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VRホラーゲーム「ChainMan」が8月15日から配信開始

午前0時に危険地帯を徘徊する恐怖を再現

8月15日配信開始

価格:
2,086円(税込、期間限定価格)
2,980円(税込、通常価格)

 桜花一門は、HTC Vive向けVRステルスホラーゲーム「ChainMan」を8月15日よりSteamにてダウンロード販売を開始した。価格は3,000円(税込)で、発売から1週間は30%ディスカウントとして2,000円(税込)で販売される。

薄暗い部屋の中を自分のライトを頼りに進んでいく
ゾンビに見つかると一瞬のうちに殺されてしまう

 本作はいくつかのステージから構成されているが、物語は、どこだかよくわからない建物の中からスタートする。建物は島の中にあり、友人たちとSNSでコミュニケーションするうちに状況が分かってきて、何をすればいいのか理解するといった形で展開していく。そこにはチェーンソーを持ったゾンビがおり、隠れながら建物から脱出するのが目的だ。

 本作の特徴となっているのが、自分はゾンビとは戦う武器を持たず、とにかく隠れて逃げ回る必要があること。このあたりがほかのホラーゲームとは一線を画す内容となっている。

 このようなゲームになっているのは、製作を担当した桜花一門の代表取締役である高橋建滋氏が、深夜3時の歌舞伎町、深夜1時の台湾の裏通り、深夜0時のロサンゼルスなど、危険な場所をふらふらと歩くことが好きだったから。その面白さをVRで再現しようと思ったのが出発点だ。

 実際のプレイでも、ゾンビに見つかってしまうとあっという間にこちらにやってきて殺されてしまう。箱に入ったり、ドアの影に隠れたりして、ゾンビの視線をそらす必要があるのだ。なお、部屋の中はライトを頼りに進んでいくことになるのだが、そのライトには反応しない仕様となっている。1つのステージをクリアするのに必要なのは10分程度だが、最初から素直にクリアすることはできないだろうと高橋氏。ロサンゼルスで行われた「アニメ・エキスポ」に出品したそうだが、その時も400人くらいがデモ版をプレイした中、2人くらいしかクリアできなかったそうだ。

桜花一門代表取締役 高橋建滋氏
SNSでの会話からヒントをつかんでいく

 ちなみに本作のトータルプレイ時間は3時間程度とのこと。今よくあるVRソフトはだいたい3分くらいで終わってしまうものが多いと高橋氏は感じていたそう。それでは高価な機械を買ってまで遊ぼうとは思わないだろう。VR機器を普及するためにも買って損がないと思うコンテンツを作っていくことが必要だと思ったという。

 本作を作るに当たって高橋氏が心がけたのは、VRというとリアルさを重点に考えてしまいがちだが、リアルのつまらなさを引きずらないこと。高橋氏が例に挙げたのはボクシング。実際のパンチをリアルに再現したとしても、普通の人は体力も続かないし、テクニックもないので相手と戦うこともできず、まったく面白くないコンテンツになってしまう。そうではなく“面白いと思うリアルを再現する”ことを重視した。ここまでたどり着くには、プロジェクトがスタートしてから1年程度かかってしまったそうだ。11か月目くらいでようやく手応えを感じ、そこからさらに8か月が費やされて本作は完成した。

 画面構成がモノクロになっているのもリアリティを追求したから。「マッドマックス」のモノクロ版を見たらとてもリアリティを感じたので、試しに色をなくしてみた。そうするととてもリアリティが上がったので、そこからはどんどんと完成へ近づいていったという。「自分が楽しいと思うものをゲームとして作り上げていく」と高橋氏。

ChainManのイメージボード

本作のデモ展示に使用されているNEXTGEARシリーズ

 この「ChainMan」は、東京・秋葉原にあるマウスコンピューターの「秋葉原ダイレクトショップ」で常設展示されているので、まずは試してみたと思った際には訪ねてみてはいかがだろうか。店頭でプレイできるデモ版は4分程度で遊べるように、製品版よりも若干難しめに設定されているそうだが、試しにプレイしてみたところ十分に本作の楽しさを理解できた。体験機材としてはマウスコンピュータの「NEXTGEAR」シリーズである「NG-i660PA3-EX3」が使用されている。

 また、今回発売されたのはHTC Vive版だが、今後はPlayStation VR版の発売も予定されているほか、発売から1カ月半後をめどに大型アップデートを予定。ここでは2Pモードが導入され、2人で遊べるようになるというので、そちらにも期待していきたい。