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「ドラゴンクエストX」ロングインタビュー後編

プロデューサー齊藤氏、ディレクター藤澤氏に聞く
「ドラゴンクエストX」の“これまで”、そして“これから”


9月4日 収録


  今回は、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」(以下「ドラゴンクエストX」)のプロデューサーである齊藤陽介氏、ディレクターである藤澤仁氏に行なったインタビューの後編をお伝えしていこう。このインタビュー後編では、“これからの「ドラゴンクエストX」”として、今後のバージョンアップや「東京ゲームショウ2012」での発表やイベント、さらに将来的な展望なども伺っているので、じっくりとご覧頂きたい。




■ 今後のバージョンアップについて。「狩り場の分散」と「仲間募集中プレーヤーの検索しやすさ」、さらに「友達と一緒に遊ぶメリット」にも新たな試みを行なっていく

――今後のアップデートについて伺わせて頂きたいのですが、現時点で優先順位が高い改善点というのは、どういったものがありますか?

写真の左がディレクターの藤澤氏、右がプロデューサーの齊藤氏。このインタビュー後編では、主に“これから”についてお答え頂いた

藤澤氏:いくつかありますが、急いで進めたいのは「狩り場の分散」です。“いろんな場所でいろんなモンスターを倒すと良い”というのを“システムとしても実感できる何かを作ろう”と考えています。

齊藤氏:また、サポート仲間を使ってソロでも遊ぶことはできるのですが、やっぱりオンラインゲームって誰かと一緒に遊ぶのが楽しいと思うんです。なので“友達と一緒に遊ぶとメリットがあるよ”というものを、そんなに遠くないタイミングでやりたいなと思っています。

――それは、いわゆる“友達紹介キャンペーン”のような、ゲームを紹介した友達がアカウント登録すると2人に何かもらえるというようなものですか?

齊藤氏:友達と一緒に、例えばまだ上げていない職業のレベル上げをすると経験値にボーナスが付くとか、なにかしらのメリットがあるプレイをしてもらうものですね。リアルの友達に「一緒に遊ぼうよ」と声をかけやすくなるようなシステムをやりたいです。

藤澤氏:ちょっと先の話になってしまうのですが、「みんなで遊ぶとこういう風に面白いんだ」と実感するきっかけを増やすシステムも入れていきたいと考えてます。

 現状でもまだ、仲間を探してパーティーを組むという機能が使いやすいとは言えません。今は同一エリアにいる人しか見つからないので、まずは“全エリアで仲間募集を出している人を検索できるようにする”機能を、「バージョン1.1」(10月導入予定の初の大型アップデート)での実装を目指して取り組んでいます。

――それは楽しみですね。他にも追加されていく機能やコンテンツはありますか? 例えば「コロシアム」が建物としてはすでにあります。

齊藤氏:「コロシアム」のように、プレーヤー同士での対人戦を主な目的とするコンテンツは、人によって好みもわかれるというところもあると思うので、もうちょっと後になると思います。

――「ドラゴンクエスト」シリーズで対人戦というと、仲間にしたモンスターでチームを作って他のプレーヤーさんのチームと対戦するというようなものが浮かびますが……。

藤澤氏:そうですね。そういうイメージの方が多いのではと思いますが……。その詳細については、もう少しお待ち頂きたいです。




■ 鉄道の料金がすぐに下がったのは藤澤氏が判断しての調整。武器や職業のバトルバランスについては慎重に調整中

――職業や武器のバランスについてお聞きかせください。

藤澤氏:世界全体で見て、全ての職業、全ての武器カテゴリーが、どれも特徴があって使い勝手が良い状態になるのが理想です。そこに向けて鋭意調整中ですね。

 不具合にあたるものは緊急アップデートで修正することもありますが、大きなバランス調整は大型アップデートのタイミングで実施しようと思っています。

 以前に「目覚めし冒険者の広場」の方に書いたことがあるのですが、1度確定したプレーヤーさんのデータは、なるべくマイナス修正したくないというのが自分のポリシーです。

 職業や武器の効果についても同様に、なるべくマイナス修正したくないのですが、こちらは世界全体の各要素のバランスと照らし合わせて、必要と判断されればマイナス修正をする場合があります。

