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「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー/ディレクター吉田直樹氏インタビュー

「FF」関連コンテンツや召喚獣、PvP、BGM、PS3版など気になる要素を聞いてみた


8月16日収録(現地時間)



 Gamescom 2012で大量の情報が公開された「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」だが、その締めくくりとしてプロデューサー/ディレクターを務める吉田直樹氏の単独インタビューをお届けしたい。

 吉田氏とは、E3以来のインタビュー(インタビュー前編インタビュー後編)となったが、公約として掲げていた8月中の最新トレーラーの公開を果たし、ユーザーの前で実機デモも行ない、新バトルシステム「リミットブレイク」の御披露目も行なった。残念ながらβテストのスケジュールやPS3版の情報は出てこなかったが、わずか2カ月前と比較すると、かなり秘密のヴェールがはがれてきた印象がある。

 今回のインタビューでは、合同インタビューでは聞けなかった情報を中心に、ステージイベントで発表された内容を深掘りする形で話を広げてみた。



■ 気になるグラフィックスとUIについて。「グラフィックスの完成度は9割」、「PS3版はUIが異なる」

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー/ディレクターの吉田直樹氏

――Gamescomは会期2日目を終えたところですが、イベントの手応えはいかがですか?

吉田氏: ドイツの方は熱いなと言うのは感じましたね。ストレートに喜んでもらえるので。メディアの反応も良く、やっていて楽しいです。ベストPCゲームにもノミネートされましたし。ノミネートではありますけどやっぱり嬉しいですね(笑)。

――「ファイナルファンタジーXIV」は以前もGamescomで実機のデモをやっていますが、Gamescomに出すことに関して何かこだわっているところがあるのでしょうか。

吉田氏: Gamescomに特にこだわりはないですが、PCゲーム市場を考える上で、ドイツの市場は外せなくて、ヨーロッパで最も盛んな地域なので、ここを獲れないとヨーロッパという地域にコストが掛けられなくなってしまう。採算はどうしても考えてしまうじゃないですか。世界中の人に遊んでもらいたいし、ドイツは「ファイナルファンタジー」シリーズのファンが多い。ドイツに「FFXIV」が刺さってない、というのは僕がずっと気にしていたところでした。

――それは現行の「ファイナルファンタジーXIV」が、ということでしょうか。

吉田氏: そうです。ドイツは実はクレジットカードを使えるお店が少なく、クレジットカード所有率が少ない。もちろん、他地域に比べての話ですが。だからクレジット課金以外のスキームも作っていかないと浸透しないと言うことも勉強しました。目の肥えたMMOファンもとても多いですし。

――そうした中で、手応えあったなと?

吉田氏: そうですね。先ほども今の「ファイナルファンタジーXIV」のLS(リンクシェル)の人達が来てくれて、遠くからちらちら見ていて、目線合わせたら「写真撮らせてください」っていう。僕も思い出になります。


「新生エオルゼア」の美しいグラフィックス
こちらは「リミットブレイク」トレーラーのもの。まだ陰影の表現が弱くのっぺりしているのがわかる

――今回、ついに実機デモを初公開しましたが、現在のグラフィックスの完成度はどのくらいですか?

吉田氏: 9割まで来たと思っています。後はファーシェーダーと水ですね。水はまだ納得いってません。ファーシェーダーはモーグリの毛の部分と、プレーヤーキャラクターの髪の毛がより綺麗になります。

――水の部分についてはどう変わりますか?

吉田氏: 水に関しては、ウォーターシェーダーは入れたんですが、まだシェーダーのかけ方として汚いと思ってるんです。東京の現場ではもう1段上のウォーターシェーダーになっているはずです。

――現状だとまだCGっぽさ、パターンっぽさが残っている感じですね。あれがどうなるのでしょうか。

吉田氏: E3で中村さんには「空気感が半端ない」と言ってもらいましたよね。水にまだその空気感が出ていないと思っています。光の反射に見えるようなエフェクトのかけ方ってあるので、その部分のなじませ方ですね。自然なフォトリアルな世界になじむ水というのがあるので。後は屋内のライティング、ダンジョンのライティングに納得がいっていません。現場からは常に最新のスクリーンショットが送られてきていますので、ドイツで確認しながら指示を出しています。

――ちなみに水に関しては、海では波とか発生したり、川ではまた表現が違ったりするのですか?

