ジー・モード、iモード「勇者死す。ディレクターズカット」開発者インタビュー
余命5日間のRPGを生み出した、桝田省治氏の人生観とは?
株式会社ジー・モードの「勇者死す。ディレクターズカット」(以下、DC版)の配信が、5月25日からiモードサイト「R.P.G-mode」で開始された。2007年12月25日にリリースされたRPG「勇者死す。」に、ゲームデザインとシナリオ担当の桝田省治氏が新たに書き下ろしたエンディングやヒロインの台詞を追加。ゲームバランスの再調整もなされている。
「勇者死す。」は、魔王と戦い見事討ち果たしたものの、自らもまた命を落としてしまった勇者が主人公。神の導きによって、わずか5日間だけの生を得るところからゲームが始まる。
DC版のリリースにあわせて、桝田省治氏と、プロデュースを担当した株式会社ジー・モードの河上京子氏に、DC版のポイントや余命5日という前代未聞のRPGの魅力、開発に至る経緯、コンシューマーへの移植の話題など、さまざまな質問に答えていただいた。練り込まれたゲームシステムと世界観で熱心なファンの多い桝田氏と、独特の感性で個性的なゲームをプロデュースする河上氏。おふたりらしい答えが次々と飛び出すインタビューとなった。
魔王との戦いで命を落としたが、神の力で5日間だけ復活した勇者の物語が展開される |
■ ユーザーさんの多くが、僕の想定していないプレイスタイルでした
有限会社マーズ代表取締役の桝田省治氏 |
ジー・モード プロデューサーの河上京子氏 |
――今回どのような経緯でDC版のリリースが決定したのでしょうか。
桝田省治氏: 前回は1本525円の個別課金で配信しましたが、より多くの人に遊んで欲しかったので、月額制の「R.P.G-mode」で「勇者死す。」を再リリースしようと決めました。その際にテキストや数値的なデータも若干の修正ができるということになり、今まで遊んでもらったユーザーさんの意見を取り入れて、より遊びやすいバランスにしました。
――ユーザーの意見とはどういったものでしょうか。
桝田氏: 僕が思っていたプレイスタイルとユーザーさんの遊び方が、少し違っていました。例えば、最初の1回目のプレイは試行錯誤しながら、操作や遊び方を覚えるためだけに使うだろうと、僕は考えていました。2回目、3回目で最終的なシナリオに進むようなプレイスタイルを想定していたのです。
けれども、実際にはこまめにセーブとロードを繰り返して、最初から正解の選択を選ぶような、1回のプレイを濃厚に楽しんでいる人が多かったみたいです。そこで、1回のプレイでいろんな体験ができるようにして、イベントも発生しやすいようにゆるめのバランスに調整しました。
――DC版では、桝田さん書き下ろしのエンディングが追加されました。桝田さんの言われる“想定していなかった”プレイスタイルでも高い満足度を得られるように、エンディングを追加されたのですか?
桝田氏: 満足度というよりも、多くのユーザーさんは1回しかエンディングを見なかったのです。実際のユーザーさんは高い達成率のエンディングを1回だけ見て、達成率の低いものはほとんど見ていませんでした。それに合わせて、高い達成率のプレイで行き着きやすいエンディングを条件によって細分化させた、新たなエンディングを追加しました。
リリース後、思っていた以上にユーザーさんの遊び方に種類があるのがわかりました。通勤通学中や、トイレの中、別の携帯ゲームと並行して……と、本当に多くのスタイルがあったので、現実に遊んでいる人たちに合わせたチューニングを心がけました。
――前作「勇者死す。」を既にプレイしたユーザーに対して、DC版ならではの注目点やアピールしたいポイントはありますか?
桝田氏: 前作と比較して、DC版は1回のプレイでできることが増えているので、濃厚なプレイを楽しんでほしいと思います。
河上京子氏: 制作側としても、短いプレイ時間のゲームなので、もっと繰り返し、失敗をしながら遊ぶことを考えていました。しかし周囲やネットの反応も、1回のプレイで慎重に進めていく人がかなり多く、それならばその人たちが満足できるものを作ろうと考えました。エンディングの追加などで、ユーザーさんの声に応えられていると思います。
桝田氏: 正直なところ、「ダラダラと遊ぶゲーム」を作ったつもりが、ネットを見てみると本気で攻略している人がいると気づいて、びっくりしましたよ(笑)。
■ ネガティブさを“ギャルゲー化”で中和
生き返ってすぐの勇者は最強と呼ぶべき存在だが、時間を追うごとに弱くなり、装備も扱えなくなっていく |
――前作「勇者死す。」についての話も聞かせてください。「勇者が衰弱していくRPG」のアイデアは、かなり前からお持ちだったとお聞きしたのですが?