 そういう場合は特に慎重に判断をするので、ご理解いただければと思います。現時点では、もう少し強くてもよかったかなと思う点の方が多いので、全体としては総じてプラス修正になると思います。

齊藤氏:バトル関連のバランスに関しては、やはり慎重にやる必要があります。もちろん誰もが、自分のメインでやっている職業が強くなって欲しいと考えると思いますが、それで全部の職業や武器を単純に強くしたら個性が無くなってしまいます。だから、バランスが良くなるよう慎重に取り組んでいます。

――なるほど。緊急アップデートも、フットワークが軽いと言いますか、スピーディーに行なわれているという印象があります。例えば、大陸間鉄道「大地の箱舟」の料金をすぐに下げましたよね(正式サービス開始から6日後に、鉄道の料金が100ゴールドから25ゴールドになった)?

大陸間鉄道「大地の箱舟」。この利用料金が正式サービス後すぐに値下げされたのは衝撃的だった。それは“楽しむ障害になっている事は問題”だが、“金額の大小自体は問題ではなかった”のだろう

齊藤氏:あれは、値下げした後もプレーヤーの皆さんにもいろいろとご意見を頂きました。「プレーヤーの言う事を聞き過ぎなんじゃないか!?」と指摘されたこともありました。あと、25ゴールドっていう価格にも「安くして欲しいとは言ったけどそんなに安くしろとは言ってないです!」と怒られたこともあります(笑)。でも、結果的には駅でキャラクターを多く見かけるようになったので正解だったのかなと。

藤澤氏:あれは、酒場を使えるようにするためのクエストで、鉄道に乗って移動して、あるアイテムを買う流れになっていて、それにかかる費用が合計で300ゴールドぐらい必要だったんです。堀井さんからも「ちょっときついね」と言われたこともあって、始まったばかりの世界で、いろいろなところへ行くための料金が高いというのは好ましくないなと思いましたので、自分の判断ですぐに対応を実行しました。また、あれに関しては、“有意義なご意見をいただければこちらは柔軟に対応をします”、というメッセージ的な意味合いもありましたね。




■ ゲーム内の経済バランス。モンスターを倒すことでゴールドが生まれる世界だが、特需のインフレを経て現在は安定期へ

――ゲーム内の経済バランスについて伺わせてください。「ドラゴンクエストX」の世界はモンスターを倒すとゴールドを落としますから、それこそ凄まじい勢いでゴールドが生まれていると思うのですが。

藤澤氏:ゴールドがすごい勢いで生まれていますし、一方で、システム側への消費によって同じような勢いで消費もしています。“モンスターを倒すとお金が手に入る”というと猛烈な勢いでインフレ傾向になると思うのですが、「ドラゴンクエストX」は今、むしろデフレ傾向ですね。

 サービス開始当初は、世界に物が足りない状態だったので、新しく生まれたものに高い値段がつくという特需がありました。それで一時期インフレ傾向になったと思うのですが、今はそれが落ち着いて相場は全体的に下がり気味になってます。

 インフレが進行すると、新しく遊び始めた人が装備が買えない世界になってしまいますし、今は最初の特需を経験した人からすればデフレに感じると思いますが、これからは、その時々で儲かるものと儲からないものが出てくると思うので、流れを見極めながらやってもらえればと思います。

オンラインならではの要素と言っていい、プレーヤー間でアイテムを売買する「バザー」。従来シリーズとは異なり、このバザーでお金を稼ぐことも必要になる

齊藤氏:お金を稼ぐのは、実はそんなに大変ではないと思うんですよ。もちろん、従来のシリーズのように「モンスターを倒してゴールドを得る」という方法だけでは大変ですけど、バザーで物を売るということなどをすれば、お金稼ぎにそこまで苦労するバランスではないと思います。

藤澤氏:そういった遊び方のヒントも実は、ある場所の本棚に並べている本に書いてあるんです。「おそらく貧乏になると思うから、手に入れた素材を売ったりしてみよう」というような記述をしていました。でも、それをあまり発見してもらえなかったようなので、後からストーリー進行中に目に付くNPCの名前をピンク色にして目立つようにし、その人から教えてもらえるようにしています。

齊藤氏:「え、この人がお金儲けの話をするの!?」と思うほど、ものすごく真面目な事を話しそうなNPCなんですが、バージョンアップ後に話にいったら、「お金稼ぎの話ししてる!」ことを知ってびっくりしました(笑)。

