山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第53回

ゲームおじさん軍団とNintendo Switchをプレイして“一緒に遊ぶと楽しい”を再確認した話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

どんなに未来になっても、たくさんのことが変わってしまっても、“一緒に遊ぶと楽しい”ということは変わらないのだと思います。

任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch」が発売されました!

都内の家電量販店では発売当日に100人越えの行列ができたり、発売から3日間で国内の販売台数が30万台を越えたという報道があり、世界でも任天堂の据置ハード史上最速のペースで売れているなどなど、様々なニュースが飛び交っていますが、好調なスタートダッシュとなったようです。

さてさて、そんななか僕は友人たちと集まって「Nintendo Switchで遊んでみようの会」を開催いたしました。

携帯モードやテーブルモードで遊ぶ、Joy-Conを分けあって一緒に遊ぶという、Nintendo Switchならではの遊びを、実際にやってみようじゃないかというわけです。

なお、ご参加頂いたのは、いわゆるゲーム大好きおじさんばかり。本稿では彼らを“ゲームおじさん軍団”としておきます。ゲーおじ。

この日に集まったNintendo Switchは3台!ゲームおじさんはゲームが1番の趣味なので、躊躇なくお金をぶっこみます(奥さんに内緒で買ったという人も)

まずはNintendo Switchをカバンから取り出し、Joy-Conを外し、スタンドを立ててテーブルに置いたわけですが、この時点で今までのゲーム機にはない感覚があるんですよね。

Nintendo Switch本体をみんなの見える位置にどんと置くと、全員の目が1台の画面に集中するんです。

これまで携帯ゲーム機を持ち寄って遊んだことももちろんありますが、そのときはゲーム機は基本的に自分の手元。せいぜい合間に一緒に遊んでいる人に画面を見せたり、横にいる人にちょっと見せつつ遊ぶぐらいのもんでした。

でも、Nintendo Switchだと友人の家で据置ゲーム機を遊ぶときみたいに、みんなで1台の画面を見るんですよね。いい年の大人になった自分は(仕事を除けば、ですけど)久しくそういうシチュエーションに遭遇することがなく、

「みんながコントローラー握りしめて1台の画面を食い入るように見ているこの感じ……なんだか懐かしいような」

なんて思いました。

さすがにこういうシチュエーションだと6.2インチのスクリーンでは小さいなーとも思うのですが。でも、両手で持ってプレイする携帯モードのことや、それこそ家以外の場所でこんな風に遊ぶことを考えると、これ以上大きいと扱いづらいよねとも思うところで。いろんなシチュエーションを考慮しての、間を取ったバランスをしていると思えます。

おもむろにNintendo Switchをテーブルモードでセッティング。右のゲームおじさんがまだゲーム起動直後なためストラップをしていませんが、この後ちゃんとしました

というわけで、ゲームをプレイ! とりあえず、「まずはこれでしょ!」ということで「1-2-Switch」から。なにしろこういうときに遊ばないともったいないというか、1人では遊べないですから! できなくはないかもしれないけど、むなしいですから!

「1-2-Switch」は最初はガンマン風に早撃ちで戦う「クイックドロウ」や、刀を振り下ろす動きと止める動きで戦う「真剣白刃取り」といった、わかりやすいものの、なりきり&テンションの高さが必要なゲームから入っていくのですが……

ゲームおじさん達のプレイにはまだ照れがあったりもしつつ、微妙な空気に。

ゲームおじさんが互いに見つめ合いながら「真剣白刃取り」で対戦……これはもう少し酔いが回らないと、侍になりきれなかったのかもしれません

ですが、その後に開放されたゲームのいくつかは、ゲームの好みが玄人めいてるおじさん軍団にもヒットしました。

盛り上がったゲームのひとつは「ジョイコン回し」というもの。

こちらは、Joy-Conを持ち上げ手首だけを使ってギリギリまで回転させてから、並行を保ったまま置いて、それを交互に行なって回転させた角度の合計が多い方が勝ちというもの。

ゲームおじさん軍団は、運動不足気味の固い体を目一杯くねらせたり、「これは最初に持つ角度と持ち方、それに回す方向も重要だ……!」とガチ攻略を開始。最終手段として、回している最中の相手に何か言葉を浴びせて笑わせ、それで回転失敗を誘うという、ゲーセンで育まれた「くちプレイ」のテクニックを駆使して盛り上がっていました。

Joy-Conを持ち上げ、揺らさないように手首だけで回転させる「ジョイコン回し」
いかに多く回転させられるか、最初の掴みかたから考え始めたゲームおじさん。そのうちに「ちょっと、もう1回やらせてくんない?」という声が出るように

もうひとつ盛り上がったゲームは「ライアーダイス」。

こちらはサイコロを振って合計の出目が大きい方が勝ちになるというものなのですが、Joy-Conを振ってサイコロを振ると、2個のサイコロの出目の合計数が“相手にだけ振動で伝わる”というもの。自分は相手の数だけがわかるので、相手の数が大きいとわかったら、トークで振りなおしを誘います。逆に、相手の数が小さいときは、トークで振り直さないように誘導します。

