インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(前編)

CFのマッチング待ち対策の秘策は「不足ロールへのボーナス」と「ランダムマッチング」

CFのマッチング待ち対策の秘策は「不足ロールへのボーナス」と「ランダムマッチング」

コンテンツファインダー(CF)の機能拡張について語る吉田氏
現在はこの画面が発生してから待たされるということも結構あり、スムーズに遊べないこともある
パッチ2.1からはこのCFのメニューから、不足しているロールがわかるようになるようだ

――CFのグループ化を進める一方で、CF自体が、特にDPSの人たちはなかなかマッチングが成立しないという現状があります。まず、今回のグループ化とCFのマッチングが成立しにくいことがある話は、全然別々の話ですか?

吉田氏: はい。全然違う話です。

――それでは、これはなぜ起っているのですか?

吉田氏: 単純にタンクが足りないからです。

――ほう、タンクですか。ヒーラーではないのですか?

吉田氏: ヒーラーは、幻術士のクエストでユニコーンが獲得できるということと、意外とここは「FF」ならではかもしれませんが、「FF」の場合だと白魔道士というイメージが上手く活きている気はします。「FFXIV」では白魔道士をやりたいと思ってくれる人が多い分、ほかのMMORPGよりヒーラーが多いのです。

 今回「旧FFXIV」から見ると初めて巴術士というペットクラスが入って、巴術士の派生となるロールの1つの学者もそうです。学者はテクニカルで今までにないジョブなので、学者をやろうという人が結構いますので、結果的にある程度ヒーラー不足は解消されていますね。

――タンクはタンクで、「FF」ではナイトが人気だから集まりそうな気もしますけど、「新生FFXIV」の場合は、ちょっと責任が重いのですかね?

吉田氏: 予想はしていましたが、どのMMOでもタンクが万年不足しがちです。パッチ「パッチ2.1」で、いま不足しているロールに対してボーナスを与える仕様の導入を検討しています。

――「不足ロールに対するボーナス」について、もう少し具体的に教えていただけますか?

吉田氏: ファインダーの表示の中に、「いま不足しているロールはこれです」という表示が出るので、そのロールでキューを積んでくれると経験値やギルのボーナスが付くというものです。

――なんだか献血みたいな感じですね。「今AB型が不足してます」みたいな。それがCFの各項目に明示されるわけですか?

吉田氏: 明示されます。この人たちが足りませんと。アーマリーシステムだからできる仕様ですね。

――ボーナスは、経験値が1.1倍になるとかですか?

吉田氏: いえ、1.1倍よりはもう少し色が付くかと思います。それから、いよいよ「ランダムマッチング」が始まります。カテゴリー別で「蛮神戦」、「ストーリー蛮神戦」、それからこの2つを分けるかどうかはわかりませんが、「レベリングダンジョン」、「エンドダンジョン」、「ギルドオーダー」といったカテゴリが分かれていて、「ランダム」というボタンを押してキューを積むと、あとはCF側で勝手にどのダンジョンにするかをランダムで決めます。「ランダムマッチング」でキューを積んでくれた人にはボーナスがつきます。ただし1日1回だけです。

――1日1回というのは、何が1回なのですか?

吉田氏: そのランダムで積んでボーナスが得られるのがです。

――なるほど、「ランダムマッチング」そのものは1日何回でも遊べるけれど、ボーナスがつくのは最初の1回だけと?

吉田氏: 1日1回にするか、ボーナスだけ1回にするかはまだ検討中です。こちらはボーナスといっても経験値やギルじゃなくて、装備を集めるためのトークンがもらえるようになります。今後は「ランダムマッチング」でもトークンがもらえるようになります。僕らのメリットとしては、新規のプレーヤーの皆さんが入ってきた時に、上級者がそうやってランダムをプレイしてくれると、不足しているところにキューを積むのでマッチングが成立しやすいということがあります。

 あとは「MVP投票機能」を検討しています。ランダムマッチングでキューを積んだときのみ、「この人がMVPです」という投票が、自分以外の誰かに対して行なえる。そのポイントを集めることでアイテムに交換できるというものです。今すでにリワードのリストアップをしていますが、マウントがもらえたり、チョコボの専用装備がもらえたりといったことを検討しています。

――へー、魅力的ですね。それもパッチ2.1で入るのですか?

