【連載第44回】大人による大人のための洋ゲー連載

Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」

今年も全ジャンルで大作のオンパレード!
「CoD」本家新作と「God of War」の最新作が登場!
E3 2009開幕直前特集

 いよいよ今年も世界中のゲームファンが心待ちにしているE3の時期がやってきた。今年は新型インフルエンザが猛威をふるっている影響で会場でも若干の混乱が予想される中、いよいよ成熟期を迎えたプレイステーション 3とXbox 360、トップシェアを誇りお茶の間への復権を果たしたWii向けに、今年も多くの大作・佳作・珍作(?)タイトルの出展が予定されている。

 今年の目玉は何といっても「Call of Duty: Modern Warfare 2」と「Bioshock 2」の大御所FPS新作が真っ先に挙げられる。本家Infinity Wardが手がけるシリーズ最新作は全FPSゲームファンが待ちわびていると言っても過言ではない。対する「Bioshock 2」も莫大な予算を組んだプロモーション展開を予告しており、アツさ爆発と言ったところ。

 FPS以外のジャンルでも多数の期待作が発表される中、ATARIが直前で出展をキャンセルするなど、昨年からの不況によるダメージと、激しいタイトル競争の中、体力のある会社とそうでない会社の分かれ目も鮮明だ。

 海外ゲームレポート44回目は特別編として、開催間近のE3で出展されるであろう注目作の数々をジャンル別に独断で紹介しよう。2009年、このゲームをプレイすれば間違いない!(と思われる)珠玉のタイトルの数々をチェックしてみていただきたい。なお、記載している発売時期はいずれも海外でのものであり、日本語版については日本での発表を改めてお待ちいただきたい。

【お断り】
 当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
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■ 「CoD」に「Bioshock」。FPSはゲーマー必見の大作続編ラッシュ!

 まずはFPSから。今年はいよいよ見逃せないタイトルの続編が登場し、なおかつ新しい切り口からのチャレンジを行なった意欲作も出てくるなど、相変わらずの厚みあるラインナップと、デベロッパーサイドの妥協ないデザインセンスと気合いをプレーヤーに感じさせてくれるのは、さすが国民的人気ジャンルだけのことはある。

 日本ではまだまだマニアックなジャンルだが、シンプルに楽しめ、感情移入しやすいFPSは、3Dがダメ、という人でなければ海外ゲームの中でも実は最も敷居の低いゲームではないだろうか。ある時は前線で戦う兵士、またある時はエイリアンから地球を守るヒーロー、わかりやすいストーリーと敵を撃ち倒すシンプルさ、そして映画ばりの大迫力演出と「ゲームらしいゲーム」を満喫できるのがFPSの良いところなのだ。

 そんなスバラシイFPSだが、前述の通り今年はトンでもない大作が控えている。年末年始の休暇がこれで全部飛びかねないほどのタイトル攻勢の中、最低でもプレイしておきたい3本をピックアップした。


  • 【Call of Duty: ModernWarfare 2】
  • プラットフォーム:プレイステーション 3、Xbox 360、PC
  • デベロッパー:Infinity Ward
  • パブリッシャー:Activision
  • 発売日:2009年10月11日

 FPSゲームの王道を行くミリタリーFPSフランチャイズ「Call of Duty」シリーズの正当後継作「Call of Duty: ModernWarfare 2」がいよいよ登場する。全世界で驚異的なセールスを叩き出し、シネマティックな演出で魅せるFPSジャンルにおいては、並び立つライバルの存在を許さない前作の続編であり、今回も引き続き現代におけるテロとの戦いを描く超話題作だ。

 前作では、仲間達の犠牲を出しつつもロシア人核テロリスト・ザカエフの野望を未然で食い止めることに成功した主人公だったが、今作も何らかの形でお話が継続するものと予想される。様々なゲームサイトにリークされている映像を見ると、雪に囲まれた基地や、ミグ戦闘機が爆発したりする様子が描かれており、どうやら今回もロシア絡みの展開になりそうな予感。

 一方でゲーム内容としては特殊部隊物としての方向性が強まっているようで、シリーズおなじみの軍による強襲作戦など、見栄えのするシーンが今回もあるのか目が離せない。また、リーク情報によるとシリーズ初で防弾盾の装備が可能だったり、雪山をクライミングしたり、スノーモービルで移動するといったシーン、そして南米のスラムとおぼしき町並などが用意されているようで、今回も世界を股にかけた悪党退治が楽しめそうだ。