桝田氏: 「俺の屍を越えてゆけ」を作っている頃に、既に「勇者死す。」のアイデアはまとまっていて、とある会社さんに話をしたことがあります。しかし主人公が弱くなって、死んでいくという面をネガティブにとらえられてしまい、同じようなアイデアを取り入れた「俺の屍を越えてゆけ」の売れ行きを見て、どうするか決めようということに話が落ち着きました。
――「俺の屍を越えてゆけ」でも、すでに主人公が時間とともに弱くなっていき、寿命が尽きるというアイデアが採用されていました。「俺の屍を越えてゆけ」のヒットで、桝田さんのアイデアが世間に受け入れられるという証明になったわけですね。
桝田氏: ありがたいことに「俺の屍を越えてゆけ」はそこそこ評判がよく、主人公が衰弱死するゲームはユーザーさんに受け入れられるだろうという話になったんですが、しかしいろいろと事情があって、残念ながら制作に至りませんでした。
――ご自身のブログでも「勇者死す。」のアイデアを売り込んでおられましたよね。ブログを使ってゲームのアイデアを世間に公表することに驚きました。
桝田氏: ブログで「勇者死す。」を売り込んだのは、さっきの話がとん挫した後、いくつかの会社に「勇者死す。」の企画を持ち込んだのですが、全部に蹴られてしまったからです。それから何年も経ってからのことですね。
河上氏: 本作のアイデアを聞いたときに懸念するのは、「勇者が死ぬ」というネガティブなところです。でも、それだけのゲームではないという点は、プレイしてくださった皆さんが1番よく理解されているのではないでしょうか。
桝田氏: ブログでアイデアを発表したら、実際に数社から問い合わせはありました。それぞれ社内の企画会議までは進んだようですが、最終的なところまではいかなかったですね。いろんな会社に企画を持ち込んでも、ゲーム性が「暗い」と言われてしまいました。
どうしたら「暗い」と言われないかを、開発会社のピラミッドの飯淳さん(開発プロデューサー)と話し合ったところ、「もっとも安直なアイデアを投入しよう」ということで“ギャルゲー”の要素を入れたわけです。可愛い女の子がいっぱい出てくれば、見た目が明るくなるじゃないかと(笑)。元々は、もっと男性キャラクターもたくさんいたんですよ。
河上氏: それで“ドラマチックRPG”っていうコピーができて、「勇者死す。」の句点がハートマークになっちゃった(笑)。そこからは早かったですね、すぐに制作が決定しました。
ゲームを進める中で、何人かの女性キャラクターと出会う。彼女らを助けると、仲間となって一緒に行動してくれることもある |
■ 人生の縮図を見てほしい
――斬新過ぎるRPGだっただけに、開発で苦労されたことも多いと思います。具体的にはどんな点に注意されて制作されましたか?
桝田氏: “バランスとり”ですね。時間に対して勇者がどのくらい弱くなっていくのか。減少するパラメーターや失くしていく魔法と、仲間になるキャラクターとの兼ね合い。だからといって、常に同じでは面白くないので、ある程度幅を持たせて、かついろんなプレイをしてもそれなりに遊べるという、バランスの見切りでしたね。理不尽じゃない程度に、かつ「5日後に死ぬ」という怖さが体感できるような調整に時間をかけました。
僕も含め、およそほとんどの人が「だんだん弱って、5日後に死ぬ」という体験をしたことがないわけで、本当はどんな感覚なのかはわかりません。ですが、年齢とともに以前は走れば間に合っていた電車に乗れなくなったなんてこともあるでしょう。でもそれなら、5分早く起きれば、電車には乗れるわけです。人生の中にも経験や試行錯誤から生まれる、弱くなる自分への“攻略法”があるんですね。そういう感じも「勇者死す。」に入れたかったのです。
――人が歳を重ねる上で感じる悩みや想いを、「勇者死す。」に込めたのでしょうか?