藤澤氏:今回「ドラゴンクエストX」を開発して想定外だったんですが、従来シリーズのようにNPCから情報を教えてもらえるようにしておけば、プレーヤーさんは見てくれると思っていたんです。けれども、オンラインゲームならではなのか、NPCに話かけてもらえる頻度が今までよりも明らかに低いんです。そのため、「これは(NPCとの会話経由で)理解してもらえているだろう」という事が、思っていたより浸透しなかった。それを今、もっと別のアプローチで伝えていこうとしています。

――なるほど。経済バランスのところに少し戻りますが、今後は新しい装備なども増えていくでしょうし、そうするとそれの値段は人気もあって高くなるでしょうしね。

藤澤氏:そうですね。今後はレベル上限の開放も少しずつやっていきますし、同時に新しい装備も増えていきます。新しい要素が追加されていかない限り、なかなか新しい需要も生まれてこないので、順次追加していければと思っています。またそれ以外にも、必要と判断される経済バランス調整も実施していきます。




■ カジノは“もっと大きなタイミングで”。乗り物も既に予定されている!!

――バージョンアップで増えていく要素で、さらに経済バランスにも関連しそうな要素というと「カジノ」も思い浮かびます。

藤澤氏:「カジノ」ですか。実は、さっきの「コロシアム」もそうなんですけども、みなさんが想像されているスケジュール感と、こちらが考えている実際のスケジュールに少しだけにギャップがある状態なんですよね。この状態でお待ち頂くのは良くないと思うので、近日中にどこかで将来のスケジュール予定について公開しようと思っているところです。

齊藤氏:カジノはそもそも、公式として何も話した事はないんですよね。今はまだ建物があるぞ、というだけです。

 カジノは、もちろん将来的に使うので既に建物として置いているんですが、10週に1度の大型アップデートというよりも、“もっと大きなタイミングでの公開”を考えています。

 他にも例えば、料理ギルドなどいくつかの職人ギルドがまだ実働していなくて、それをやるために他の職人をやらずに待っている人もいるという話も聞いたことがありますが、実は、そういう心配は無用なんです。ちゃんと新しいものが増えた時に、選択し直せるようにしたり、そのために必要なケアをしますので、今あるもので安心して遊んでもらって大丈夫です!

――なるほど。では他の将来的なものですが、プレーヤーが自由に乗れるような「乗り物」といったものも今後出てくるのでしょうか?

藤澤氏:まだ詳しく話すには全然早い段階ですが、開発内のロードマップには予定として載っています。楽しみにお待ち頂ければと思います。




■ 「TGS2012」では新情報も!!

齊藤氏は、作り手であると同時にヘビーなオンラインゲームプレーヤーであるからこそ、ユーザープレイヤーの方にも本気で楽しんでもらおうという考えがあるのかもしれない

――スキルの振り直しについてはいかがでしょうか?

藤澤氏:「バージョン1.1」での実装を予定しています。まずクエストをクリアしてもらって、その報酬としてスキルを振り直せるようになります。

 ただ、1回で全部のスキルを振り直せるわけではなくて、1スキルごとになります。例えば「ヤリ」とか、「ゆうかん」などそういう項目を1つだけです。最初はクエストをクリアすれば無料でできますが、2回目以降はゴールドが必要になります。




■ 「ファイナルファンタジーXIV」との連携も今後にしていきたい?

――スクウェア・エニックスとしては「ファイナルファンタジーXIV」もあるわけですが、プロデューサーの吉田さんへのインタビューで「ドラゴンクエストX」とも何か一緒にやれたらという話が出ていました。それに関してはいかがでしょうか?

藤澤氏:ゲーム内で何かというのはなかなか難しいですが、ゲームの外でのキャンペーンであれば、何か一緒にやってみたいですね。元々は吉田も「ドラゴンクエストX」の開発に参加していましたので。

齊藤氏:チョコボもらおうよ?

藤澤氏:チョコボをですか?(笑)。

齊藤氏:チョコボの代わりに元気玉あげる?

