インタビュー

「World of Tanks」、「ガルパン」“ノンナ”ボイスの上坂すみれさんインタビュー

ロシア語の長セリフも収録。「ぜひロシア語で応酬してあげてください」

プラウダ高校副隊長こと「ノンナ」さん
4月収録

 ウォーゲーミングジャパンは、Windows用オンライン戦車ゲーム「World of Tanks」において、「World of Tanks meets ガールズ&パンツァー」キャラクターボイスパックの「ノンナ(CV:上坂すみれ)」ボイスパックの収録を行なった。

 既に「西住みほ(CV:渕上舞)」、「秋山優花里(CV:中上育実)」のボイスパックは配信されており、今回収録された「ノンナ」のボイスパックも配信予定。収録に挑んだ上坂すみれさんは、かなりのロシア・ソビエト好きということで、収録されているロシア語ボイスは自身が演出を担当している。今回は収録後にインタビューに応じていただいたので、その模様をお伝えする。

「ノンナ」さんは感情の変化があまりなくて、システムボイスみたいな感じ

ノンナ役の上坂すみれさん
上坂さんが贔屓にしている「BT-2」(上)、「BT-7」(中)、「T-34」(下)
こちらは収録の様子

――「World of Tanks」に出演すると決まった時の感想を教えて下さい。

上坂すみれさん:「World of Tanks」のイベントに出させて頂いた時に、ボイスを録るというのは聞いていたので、すごく楽しみにしていました。「ガルパン」のボイスパックも「みほ(西住みほ)」さんとか登場していて、「World of Tanks」って硬派なゲームだと思いますから、そこに“戦車道要素”が入ることによって、大洗女子学園の人たちがガチの戦場に行っている気がして、それはそれで戦車道世界大会みたいな気分になりますね。

――今までに「World of Tanks」をプレイされた事はありますか?

上坂さん:イベントで出させていただいた時にプレイしました。実はネットゲームって不慣れで、「World of Tanks」もそこで初めてプレイしたような感じなんです。

 戦車ゲームとかミリタリー系のゲームは、どんどんキズが付いて行くのが悲しくて好きなゆえに辛いんです。履帯が動かなくなった時点で「もうダメだ……」ってなっちゃうので、壊れ方のリアルさには胸が痛みます。

――ちなみに好きなロシア戦車はありますか?

上坂さん:「BT」シリーズが好きで、「BT-2」、「BT-5」、「BT-7」問わず好きです。クラシカルな「T-34」や、その周辺の系列が好きですね。最近のリアクティブアーマーが沢山ついている戦車や、ネットワークシステム搭載でスラロームが早くできる戦車より、“鉄の棺桶”的な戦車が好きなので独ソ戦あたりの戦車を贔屓にしますね。

 「T-34」はハッチも独特で「ミッキーマウス」とも呼ばれますし、スタンダードかつ優秀な戦車なので、無理やり例えると“クラスの学級委員”的なポジションになると思うんです。ソ連戦車ってポンコツがいっぱいいて、その中に突然傑作が現われることが多いと思うんですけど、「T-34」はさぞかし苦労しているんじゃないかな、って思います。

――収録を終えてみての感想を教えて下さい。

上坂さん:ゲームの音声の収録は何度かやったことがあったんですが、起伏のある掛け合いセリフだとやりづらかったりもするんですけど、「ノンナ」さんは感情の変化があまりなくて、淡々と被害報告したり、「撃ちました」とか、そういうセリフなので、システムボイスみたいな感があるんですけど、逆にやりやすかったです。

――収録の中で、ゲームの中にやられた時のセリフが沢山あったと思うんですが、「ガルパン」の「ノンナ」のイメージではやられる感じがあまりなかったと思います。そういった点で苦労された部分とかありますか?

上坂さん:「ノンナ」さんをやるのが久々だったので「どんな感じだったかな」って思い出す作業はありましたけど、基本的には、いつもの冷静に次の手を考えている「ノンナさん」で、「私達の負けですね……」みたいな感じですね。負けた時のセリフも全然悔しそうじゃなくて、個人的には「ノンナさん」の声でプレイしている時に負けたら、プレーヤーのせいにされてるみたいで、すごくしょんぼりするなーとは思いました。

――演じられている「ノンナ」は冷静沈着なキャラクターだと思うんですが、「カチューシャ」を心配するようなボイスもあったと思います。

上坂さん:「ノンナ」さんは「カチューシャ」のために生きているようなところがあるので、そこは割と人間らしいというか、普通の人のテンションでやりました。通しで収録してて「カチューシャ」って出てくるところだけテンションが上がって、操縦手とか通信手とかはどうでもいいみたいで(笑)、その態度の違いみたいなのが面白かったです。「カチューシャ」だけ熱がこもっているのを聞いていただきたいです。

――今回収録した中にロシア語のセリフはありましたか?

上坂さん:いくつかありますね。「ガルパン」の収録の際も少しロシア語がありましたけど、今回は「敵の装甲を○○」みたいな、長めのロシア語でしたね。私の発音もネイティブじゃないので聞き取るのは難しいかもしれないんですけど。

 ロシア語ってよく使う単語って短くて、専門用語になると長いんですよ。勝った時は「ウラー!」で、負けた時は「くそう」みたいな「チョールト!」っていうロシア語があるんですけど、それは今日急遽入れました。言い慣れない単語が多いので、ミリタリー系のロシア語って長いんですよ。例えば「装填ができました」というロシア語を言うだけのためにすごい労力をかけるんですね。

――特に聞いて欲しいセリフはありますか?

上坂さん:やっぱりロシア語のところですかね。例えば「グッシェーニットスビータドビジェーニワズモジュナ(訳:履帯が完全に破壊されました動けません)」とかはセリフが2行もあるんです。普通の日本のアニメでこんなにロシア語を喋ることはないので、面白いと思います。もしロシア語がお得意な方がいらっしゃったら、ぜひロシア語で応酬してあげてください。

――今回収録されなかったけど、このセリフは入れてみたかったというセリフありますか?

上坂さん:個人的には「カチューシャ」のボイスパックがあったらいいなと。「カチューシャ」と「ノンナ」の会話みたいなのがあったらすごく面白いんじゃないかなって思いますね。

――ボイスパックを楽しみにしている皆様にメッセージをお願いします。

上坂さん:まさかの「ノンナ」様の登場で、「大洗女子学園」ではない人がプレイできます。「ノンナ」さんの指示は的確ですけど冷たいので、負けたら凄く悲しくなると思うし、勝ってもそんなに褒めてくれないので、なんだよこのぶっきらぼうなやつって怒らないで下さい(笑)。

 「ノンナ」さんはそういう人ですけど、優秀なので「プラウダ高校」の生徒になった気持ちで、「ノンナ」さんの指示に従って勝利を収めてもらいたいと思います。

――ありがとうございました。

(八橋亜機)