桝田氏: あとは“がんばらなきゃいけない時”ですね。人間には老いを感じていても、多少無理してでも頑張らないといけない時があるんですよね。娘の運動会で、若いお父さんと混じって走る時とかね(笑)。
――バランス調整はどのように行なわれたのでしょうか?
桝田氏: イメージは“虫歯”です。虫歯が悪くなっていく過程を、勇者の衰弱に重ねました。虫歯は最初、自覚症状がない。これが1日目です。次は、冷たいものを飲んだ時など、たまに痛みを感じます。これが2日目。もう少し進むと、硬い物を噛むと常に痛みがくる。でも「反対側で噛めば大丈夫」とごまかしている。それが3日目のイメージです。4日目は、痛みに強い人でも我慢できなくなっている状態。5日目になると、歯医者に「抜け」と言われる(笑)。もう手遅れ。そんな感覚ですね。主人公のような経験をした人は誰もいないけれど、虫歯の感覚は理解してもらいやすいと思いました。
河上氏: プレイすると1日目は強いままで終わるので、「本当に5日後に死んじゃうの?」と思うぐらいのバランスになっています。
桝田氏: ダムが決壊するイメージもありました。小さな穴から、いきなり壊れてしまう感覚です。これが正解かどうかはわかりませんが、僕の中のイメージにほぼ近いバランスになっています。
――桝田さんの作品には常に、人生に通じるようなテーマが込められているように感じます。「勇者死す。」でプレーヤーに伝えたいテーマとは何でしょうか。
桝田氏: 「やり残さないようにがんばって生きる。でも、やり残したことはあきらめる」という人生観でしょうか。
河上氏: 自分が思うように生きれればいいけれど、実際にそんなことできる人はいません。だから、何かを選ぶためには何かを諦めなければならない。そんな人生の縮図をゲームの中に見てもらえたらと思います。
桝田氏: まあ、そんなつらい体験をゲームでしないといけないかどうかはわからないですけどね(笑)。現実には、主人公みたいに何人もの女性を幸せにするなんて無理なことで。ひとりの女性だけでも大変なことですから。
■ ヒロインとのロマンスは救いであり、生と死のバランスを保つもの
――勇者が頑張って幸せにしようとする、本作のヒロインたちですが、それぞれお気に入りのキャラクターは?
桝田氏: 僕は割とひねているキャラクターが好きですね。森人の「リュー」と王女の「フローラ」。彼女たちも勇者と同じように悔いを残さないようにしようと努力しています。方法が正しいかどうかは別にして、一生懸命に生きようとしています。あと女の子ではないですが、執事の「トーマス」も好きですね。あのお爺さんは、勇者の行動を何でもかんでも肯定します。いい時でも悪い時でも、すべてを受け入れるスタンスは立派ですよね。“大人”の鑑です(笑)。
河上氏: 私が1番好きなのは「リュー」ですね。あと雰囲気的に好きなのは、天使の「ユリア」。萌えますね、私の中の男が(笑)。ユーザーさんに人気があるのは穴民の「ナオミ」ですが、私は「ナオミ」が人気のある理由が全然わかりません。近くにいたら困る人ですよね(笑)。
――魅力的な本作のヒロインたちは、どのような経緯で生まれたのでしょうか? 性格や個性の差別化、背景設定などで悩むことはありませんでしたか?