吉田氏: はい。パッチ2.1で導入する予定です。

――その辺りのシステムが入ると、現在発生しているCF周りの問題は綺麗に解決しそうですね。

吉田氏: 今回「新生FFXIV」でようやくグローバルと同じMMO体験ができるようになったので、システムの魅力をわかってもらった上で次のステップに進むのがパッチ2.1になります。同じようにエンドコンテンツの「アイテムレベル縛り」も同様です。初期からいきなり導入すると、このアイテムレベルのシャッターの向こう側にはレガシーの人たちで、このシャッターの手前には新規の人たちという状態になってしまう可能性が高かった。いつまでたってもアイテムレベルは縮まらず、お互いが混じらない。

 シャッターで締めてしまってアイテムレベルの低い人たちが来られないようにするのではなくて、新規の人も一緒に行って実際に戦ってみて「まだまだ装備を集めなきゃいけないんだ」ということを理解してもらい、その前のダンジョンで装備を集めよう、そのためのコミュニティを作ろう、という流れを想定していました。ここでようやく「旧FFXIV」のプレーヤーと、新規のトップグループが混じり合っていく。やっと「新生FFXIV」の上位層が形成されると考えました。早めに解決しておくべきポイントだと考えていたのです。

――なるほど。フォーラムではすでに、エンドコンテンツを対象に、一定以上のアイテムレベルを参加条件にする機能を今後入れていくことをアナウンスしていますね。

吉田氏: はい。パッチ2.1で入れます。それも、概念がわかったおかげでトップにいる人たちが、自分のフリーカンパニーに人を入れた時に「ここはアイテムレベルというものがあって、○○をいれないと入れないから、まずはみんな装備を集めようぜ」と啓蒙してくれるようになると思います。1度もこの経験がないままシャッターが閉じていると「なぜここで足切りするんだよ!」という意見も多分に出たと思いますので、その辺りも順番に導入していく必要があると考えています。

――意図的な順序立ててのコンテンツ実装ということなのですね。

吉田氏: そうですね。最後まで悩んだ点ではありますが、大迷宮バハムートだけCFを使えないようにしたのも意図的なものです。ここから先のコンテンツは、CFによるマッチングじゃもう話にならないので、その手前の真蛮神までは、その強さを誰でも味わえてもいい。ただ、アイテムが揃わないとどのみちクリアはできない、という設定にしてあります。そうした中でCFじゃなくてコミュニティを作った方がいいのではとか、野良でシャウトしてパーティーを集めようということが、始まってくれたらと思っています。特にMMORPGの初期は、ガチガチにルールで縛るよりも、マッチングで多少混沌としていたほうが、面白い面もあるのかなと考えています。

――念のため確認ですが、エンドコンテンツの「大迷宮バハムート」ではCFは使えないので、そこまでにコミュニティを作って、頼れる仲間を集めて挑戦してくださいというのが開発側の基本スタンスですか?

吉田氏: はい。大迷宮バハムートはそもそもCFに載らないので。現行のパッチ2.0では「大迷宮バハムート邂逅編」という第5層まで実装されていますが、今のところ第4層突破は数パーティですね。

――全ワールドの中で数パーティ? やはり北米ですか?

吉田氏: やはりレガシーの人たち。最速だったのは「Order of the Blue Gartr」という「FFXI」の時代から有名な世界一のギルドですね。今は数パーティが第5層のボスに挑戦中です。

――彼らがもう周回を始めているのですか?

吉田氏: いえ、大迷宮バハムートは周回ができないので、第1層をクリアすると、第1層クリアという状態がセーブされて、第1層を何度もというのは無理なのですよ。

――おー。ヘルプもできない?

吉田氏:リーダーのフラグしかみていないので、第2層に第1層をクリアしていない人を連れていけたりしますけど、たぶん無理でしょうね(苦笑)。各層のクリアが実力チェッカーになっていて、第2層をクリアすると、今度は第3層しかアタックできません。このフラグは1週間で消えるので、1週間が経過したらクリアした層にも行けるようになります。

――大迷宮バハムートもパッチ2.1で新たな層が追加されていくわけですか?

吉田氏: 大迷宮バハムートの次回アップデートはパッチ2.2です。パッチ2.1はクリスタルタワーが入ります。今後アップデートは交互に行なっていくつもりです。バハムート、クリスタルタワー、バハムート、クリスタルタワーという順番です。

――なるほど。大迷宮バハムートを全部クリアすると、次にクリスタルタワーにチャレンジできるということではないのですね?

吉田氏: そうではないです。そもそもクリスタルタワーはアライアンス向けのエンドコンテンツで、大迷宮バハムートは8人パーティー向けの究極エンドコンテンツという位置づけです。パッチで交互にアップデートされていくことになります。

――なるほど、両コンテンツは関連したものではなく、それぞれ独立した2つのエンドコンテンツということなんですね。それでは、24人は集められないから、バハムートだけ遊ぶという遊び方でもいいわけですか?

吉田氏: はい、もちろんそういう遊び方もできます。

(中村聖司)