■ 2009年7月第2週分 ■


 この連載は、ニンテンドーDSi、PSP、PS3、Xbox 360、Wiiと家庭用ハードではもはや当たり前となった感もある「ダウンロード販売」によるソフトウェアやコンテンツ(以下、DLC)の最新情報を1週間単位でレポート。また、様々なタイトルのレビューも掲載していく予定だ。ダウンロード開始間近なタイトルやリリースが決定したタイトル、そして過去のタイトルまでフォローするので、DLタイトルをチェックするのに役立てれば幸いだ。


■ 7月1日(水)~7月31日(金)ダウンロード販売開始予定一覧 ■



プラット
フォーム
タイトルメーカージャンル価格その他
7月1日

DSiウェア
パズルいろいろ 月刊クロスワードハウス Vol.2任天堂パズル500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
まほうじんとイメージけいさんアイイーインスティテュートさんすうトレーニング200
DSiポイント
オリジナル

PSP
流行り神 PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル日本一ソフトウェアアドベンチャー2,200
UMDDL

XBLA
THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCHSNKプレイモア2D対戦格闘800
マイクロソフトポイント
移植[AC]

XBLA
Worms 2 : ArmageddonSNKプレイモア戦略 & シミュレーション800
マイクロソフトポイント
移植[PC]
7月2日

PSP
ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」 ダウンロード版ソニー・コンピュータエンタテインメントなつやすみアドベンチャー3,800
オリジナル
7月7日

VC
スーパーパンチアウト!!任天堂スポーツ800
Wiiポイント
移植[SFC]

VC
スカイキッドバンダイナムコゲームスシューティング800
Wiiポイント
移植[AC]
7月8日

DSiウェア
エレクトロプランクトン トレーピー任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ハネンボン任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ナノカープ任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ツリガネムシ任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

Xbox360
バトルフィールド1943エレクトロニック・アーツFPS1,200
マイクロソフトポイント
オリジナル
7月9日

PS3
バトルフィールド1943エレクトロニック・アーツFPS1,500
オリジナル
7月14日

Wiiウェア
ひらめきカードバトル メクルカトムクリエイト神経衰弱風カードバトル1,000
Wiiポイント
オリジナル
7月16日

PSP
流行り神2 PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル日本一ソフトウェアアドベンチャー2,200
UMDDL
7月22日

DSiウェア
エレクトロプランクトン レックレック任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ヒカリノワ任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル
7月予定

VC
ファイナルファンタジーIIIスクウェア・エニックスロールプレイング500
Wiiポイント
移植[FC]

VC
SHINOBI 忍セガアクション800
Wiiポイント
移植[AC]

 ※表中の「VC」はバーチャルコンソール、「GA」はゲームアーカイブス、「XBLA」はXbox LIVE アーケード、「FC」はファミコン、「SFC」はスーパーファミコン、「MS」はマスターシステム、「MD」はメガドライブ、「PCE」はPCエンジン、「AC」はアーケード、「UMDDL」は「UMD ダウンロード」を指します。
 この表は毎週、配信タイトルを追加し、月単位で更新していきます。配信タイトルは当日まで配信が明らかにならないこともあるため、過去に遡って更新することもあります。



Xbox 360版は7月8日、PS3は7月9日から配信が開始されるFPS「バトルフィールド1943」
EA, EA SPORTS, EA Mobile and POGO are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. Battlefield 1943, Battlefield 1942 and Frostbite are trademarks or registered trademarks of EA Digital Illusions CE AB. All other trademarks are the property of their respective owners.

 今週も様々なプラットフォームにおけるDLCの情報を紹介していきたい。

ニンテンドーDSiショップ
 7月8日からプランクトンを題材としたメディアアート「エレクトロプランクトン トレーピー」「エレクトロプランクトン ハネンボン」「エレクトロプランクトン ナノカープ」「エレクトロプランクトン ツリガネムシ」(各20DSiポイント)が配信。このエレクトロプラントンシリーズは全10タイトルが公開されており、7月8日から8月中にかけて全てリリースされる予定だ。

Wiiショッピングチャンネル
 VCとして、7月7日から当時ニンテンドウパワー専用タイトルとしてリリースされた「スーパーパンチアウト!!」(800Wiiポイント)、宙返りが印象的な名作シューティング「スカイキッド」(800Wiiポイント)が配信。