ちょっと文章で書くと複雑ですけど、ようするにサイコロ勝負で相手の数だけわかるので騙して、より小さい数に振り直させろ! というわけです。

最初は複雑さから要領を得なかったゲームおじさん軍団ですが、だんだんとコツがわかってくると、「これではとても勝てないと思うナー!?」とか、「いやーこれは、振り直したほうがいいでショ?(ニヤニヤ)」、「いーや、俺は振り直さない、これで行くね!」などなど、なんだか“ザワ…ザワ…”って効果音がどこからか聞こえてきそうなノリでひとしきり盛り上がりました。

ちなみにこの「ライアーダイス」、ゾロ目のときはボーナスで合計数が大きくなるので、2回振動したら1と1のゾロ目確定だったり、4回振動なら1-3、3-1、2-2の組み合わせなので1/3の確率でゾロ目、6回振動なら1-5、5-1、2-4、4-2、3-3で 1/5の確率でゾロ目……といったように、ゾロ目の確率把握からの読みが必要になってきたり、そこからの騙し合いが必要だったり。

最初は「えっらい地味なゲームだな!(笑)」なんて笑っていたゲームおじさん軍団も、だんだんと真面目に攻略を考えるように。地味ながら、なかなか奥の深いゲームになっています。

ダイス勝負をする「ライアーダイス」。自分は相手の数だけがわかるので、会話で相手をそそのかし、自分が勝てるように仕向けていきます

その後「ボンバーマンR」で4人対戦! Nintendo Switch2台での通信プレイで画面を2台使って、2人で1台使えるようにしましたが、それでも6.2インチのスクリーンにおじさんが顔を寄せ合ってプレイするような状態に。それでもやっぱり定番の面白さであり「あぶねッ!」とか「燃えろ○○さんッ!」とか、「死ねー! 死ねッ!」といった、物騒な声が響き渡る有り様でした。

……でも、ちょっと操作のレスポンスが気になるところがありますね。アップデートデータ配信等で改善できるのなら期待したいところなのですが。

一緒に遊ぶと盛り上がるゲームの定番「ボンバーマンR」。複数のNintendo Switchで通信プレイができるので、この日は写真のように2台を使っての4人プレイを楽しみました

最後はまったり「いっしょにチョキッと スニッパーズ」。1P、2Pの2人で違いの体をチョキッと切り、パズルで指定されたお題をクリアしていくというもの。こちらもプレイしている2人だけでなく、見ている人からも「これをこうしたらいいんじゃね?」とか、「違う違う、そこをもうちょっとさ!」などなどガヤが入ることで、より楽しくなるゲームでした。

Nintendo Switchを寝かせた状態でバッテリーを充電させつつ、「いっしょにチョキッと スニッパーズ」。まったりダラダラと、でもあーだこーだ良いながら楽しむのに良い感じ
「これはヤバい、いろんな意味で!」と大騒ぎだった「ぷよぷよテトリスS」のテーブルモード4人対戦。これはさすがに1人あたりの表示が小さくて、ゲームおじさんの眼やら首やらをノックアウトしていました。……2人ぐらいがちょうど良いですねー

というわけで、飲みの席で「Nintendo Switch」を遊んでみたわけですが。

コントローラーを握りしめ、同じ画面を見て、やいのやいのと騒いで遊ぶのは、ちょっとノスタルジックな童心に帰れる感じもありました。携帯ゲーム機を持ち寄って遊ぶのとはまたちょっと異なる、友達の家で同じ画面を前に遊んでいるかのような、そんな一体感があるんです。

これまでの任天堂さんの据置ゲーム機ですと、オンライン協力や対戦もありつつも“一緒に遊ぶ”も大事にされているという印象がありましたが、それは大人になって誰かの家で集まるという機会が減ると、なかなか難しかったんですよね。でも、オンラインでは味わえない“同じ場所、同じ画面を見て盛り上がる”というのは代えのきかないものでもあります。

「Nintendo Switch」は、それをとても手軽に、集まれる場所があるならだいたいできるというところまで実現していて、他のゲーム機にはなかったものがあるなと思えました。

これはぜひ、実践してみてもらいたいです。

ファミコン・スーファミ世代なら、ゲームの原体験みたいなものを思い出せるはず。

……飲み屋でゲーム好き女子にモテるためにNintendo Switchを持っていくみたいなアレな考えでもいいと思うので。(当然ですが、ゲームおじさん軍団よりも男女で盛り上がれた方が間違いなく楽しいですヨ!)

ではでは、今回はこのへんで。また来週。

[お詫びと訂正]
記事掲載当初、「ライアーダイス」の記述につきまして誤った内容を記載しておりました。ここにお詫びして訂正いたします。