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NVIDIA、ノート版GeForce GTX 10シリーズのハンズオンを実施
「FFXIV」ベンチは17,628を達成! 超快適なプレミアムVR体験を実現
2016年8月16日 13:00
アジアメディア向けブリーフィングのレポートに続いては、その後に行なわれたハンズオンの模様をお届けしたい。レポートの最後に、今回出展されていたノート版GeForce GTX 10シリーズ搭載ゲーミングノートPCを紹介しているので参考にして欲しい。発売日、価格はハンズオンの時点では未発表で、各メーカーより発表される予定。
ハンズオンセッションではAcer、ASUS、CLEVO、GIGABYTE、MSIといったメーカーのGeForce GTX 10シリーズGPU搭載ゲーミングノートPCが10台以上ずらりと展示され、「オーバーウォッチ」、「ミラーズエッジ カタクリズム」、「Witcher 3」といったいわゆるAAAタイトルのフリープレイに加え、ベンチマークの検証、ANSEL体験、そしてNVIDIA VR WORKSを採用し、GeForce GTX 10シリーズに最適化している最新のVRタイトルをいくつか体験することができた。
50名以上集まったアジアのメディアの中には、ひたすらベンチマークをとり続けるメディア、「オーバーウォッチ」や「Witcher 3」を遊びまくるメディアなど、限られた時間の中でメディアの特性に合わせて行動する中で、GAME Watchが注目したのはVR性能だ。
今回VR用にGeForce GTX 1080/1070/1060それぞれでVRデモ機が用意され、どのグレードでもVRが快適に楽しめることをアピール。VRデバイスは、HTC Viveで2㎡ほどの空間を確保し、ルームスケールでじっくり体験することができた。
今回体験できたVRタイトルは、NVIDIA謹製のVRデモ「Funhouse」をはじめ、「Pool Nation VR」、「EVEREST VR」、「RAW DATA」、「KNOCK OUT」の5タイトル。残念ながらマシンによってプレイできるコンテンツが設定されていたため、グレード毎のパフォーマンスの違いというのは検証できなかったが、どのグレードでも快適にVRが遊べることはしっかり体験できた。遊んでいるうちにVR世界に没入してしまい、ノートPCでVRを楽しんでいることを忘れてしまったほどだ。
GPUのグレード毎のインプレッションを簡単にお伝えすると、まず、GeForce GTX 1060では新手のボクシングゲーム「KNOCK OUT」を試すことができた。ゲーム性としては任天堂の往年の名作ボクシングゲーム「パンチアウト!!」をVRに昇華させた感じで、相手の行動パターンを読み切って相手の大技をきっちりガードし、即座にカウンターパンチをたたき込む。数分にわたって左右ジャブとガードを繰り返すのはかなりタフでかなり疲れるゲームだ。試合時間は5分で、相手を3回ダウンさせれば勝ちとなる。舞台は中央に照明が落とされたリングの上で、動くオブジェクトは目の前の敵だけという比較的軽いゲームだったこともあるためか、GeForce GTX 1060ながらヌルヌル快適プレイが楽しめた。
GeForce GTX 1070では、7月にリリースされたばかりのHTC Vive専用タイトル「RAW DATA」をプレイできた。HTC Vive専用ということでルームスケールを最大限に活用し、ガンシューティングで向かい来るロボットを蹴散らすだけでなく、背中からビームサーベルを取り出して斬り倒したり、相手の攻撃が激しい場合は端末の影に隠れたりなど、かと思えば上空からも敵が襲ってきたりと、VRエンターテインメントの楽しさが満喫できる本格派のVRシューターだ。
今回「RAW DATA」では2台のノートPCを使って、もっとも負荷の高い2人CO-OPプレイを体験。今回はボイスチャットがオフになっていたため、ツーマンセルで背中合わせになって声を掛け合って防衛するというCO-OPらしい遊び方はできず、とりあえずウェーブ単位で波状攻撃を仕掛けてくる敵をふたりで協力して撃退していった。CO-OPモードは初体験だったが、敵の攻撃は熾烈で、頭を上げたままもたもたリロードしようものならすぐ敵に撃ち殺されてしまう。全方位から大量の敵が襲ってくるというVRゲームとしてはかなりヘビーなタイトルだが、遅延は全シーンを通じてまったく感じられず、本タイトルの試遊により、VRが本当にノートPCに来たという確信が得ることができた。
GeForce GTX 1080では、「Funhouse」、「Pool Nation VR」、「EVEREST VR」の3タイトルをプレイ。「EVEREST VR」はまだドライバが最適化されていない(3D Markでも一部描画がおかしいテストがあった)ためか一部描画がおかしかったものの、プレイそのものは非常に快適。VRのインパクトを伝えるには非常に効果的なタイトルだけに、今後ノートPCで持ち運んで楽しむ機会がグッと増えそうなタイトルだ。
「Pool Nation VR」は、6月にリリースされているプールバーを舞台にビリヤードが楽しめるタイトル。単純にビリヤードが楽しめるだけでなく、ビリヤード台の上に箱や椅子、ビール瓶などを積み重ねてトリックプレイを楽しんだり、他のプレーヤーとビール瓶を重ねて乾杯したり、ダーツコーナーでダーツを実際に投げて遊んだりなど、“物理シミュレーション満載のプールバー”シミュレータになっているところが最大のポイント。日本語版がないのが残念ながら、海外では高い評価を受けている、良質なVRタイトルのひとつ。
これもNVIDIA VR WORKSタイトルだったわけだが、フリープレイだったため30分ぐらい没頭して遊び続けてしまった。まず、大枠の位置をワープ移動して決め、細かい立ち位置はルームスケールを活かして実際に動いて調整する。身体を折り曲げ、利き手の反対を大きく伸ばし、利き手側で打点を微調整する。キューを振り抜くスピードに応じて力加減が変わり、物理法則に従ってボールが動く。このビリヤードの一連の動きが、実にリアルに再現されていて、キューすら持っていないのに実際のビリヤードをプレイしている感覚に陥る。ラグやカク付きも一切感じられず非常に快適に楽しむことができた。
3タイトル目の「Funhouse」は、言わずと知れたNVIDIA謹製のVRの新たなリファレンスと言える良質なVRデモだ。今回はグラフィックスオプションをミディアムとハイの両方で試してみたが、どちらも快適に遊ぶことができた。グラフィックスオプションで変化する液体表現や炎の表現を意識して、該当箇所で液体や炎をまき散らすようにすると若干フレームレートが落ちるかなというレベルで、全シーンを通じてノートPCとは思えない良好なパフォーマンスだった。
なお、個人的に気になっていた「バッテリー駆動でVRを遊べるのか?」という疑問に関しては、環境が整っていないことを理由に試すことができなかった。これについては今後、ゲーミングノートPCのレビュー等を通じて検証していきたい。そしてもうひとつ、試遊しながら1点気づいたのはGeForce GTX 10シリーズで強化された「Battery Boost」機能の注意点について。
fpsの上限が従来通り60になっており、HTC ViveやOculus Riftが求める“90fps固定”がそもそも設定できない。「Battery Boost」機能をオフにすれば60fpsの上限を無視できるが、今度はバッテリーの消費が増大し、かつフレームレートが不安定になる可能性もあり、いずれにしても実用的ではない。これについては実質的にはVRでの利用を想定した機能ではないということで、あくまでノンVRタイトル向けの機能と考えたほうが良さそうであり、バッテリー駆動でのVR体験は、まだ時期尚早と言えそうだ。