「VOICE-HELI(ボイスヘリ)」 |
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[ おもちゃソムリエ ] | |
間もなく夏本番! GAME Watchをご覧の皆様、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。 |
■ 声で操作するラジコンヘリ、テイクオフ!
空へのあこがれ──これすなわち人類の科学発展の原動力であり、ロマンの流れゆく先でもあります。ちょっと大げさな出だしですが、誰しもが思い描く大空への憧憬を、ラジコンヘリというハイテクエレトイを使って満喫してみてはいかがでしょうか。
TAIYOから発売中の「VOICE-HELI」。見た目はただコンパクトなラジコンヘリですが、驚くべきことにラジコンヘリの常識を大きく変える「ボイスコントロールシステム」を搭載した画期的なエレトイなのです。コントローラーの声に反応して、上昇下降や滞空といったさまざまなアクションを制御できるという優れもの。昭和生まれのソムリエ魂をそそるこのラジコンヘリ、さっそくテイクオフさせてみましょう!
■ まずは離陸準備。電池の準備をお忘れなく
はやる気持ちを抑えつつ、まずは内容物のチェックから。パッケージに同梱されているのは、ラジコンへリ本体、送信機、送信機アンテナ、音声操作のためのマイク、ヘリの破損を防ぐセーフティーリングとなります。ヘリを飛ばすためには、これらに加えて、単4電池×4本が別途必要になるので、あらかじめ用意しておくといいでしょう。
ラジコンヘリ本体は電池をセットした送信機に接続して、充電する仕様になっています。1回の充電に必要な時間は30分程度。フル充電でおよそ4~5分ヘリを飛ばせるようになっています。バッテリーが減ってくるとヘリが上昇できなくなったり、操作に影響が出てしまうので、4分ぐらいを目安に遊ぶのがオススメです。
迷彩とブルーの2タイプのカラーが用意されています。てのひらサイズのコンパクトなボディ。スチロール樹脂性ボディのため驚くほど軽量です | 最初にヘリを操作する際には、安全のためにセーフティーリングを装着しましょう。ローターが障害物に接触するのを防いでくれます | 送信機とヘリを接続して充電開始。充電には30分かかりますので、紅茶でも入れながらゆっくりお待ちすると良いかと…… |
■ ボイスコントロールの前準備をしておきましょう
「充電が終わったらすぐさまテイクオフ!」といきたいところですが、まずはボイスコントロールを行なうための音声認識の確認を行ないましょう。「VOICE-HELI」は付属のマイクに向かって決められた命令句を話すことでコントロールできます。「エンジンスタート」でローターの回転開始、「アップ」で上昇、「ダウン」で下降、「ホールド」でホバリング、「トマレ」で動作が停止──といった5つの音声操作が可能です。声の大きさやイントネーションの度合いで音声認識の精度が大きく変わるので、ヘリを手で持って固定し、思い通りに操作できるかチェックしておきましょう。ちなみに、命令句は早口ではなく、ゆっくりはっきりと発声するのがポイントです。
マイクは耳かけを利用するほかに、受信機に取り付けることも可能。さらに、クリップを使って服に直接つけることもできます | まずは手にヘリを持って、音声が認識されるかをチェック。5つの音声パターンを試して、それぞれの挙動を確かめましょう | 「エンジンスタート」の声が認識されると、その場で二重反転式のローターが回り始めます。これで離陸準備は完了です |
■ いよいよ離陸。声でヘリを大空に飛ばしましょう!
