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NVIDIA、ミドルレンジGPU「GeForce GTX 1060」を正式発表

新世代VRの扉を開くVRサンドボックス「VR Funhouse」にも対応!

7月19日発売予定

価格:249ドルより

 米NVIDIAは、Pascalアーキテクチャを採用したGeForce GTX 10シリーズの新モデル「GeForce GTX 1060」を正式発表した。グローバルでの出荷は7月19日よりスタートし、価格は249ドルより。GeForce GTX 1080/1070でも用意されたハイクオリティなパーツを採用したプレミアムモデル「GeForce GTX 1060 Founder's Edition」も用意され、価格は299ドル。

「GeForce GTX 1060」のスペック
「GeForce GTX 1060」の価格と発売日
Founder's Editionも用意

 「GeForce GTX 1060」は、コストパフォーマンスの高さ、静穏性、低消費電力などをウリとしたPascalアーキテクチャを採用したGeForce GTX 10シリーズのミドルクラスモデル。現行世代のPCゲームはもちろんのこと、現行のPC向けVRのさらに一段上を行くプレミアムVR体験や、NVIDIAが推し進める新世代のゲーム画像キャプチャ機能「ANSEL」などをしっかりサポートしながら、249ドルと圧倒的なコストパフォーマンスを実現したモデルとなる。

 基本スペックは1280基のCUDA core、6GB GDDR5メモリ、クロックは1.7GHz、メモリスピードは8Gbps、TDPは120Wなどとなっており、NVIDIAでは“コンペティター”と比較して15%高速で、かつ75%の電力効率を持つとしている。気になるパフォーマンスはGeForce GTX 980程度になる見込みで、ミドルクラスとはいえ強烈なゲーミング性能を備えている。

 そしてGeForce GTX 1060が、兄貴分であるGeForce GTX 1080/1070リリースの際と大きく異なるのは、GeForce GTX 10シリーズでPCゲームやVRゲームを楽しむ際の具体的なメリットとワンセットになっているところだ。それが「VR Funhouse」と「ANSEL」となる。リリースはいずれも7月が予定され、GeForceユーザーは無料で利用することができる。

 「VR Funhouse」は、Pascal世代のVRパワーをアピールするためのショウウィンドウのようなインタラクティブデモで、ルームスケールVRかつハンドコントローラーを標準サポートしているHTC Viveのみに対応し、対象GPUもGeForce GTX 1080/1070/1060のみとなる。

 対象環境を絞っただけに「VR Funhouse」が実現するVR世界は、現在提供されているVRコンテンツをあらゆる面で一段上を目指しており、美しいグラフィックス、リアルな物理シミュレーションで構築された世界、インタラクティブなオーディオをVR環境で実現している。その内容がどのようなものかは言葉で説明するより、下記トレーラーを見た方がわかりやすい。

【NVIDIA VR Funhouse Shows What Pascal Can Do for VR】

 「VR Funhouse」がおもしろいのは、これ自体が優れたエンターテインメント性を備えたゲームというだけでなく、ゲームデベロッパーのVRコンテンツ制作を手助けすることを目的としたオープンソースになっているところだ。

 いわば「VR Funhouse」は、Pascal世代のGPUパワーとUnreal Engine 4.xの表現力を活かした「VR Funhouse」をリファレンスに、より優れたVRコンテンツをNVIDIAと共に作って行こうという具体的なコミットメントとなる。クリエイターは大いにクリエイティビティを刺激されるだろうし、ゲームファンもPascal世代のGPUが欲しくなってしまう。実にうまいアプローチだ。

【VR Funhouse】
7月中に公開予定。対象はHTC Vive&Pascal世代GPUに限られるが、VRファンはぜひ試してみたいコンテンツだ
「VR Funhouse」は複数のコンテンツが用意されており、炎、ネバネバ、バネ、粒子といった様々な物理シミュレーションのほか、VRサウンド、SLI最適化など、かなりリッチなVR体験が味わえる

 「ANSEL」は、Shadowplayやゲーム最適化機能など、NVIDIAがコンパニオンアプリ「GeForce Experience」を通じて提供してきたゲーム向けサポート機能の最新ツール。Shadowplayでは、簡単かつ高性能なゲーム動画キャプチャ機能を提供していたが、ANSELは高機能なゲーム画面キャプチャ機能を提供するものとなる。ANSELに対応したゲームでは、ポーズを掛けて時を止めるだけでなく、キャプチャするためにゲーム視点を変えたり、ポストエフェクト風のフィルタを掛けて雰囲気を変えたり、プレイ解像度を遙かに上回る超高解像度で撮影したり、VRで楽しめるように360度パノラマの状態でキャプチャが可能となる。

 今回は7月という実装時期に加えて、ANSEL対応タイトル第1弾として「Mirror's Edge: Catalyst」、「Witcher 3」が対応していることが明らかにされた。このほか、対応予定タイトルとして「The DIVISION」や「The Witness」、「No Man''s Sky」、「Paragon」、「Unreal Tournament」などが発表されている。ちなみに、こちらはVR FunhouseのようにPascal世代限定ではなく、GeForce GTX 600シリーズ以降から利用することができる。

【ANSEL】
従来のゲームのポーズ機能では取れなかったリッチなスクリーンショットの撮影が可能となる
おもしろさだけでなく、グラフィックスの美しさでも定評のある「Witcher 3」がANSELに対応する
もうひとつの対応タイトルはEAのパルクールアクション「Mirror's Edge: Catalyst」
今後ANSELに対応を予定しているタイトル