PS3
  7月9日から第二次世界対戦を舞台に激戦を繰り広げるFPS「バトルフィールド1943」(1,500円)が配信される。

 7月21日に予定されているPS3/WIN「大航海時代 Online ~Cruz del Sur~」の大型アップデートExtra Chapter「Expedition」の最新情報が公開された。

 また、7月8日まで、「ロックマン9 野望の復活!!」を購入した人にプレゼントキャンペーンが実施されている。抽選で30名に「ジャパンゲームT(ロックマン・半袖)」またはゲームアーカイブス「ロックマン」が当たる。

PSP
 無料体験版として、7月3日から「みんなのスッキリ」体験版が配信中。「みんなのGOLF」など「みんなの~」シリーズでおなじみのクラップハンズが制作中のシリーズ最新作だ。

Xbox 360
 XBLAとして、7月1日から2D対戦格闘KOFシリーズ最高峰との呼び声高いKOF'98のリメイク「THE KING OF FIGHTERS’98 ULTIMATE MATCH」(800マイクロソフトポイント)、シミュレーションゲームとして評価の高いWormsの続編「Worms 2: Armageddon」(800マイクロソフトポイント)が、7月8日から第二次世界対戦を舞台に激戦を繰り広げるFPS「バトルフィールド1943」(1,200マイクロソフトポイント)が配信。「THE KING OF FIGHTERS’98 ULTIMATE MATCH」、「Worms 2: Armageddon」どちらのタイトルも無料お試し版があるので、気になる人はお試し版をプレイしてみてはいかがだろうか。

 追加DLCとして、6月30日から「Battlestations Pacific」のDLC「Volcano Map Pack」(560マイクロソフトポイント)が、7月2日には同タイトルのDLC「Mustang Unit Pack」(160マイクロソフトポイント)が配信。

 「ロックマン 9 野望の復活!!」の7月8日~8月12日配信予定のDLCや日本で配信予定のないテーマが、6月24日夜~6月25日16時頃までダウンロードできるトラブルがあった。DLCを購入してダウンロードしてしまっていても問題なく遊ぶことができるので安心してほしい。テーマについてはマイクロソフトからメールが届くので確認しよう。

 7月1日から「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66」のタイトルアップデート(無料)が配信。オンライン対戦の観戦やグラフィックアレンジ機能などが追加されている。また、専用コントローラー「ツインスティックEX」の発売が決定。発売時期は11月中旬、価格は30,000円を予定している。

 特定のタイトルが一定期間ディスカウントされるXbox LIVE ゴールド メンバーシップ限定サービス「Deal of the Week」は、7月6日~7月13日まで「N+」(800→560マイクロソフトポイント)が、7月13日~7月27日まで「斑鳩 IKARUGA」(800→400マイクロソフトポイント)がディスカウント価格で販売される。


●今週の注目タイトル
  THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH


 「THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH」は、「KOF」の愛称で親しまれてきた対戦格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズの中の1作、「THE KING OF FIGHTERS '98」をリメイクしたタイトル。64人のキャラクターが登場し、「エキストラモード」と「アドヴァンスモード」の各要素を組み合わせてカスタマイズできる「アルティメットモード」が搭載されている。また、Xbox LIVEを介したオンライン対戦にも対応。ネオジオROM版「ザ・キング・オブ・ファイターズ’98」の移植版もプレイできる。

● (C)SNK PLAYMORE




■ ダウンロードソフトウェアレビュー 

 各ライターが独断と偏見でピックアップしたダウンロードソフトウェアを紹介するコーナー。最新のタイトルから配信済みのタイトルまで、気になるタイトルを紹介していきたい。今週は、「バーチャルコンソー アーケード」のバンダイナムコゲームスタイトルを2本取り上げる。

■ バーチャルコンソール アーケード

ギャラガ'88


●バンダイナムコゲームス●配信中(2009年6月23日)●価格:800Wiiポイント
●プレイ人数:1-2人●対応コントローラ:Wiiリモコン/クラシックコントローラ/ゲームキューブコントローラ●CEROレーティング:A(全年齢対象)