吉田氏: もちろんするところはしていますし、滝もすでにあります。川ももちろん動いています。ただゆらゆらしている、というところはほとんどありません。

――波は物理シミュレーションで表現している?

吉田氏: いえ、そこはローテクで、パターンにしています。色々なスペックのPCで動くようにするため、割り引くところは割り引かないと(笑)。ローテクとハイテクの組み合わせをうまくやって、現行の「ファイナルファンタジーXIV」よりも遙かに自然で、フォトリアルに見えるのが目標です。

――屋内のライティングに関しては、暗いところでも環境光をオブジェクトに当てて、シャドウをしっかり落としていく、というところですか?

吉田氏: そうですね。いまは“ディレクショナルライト”、つまり環境のダイレクトなライトは完璧になってるんですけど、“全方位ライティング”と呼んでいる、ポイントライトと重なったときの表現がまだ屋内に関しては甘いので詰めています。屋内のスクリーンショットをまだ出していないのは、そのためです。あえて出していません。

――確かにリミットブレイクのトレーラーはまだCGっぽいのっぺりしたところがありましたが、実際に完成したときには、今のフィールドの森の空気感のような、リアリティある世界になるのでしょうか。それはいつぐらいに完成するのですか?

吉田氏: 8月末くらいには。ここまで言い切れるのも、僕はすでに最新のスクリーンショットを見て実装の目処がたっているからです(笑)。

――その一方で、PS3版という点では、今回も具体的な情報は出てきませんでした。今回発表を見送った理由と、公開時期はいつ頃を想定していますか?

吉田氏: 今まさに最適化をしているところです。今回見ていただいたCore i5のノートPCのグラフィックスがPS3版の基準にはなります。もちろん、メモリサイズが圧倒的に違うので、その点の割引は発生しますが。PC版のマックスクオリティが定まったので、最後はメモリです。

――PCと比較するとメモリはうんと少ないですよね。どうフェイクを入れるか、具体的にはテクスチャの解像度を下げて行くような方法でしょうか。

吉田氏: もちろんメモリは少ない。テクスチャの解像度は下げますが、なじませますし、LoD(Level of Detail)の切り換えをします。LoDに関しては完璧に入ったので、Core i5ノートのデモでもLoDはバリバリやっていましたが、ほぼ気づかないというところまでいっているので、PS3でもほぼわからないとは思います。9月下旬くらいにはPS3のUIと共に、お見せしたいなと思っています。


今回公開されたUIはすべてPC向けのマウス+キーボードモード

――PS3のUIというのは、今回見たWindows版のUIとはまた違うわけですか?

吉田氏: そうですね、PS3版はマウス+キーボードモードが選べませんから。メモリの配分が全く違います。

――なるほど、今見ているのはあくまでマウス+キーボードモードのUIなんですね。

吉田氏: そうです。ゲームパッドモードというのがあって、PS3はそっちになりますし、PCでもゲームパッドモードを選ぶことができます。

――ゲームパッドモードはどのような表示になるのでしょうか。

吉田氏: 少なくともホットバーは全く違います。後は「クロスホットバー」という名前で呼んでいますが、そこからどう想像していただけるかというところですか。もう少し待っていただければと。ゲームパッドモードに関してはメインメニューも現行から一新されます。そこはちょうどドイツに出発する前に最終確認していた部分です。

――マウス+キーボードモードと、ゲームパッドモードそれぞれの基本方針を教えてください。

吉田氏: マウス+キーボードモードに関しては「グローバルスタンダード」です。はっきり言ってしまうと、「World of Warcraft」のプレーヤーと、「RIFT」のプレーヤーが新生「ファイナルファンタジーXIV」を遊んだ時にキーバインドを確認しなくても遊べる設計にしています。

――大胆な発想ですが、そこはおそらく否定的な意見もあるでしょうね。なぜオリジナルを追求しなかったんだと。

吉田氏: 僕はそのことに関してははっきりと答えがあります。僕はFPSが好きでよくプレイするのですが、どのタイトルでも決まったキーアサインでファイアですよね? オリジナルのキーバインドがゲームの面白さを決めるわけではありません。MMORPGは“引っ越し”が大変なゲームで、3年、5年住んだ1つの“国”や“政府”ともいえるゲームから、次の下手をすると“惑星”にも例えられる新しい環境に引っ越さなくちゃいけない。その時のストレスって、並大抵じゃないと思うんです。