「ModernWarfare」は、いまだに対戦を楽しんでいる人も多い。今度はどのような驚きを我々に突きつけてくるのか、10月11日の発売日が待ち遠しい


  • 【Bioshock 2】
  • プラットフォーム:プレイステーション 3、Xbox 360、PC
  • デベロッパー:2K Marin
  • パブリッシャー:2K Games
  • 発売日:2009年11月3日

 「Call of Duty」の向こうを張れる大作は、やはり2K Gamesの「Bioshock 2」になるだろう。連載38回で触れた際には「Sea of Dreams」という副題がついていたが、その後スパッと取れて正式なタイトル名は「Bioshock 2」とすっきりしたものに落ち着いた。

 前作から10年後の世界、主人公はなんと前作敵として登場したビッグダディとなる。世界中で少女が海へと連れ去られる怪奇事件の根源はもちろん、あの海底都市ラプチャーだ。プレーヤーは反乱をおこしたビッグダディとして、リトルシスターとの不思議なリレーションを継続しながら、エネルギー源である「アダム」を補充し、何者かがうごめく海底都市を冒険する。

 そして今作最大の敵は成長したリトルシスターと目される「ビッグシスター」の存在だろう。彼女達は裏切り者であるプレーヤー(=ビッグダディ)の命を狙い、執拗に狩りたててくるのだという。あらゆる切り口から前作以上の怖さが予想され、前作で高い評価を受けたストーリーにも期待が持てそうだ。「CoD」とは同ジャンルといえど明確な切り分けができており、年末年始はテロとの戦いに興奮し、海底都市での恐怖体験におののく、充実した休暇を過ごすことができそうだ。

こちらは前作の画像。「F.E.A.R」と並ぶホラー系FPSの代表作として真っ先に名前の挙がる同作だが、ストーリーの出来の良さもFPSジャンル屈指のもの。「CoD」との激戦は必至か


  • 【The Conduit】
  • プラットフォーム:Wii
  • デベロッパー:High Voltage Software
  • パブリッシャー:SEGA
  • 発売日:2009年6月23日

 FPS最後の注目作はWii用の新作タイトル「The Conduit」をピックアップしたい。前者2作に比べてはるかに知名度が低い本作だが、WiiというFPS不毛のプラットフォームにあえて全くの新規タイトルとして登場したチャレンジ精神がマニア心をくすぐる。

 本作は最近Wiiでの活躍がめざましいSEGAと「Hunter: The Reckoning」シリーズなどマニア臭漂う通好みのアクションゲームを多数手がけてきたHigh Voltage Softwareがタッグを組んだタイトルで、SFチックな世界観で展開される内容はリアル志向というよりは、幅広い年齢層が楽しめることを追求したヒロイックもののストーリーが用意されている。

 FPSといえば、今やハイデフゲーム機の専売特許になってしまっているが、開発陣は「表現力ではハイデフ機にはかなわないが、ゲームの面白さはWiiだって変わらない」と明言しており、Wiiといえばとかくハズレの多いFPSジャンルの中で堂々の宣戦布告を行なったあたり、ゲーム性には並々ならぬ自信が伺える。

 そして本作はWiiとしては貴重なWi-Fiコネクションによるオンライン対戦に対応しており最大12人までをサポートする。標準装備のWi-Fi機能を満足に活かせていないゲームが多い中、対戦大好きっ子のWiiファンに取って福音となるタイトルかもしれない。

ビジュアル的にはハイデフ機に一歩及ばないものの、ゲーム性で勝負したい本作。FPSが慢性的に不足しているWiiの救世主となれるか、こちらも目が離せない


■ PS3の本気度がギラギラと光るサードパーソンアクションのオススメはこれだ!

 FPSと同じくらい欧米人が愛してやまないのがサードパーソンアクションゲームの数々だ。こちらもPS3やXbox 360といったハイデフ機が持つパワーの恩恵を受けやすいジャンルであり、今年も多くの注目作が登場する。

 現時点において、特に目が離せないのがSCEAが放つプレイステーション 3向けの珠玉アクションゲームの数々である。発売から3年目の本気を感じさせるタイトル群はゲームファンから見ると目もくらむほどの素晴らしさだ。我々は遊びすぎを今から心配しなくてはならないのである!