桝田氏: ヒロインの典型を狙ったので、特に苦労はなかったですね。キャラクターデザインの山下しゅんやさんから上がってきたイラストを受けて、外見から設定した部分もあります。もちろんイラスト発注の時点で大まかなイメージは指定していましたが、自分の想像にはなかった部分はイラストからイメージを膨らませました。「あぁ、メガネかけてるんだ? だったら……」とか。
河上氏: キャラクターデザインは、候補の方がたくさんいた中で、どうしても山下さんでお願いしたいということになりました。その時点で、どんなキャラクターが描かれてくるのかこちらもある程度イメージを持っていたので、出来上がってきたデザインに注文をつけることはほとんどありませんでした。
桝田氏: 僕自身はキャラクターや物語自体に、こだわりを持つことはほとんどありません。山下さんのイラストに合わせてイメージを修正して、セリフも変えました。もし本作がコンシューマに移植されることになって、ボイスがついたら、その時は声優さんに合わせてセリフも書き直しますよ。あの決め台詞いわせたいなって(笑)。
――ヒロインたちのセリフの中にはかなりセクシーなものがあります。桝田さんの過去のゲームも“性”を感じさせる場面や表現などがありましたが、こだわりがあるのでしょうか。
桝田氏: 先ほども言いましたが、物語や台詞にこだわりはありません。「勇者死す。」にそういった要素を取り入れたのは、ひとつはユーザーさんが喜んでくれると考えたから。もうひとつは“死”をテーマにしているので、反対の“生”という要素を入れてバランスを取りたかったのです。シナリオもゲームの一部だと、僕は考えています。ゲームにとって1番大切なのは“バランス”です。だから物語にもバランスをとる必要があると思います。
河上氏: 本作に関して言えば、直接的な描写があるわけではないので、ゲームとしても問題ありませんし、むしろロマンがあるだろうと(笑)。暗いだけの話で終わらないための、物語への救いでもありますよね。
■ 豪華にやるんだったら、これ以上ないレベルでやろう
2007年12月に行なわれた「勇者死す。」発表会には、豪華な開発陣が勢ぞろいした |
――「勇者死す。」は桝田さんを始め、音楽に伊藤賢治氏、キャラクターデザインに山下しゅんや氏、開発にピラミッドの飯淳氏、柏木准一氏など、従来のモバイルゲームでは考えられないほどの豪華なクリエイターが集結しているのに驚きました。
河上氏: 豪華にやるんだったら、これ以上ないレベルでやろうと。それまでモバイルゲームと言えば、ヒットしたコンシューマーの移植作が多く、オリジナルゲームでトップレベルのクリエイターが参加することもあまりありませんでした。そんな中で、「えー!」と驚くようなメンバーでゲームを作る、というのをプロデューサーとしてやってみたかったのです。素直な欲望だったんですが、みんなもびっくりするだろうと。
しかも、それぞれ根強いファンがいるクリエイターだから面白いし、いけると思いました。まず始めに桝田さんありきで企画を考えていたので、桝田さんの知名度や能力に見合う、すごいメンバーでないともったいないとも思いました。結果、こんなに豪華になり、周囲からも「すごいね!」、「どうしたらできるの?」って何度も聞かれました(笑)。ゲーム業界では知る人ぞ知るレジェンドな人がたくさんいるプロジェクトだったので、外部の人から「よくまとまりましたね……」と言われました。ですが実際にはものすごく上手くまとまっていました。全員がお互いに恐れず意見を言い、素直に聞くことができていました。客観的に見てもみんな“プロ”の仕事をしていて、さすがだと思いました。豪華なクリエイターを起用した企画は、またすぐにでもやりたいです。
――河上さんと桝田さんの間で、モバイルゲームの制作に対する認識の違いはありませんでしたか?
河上氏: それはなかったですね。桝田さんはすごくイイ子でした(笑)。
桝田氏: 僕は素直ですよ(笑)。指摘とかされたらすぐに変えてしまいますし。携帯の市場だとか、ニーズだとか、知らないですから。言われれば、そうなんだと知ることばかりでした。
――ピラミッドさんは、「勇者死す。」が初のモバイルゲーム開発と聞きました。そちらはどんな様子でしたか?
桝田氏: ファミコンやスーパーファミコンの時と同じで、「容量が足りない」という悩みはありました。「だったらここを削ろう」とか「音質をちょっと我慢しようか」とか、昔ながらのやり方で何とかしましたが、「容量が足りない」と感じたのは久しぶりでしたね。懐かしい感覚です。
河上氏: 最初にピラミッドさんが作ってきたときは、敵キャラクターの戦闘モーションがものすごくきれいでした。アニメーションパターンが多すぎて、ヌルヌル動いていました。
桝田氏: 最終的にはある程度減らしましたが、彼らにもこだわりがありますから、「モバイルゲームでもここまでできるんだぞ!」と思わせたいんです。ピラミッドさんにとっても初のモバイルゲームにも関わらず、かなり高いレベルのもの作り上げたのは、さすがだと感じました。
■ ジー・モードの桝田作品はまだまだ続く?