 でもMMORPGはそれを成し遂げないとビジネスにならない。色んな世界や惑星から引っ越してきてもらわなくてはならない、その時に最もストレスがなく、その世界の違いを純粋に楽しむために、UIが一緒であればあるほどストレスを感じることが少ない。MMORPGを成功させる上で、それが絶対条件だと僕は思ってます。マウス+キーボードの操作は、すでに確立されたスタンダードがあります。便利だからといって変えることが、必ずしも良いこととは限らないと思っているのです。

――マウス+キーボードモードのUIはあえてデファクトスタンダードを狙っていくというわけですね。

吉田氏: そうです。もちろん「ファイナルファンタジーXIV」オリジナル、という設定もキーバインドで選べますけどね。それと別に「デフォルトMMO」というキーバインドを用意したのです。それが今回の標準である、「World of Warcraft」や「RIFT」を参考にしたものです。

 ゲームパッドモードは、逆に我々がコンソールゲームで積み上げてきたノウハウが、1番活かせる部分で、そこはゼロからオリジナルのものを用意しています。複雑化しているMMORPGのUIをどう簡略化して、ダイレクトな操作を実現するか。その点はこれからの情報公開を楽しみにしていただきたいと思います。



■ 召喚獣と「FF」関連コンテンツについて。召喚獣は「新しい蛮神バトルを用意」、クリスタルタワーは「現行ユーザーの最初の目標」

マザークリスタル
黒魔導士のリミットブレイク「メテオ」。召喚獣にはこのクラスのインパクトをもたらすという

――ステージイベントでは「全ての召喚獣を網羅する」とのことですが、現行の「ファイナルファンタジーXIV」にはまだ出ていない召喚獣はいっぱいいるわけですが、今後どういった形、演出で彼らが登場するのでしょう? 今ですと、「大いなる相手」として戦っているわけですが、今後は仲間にできたり、「FFXI」のように呼び出せたりとか、そういった付き合い方もできるようになるのでしょうか?

吉田氏: 基本は“敵”ですね。エオルゼア大陸を俯瞰していくと、惑星ハイデリンという星の上にあることがわかるのですが、今回プレスキットでマザークリスタルが出ていますが、このエーテルの力を召喚獣達は吸い取ってしまう存在なので、色んな蛮族がいて、彼等が願うことで召喚された召喚獣は星のエネルギーを食ってしまいます。無秩序に蛮神、つまり召喚獣が降臨すると惑星自体が壊れてしまう。それを食い止めるために戦うのです。そして召喚獣を幻獣界に押し返して、その一部の力だけを借りて召喚するというイメージなのです。

――そうした流れから、「新生エオルゼア」では、彼ら蛮神を倒すと、その力の一部を使うことができるようになるわけですか?

吉田氏: 常時アップデートするコンテンツとして、ストーリーとは切り離した召喚の遊びがあります。“新しい蛮神バトル”というのがもう1個用意されて、冒険者が召喚の権利を得たりする遊びはそちらになります。難易度という意味で、今の蛮神バトルの先、と言う意味ではないです。

――なるほど。それでその新しい蛮神バトルを乗り越えると?

吉田氏: 召喚の権利をフリーカンパニー全体で持てるようになります。みんなで召喚ゲージを溜めて、大召喚しようね、という感じになります。

――以前のインタビューでは、召喚獣を喚ぶと非常に強大な力を発揮できると言うことでしたが、レイドボスクラスの強力な敵を一撃で敵を倒せるというイメージでいいのですか? 「FFXI」のような常時喚んで共に戦う、という形ではなく、シューティングゲームのボムじゃないですけど、そういった使い方になると?