藤澤氏:あー元気玉を……、いやいやあげないですよ(笑)。

  冗談はこれくらいにして(笑)。けれど、どちらもオンラインゲームですし、両方を遊ぶというのは相当にヘビーだと思います。それでも、両方を遊んでくれているという人には“両ゲームを遊んでいる証”みたいなものがあってもいいかもしれないですね。




■ 3DSですれ違い「ドラゴンクエストX」でもすれ違う「ダブルすれちがい」。「冒険者のおでかけ便利ツール」には今後も様々な遊びを入れていきたい

ニンテンドー3DS用ソフト「冒険者のおでかけ便利ツール」。「すれちがい通信」をはじめ、郵便やバザー閲覧などの機能がある。今後も機能を拡張していきたいということだ

――3DSを使っての「ダブルすれちがい」という機能もかなりユニークですよね。

齊藤氏:Twitterなどを見ていると、「ダブルすれちがい達成できたー」という声もちらほら見かけるようになってきましたね。

藤澤氏:「ダブルすれちがい推奨」のサーバーも結構混んでますしね。

齊藤氏:「ダブルすれちがい推奨」のサーバーは2つあるんですけど、プレーヤーさんたちの間では片方を東日本、もう片方を西日本という感じで使い分けようという動きもあるみたいですね。

 直近では、「TGS2012」でも「ダブルすれちがい」が積極的にできるようなイベントも行ないますので、そこでたくさんすれ違えると思いますよ。

――齊藤さんや藤澤さんともすれ違えるかも……、あ、でもそうするとこっそりプレイしているキャラがバレちゃいますね。

齊藤氏:そうなんですよ。せっかくすれ違える機会なのにできないんです。もうバレてもいいかなと思い始めてるんですけどね。

藤澤氏:「ふじくす」と「よーすぴ」を改めて登場させるのもいいかもしれませんね。

齊藤氏:ちなみに、もしフレンドの人とダブルすれちがいを達成できていたら、そのフレンドのキャラクターを酒場でサポート仲間として借りると、ダブルすれちがいのポイントが2倍(通常1ポイントが2ポイント)もらえるんです。かなりお得ですよ。

 「冒険者のおでかけ便利ツール」に関しては、他にもいろいろと機能を増やしていきたいですね。外に持ち出して連動するような、いろんな遊びを入れていきたいです。ご期待ください。




■ Wii U版「ドラゴンクエストX」は「TGS2012」の「Wii Uデモンストレーションステージ」で情報公開!!

――Wii U版の「ドラゴンクエストX」についてはいかがでしょうか?

齊藤氏:Wii U版についても「TGS2012」でいろいろ発表したいと思います。全貌というわけにはいかないかもしれないですが、「おおーっ!」っと思って頂けるものをお見せできると思います。

藤澤氏:既にWiiでプレイしている方も「こんなにキレイならWii U版で遊びたい」と思ってもらえるレベルのものになっています。ぜひご覧頂きたいですね。




■ 「ドラゴンクエストX」をこれからどんな世界にしていきたい? “ドラゴンクエストらしさ”の詰まったコンテンツ豊富な遊園地であり「ドラゴンクエスト」ファンが集う場所へ

現在の「ドラゴンクエストX」を“ジェットコースターが1個ある遊園地”と表現し、コンテンツを増やして大きい遊園地にしたいと語る齊藤氏
プレーヤーの趣向を2軸でとらえ、そのどちらも満足できる“ドラゴンクエストが好きな人が集まれる場所”を目指したいという藤澤氏

――「ドラゴンクエストX」を今後どんなゲームにしていきたいと考えているのか、展望を聞かせてください。

齊藤氏:今は、とりあえず“ジェットコースターが1個ある遊園地”という状態だと思うんです。他にちょっとしたコーヒーカップとか売店といったものは多少あると思いますが、コンテンツとしてもっともっと拡張していくべき遊園地だと思います。まだ、今はとりあえずここだけ遊んでくださいねという広場ができた状態ですので、もっとたくさんのアトラクションがある大きい遊園地にしていきたいですね。

藤澤氏:プレーヤーの方には2種類の人がいると思っています。オンラインゲームとして突き詰めてどんどんやりこんでいけるものを求める人と、“ドラゴンクエストらしい世界観”を活かしてライトに楽しめるものを求める人がいて、そのどちらにも満足してもらえる世界にしていきたいと思います。