まだまだネタがあるという桝田氏 |
――「勇者死す。」をリリースした後、モバイルゲームというプラットフォームに対する印象はどうですか?
桝田氏: やはり、どこでもすぐに遊べるというのがモバイルゲームのいい点です。細切れの時間や、生活時間のわずかな隙間に入っていけます。「勇者死す。」を遊んでいる人のブログを読むと、トイレでしか遊ばない人がいました。「そうか、トイレゲームなんだ」と思いました(笑)。
河上氏: 「勇者死す。」をトイレで遊んだら出るよって言ったら売れますかね?(笑)
桝田氏: 知りませんよ、マーケティングしてください(笑)。電車の中で遊んでたら乗り過ごしたって言う人も3人ぐらい見ましたね。誰もが親しみやすくて、自由に遊ぶことができる。使い方もいっぱいあると思いますよ。
――というと、次のモバイルゲームのアイデアをすでにお持ちなのでしょうか。
桝田氏: ネタ自体は何年も前から寝かしているモノが山ほどあります。自分でもいいなと思った企画を、今年の初めに河上さんに送ってあるのですが……。あとは河上さん次第です。
――それはモバイルのどんな利点を活かしたゲームなのでしょうか?
桝田氏: 追加配信形式ですね。連作の短編で、前のデータを引き継いで……という感じです。詳細は楽しみにしておいてください。
――「勇者死す。」はモバイル以外、例えばコンシューマへの移植はあるのでしょうか?
河上氏: 家庭用ゲーム機への移植を望むユーザーさんの声は多いですね。「ハードを持っていなくても買うぞ!」という感じの熱心な意見が多いです。
桝田氏: 「勇者死す。」は元々、コンシューマ向けに考えていたタイトルでした。移植のために、何をすればいいのかもわかっていますので、どこかのメーカーさんが手をあげてくれれば、1年もかからずに、お安くできますよ(笑)。
――その具体的なアイデアとはどのようなものでしょうか?
桝田氏: キャラクターをあと3人増やせば、その間の人間関係を書いていくことになり、ゲームのサイズはおそらく3倍以上になるはずです。アイデアにはあったのですが、今の「勇者死す。」のシステムでは表現できなかったキャラクターがいるのです。例えば“勇者を目指す少年”。5日間で自分の後継者としてふさわしい勇者に育て上げられるかどうか、というお話になります。面白いアイデアなのですが、経験値やレベルというものが表面的には存在しなかったためにできませんでした。ですが家庭用ゲーム機に移植すれば可能ですね。
あるいは“魔物と人間の間に生まれた少女”。魔物として接するか、人間として接するか、勇者の導きで結果が変わるというアイデアもありますね。今までとは違うアプローチのキャラクターを2、3人増やせばかなり面白くなると思います。
――ジー・モードさんだと、DSiウェアの可能性が高いのではないでしょうか? 既存のプラットフォームの中でも、融和性も高いのではないかと思います。
河上氏: DSiウェアへの移植は可能だと思います。ただし、仕様が変わることになりますし、DSiウェア独自の事情もあるので、いろいろと検討した上で結論を出すことになります。
――ちなみに今、桝田さんがゲーム以外で興味のあるものは何ですか?
桝田氏: ここ10年は自分の子供のことしか考えていないですね。子供は1番面白いです。毎日成長して、思いもよらない言動をして。この気持ちは、ゲームにも影響しています。「リンダキューブ」にしても「俺の屍を越えてゆけ」にしても、そうですね。命の誕生、人間の成長をテーマの1つとして扱っています。
――最後にユーザーに向けて、メッセージをお願いします。
桝田氏: 丁寧に、しっかりと、DC版も作りました。好きなように、自由に遊んでもらえるゲームができたと思います。好きなように楽しんでください。
河上氏: かゆい所に手が届いた内容になっています。これから初めて遊んでいただく方にも、既に遊んでいただいているユーザーさんにも、楽しんでいただけると思います。
――ありがとうございました。
Copyright (C)G-mode (C)Shoji Masuda / Pyramid Inc.
□ジー・モードのホームページ
http://www.g-mode.jp/
□「勇者死す。」のページ
http://www.g-mode.jp/title/hero/
(2009年 6月 24日)