吉田氏: はい。MMOでここまで派手なことをやるのかっていうことをやっていきます。僕は「ファイナルファンタジー」ってそういうもので、もともと召喚獣はその象徴だと思っているんです。

――リミットブレイクのトレーラーの終盤にメテオがどーんと落ちてきましたが、ああいうイメージですかね。

吉田氏: はい。まさにああいう感じですね。


吉田氏がプロデューサー/ディレクターに就任当時に見せてくれた企画案。北ザナラーンエリアのランドマークとしてクリスタルタワーの名前がある
帝国の兵器のひとつ「デスクロー」。魔導アーマーも楽しみだが、その前に彼らとの戦いが待ち受けているようだ

――それから、「FFVII」の「ゴールドソーサー」をカジノとして実装するというのは「FF」ファンには嬉しいニュースだと思います。それ以外にも「クリスタルタワー」だったり、「魔導アーマー」だったり、キャッチーなキーワードが出てきましたが、それぞれ現時点でお話しいただける範囲内で、どういった仕様なのか聞かせてください。

吉田氏: まず、クリスタルタワーはレイドダンジョンです。おそらく現行で誰も遊んだことのないタイプのダンジョンになると思います。

――クリスタルタワーというと、とにかく長いというイメージがあります。個人的な記憶でも、あまりに長いものだからファミコンの電源を付けっぱなしにして学校に行った、という思い出がありますが(笑)、そのあたりがどう再現されるのでしょうか。

吉田氏: そうですね(笑)。やっぱり、デジョンできないよね、とかありますよね。もちろん一定の配慮は行ないますが、「死んで戻るか、覚悟を決めろ」という、そういうのが話し合えるのは、「ファイナルファンタジー」が25年も続いてきたからだと思うんです。そして知らない世代のプレーヤーもいるんです。「セーブできないとか意味がわからない」とかいって、その人達に対して「いや、違うんだよ」って、僕みたいなオールドファンは話ができる。年齢も性別も分け隔て無く、世界中のプレーヤーが集まれるのがMMOのいいところでだと僕は思っています。

――3時間以上掛かるのは覚悟してくれよ、という感じでしょうか。

吉田氏: いやいや、3時間どころじゃないと思いますよ(笑)。まだ詳しくはお話しできませんが、いくつかのフェーズがあって……。全体で見るとかなり長いですね。1回じゃ終わりじゃない、アップデートしていくコンテンツにします。上へ、上へと。

――他社さんのタイトルになりますが、まるで「ドルアーガの塔」みたいですね。

吉田氏: そうですね(笑)。アップデートされてどんどん上に突き進んでいく形になるので、このパッチでここ、次のパッチでさらに、というイメージです。

――なるほど、クリスタルタワーはそれそのものが大規模コンテンツなんですね。実装時期はいつでしょうか?

吉田氏: 新生「ファイナルファンタジーXIV」のローンチと同時を目指しています。レベル50のプレーヤーさんもかなりいらっしゃいますので、彼等の最初の目標になってくれればなと。

――魔導アーマーに関してはユーザーが“乗れる”と発言していましたが、今のゲームのイメージだと、魔導アーマーが闊歩する雰囲気はあまりないですよね?

吉田氏: その辺は僕はあまりこだわってないです。今の雰囲気のまま、魔導アーマーががしがしフィールドを進んでいいと思っています。なぜならあれは“帝国”の兵器だからです。ガレマール帝国という土地から来たメカなので、今の世界にはなじまないだろうというところですが、乗れた方が楽しいですし、乗れていいだろうと思っています。

――ちなみに、魔道アーマーにはバリエーションやタイプなどはあるのでしょうか。パーツを代えると移動速度が速くなるとか?

吉田氏: 今、それについて企画がいくつか上がってきています。デザイナーがすごくこだわっているので。マウント(乗り物)のスピードを速くすると、他のマウントの価値がなくなっていくので、速度に差をつけるのは難しいと思っています。乗りたくないけど速いからこれに乗る、とかなっちゃうじゃないですか。色んなマウントに乗って欲しいので、速度にあまり差をつける気は無いです。見た目に差をつけるような形にしたいですね。

――魔導アーマーは、欲しいと思った人が全員乗れるんでしょうか。

吉田氏: 皆さん乗れるんじゃないでしょうか。こちらもローンチと同時の実装を目指しています。ぎりぎりのラインですが。入手にはコンテンツをクリアする必要がありますが、ストーリーライン上に出てくるものです。

――そして今回初めて発表されたゴールドソーサーです。カジノコンテンツとしてということですが、どういった内容を期待していいのでしょうか。ラスベガスのような複数のゲームがある風景を想像していいのですか?