● 敵の美しい飛行ラインと軽快な音楽が印象的なSTG

 1981年にナムコ(当時)からアーケード用として発売された固定画面型シューティングゲーム「ギャラガ」。次々に飛来するギャラガと呼ばれるエイリアンの猛攻を、画面下を左右に動きながらミサイルで迎撃していく。シンプルながら継続的に遊び続けられるゲーム性が評価されたタイトルだ。この「ギャラガ」の続編が、1987年にアーケードで「SYSTEM I」基板第6弾タイトルとして稼働を始めた「ギャラガ'88」。本作はPCエンジンにも移植され、そのPCエンジン版は、今回紹介するアーケード版に先んじて、2007年3月20日からVCで配信されている。

 ゲームは全29ステージ構成。次々と襲いかかるギャラガ軍団をミサイルで撃退していく。画面内のギャラガをすべて撃墜するとステージクリアになる。体当たりなど、ギャラガの攻撃を受けると、ファイターを1機失い、ファイターをすべて失うとゲームオーバーになる。ファイターを失った際のリスタートは、ステージ途中から。ギャラガが画面上部に待機して、仕切り直した状態から再開される。これはコンティニュー時も変わらない。なお、コインさえ投入しておけば、コンティニュー回数に制限はないものの、ステージ27以降はコンティニューできなくなっているので注意が必要だ。

 プレイ前にゲームセッティングで変更できる項目は、ファイターの数とボーナス設定のみ。難易度設定などの変更はできない。

 ファイターの操作は、十字ボタンの左右で移動を、攻撃は1つのボタンで行なう。シンプルでわかりやすく、Wiiリモコンで遊びやすい仕様だ。クラシックコントローラやゲームキューブコントローラで操作する場合、3Dスティックで移動させることもできる。しかし、スティック入力だと大きく移動しがちになり、画面端へ追い詰められやすくなる。軽く叩くような感じで細かく移動ができる十字ボタンでの操作をオススメしたい。

 攻撃は「ギャラガ」と同じくミサイルのみ。2連射できるが、画面内に2連射したミサイルが残っていると、新たなミサイルが撃てない(シングルファイターの場合、2発のミサイルが画面内に残っていると次のミサイルが発射できない)。とりあえず攻撃しておく、といった軽い気持ちでミサイルを撃ち続けていると、飛来したギャラガに体当たりされやすいので、一撃必殺の気持ちでミサイルを放つのが「ギャラガ」シリーズの掟と言える。

 パワーアップは、ファイター同士の合体によって行なわれる。合体するには、まず、ボスギャラガの出すトラクタービームを受け、ギャラガの捕虜にならなければならない。そして、捕虜を連れたボスギャラガが飛来してきたら、ボスギャラガのみを撃墜する。これでファイター同士が合体。2機合体の場合はデュアルファイターに、3機合体の場合は最強のトリプルファイターになり、1度に射出できるミサイル数が増える。このとき、注意しなければならないのは、ファイターの残り数。合体はあくまでも手持ちのファイターで行なわれるため、ファイターの残り数がなければ合体はできない(コンティニュー時除く)。ファイターの残り数がないときにトラクタービームを受けると、捕虜にされた時点でゲームオーバーになってしまう。また、捕虜にミサイルを当てると、本当の意味で1機失った状態になる。合体時は慎重に行動すること。

 なお、トリプルファイターの時にミスをした場合はデュアルファイターに、デュアルファイターのときにミスをするとシングルファイターに戻る。1度に複数機を失うわけではないので、積極的に合体を行なっても問題はない。ただひとつ気になるのは、合体すると自機が大きくなり、そのぶん回避しづらくなることだ。デュアルファイターやトリプルファイターだと、画面端に追い詰められたら、なかなか無傷で中央へ切り返しにくい。トリプルファイターなら、ギャラガから猛攻を受ける前に攻撃して、なるべく複数の攻撃が降りかかる状況を作らないようにしたい。デュアルファイターなら、自機の大きさはトリプルファイターと変わらないので、なるべく早めに合体できるよう、がんばろう。

 「ギャラガ'88」ならではの要素として、ディメンション(次元)がある。ステージが進むに連れ、進むコースがいくつかのディメンションに分岐していくシステムだ。そのため、同じステージでも、ディメンションが違うと、登場するギャラガや攻撃パターンが変わってくる。ディメンションは5段階あり、最終的に4種類の最終ステージ(ボス)及びエンディングが用意されている。ディメンションの段階が上がるほど、入手できる得点やボーナスも大きくなるが、難易度は当然アップする。

