもしれない

 このほか本作は、キャラクターに着せる衣装も豊富で、現時点で作成中のものを入れると700種以上もあるそうだ。この衣装は、イベントなどで積極的に配布していく予定だという。体や頭、腕、脚などパーツごとに付け替えできるので、実に個性的なキャラクターも作れる。衣装セットはプリセットもできるので、戦場ごとに衣装を変えてみるなど、プレーヤー独特のキャラクター作りを楽しめる。こういったカジュアルな要素があるのも本作の魅力だ。

 本作はモンスター戦と対戦という2つのコンテンツに、時代の違うステージという要素が加わることで、幅広いゲーム内容を1つのゲームに収めこんでいる。このゲームの狙いとして、ゲームポット「メビウスオンライン」運営プロデューサー山本潤氏は、「MMORPGやカジュアルアクションゲームのプレーヤーに、TPSの楽しさを伝えるゲーム」だと話していた。まずはモンスター戦でアクションに馴染んでもらい、それから対人戦に向かわせ、さらに時代が変わるとゲームの内容も変わるというゲーム設計は、TPSやFPSのような比較的コアなゲームにもスムーズに入れるようにという意図が伺える。

 実際にプレイしてみて、カジュアルなゲームプレーヤーから、日頃からFPSをプレイするコアなゲーマーまで、さまざまなタイプのプレーヤーが一緒になって遊び、そこで新たな交流が生まれるのでは、という可能性が感じられた。これまでコアな対戦ゲームに触れたことのないプレーヤーにこそ、本作をぜひ1度遊んでみて欲しいと思う。


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(2011年 3月 3日)

[Reported by 安田俊亮]