 そして、究極的には“ドラゴンクエスト好きな人がいつでも集まれる場所”になることだと思います。例えば、「ドラゴンクエストXI」や「ドラゴンクエストXII」が将来的に発売されたとして、その時にも「ドラゴンクエストX」があり、そこでいろんなコミュニケーションができる。そういう場所を目指したいです。

――バトルだけでなく“ドラゴンクエストらしい遊び”という部分にも期待がかかりますね。

藤澤氏:カジノなどもそうだと思いますが、「ドラゴンクエスト」だからこそバトル以外の遊びは充実させていきたいですね。けれども、やはり主軸はバトルコンテンツだとも思っているので、どちらも手を抜かずに進めていきたいですね。

齊藤氏:今日はプレイできる時間が少ないから職人のデイリークエストをやって、あとは少しチャットして終わりかなという人も全然ありだと思うんです。それで、週末に貯まった元気玉を持ってがっつりレベルを上げる。元気玉やサポート仲間というシステムで、オンラインゲームでは必死にレベル上げしなければならないという気持ちから解放された人も多いと嬉しいです。

藤澤氏:元気玉とサポート仲間というシステムのおかげですごくわかりやすいのが、いわゆる“寝バザー”のようにログインしたまま放置する人がほぼいないことですね。

――なるほど、元気玉はログアウトしている時間が貯まるともらえるものですしね。

藤澤氏:ログイン数の変化を見ていると、夕食の時間帯にログアウトして、夕食後にログインするという感じで非常にわかりやすいんです。ログインしたままにしている人がいないおかげで、従来のオンラインゲームのように無理をしなくてもちゃんと楽しめるプレイスタイルの提案になっていますし、サーバーの負荷的にも健全ですし、ゲームデザイン的にもワクワクできる要素なので、全ての面でいい結果を得られていると思います。

――元気玉が貯まっていれば“自分はいつでもレベルをがんがん上げられるんだぞ”という気分になります。

齊藤氏:サポート仲間も、Webの「目覚めし冒険者の広場」で雇われている状況が見られます。それを見て「今雇ってもらえてて結構稼いでるから、もう少しログインしないでおこうかな!?」のような気分になるんです。我々としては、いやいやログインしようよって思うんですけど(笑)。

――自分も仕事をしながら「冒険者の広場」を頻繁にチェックしています。あれで嬉しいのは、ログインする前からサポート仲間で稼いだ経験値やゴールドという報酬があるんですよね。ログインする前からご褒美が確定しているというか、ログインするのが嬉しくなります。

藤澤氏:Twitterなどでプレーヤーさんの声を見ていても、「よーし、今日は元気チャージ貯めちゃうぞー!」とつぶやいている人がたまにいますね(笑)。それは、今日はプレイしないっていう宣言なわけですけど、プレイしないことが後日の楽しみを貯めているという事になってくれています。

――非常に独特ですよね。プレーヤーにガツガツしたものを求めていないんだなと感じています。

藤澤氏:あくまでも僕が感じたことですけど、オンラインゲームってある程度“こうあるべき”というフォーマット化が進んでいたジャンルのように感じていました。

 僕はそれがひとつのゲームジャンルの発展を阻害している気がして、それはもったいないんじゃないか、もっと自由な発想で作られれば、まだまだ可能性があるジャンルなのにと。

 だから、あえてセオリーを直視せず、横目で感じながら「ドラゴンクエストX」は「ドラゴンクエストX」として自由な発想で作ってきました。冒険的なやり方ではありましたが、そういうやり方をしたことが結果的に、世界のどこにもないちょっと変わったオンラインゲームとしての「ドラゴンクエストX」になったんじゃないかなと思いますね。




■ キッズタイムやプレイスタイルについて。「ドラゴンクエストX」は安心して帰ってきやすいゲームを目指したい

――今の時点でこれから実装されていくものや、装備品等のアイテムなどがまだまだあるんだよという気持ちがあると思うのですが、今私たちがプレイできている範囲には、例えるならどれぐらいの内容量が実装されているのでしょうか?

