インタビュー

【BFG 2013】「Elder Scrolls Online」ディレクターMatt Firor氏インタビュー

PvEやRvRの基本仕様などが判明! 最大の魅力は「Elder Scrolls」世界の“冒険”

5月17日開催(現地時間)

会場:Loews Santa Monica Beach Hotel

 「Elder Scrolls Online(ESO)」のプレビューに続いては、合同インタビューの模様をお届けしたい。βテストを今夏に控えている「ESO」だが、開発が2007年から6年近くにわたっていることもあり、途中でゲームの仕様が何度か変わっている。そこで今回はゲームの基本的な仕様を中心に、「ESO」の魅力について話を伺ってみた。

いよいよβテストを開始した「ESO」。もう数カ月でアジアのユーザーにも開放

「Elder Scrolls」シリーズとエンジンは別ということだが、同シリーズの魅力であるハイファンタジーの雰囲気はたっぷりだ
「Elder Scrolls」シリーズの全地域が対象ということで、このような砂漠地帯も描かれる
仲間とパーティーを組んで冒険

――2007年から開発がスタートしたということだが、オリジナルを手がけるBethesda Game Studiosとの関係性はどのようなものだったか?

Firor氏:スタジオが立ち上がったのは2007年だが、本腰を入れて作り始めたのは2009年から。ちょうどBethesda Game Studiosが「Fallout 3」の開発を終えた頃。といってもスタジオも、エンジンも違うのでまったく関係ない。ただ、物理的に車で1時間ぐらいの距離なので、情報交換は定期的にやっている。

――「Elder Scrolls」のMMOを開発しようと思ったきっかけは?

Firor氏:良い質問。「Elder Scrolls」シリーズは、MMO向けのIPとしてパーフェクトな存在だからだ。「Elder Scrolls」シリーズは昔から1人で遊ぶMMOだと言われてきた。広大なオープンワールド、ファンタジー、深いストーリー性など、あらゆる点がベストの素材だから。

――思ったよりも「Skyrim」に似ていて、アクション性の高いバトルで良い意味で裏切られた。コンセプトは「Skyrim」のゲームプレイをMMOで楽しめることにあるのか?

Firor氏:MMOであると同時に、「Elder Scrolls」シリーズでもあり、「Skyrim」や「Oblivion」のファンもプレイするため、どちらのファンが来ても違和感なく快適に遊べるようにしている。たとえば、UIはシンプルにして、複雑怪奇にならないように注意しているし、簡単にマルチプレイ体験が可能なように工夫している。

――ゲームエンジンは何を使っているのか、それは「Skyrim」と比較してどのあたりが違うのか教えて欲しい。個人的にはライティングがかなり違うなと感じたが?

Firor氏:このゲームのために開発した内製のオリジナルエンジンをカスタマイズして使っている。「Skyrim」は雪国が多かったが、こちらはそれ以外のエリアもカバーしているため、南国の地域はよりカラフルで緑の美しいエリアになっている。「Skyrim」のエリアに行けば、より「Skyrim」っぽくなっているだろう。

――「ESO」のMMORPGとしてのゲームの目的は?

Firor氏:コンソール版と同様に、ゲームがスタートした段階では主人公は何者でもないが、クエストを辿っていくなかで世界の謎を解き、世界を救い、ヒーローになるというゲーム。そこは変わらない。

――「ESO」は「Elder Scrolls」シリーズが好きな人向けのゲームか?

Firor氏:良い質問。なぜならそれは開発内部で長期間ディスカッションされてきた話題だから。MMOらしく、「Elder Scrolls」シリーズらしく、どちらにもアピールできるバランスになっていると思う。「Elder Scrolls」らしいUI、バトルがある一方で、MMOなので他のユーザーとアイテムの取引もできるし、チャットもできるし、グループも組める。

 MMOプレーヤーはすぐに馴染むだろうが、「Elder Scrolls」ユーザーは慣れるのに多少時間がかかるかもしれないが、どっちが遊んでも違和感なく遊べるように工夫している。UIをカスタマイズしたり、プレイスタイルも変わってくるだろうが、どちらにも満足して貰える良いバランスになっていると思っている。遊び方を見ていても、MMOファンと「Elder Scrolls」ファンにはUIの表示の仕方や遊び方に明確な違いがあるが、両方に対応できているつもりだ。

――RvRでは、敵のエリアに侵攻するのか、それとも専用のRvRエリアがあるのか?

Firor氏:プレーヤーが選べる3つのアライアンスがあり、いずれもホームエリアは安全になっている。戦場として4つ目のアライアンスとなるNPCが支配するシロディールと呼ばれるRvR専用のエリアがある。基本的にはプレーヤー勢力同士の戦いで、その中には街や村もあるし、城もあり、攻城兵器やカタパルトを使って城に攻めたり、守ったりできる。各勢力同士で戦ってそのエリアの中で城を占領したり、奪い返したりすることができる。城の数は15ぐらいある。

――各ホームエリアに他のアライアンスは入れるのか?

Firor氏:入れない。同勢力によるPvPは行なえる。RvRはシロディールの中で行なう。

――βに登録したがなかなか当たらない(笑)。アジアのユーザーがプレイできる時期はいつ頃か?

Firor氏:現在、基本的なゲームプレイ、コンバット、クエスト、冒険のチェックに集中している。特に海外のユーザーに対して、レーテンシーの問題を未解決のままβを始めたくない。ラグの問題を解決した上で、PvPなどのコンテンツを楽しんで貰いたいと考えている。βサーバーはまだデータセンターでは無く、社内にあるため、ネットワークに問題がある状態になっている。1~2カ月後にはデータセンターに置かれることになる。

――1つのサーバーで遊ぶゲームだと聞いているが、1サーバー何人まで同時に遊べるのか?

Firor氏:1つしかないというのは正確では無い。PlayStation Networkを想像して欲しいが、1度ログインしたら、自分がよく一緒に遊ぶフレンドやギルドをサーチしてそこに入れるシステムになっている。ユーザーが増えてきたら、また新しい同じ世界を作って、そこにユーザーを流していく。

(中村聖司)