 上のディメンションへ進むには、特殊なギャラガや、隕石などの障害物を破壊した時に出現する青いカプセルを2個集めなければならない。集めた状態で、3・7・14・18・22・26ステージのギャラガたちが音楽に合わせて踊る「ギャラクティック・ダンシング」を迎えよう。「ギャラクティック・ダンシング」終了時にワープが発生し、上のディメンションへと進むことができる。ちなみに、青いカプセルが1個の状態で「ギャラクティック・ダンシング」を迎えると、青いカプセルが消滅するだけで、ワープや得点は発生せず、再度次のステージ以降で集め直すことになる。

 本作の魅力は、「ギャラガ」から変わらずに引き継がれている、飛来するギャラガの動きと、それを読み切って狙い撃つ楽しさにある。飛行パターンはギャラガの種類によって違うものの、そのほとんどが滑らかな曲線を描きながら画面下へと降りてくる。また、先にも説明したように、ファイターのミサイルには連射制限があり、無駄撃ちがしにくい状況だ。そのため、飛来するギャラガの飛行パターンを学び、動きを先読みしてミサイルを出し、確実に当てていくのが攻略のカギになる。物量で敵を排除しながら突き進んだり、敵を出現と同時に撃墜したりするSTGでは味わうことができない「狙い撃つ楽しみ」が存分に堪能できるわけだ。狙い撃つ際の緊張感もあって、ギャラガの撃墜をくり返した結果のステージクリアは、難易度の上がる後半へ進むほど、達成感は代え難いものになるだろう。

 「ギャラガ」の続編となると、「ギャラガ'88」の前に「ギャプラス」がある。飛来するギャラガの動きとそれを読み切って狙い撃つ楽しさをメインに引き継いだリメイク的なポジションの「ギャラガ'88」に対して、「ギャプラス」は画面下部を自由に動きまわれるなどの新しい要素をいくつも入れ込んだ新解釈的なポジションだ。同じベースでもアプローチが違うとまったく別のゲームになるのはおもしろい話だ。「ギャプラス」もVCで配信されているので、どちらも遊んで欲しいところだ。でも、どちらを先に遊んだほうがいいのかと聞かれると、遊びやすさから言えば、「ギャラガ'88」なのは間違いない。Wiiリモコンで遊びやすい部分も含めて、STG初心者に挑戦して欲しいタイトルだ。

ゲーム開始時に、シングルかデュアルかを選択。デュアルで出撃すると、ファイターの残数が見た目上1機少なくなるが、気にする必要はない。めざせ、トリプルファイター!ボスギャラガが出してくるトラクタービームを受けると、ファイターがボスギャラガの捕虜になる。次に捕虜を連れてボスギャラガが飛来したら、撃ち落として合体しようステージ10で大きなクイーンギャラガと対決。何発も撃ち込まないと倒せない強敵だ。ディメンション1のとき、このクイーンギャラガを倒すと、ディメンション2にワープする
ディメンションによっていろいろなギャラガが出現するのは「ギャラガ'88」ならでは。ディメンション4に出てくるカンは、通常の姿の時はミサイルが通じない固定画面だけではなく、縦スクロールするステージもある。障害物を壊しきれないと、移動範囲が制限されてしまうため、非常に厳しい。回避スペースをしっかり確保しようチャレンジング・ステージの「ギャラクティック・ダンシング」。ギャラガたちの動きはもちろん、ワルツやタンゴなど、ステージごとに違う音楽は必聴モノだ
このカプセルを取れば、シングルファイターから一気にトリプルファイターになることができる。なかなか出現しないアイテムなので、確実に入手して、戦力を強化したい「ギャラガ」同様、ゲーム終了時にミサイルの命中率が表示される。連射に制限がある以上、この命中率をなるべくアップさせることが、ゲーム攻略のコツと言えるだろう「ギャラクティック・ダンシング」では、レバーやボタンの入力を一切行なわなければ、ボーナスが入る。全機撃墜できそうもなければ、黙って鑑賞したほうが高得点になりそう
(C)1987 2009 NBGI