齊藤氏:例えば「ドラゴンクエストIX」の究極に近い装備やレシピだとすると、今の「ドラゴンクエストX」はまだまだ導入ぐらいですね。

藤澤氏:装備だけを見ても、「ドラゴンクエストIX」にもあったものに限定して比べてまだ半分も出していません。これから装備も、レシピも、レベルも、全てが育っていきます。世界が育っていくところをプレーヤーの皆さんにも楽しんでもらいたいと思います。

齊藤氏:それは、プレーヤーのみなさんの動向をみながらやっていかなければならないです。ゲームを上手くプレイできる人はいいんですけど、そうでない人には楽しめないようなものはあまり無い方がいいと思っています。その上で、「ドラゴンクエストX」の世界と共にプレーヤーさんが育っていったら、その先で挑む強いボスといったエンドコンテンツも入れていきたいですね。

藤澤氏:「ドラゴンクエストX」は、いわゆるラスボスがいてエンディングがあるので、いつもの「ドラゴンクエスト」シリーズと同様に遊びたい人が同様の達成感を得られるようにしています。オンラインゲームだからと言って、プレーヤーさんをずっと拘束するということはなく、終わりたい時に終われる出口をちゃんと設けてあります。

 課金が必要なゲームである以上“しばらく遊ばないで様子を見る”という付き合い方も、僕は全然ありだと思っています。例えば、2、3カ月ぐらいプレイしないでいれば、その間に配信されたクエストや大型アップデートなどで新しい要素が増えていますので、久しぶりにログインしてそれを楽しんでもらえればいい。“ずっと遊び続けなくてはならないオンラインゲーム”ではなく、“帰ってきやすいオンラインゲーム”というのを目指したいですね。

遊び続けなくてもよくて、帰ってきやすいオンラインゲームを目指す藤澤氏と、キッズタイムを提案して安心感を高めた齊藤氏。2人の考えはしっかりと同じビジョンに向かっているように思えた

――いわゆるメインストーリーにラスボスがいてエンディングもあるということですが、それはいずれまた新しいものが登場するのでしょうか? それが出るごとにプレイをするような。

齊藤氏:もちろんそうですね。

藤澤氏:しばらく遊んでいない人でも、キッズタイムというのもありますから、それを活かして時々ゲーム内の様子を見て、またプレイしてもらえると嬉しいですね。

――キッズタイムの変化というのは大きいですか?

齊藤氏:土日は、顕著に数字の変化が出ているとは思います。平日だと千人程度で変化しますね。今のところはそこまで大きくないかもしれません。

藤澤氏:私たちが思っていた以上にみなさんが課金をしてプレイしてもらえているので、今のところキッズタイムでの変動があまり大きくないのは、それも関係していると思います。

――キッズタイムはどなたの発案だったのでしょう?

齊藤氏:私です。やはり、月額利用料金を払って頂くというのは、「ドラゴンクエスト」シリーズのファンの皆さんからすれば「なんだそれ」と思われるかもしれません。

 でも、オンラインゲームのMMORPGというのはサーバーの運用費用など、どうしてもランニングコストが必要で、お金をもらわないとサービスができません。こちらとしては「そういうジャンルのゲームなんです」と説明する他にないのです。その上で幅広い年齢層の方に楽しんでもらうことを考えれば、お子さん向けにという前提で、特定の時間を無料で遊べる「キッズタイム」というのをやりたいと会社内で話をしました。

 もちろん、年齢認証はできないので「全員がキッズタイムでだけプレイするようになったらビジネスプランが崩壊する」という可能性もあります。商売としてはリスクもあり、ありえないことだと思ったのですが、それでもやるべきだという判断をしました。

 月額1,000円を払うにしても、そういうお子さん向けの取り組みもちゃんと考えていることを知ってもらえれば、親御さんに安心してもらえるだろうと思いました。決定までにいろいろ話し合いましたが、今ではやって良かったと思います。あとは、キッズタイムだけでプレイしていたお子さんが、何年か後に自分のお小遣いで1,000円を払ってプレイしてもらえると嬉しいです。




■ 季節ごとの行事イベントを積極的に展開。初のオフラインイベントとも言える「TGS2012」ではバトルイベントも実施!!

――プレイ料金以外のものとして、例えばアイテムの有料販売のようなものは考えているのでしょうか?

齊藤氏:それは考えてないですね。まず、いわゆる“ガチャ”のようなものは全く考えていないです。1,000円をお支払い頂ければ隅々まで楽しめますというのが基本的な姿勢です。

 それよりも、「5種族いるのにキャラクターの作成枠が3枠しかないのをどうにかして欲しい」という声をたくさん頂いているので、それに対するサービスを優先して開発してます。それはストレージ(保存領域)の問題などがあるので、そんなに簡単ではないのですが、それでもなるべく早くに実現したいですね。

――特別なサービスというものでは他に何か考えていることはありますか?

