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NVIDIA、最新GPU「GeForce GTX 1080」発表

最新アーキテクチャ“Pascal”採用によりTITAN Xを凌駕する性能を実現

5月6日発表

GeForce GTX 1080

 NVIDIAは、新しい“Pascal”アーキテクチャを採用した最新GPU「GeForce GTX 1080」を発表した。

 「GeForce GTX 1080」は「Founders Edition」が5月27日に発売される予定となっており、販売はASUS、Colorful、EVGA、Gainward、Galaxy、Gigabyte、Innovision 3D、MSI、NVIDIA、Palit、PNY、Zotacが行なう。価格は699米ドル。また、パートナー各社からカスタムボードも発売される予定となっている。価格は599米ドル。

 「GeForce GTX 1070」の「Founders Edition」は6月10日に発売予定。価格は449米ドル。カスタムボードは379米ドル。

 「GeForce GTX 1080」は、アーキテクチャを先代のGeForceシリーズに採用されていたMaxwellから、Pascalへと変更。パフォーマンスやメモリ帯域幅、電力効率に至るまで、GeForce TITAN Xを凌ぐ性能を実現している。

Pascalを形作るテクノロジー

最適なパフォーマンス

 Pascalは1ワットあたりのパフォーマンスがこれまでで最高になるように設計されており、結果として「GTX 1080」は、従来のMaxwellアーキテクチャ採用のGPUに比べ3倍の電力効率を実現している。

16nm FinFET プロセス

 「GTX 1080」は、ゲーム用GPUとして初となる16nm FinFETプロセスを採用している。同プロセスを採用することにより、トランジスタの小型化・高速化、集積密度を向上させ、総計72億個のトランジスタによってこれまでにないパフォーマンスと効率を実現している。

メモリ性能の向上

 これまで採用されていたメモリのGDDR5は転送速度が32bit・4~7Gb/sであったのに対し、今回採用されている8GB Micron GDDR5Xは256bit・10Gb/sの転送速度を実現しており、有効メモリ帯域幅の差は1.7倍となっている。

過去最高のクロックスピード

 帯域幅と電力効率が向上したことにより、「GTX 1080」は180ワットで過去最高の1700MHz以上のクロックスピードを実現。また、新たなGPU Boost 3テクノロジーによりオーバークロックも可能となっている。

新たな機能“VR Works”と“Ansel”を搭載

ユーザーに新しいVR体験を提供するソフトウェア開発キット“VR Works”

 より精度の高いVR体験を提供するために、「GTX 1080」上ではソフトウェア開発キット“VR Works”が実装されている。

 “視覚”の仮想体験を産み出す、VR Works Graphicsでは、VRディスプレイ用に最適なレンダリングを実現可能となっている。同時マルチプロジェクション機能をサポートしており、左目用と右目用、それぞれ異なる映像をシングルパスで同時にレンダリングが可能となっている。

 “聴覚”の仮想体験を産み出す、VR Works Audioでは、NVIDIA OptiXレイトレーシング・エンジンを用いて、音の伝達経路をリアルタイムに追跡。仮想世界のサイズや形状、材質などを反映した音場を形成することが可能となっている。

 そして、残る“触覚”のVR体験を実現するのがNVIDIA PhysX for VR。手に持ったコントローラが仮想オブジェクトと干渉することで、視覚的、触覚的にも正しい反応をゲームエンジンに出力する。ユーザーは爆発や、水に触れる感触などのあらゆる相互作用を感じ取ることが可能となっている。

思うがままにゲームシーンをキャプチャする“Ansel”

 ゲームキャプチャツールAnselは、ゲームプレイ中、カメラを構える場所や向きを自由に設定できる。スクリーンショットを撮る際には画面解像度の32倍もの解像度での撮影が可能となっており、ズームにより画面がボケるということもない。他にも、360度の立体映像をキャプチャして、VRヘッドセットで鑑賞することも可能となっている。

(三宮一二三)