読者の多くは、「本当に声だけで制御できるの?」と疑問に思っていることでしょう。実は私もそうでした……。しかし、結論から申しますと、本機はボイスコントロールだけで、きちんとヘリを飛ばせる素晴らしい仕上がりとなっております。
そもそもラジコンヘリは地面を走るRCカーと違い、空力を考慮した繊細な操作が必要なため、やや敷居が高いエレトイでした。しかし、音声認識による操作を前提にした本機は、オートジャイロにより常に安定した挙動を保ち、誰でもラジコンヘリを楽しめるようになっています。ボイスコントロールと併せて受信機付属のコントロールボタンによるマニュアル操作もできますが、まずは音声のみでヘリを動かして、空を舞う感動を大いに味わってみましょう。
まずは上昇、下降をゆっくりと繰り返してみましょう。このヘリを楽しむための基本動作です | 3メートルほど離れても受信機からの指令はヘリに届きますので、余裕をもって距離をとってもOKです | 上昇、下降に慣れてきたら、今度は機体を右回転、左回転に旋回させてみましょう |
■ マニュアル操作でヘリを飛ばすのは至難の業?
この「VOICE-HELI」は、基本的に上昇や下降、旋回といったアクションを組み合わせて遊ぶものとなっており、宙返りのようなアクロバティックなアクションはできません。送信機には、上昇と下降のレバー、左右の旋回を行なうためのレバーと、小刻みな上昇を手助けするためのアップボタンが用意されていますが、これらを使っても同様です。
なお、送信機を使った上記のマニュアル操作は、ボイスコントロールに比べると難度はかなり高め。ラジコンヘリの姿勢を制御するのに小刻みな操作が必要で、スムーズに離陸させるだけでも一苦労させられます。また、本機は室内専用のラジコンヘリですが、忘れてならないのが「天井」の存在です。天井への接触を防止するために、ラジコンヘリの上部には障害物を探知する「天井感知システム」が搭載されております。これは上空50センチメートル以内の障害物を感知して、自動的に上昇を止めるという優れもの。しかし、マニュアル操作で上昇ボタンを一気に入力して急上昇した場合には、センサーが作動しない場合がほとんどです。マニュアル操作は慎重に、ゆっくりと行なうほうがいいでしょう。
上昇時に機体が勝手に旋回してしまう場合は、受信機の「トリムつまみ」で機体の回転の調整もできます | 上昇中、機体が大きく左右にぶれる場合もありますので、遊ぶ場合はなるべく広いスペースを確保しましょう | 天井感知システムを搭載。しかし、電灯があったり急上昇するとセンサーの感度が落ちてしまうため、過信は禁物です |
■ 「5分以上遊びたい!」とついつい夢中になる逸品
「VOICE-HELI」は、コンパクトなボディにさまざまなハイテクを搭載したおもちゃですが、スチロール樹脂製のボディがあらゆる衝撃を吸収してくれます。私もヤンチャな操縦を繰り返してしまいましたが、操作系をはじめとしてどこにもダメージを受けていない様子です(具体的には20回飛ばして、そのうち15回は墜落させました)。初心者が安心できる本機の耐久性は、大いに評価したいことろです。
唯一惜しむべくところは、最大駆動時間が5分という点。気分が盛り上がってきた矢先にバッテリーがエンプティーという状況が多々あり、再度30分の充電が必要かと思うとせっかくの気分がそがれてしまったり……。贅沢な悩みですが、もう少し長時間遊びたいというのが正直な評価です。
ただ、手軽にラジコンヘリを飛ばすことができ、なおかつ音声コントロールという子供のころに抱いた夢のテクノロジーを具現化してくれる「VOICE-HELI」。本機でエレトイの驚くべき進化を体感してみてはいかがでしょうか?
【テイスティング】 | |
■ 熱中度:☆☆☆ 基本は上昇、下降のみですが、ヘリをバランスよく滞空させるのについつい夢中になってしまいます
■操作性:☆☆ ■先進性:☆☆☆☆ |
COPYRIGHT 2009 TAIYO CO., LTD.
□タイヨーのホームページ
http://www.taiyo-toy.co.jp/
□「VOICE-HELI(ボイスヘリ)」のページ
http://www.taiyo-toy.co.jp/lineup/heli/voice_heli/
http://voice-heli.taiyo-toy.co.jp/promotion/voicehelipromotion.html
(2009年 7月 8日)