 ゲーム業界イチの暴れん坊、クレイトスがいよいよPS3に居を移し、ハイデフクォリティでゲームファンの前に登場だ。神も悪魔も片っ端からクレイトスの敵になっていく同シリーズの世界観は今回も変わらないと思われ、様々なテクニックで人も化け物も容赦なく倒す爽快アクションと、数年分チャージされた開発陣のパワーが、プレーヤーの度肝をぬかす演出として目の前に展開されると思うと、今から楽しみでならない。

 先行公開されている映像を見る限りではゲームデザインに大きな変更はなく、PS2で発売された前作に比べてどこまでもゴージャスに、そしてどこまでも「God of War」らしく敵と戦う様子が見られる。「God of War」完全版が堪能できそうだ。

 そして気になる新要素だが、残念ながら現時点では明らかにされておらず、E3での発表が期待される。ただ、今作においてもシングルプレイオンリーでマルチプレイは実装されていないという点は、ほぼ確実視されているようだ。会場でのプレイアブル出展が期待される本作、北米市場においてはPS3の今期最大規模のキラータイトルとして期待されている。


ついに我らの前に降臨したハイデフ版クレイトスさん。神がかり的な復讐劇の続く同シリーズだが、そろそろ心機一転したクレイトスさんの大活躍を拝みたいところだ


 PS3史上最高のアクションアドベンチャーゲームだと断言できる「Uncharted」シリーズの続編がいよいよお目見えする。E3初出タイトルではないものの、今年秋の発売が予定されている。E3ではプレイアブルでの出展が見込まれ、高い注目を集めそうだ。

 前回ナチスドイツの置き土産(?)に散々な目にあわされた主人公ドレイクは、今回もチベットでアクシデントの連発にあう様子。熱帯ジャングルから雪山など舞台はガラリと変わるものの、待ち受けるスリルとアクションはもちろん健在、そして嬉しいことにマルチプレイと協力プレイ機能が実装され、アクションゲーム単体として見ても、いよいよ隙のない内容にクォリティアップがされている。

 ドレイク以外のエレナやサリーといったゲームを引き立てる魅力的なキャラクタの登場については、現時点ではマルチプレイ用のキャラクタにのみ登場するという噂がある。前回エレナとなかなか良い雰囲気だったのに続編で展開が語られない可能性が高いのは残念だが、代わりのヒロイン役として人気SFドラマ「スターゲイトSG-1」でヴァーラ・マルドラン役などを務めた女優のクラウディア・ブラックが声優として起用されるという。

 現在Naughty Dogでは、PS3のスペックを更に使い込んで開発を進めている。「God of War III」とあわせてPS3の東西両横綱として君臨するのは確実の同作に期待度特大!

今回もシブくカッコイイ主人公ドレイクの勇姿が早くも公開され、謎のヒロインの姿も見受けられる。マルチプレイらしき画像もあり期待度はヒマラヤよりも高い! ちなみに今月発売PS3専用タイトル「inFamous」を購入すると、本作のマルチプレイベータ参加権がゲットできるようなので、そちらにも注目を


  • 【Beyond Good & Evil 2】
  • プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360
  • デベロッパー:Ubisoft Montpellier
  • パブリッシャー:Ubisoft
  • 発売日:2009年発売予定

 2003年にUBIsoftから発売された「Beyond Good & Evil」は、女性レポーター・ジェードの冒険活劇を描いたアクションアドベンチャーで、発売当時はPS2やXboxといったゲーム機の持つ表現力を十二分に活かした美麗ビジュアルと、カメラを使ってスクープを撮っていくという謎解き以外に課せられたミッションが新鮮なゲームとして注目された。

 同作は日本未発売タイトルだったため、国内では一部のコアなゲームファンにしか知られていないが、ゲームデザインは人気アクションゲーム「レイマン」シリーズを手がけたMichel Ancelの手によるもので、宇宙のどこかで繰り広げられる人間とエイリアンが共生するファンタジックな世界観と、ステルス行動を本格的にゲーム内に取り込んだ秀逸な先見性が印象深い。

