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東京ゲームショウ20年の歩みとこれからの未来を垣間見る
懐かしいあのゲームから、これから来るエンターテインメントまで
2016年9月18日 23:11
東京ゲームショウ2016の会場では、東京ゲームショウと日本ゲーム大賞20周年を記念して、ゲームの歴史とその未来が体験できる「東京ゲームショウ&日本ゲーム大賞20周年記念ブース」が設けられていた。ここでは日本ゲーム大賞の各賞を受賞した作品パッケージを展示しているほか、5年後、10年後のエンターテインメントを先取りする、今研究が行なわれている先端技術に触れることができた。
20年の歴史を各賞受賞作品とともに振り返る
「20年のあゆみ」コーナーでは、日本ゲーム大賞の各賞を受賞した作品のパッケージとともに、その年に起きたゲーム業界の出来事などをパネルで展示した。パネルにはそのほか、そのときに開催された東京ゲームショウのテーマや来場者数、出展社数なども掲示されており、その年を振り返ることができる。
ちなみに第1回の「東京ゲームショウ'96」は1996年8月22日~8月24日の期間で開催され、出展社数は87社、来場者数は10万9,649人だった。昨年の「東京ゲームショウ2015」では出展社数が480社、来場者数が26万8,446人だったことを考え合わせると、隔世の感がある。ちなみに1996年のエポックメイキングな話は、スクウェアがプレイステーションプラットフォームに参入したことと、「ポケットモンスター 赤・緑」が発売された、ということだった。スクウェアはこの翌年、プレイステーションで「ファイナルファンタジーVII」を発売し、大ヒットすることとなる。
20年の歩みを受賞作とともに振り返ってみると、あのときはこのゲームで遊んだ、このゲームにはこんなエピソードがあるなど、様々な思いがよぎるに違いない。筆者もこの展示を見ながら、東京ゲームショウ20年の歴史は、まさに日本のゲーム産業が歩んできた道のりであると深く感激した。シリーズ化して大ヒットし、今でも楽しまれているタイトル、プレイステーションプラットフォームの初期によくあった、実験的で野心的なタイトルなど、見ているだけで楽しく遊んだ思い出が蘇ってくる。最新タイトルに触れるのもよいのだが、温故知新、この展示にも是非とも足を運んでほしいと思う。
最先端の研究に触れることができる「エンターテインメントの未来」
「エンターテインメントの未来」は、大学などの期間で研究されている先端技術に触れることができるコーナーだ。東京大学や慶應義塾大学、電気通信大学のほか、ソニーコンピュータサイエンス研究所が展示を行なっている。
東京大学大学院の篠田牧野研究室が展示していたのは「視触覚クローン」。これは、左と右に置かれているボックスに手を入れたとすると、左側の手に右側の手が触っているかのような感覚を得られるというもの。つまり、離れた場所にいる場合でも、お互いその場にいるような感覚を得られるというわけだ。これは、手の位置を検出して、四方に備え付けられている小さなスピーカーから超音波を出すことで、あたかも触っているかのような感覚を作り出している。
同じく東京大学の舘研究室と、慶應義塾大学のメディアデザイン研究科との共同プロジェクトとして展示されていたのは「HaptoMIRAGE」。これは特別なゴーグルなどがなくても見ることができるVRディスプレイ。目の前の空間に3D映像が浮かび上がり、立ち位置や目の位置を変えても違和感なく立体に見えるというものだ。デモ機にはアニメ風の女の子が映っており、その下にある円盤を回すと、それに応じて髪がなびくような様を見ることができた。
そして電気通信大学の梶本研究室で研究されているのは、キーボードの触感を変えることができるというもの。キーボードの押し込み量や押しているキーの位置を測定することで、キーの感触を変えることができるのだ。デモではキーの上にカエルが乗っており、「カエルのうた」を引くと、そのキーごとにカエルが跳びはねるものと、ギターの弦が映っていて、キーを押すとそれぞれの弦が鳴るとともに引っかかる位置が変わることが体験できるものや、左と右で木琴と鉄琴に分かれていて、それぞれを押すと触感が違うといったデモが体験できた。
先ほどと同じく慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と東京大学の舘研究室で研究されている「TECHTILE:触感デザインプロジェクト」。こちらも触感を中心とした様々な体験ができるようになっていた。
試したのは1つの紙コップに石を入れるともう1つの紙コップで振動を感じるというもの。これは、石を入れた紙コップに付いているセンサーで読み取った反応を、もう1つの紙コップに取り付けられているスピーカーで振動を出力する、といった仕組みだ。ちゃんと石の大きさに反応して、振動が大きくなったり細かくなったりする。
このほかにも、電車を手で動かして走らせると、「ガタンガタン」という音が鳴って振動し、まるで電車が本当に走っているかのように感じられるものや、ハムスターが棒をかじっている画像に合わせて、ハコに取り付けられている棒が振動するものなど、触感のインタラクティブ性を表現したものが多く展示されていた。
これまで紹介した“触感もの”以外に展示されていたのはVR系のデモ。VRゴーグルを通して、その先につながっているロボットの目に映っている様子を感じる「テレイグジスタンス」、体中に取り付けられたセンサーとVRゴーグルでゲーム「Rez Infinite」をプレイする「Synesthesia Suit」、VRゴーグルを付け視点を交換して遊ぶ「VR鬼ごっこ」などがあった。しかし研究室発の最先端技術のデモがこれだけ展示されていると、VRがオールドテクノロジーに見えてくるから不思議だ。
こういった新しい技術の中に、次世代ゲームのヒントが、どこかに隠れているのかもしれない。































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