吉田氏: ラスベガスのイメージでいいです。プレーヤー同士がポーカーをしたり、ルーレット回したり、オリジナルのゲームもあると思います。貪欲に富を目指すところで、「ウルダハの地下あたりにできるんじゃないのか?」といった想像をしていただければいいかなと。

――ゴールドソーサーは華やかなBGMがとても印象的ですが、クリスタルタワーなども含め、「FF」関連コンテンツはBGMも再現するのですか?

吉田氏: もちろんです。BGMは現行から残るものの方が少ないです。クリスタルのテーマをアレンジして使ってたり、レベルアップの曲をアレンジして使ってたり、オールドファンが「これ『FF』だよね」と思ってもらえる曲を目指してるんです。懐かしの曲のアレンジを結構やっていくと思いますよ。

 先週、現行の最終として、「白銀の凶鳥 ネール・ヴァン・ダース」との戦いを入れたのですが、後ろにオペラが流れてて、「セフィロスを思い出す!」とフォーラムでコメントをたくさん頂きました。今フォーラムでその曲が大人気なんです。ラテン語の歌詞の対訳も公開しました。ここも「FF」らしさだと思うんです。だから、曲はかなりこだわっています。

――そのゴールドソーサーの実装時期はいつ頃ですか? 正式サービスから半年、1年先というイメージでしょうか。

吉田氏: おそらくそういったスパンになると思います。まずはPvP要素とハウジングを入れたいと思うので、その次ですね。

――現在判明している3つのコンテンツ以外に、どのようなコンテンツを計画していますか?
まだ名前の挙がっていない「ファイナルファンタジー IV」や「ファイナルファンタジー II」といった作品からも持ってくるのでしょうか。

吉田氏: パッチでのアップデートはもちろん、エキスパンションでいろいろやっていきたいですよね。例えば、空に行くなら「ファイナルファンタジー XII」っぽくしていきたいよね、とかあるじゃないですか。それはこれからネタ次第でどんどんですね。当面はクリスタルタワーそして、まだお話できないコンテンツで、それが引っ張っていきます。



■ ストーリー、お知らせ機能、PvPシステムなど、気になる要素を聞いてみた

インタビューには残念ながら反映できてないが、ストーリーに関して偶然核心を突く質問をして「それはもうちょっと待って欲しい」と苦笑いの吉田氏。現行の第七霊災のストーリーには、まだ大きな秘密が隠されているようだ
Gamescomのステージイベントで新たに公開された召喚獣「ラムウ」
森フィールドにある教会。結婚式場としても使えるようだ

――次にストーリーについてです。「FFXIV: 新生エオルゼア」では、「ファイナルファンタジー」シリーズ最新作としてストーリーも重視していくことを発言していましたが、「FFXIV: 新生エオルゼア」の基本的なストーリーを教えてください。

吉田氏: 3つの大きな軸があります。1つはガレマール帝国の侵略とどう戦っていくか。これは現行のものからの流れです。これはちゃんと決着をつけます。そしてこの先も大きなバックボーンとして続けていきます。帝国との戦いは大きなストーリーの1つです。2つめは蛮神との戦い。これはエオルゼアだけではなく惑星全体の問題として、蛮神をどう諫めていくか。これは蛮族達との戦いでもあります。

――蛮族とのストーリーの中に、いわゆる召喚獣のストーリーが入ってくると?

吉田氏: はい。召喚獣ごとにストーリーがあります。現行版でもガルーダが他の蛮神について等、色々しゃべっています。こちらも長いストーリーになります。そして3つめが、新生「ファイナルファンタジーXIV」がスタートしてから、次のエキスパンションまでのもう1本の軸となる、「『第七霊災』とは何だったのか?」というところです。

――それは今の世界が大変なことになっていますが、そうした危機的状況に一区切りがつき、検証というプロセスになる、ということでしょうか。

吉田氏: なぜあれだけの霊災が訪れたのか、なぜ世界がこの状態なのか、まだ第七霊災はフィナーレを迎えていません。しゃべれることは少ないですが、謎として残っている部分もあり、エキスパンションが出るまでの1年、追い続けていくことになります。

――最近のアップデートの中でも、徐々に12神の存在がクローズアップされていますが、これは今後どう繋がっていくのでしょうか。

吉田氏: 蛮神だったり、第七霊災にも絡んできます。シャーレアンというエオルゼア、ハイデリンの全ての事象を太古から研究している存在も、もっと関わってきます。もちろん新生「ファイナルファンタジーXIV」でも繋がっていきます。新しいキャラクターも登場します。