 約6年の時間を経過していよいよ続編「Beyond Good & Evil 2」の発売が決定、既に海外のゲーム雑誌などでは初出が済んでおり、E3での発表も確実ではないかと予想される。本作は「アサシンクリード」や「プリンスオブペルシャ」など現在進行形で人気のあるタイトルとは異なるものの、Michel Ancelが引き続きゲームデザインを行ない完成への駒を着実に進めている本作は、今年発売のアクションゲームの中でも「台風の目」的な存在になることは確実で、実際にプレイできる日が待ち遠しい限りだ。

スクリーンショットは前作のもの。日本語化されていないため知名度に関してはやや他の人気作には劣るものの、今年のマルチプラットフォーム向けアクションゲームの中では、「アサシンクリード 2」より密かに期待している逸品。今作はぜひ日本語化を!


■ 時代はお手軽さからリアル志向へ!? レースゲームは今再び「NFS」がアツい

 昨年は今ひとつ目立たなかったレースゲームだが、タイトル自体はコンスタントに発売され続けていた。EAの「Need for Speed」シリーズも近作ではスコアを落としつつあるが、ワールドワイドではダブルミリオンのセールスを誇っており、レビューに左右されない堅い人気ぶりを知らしめてくれている。

 売上低迷脱出とタイトルのクォリティアップを計るため、現在進行形でEA流トランスフォーメーションが行なわれている中、「Need for Speed」シリーズは今までにない大転換期を迎えることになった。ゲーマーが今年のレースゲームジャンルで最も注目しなければいけないのは、本フランチャイズがいかに変化を遂げるかという点に尽きるだろう。


  • 【Need for Speed: Shift】
  • プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360 / PC
  • デベロッパー:Slightly Mad Studios
  • パブリッシャー:Ubisoft
  • 発売日:2009年発売予定

 サブタイトルからして変革を感じさせる「Need for Speed: Shift」は、開発がEA Black Boxに代わり、本格的ドライビングシミュレータとして高い評価を得ている「GTR2」や「GTR Legends」を手がけたスタッフが立ち上げた新しいスタジオSlightly Mad Studiosにバトンタッチ。お手軽にスピードを追求できるレールゲームから、ゲームと実写の狭間を埋めるリアル志向のゲーム性へと舵取りを変えるターニングポイントとなる一作だ。

 据え置き型向けにはPS3とXbox 360という現行ハイデフゲーム機のみにプラットフォームを絞り、WiiやPS2といった非ハイデフ機を廃したのは、レースゲームナンバーワンフランチャイズとして一歩先を行く決意の現われだろうか。4月に行なわれた「EA EUROPEAN SHOWCASE」での情報によると、やはりリアルシミュレータとしてデザインが鮮明で、お気軽路線から一線を画した内容になる模様。

 シミュレータ路線としてはシリーズ「Need for Speed Pro Street」が若干ではあるが要素として取り入れてはいたが、今作はコーナーを曲がるのも一苦労するド真面目一直線のゲームプレイが予想されるため、そろそろステアリングコントローラの購入を本格的に考えた方がよさそうだ。もちろんビジュアル面での強化も期待したい。

 Wii向けには「Need for Speed:Nitro」という別タイトルが用意される。こちらはポスト「マリオカート」を意識した既存シリーズをよりカジュアルにしたゲーム内容となり、こちらもあわせて発売を待ちたいところだ。

パッと見、ビジュアルの質感からして従来のシリーズとは全く異なる最新作「Shift」はリアル志向を重視することで本格的に「グランツーリスモ」ファンの獲得を狙うものと見られる。元祖スカイラインも登場するあたり、登場車種もかなり幅広く層の厚いものになりそうだ


■ RTSは死なず!マニア歓喜のタイトル多数出展

 最近とんと元気ないストラテジーとRPG。ボツボツと新作は出ているが全盛期の頃を考えるとFPSゲームが今なお繁栄しているのに比べるべくもない寒い状況になっている。そんな中でも今年はBlizzard Entertaimentから全世界のゲーマーが歓喜するであろう「Star Craft 2」の発売が予定されていたり、所謂「タワーディフェンス」モノと呼ばれるストラテジーゲームがDLCを中心に人気を呼ぶなど、見せ方・形を変えてストラテジー分野の人気は再燃しつつある。