■ バーチャルコンソール アーケード

アサルト


●バンダイナムコゲームス●配信中(2009年6月9日)●価格:800Wiiポイント
●プレイ人数:1-2人●対応コントローラ:クラシックコントローラ/ゲームキューブコントローラ●CEROレーティング:A(全年齢対象)



● 2本のスティックで攻撃の中を突き進む武骨で硬派なタンクSTG

 1987年にナムコ(当時)からアーケード用として発売されたトップビューのタンクシューティングゲーム「アサルト」。拡大、縮小、回転機能を搭載した「SYSTEM II」基板第1弾タイトルで、フィールドを回転させて全方向へ移動できるようにするなど、その機能がゲーム性と密接に結びついている。また、2本のスティックによるタンク操作が、フィールドが回転するゲーム性との相性が良いこともあり、難易度が高いながらも、常時ゲーム筐体に人が付いている状態だった(1人あたりのプレイ時間が長かったことも要因だが)。

 なお、「アサルト」には、難易度選択ができるようになった上にバランスが再調整された「アサルトプラス」も含めて、複数のバージョンが存在する。今回のバーチャルコンソール版では、最初にリリースされた旧バージョンが採用されている。

 ゲームは全11ステージ構成。マイタンクを操作し、敵を倒しながらジャイロ(矢印)の方向へ進んで行き、ハッチやゲートを守る砲台を破壊するとステージクリアだ。マイタンクは、敵の攻撃を受けたり、残りタイムがゼロになると、1台失ってしまう。すべてのマイタンクを失うとゲームオーバーだ。また、マイタンクが残っているとその場から続けられるが、ゲームオーバーになってコンティニューすると、ステージ開始地点からのリスタートになる。ZLボタンでコインさえ投入しておけばコンティニュー回数に制限はないが、コンティニューできるのはステージ3以降となっているので、注意しよう。

 プレイ前にゲームセッティングで変更できる項目は、マイタンク数とボーナス設定のみ。難易度設定や時間設定の変更はなく、このゲームを簡単にクリアできる方法はないと覚悟を決めてからチャレンジすること。

 マイタンクの操作は、2本のスティックを使って移動し、攻撃はL/Rボタンによって行なう。そのため、クラシックコントローラかゲームキューブコントローラでなければプレイできない。2本のスティックは、L側が左の駆動部、R側が右の駆動部をそれぞれ担っているので、両方のスティックを上に入れると前進し、下に入れると後退する。上下互い違いに入力すると旋回だ。大きく方向を変える時は、旋回を行なう必要がある。基本的な移動は前進と後退だが、スティックを同じ横方向へ入力すればロールオーバーになり、結果として横方向へ移動できることになる。このロールオーバーは、攻撃を避けるための重要な手段なので、操作感覚(転がる間隔も含めて)は早めに把握しておこう。

 攻撃は、基本的に通常弾のみ。画面内に支援アイテムが出現することはなく、装備の強化は一切行なわれない。なお、L/Rボタンを押し続ければ通常弾を出し続けられるが、ボタンを連打すれば、画面内に3発までなら連射可能だ。また、2つのレバーを開くように操作するウイリー状態にすると、通常弾ではなく、広範囲に攻撃が可能なグレネード弾に切り替わる。このグレネード弾は、弾が弧を描くので、障害物があっても上を素通りして攻撃できるため、物陰から隠れて攻撃を行なう際に有効だ。しかし、ウイリー状態のままだと、移動することができないため、敵の攻撃から無防備になってしまう。画面内に敵が残っていたら、スティックを再入力してウイリー状態をすぐに解除すること。

 スティックが横並びになっているクラシックコントローラなら問題はないが、スティックの位置がずれているゲームキューブコントローラでのプレイでは、意図せずウイリー状態になってしまうことがある。なるべくならクラシックコントローラでのプレイを推奨したい。

 ステージ上には、木や森、沼などの自然の地形から、建物などの人工的な建造物まで、いろいろなものが配置されている。どれもタンクの機動性能を低下させたり、行動を制限させたりする。また、敵を破壊した後は、地面に破壊跡が残り、その上を進むとガタガタとスムーズには進ませてもらえない。回避行動の妨げとなるものばかりだ。