――森フィールドの教会のような建物に12神に関するものがありましたが、あれも新しいストーリーを感じさせますね。

吉田氏: はい。昔からあったという設定ではあるのですが、直接的には実は僕が結婚式をやりたいから教会を建てろ、と言ったんですけど(笑)。先日もプレーヤーの方から結婚するというご報告をいただきまして、エオルゼアでも結婚してもらいたいなと。これは早い段階から言ってましたね。もちろん世界観やストーリーになじませていますが。

――第七霊災のストーリーは、いつ区切りがつくのでしょうか。そして、いつサーバーが止まるのでしょうか。

吉田氏: 期日に関しては、日付が公表できる段階になったらお話します。もう少しお待ちください。

――そんなに遠くはなさそうですが、αテストを始めた時には、現行のサーバーはもう止まってしまうのですか?

吉田氏: それはぎりぎりの線じゃないでしょうか。全ての人がαテストができるわけではないですし、αテストはサーバー負荷試験ですから。

――αテストは現行の「ファイナルファンタジーXIV」ユーザーは全員遊べるのではないのですか?

吉田氏: あくまでサーバー負荷試験なので、全員は無理です。あとは遊ぶのではなく、テストに協力していただくという感じです。遊んでいただくのは、βからになります。

――昨日の合同インタビューで、コンテンツファインダーとお知らせ機能について話が出ましたが、この2つの新機能についてもう少し詳しく教えて下さい。

吉田氏: コンテンツファインダーはウィジェットを開くと、行ったことのあるダンジョンや、アクセスしたコンテンツで、パーティーを要求するものなら、行きたいダンジョン、自分のクラス、求めるクラスやレベル制限、「EXPを稼ぎたい」といった目的、そして例えば「日本語オンリーにして欲しい」といった要望まで、プルダウンで選ぶことができます。リクエストを出すと、パーティーが組まれるまで何をしてもいい。準備ができたら通知が来るので、ボタンを押したらテレポしてダンジョンの中からスタートできるようになります。簡単に言うとこれがコンテンツファインダーです。ダンジョン以外でもパーティーコンテンツなら何でも対応することになります。

 お知らせ機能は、例えば中村さんがドイツ出張から日本に帰ってきて久しぶりにログインしたとき、「俺、出張行く前何してたんだっけ?」となるじゃないですか。その時にコンテンツオススメリストが10件ウイジェットに表示されるんです。とりあえずこれをやろう、ということになる。新コンテンツなら「New」と書いてあるし、いるエリア、クラスに応じてオススメが出ます。縦長のリストUIですが、邪魔ならば場所を変えても良いし、閉じてしまうことも、更新を止めて固定することもできます。ゾーンを変えて更新することもできます。

――お知らせ機能でも、そのコンテンツリストのひとつをクリックすると、コンテンツのスタート地点までテレポできるわけですか?

吉田氏: 将来的にはそこまでやる可能性は高いですが、現時点ではそこまでにはしてないです。クエストだったら、マップが開いて場所が表示されるといった形です。こちらもローンチ時に実装です。

――それから吉田さんが公約として掲げているPvPシステムは、ガレマール帝国とのストーリーに直結しているのですか? PvPシステムの規模と実装時期も教えてください。

吉田氏: 直結はしていません、関係はありませんね。何故そこが戦場になっているか、というエピソードはもちろんありますが。PvPは強制導線にはしないと、ずっと言ってるんです。やりたくない人に強制させるのは、本当に嫌なんです。

 PvPはアリーナ形式のもの、コロセウムの中で敵が見えている状態で、よーいどん! で戦う。“天下一武闘会”のようなイメージです。もう1つは、特定のマップで行なわれる“城取り”の要素が入ってる大規模PvPです。まずはコロセウムの方からリリースしていきます。コロセウムは4vs4と、8vs8をベースに考えています。

 マップでの大規模戦は、最低でも8vs8vs8の、3チームによる戦いです。これはこれまでのゲームプリエや製作の経験からジャンケンと同じ3すくみの勢力戦が最もおもしろいと思ってるからです。

 昨日も「Warhammer Online」のゲームデザイナーと話をしていて、なんで3チームの戦いにしなかったのかって話をしていたのですが、「Dark Age of Camelot」と違うことをやりたかったんだけど、やっぱり3チームが良かった、言っていましたね。「新生」したら「FFXIV」のPvPで勝負しようぜって話をして別れました(笑)。

――大規模PvPはどのぐらいの規模を想定してしますか?