 1本目はPC向けのかなりマニアックなストラテジーゲームから。フィンランドのNitro GamesとスウェーデンのParadox Interactiveと、欧州のスタジオとパブリッシャーがタッグを組んだ本作は、タイトルの通り歴史の授業で習う「東インド会社」をテーマに扱っている。ヨーロッパの列強国が東南アジアや南アジア地域における利権や貿易を確保するために設立した国策会社をゲームの題材に持ってくるあたり、さすがはマニアックなストラテジーゲームを多く輩出しているParadoxだけのことはある。

 プレーヤーは東インド会社の総督となり、東インド(今でいうところのインドネシア)の支配権獲得と他勢力を排除して当時としての新世界との利権と貿易の独占を狙う。ゲームのスタイルとしては新世界開拓物ゲームとして固定ファンのある「Anno 1602(日本版は『創世記1602』)」のようなリアルタイムストラテジーと都市建設シミュレーションが合体したようなゲームデザインのように見える。ビジュアルのクオリティも高く戦闘は海戦も用意されているようだ。

 本作も公式サイトの情報を見る限りではパッケージ販売を行なわず、ダウンロード販売のみで行なわれるようだ。一般的な流通が省ける分安く、欲しい時にはいつでも入手できるメリットはあるものの、パッケージとマニュアルの無いゲームはちょっと物足りない。しかしPCオリジナルのゲームは今やとても貴重な上、地味な設定とは裏腹にビジュアル面でも相当頑張っている本作、楽しみに完成を待ちたい。

やっぱり見た目は、かの名作「Anno 1602」に似ている。都市建設&貿易&戦争といわゆる国家運営に近いストラテジーゲームがお好みの人にはたまらない1本になりそうだ。ビジュアルもよくできているが、求められるスペックは高そう。ハイエンドPCが欲しくなってくる


  • 【Might & Magic: Clash of Heroes】
  • プラットフォーム:ニンテンドーDS
  • デベロッパー:Capybara Games
  • パブリッシャー:Ubisoft
  • 発売日:2009年8月発売予定

 最後に紹介するのはDS向けのゲームだ。「マイト&マジック」シリーズと言えば古参ゲーマーなら誰でも知っている海外RPGの古典作。難易度激高で多くのプレーヤーが涙を流して挫折した!?RPGタイトルだが、同じように難易度は高いものの、ハマり要素がやたら高かった外伝作として「Heroes of Might & Magic」シリーズがある。RPGにストラテジー要素を加味したもので、秀逸なゲームデザインとハマりっぷりで本家をしのぐ人気を得ている。

 「Might & Magic: Clash of Heroes」は、シリーズ外伝「Heroes」をDSへ移植するにあたり、様々なカジュアル向けアレンジが加えられたタイトルだ。注目すべき点はビジュアルで、パッと見国産のDSゲームですと言っても支障がないくらい日本のゲーム(もしくはアニメ)の影響力が強い。海外タイトルで同じような趣向のあるタイトルは多数あるが、どれも「欧米チック」なイメージのある絵になってしまい、日本人が見るとちょっと厳しいビジュアルが多い中、普通に「見れる」クォリティを誇っている点は特筆すべきところだろう。

 ゲームの開発を行なっているカナダのCapybara Gamesは、携帯電話やDS、PlayStation Network向けのタイトル開発を行なっており「Critter Crunch」というタイトルはインディペンデント・ゲームズ・フェスティバルの2008年ベストモバイルゲーム賞も得ている気鋭のスタジオだ。携帯ゲームとアニメ絵の組み合わせは親和性が高く、原作となっているゲームの敷居の高さをうまくカバーしているように見える。原作の面白さはそのままに、よりプレイしやすく馴染みやすいアレンジを期待したい。

古参ゲーマーに「これが今のM&Mです」と言ったら間違いなく驚くであろうほどアニメチックに、そして日本のゲーマーに親しみやすくアレンジされた本作、発売時には大きな話題を呼びそうだ。開発を行なうスタジオもインディペンデント・ゲームでは名うての存在であり、マニアックなゲーマーほど興味をそそられてしまう組み合わせだ