藤澤氏:まだそういう声はないですが、将来「ドラゴンクエストX」の世界の中で結婚式を挙げたいという声があがったら、それを特別サービスとしてやってもいいかもしれません。レンドアの教会はキレイなので、デコレーションしたり、白いタキシードとウェディングドレスや、結婚指輪といったアイテムを用意するのもいいかもしれませんね。

――クリスマスなどのいわゆる行事イベントのようなものもオンラインゲームでは定番ですが、それはどうでしょう?

藤澤氏:それは積極的にやっていこうと思っています。

齊藤氏:リッチに作りすぎだよって言われるぐらいにやります。

藤澤氏:これから年末に向けては洋風なイベントが多いですが、まずはそこから実施していきたいですね。その先は、あえて「ドラゴンクエスト」だからという強みを活かして、和風なイベントなども展開していけたらいいと思っています。

――ゲーム内イベント以外では、いわゆる「オフラインイベント」というのも定番ですがそちらも?

藤澤氏:そうですね。まずは「TGS2012」があるので、それが最初のオフラインイベントと言えるでしょうか。その後は、ゲームの中身をもっと充実させて落ち着いてからになりますが、やっていきたいですね。

齊藤氏の「よーすぴ」、藤澤氏の「ふじくす」が復活!? 当日のバトルトライアルでは全滅間違いなし(!?)の死闘を繰り広げるということだ

――「TGS2012」ではどんなイベントを予定されているのでしょう?(TGSでのステージイベントについては詳細が告知されているので、そちらもご覧頂きたい)

齊藤氏:ひとつは「フォトコンテスト」です。ゲーム内で撮影したスクリーンショットを応募して頂き、その中からプレーヤーのみなさんに気に入った作品に投票してもらい、グランプリを決めるイベントです。

 もうひとつは「バトルトライアル」です。それぞれ「よーすぴ」チームと「ふじくす」チームにわかれて、プレーヤーさんとパーティーを組んで、どっちが先に全滅するのか!(笑)というくらい強力なモンスターと戦います。

――全滅!?

齊藤氏:あ、本当は「どっちがはやく倒せるのか!」ですけど(笑)。それは公開サーバーというか、普通のサーバーでやります。「TGS2012」に来られない方でもゲーム内で観戦できるかもしれません(笑)。

 あとは、ステージ上でやる「トークイベント」です。今後の大型アップデート情報やWii U版等のお話をしていきます。堀井さんもいらっしゃいますので、楽しみにして頂きたいです。




■ 最後に齊藤氏、藤澤氏より、「ドラゴンクエストX」プレーヤーの皆様へ向けたご挨拶

――「TGS2012」でのイベントや発表も楽しみにしております。それでは最後に、プレーヤーの皆さんに向けてコメントをお願いします。

藤澤氏:たくさんの方に楽しんでもらえているようで、本当にありがたい限りです。サービス開始当初は、緊急メンテナンスを頻繁に行なうなど至らないところもあったのですが、やっと落ち着いてきました。

 時間をかけてガッツリ遊んでいる人は、もっといろんな遊びを入れて欲しいと待っておられると思うのですが、現在いろいろなコンテンツを用意していますので、今しばらくお待ち頂きたいと思います。TGSでも10月の大型アップデートをはじめ、いろいろな新コンテンツを紹介します。来られる方はぜひお越しください。

齊藤氏:たくさんの人に遊んでもらえて嬉しい限りです。ちょっと皆さんに提案したいことがあります。公式サイトの「目覚めし冒険者の広場」は、デフォルトでは公開設定を「非公開」にしてあります。それを、「プレーヤーだけに公開する」もしくは「制限なしで公開」設定にしてぜひ活用して欲しいんです。「あしあと伝言板」機能も設けてありますので、利用して頂くとより楽しみ方が広がるはずです。それらも含めて、今後もみなさんと一緒に「ドラゴンクエストX」の世界を作っていければと思います。

――ありがとうございました。




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(2012年 9月 18日)

[Reported by 山村智美]