吉田氏: 入れれば入るだけ、集まれれば集まるだけにしたいです。それはどのMMOでもそうですよね。基本的には無制限です。サーバーが落ちないレベルでですが。ちなみに僕は自分がレイドリードをした某MMORPGのPvPレイドで、人を集めすぎてサーバーを落とした経験があります。今にして思えば本当に申し訳ないことをしたと思いますが、良い思い出ではありますね(笑)。



■ 気になる今後のスケジュールについて。「αもβも年内を期待していただいていい」

現行のストーリーをぜひ味わって欲しいと力説してくれた吉田氏
森フィールドは、自動生成+手付けのハイブリッド。吉田氏としても自信を持っているようだ
破壊されたイシュガルド要塞。北米では、イシュガルド本国が破壊されたた誤解されてしまったという

――合同インタビューでは、αテストではグリダニアに集めようと思っているという発言がありましたが、これは何を意味していて、グリダニアのエリアはどうなっているのですか?

吉田氏: αテストなのでゲーム全てを公開するわけではありません。グリダニアは最も印象的に、変化の大きい場所になります。ここでαテストをやっていきたいなと思っています。他の場所も徐々に拡充していくつもりです。グリダニアは新生「ファイナルファンタジーXIV」を印象づける場所だと思っています。

 現行、最もイメージが悪いのが「黒衣森(こくえのもり)」だったので。「こんなの森じゃない、鬱になるからやめてくれ」というお言葉まで頂いてしまったので……。今回はやっぱり“木”、そして森の表現に開発一同がこだわっています。処理としても最も重いエリアになっています。だからこそそこでテストをしておきたいと思います。

――ちなみに森フィールドの木々はプロシージャルで自動生成しているのですか、それとも全て手付けですか?

吉田氏: その2つを混ぜています。ハイブリットですが、パターンはわからないと思いますね。その他の地域も草とかは基本そうですね。

――エリアに関しては、ゾーニングの処理とエリアの切り方が気になっています。どうなるんでしょうか?

吉田氏: 「ファイナルファンタジー XI」と変わらない、隣に行くとがらっと変わる、という感じです。

――今あるエリアがいくつかの単位に区切られていくという感じでしょうか。

吉田氏: そうですね。例えば「森リージョン」は4つか5つくらいになると思います。ただ、今は美しい場所ばかりを出してますけど、こういう場所だけでもなくて「なんでこんな事になってるの」といったところもあります。ここはグリダニアを出てすぐなので、きれいだなと思いながら進んでいくと、えらいことになっているようなところもたくさんあります。

――こんなことという意味では、先日公開された最新スクリーンショットでは、イシュガルド要塞が粉々になっていましたが、なぜこんな事になってしまったのでしょう?

吉田氏: これ僕の書き方がまずかったのか、凄く勘違いされているんですが、イシュガルド全体が壊れているわけではないんです。イシュガルドの“要塞”が壊れているだけです。イシュガルド本国が壊れているわけではないのです。「行けると思ったのに、壊れた」ということを北米からも言われて、そうじゃないよと北米フォーラムにポストして貰いました。あの場所もいずれは行けるようになります。こう言ったところはきっちり回収していかなくてはいけません。そういうのも新生「ファイナルファンタジーXIV」の役目だと思っています。

――現時点でβテストに関して、何か話せることはありますか?

吉田氏: 今のところはαのでき次第だと思っています。ですので具体的に日付を言うつもりはないです。フィードバックを受けて、直せるものは直した上で、次のステップに進んでいきたいので。αは秋、βは冬、という以外の言い方はできないです。αもβも年内で期待していただいて大丈夫ではありますが、βはα次第でなるだけ早くというところです。

 ただ、リリーススケジュールについても、僕はあまり性急にやろうとは考えていません
。前回「FFXIV」ローンチのテストがプレーヤーの皆さんにとってあまり印象が良くなかったので、心配して下さってる方もたくさんいらっしゃいます。万全を期した状態でスタートしたいなと思っています。

――スクエニさんもここ数年でソーシャルゲームやブラウザ型のゲームを含め、オンラインゲームがかなり増えましたよね。トドメとして「ドラゴンクエストX」のサービスも始まりました。スクエニの中で、オンラインゲームファンの食い合いのようなことも起こりそうですが、吉田さんの中で「新生エオルゼア」はどのような位置づけのMMORPGにしたいと考えていますか?