 とはいえ役に立つ施設も用意されている。五角形のパネルのリフトゾーンだ。この上に乗ると、垂直に大きくジャンプする。ステージ内を見渡せるため、どこに敵がいるのか、どう進めばゲートへ到達するのか、一望できる。また、ジャンプ中に攻撃するとグレネード弾になるので、旋回と組み合わせれば上空から広範囲に攻撃できるというわけだ。積極的に利用したいところだが、ジャンプすると敵からも捕捉されることになり、敵が一斉にリフトゾーンへと押し寄せてしまう。着地時に囲まれていたら回避は不可能だ。そして、リフトゾーンには使用回数が決められていて、1ステージ中3回までとなっている(1リフトゾーン3回ではない)。使いどころを間違えないようにしたい。

 本作の魅力は、わかりやすいゲーム性と、2本のスティックによるタンク操作、その操作の上に成り立つ絶妙なゲームバランスにある。パワーアップアイテムもなく、ただひたすら敵を撃破し続けてゲートをめざすだけなのだが、「だけ」がなかなか難しい。その難しさは、敵による攻撃の激しさよりも、2本のスティック操作による回避が、思った以上に間に合わないところにあるようだ。回避の手段としては、後退するか、ロールオーバーするかになるが、タンクの当たり判定が大きいことを差し引いても、どちらも瞬時にできるものではないだろう。通常弾で相殺するという方法もあるが、真正面以外から攻撃されたら通用しない。とっさに対応できない以上、安全を十二分に確保しながら慎重に進んでいくと、今度は時間切れになってしまう。

 そう、このゲームはある程度のリスクを背負いつつ、敵を撃破しながら立ち止まることなく敵の集団へ突っ込んでいくことになるわけだ。当然、安定したパターンを作れるはずもなく、常に臨機応変な対応が要求される。少しでも対応を間違えると、回避しにくい横から攻撃を受けたり、地形に引っかかって回避ができなかったりなど、簡単にタンクを失ってしまう。ただ、ミスの原因がはっきりしているために理不尽さはなく、攻撃が激しくてもモチベーションが下がるほどではないので、「今度は気をつけよう」と再チャレンジしやすい。何度目かの再チャレンジの果てにステージクリア(ゲームクリアではない)まで到達できたときは、他のゲームとは比べられないぐらい大きな達成感を味わえる。そして次の達成感を求めて、先のステージへと進んでいけるわけだ。

 YM2151によるFMサウンドの音楽を聴きながら遊んでいると、昔遊んだものと同じで懐かしく思いつつも、昔と違って自分の反射神経が衰えていることを実感できるところが切ない。また、L/Rスティックの入力の感触はアーケード版と少々異なり、斜めに入るとうまくマイタンクが動かないときがあるのも気になる(ソフトウェア的な問題ではなさそうな気がするが)。こうなると、イージーモードで遊べる「アサルトプラス」も配信して欲しかった気がするが、それは今後のお楽しみと思っておきたい。今回の完成度から、バーチャルコンソール版として今後いくつか予定されている「SYSTEM II」基板タイトルの配信も楽しみだ。

 本作については、稼働当時に遊んだ人が懐かしんで遊ぶのはもちろんだが、できれば、稼働当時に生まれたような若いプレーヤーに挑戦して欲しい。

グレネード弾は、広範囲に攻撃できる上に、障害物を飛び越すことができる。攻撃されない場所からグレネード弾を使って、安全に敵を破壊しながら進もう正面から攻撃されたら、スティックを同じ横方向へ入れたロールオーバーで回避する。間合いが近いときは、後退と組み合わせて、きっちり確実に回避したいこのゲームにありがちなのは、地形に引っかかって移動できず、敵弾に当たってしまうことだ。行動が制限されないよう、事前に破壊できるものは破壊しておくこと
リフトゾーンに乗って大ジャンプしている間に、敵の集団を狙ってグレネード弾をできる限り連射する。旋回しながら連射すれば、そのぶん広範囲に攻撃できるゲートを守る砲台の数が多いと、敵弾を回避することがかなり難しくなる。障害物で敵弾を防ぐことができるポイントは、確実に覚えて利用しよう旧バージョンを採用しているので、残り時間がゼロの状態でクリアすると、タイムボーナスが最大になる。スコアアップのためにも、序盤は積極的に狙っていきたい
(C)1987 2009 NBGI


(2009年 7月 7日)

[Reported by 梶原製作所/木原卓]