吉田氏: 「ドラゴンクエストX」でオンラインゲームをやったことのない人達が、日本では大量に入ってくると思います。これってRPGの歴史と同じで「Wizardry」があって、「ドラクエ」、「FF」が生まれてと進んできた。安心して遊べる「ドラクエ」、ちょっと難しいけどやり込める「FF」というように、「ドラゴンクエストX」からそのまま新生「ファイナルファンタジーXIV」に来てくれる人も少なからずいてくれるのではないかと思っています。食い合いとおっしゃいましたが、利益は一緒なので、他社さんのゲームに流れてしまうよりは、全部うちで完結してくれればよいので「食い合い」という感覚はまるでないですね。

――では、「ドラゴンクエストX」のユーザーに対して、何かベネフィットを用意する予定はあるのでしょうか。

吉田氏: 僕はプロデューサーの齋藤さんとも仲いいですし、僕自身「ドラクエX」の開発に関わり、スタッフクレジットに載っている人間なので、一緒に何かやりましょうよ、という話はしています。実現できたら嬉しいですね。

――それから、新生「ファイナルファンタジーXIV」は、MacやWii U、Xbox 360に展開する可能性はありますか?

吉田氏: その質問は非常によくされるのですが、今はまずは約束しているPS3版ということ以上は何も言っていませんし、言うべきじゃないと思っています。これだけ長い間PS3版を待っていただいている方が世界中にいるので、まずはそれを満足していただけるクオリティとゲーム品質で出すのが最初の仕事だと思っています。それ以外への展開はそこをきっちりやった上で考えるべきことだと思います。

 今回見ていただいた通り、非常にフレキシブルなグラフィックスエンジン・ゲームエンジンになっているので、他の環境への対応は難しくありません。あとはオンライン環境だったり、運営だったり、そこ次第ですね。これから10年続けていき、世界中の人に遊んでいただきたいので、可能性がないとは言わないですが、まずはPS3です。

――Gamescom終了後に、日本で実施される「ファイナルファンタジー」25周年イベントでも、吉田さんのセッションが予定されていますが、ここではどういった発表を予定していますか?

吉田氏: ゲームに関する新情報は出します。今まで日本以外での発表が多かったので、今までの情報総まとめプラス、日本初の新情報を出していきたいと思っています。楽しみにしていただければと。


女性ルガディンの前でパチリ。吉田氏の個人的な好みは女性エレゼンがイチオシだというが、ユーザーの人気ではやはりこちらが上だという

――最後に「FFXIV」に期待しているユーザーさんに向けてメッセージをお願いします。

吉田氏: 僕自身もそうなのですが、開発サイドとしてようやく動いているものをしっかりお見せできるタイミングが来たかなと思ってます。プレーヤーの皆さんには長い期間になってしまっていますが、MMO再開発という点では、これまでの1年半はとてつもなく短く、奇跡的なスピードでなんとかここまでこぎ着けました。今回は僕が品質に100%の自信を持てるまでは正式リリースに踏み切りたくはないと思っているので、ぜひ内容にも期待していただきながら、今後も色んな情報とか、公開される素材を楽しみにしていただければ嬉しいです。

 そして現行版もまもなくグランドフィナーレが来て、2度とないラストを迎えるので、こちらにも注目してみて下さい。「新生ファイナルファンタジーXIV」が3〜4年たった時「あの時やっておけばな」と思うことがあるかもしれません(笑)。僕も「Ultima Online」でサーバーが終わる時に立ち会いましたが、ああいう興奮はその時しか味わえませんよね。それと同じ事が「ファイナルファンタジーXIV」で起こります。「何らかのこと」を本気でやりますので、こちらも楽しみにして下さい。

――ありがとうございました。


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(2012年 8月 20日)

[Reported by 中村聖司]