レビュー
「がんばれゴエモン大集合!」レビュー。底抜けに明るい“ゴエモン節”! 令和でも輝きを失わない“がんばれゴエモン”体験
初移植「がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!」をプレイ
2026年6月26日 00:00
- 【がんばれゴエモン大集合!】
- 7月2日 発売
- 価格:5,478円
スーパーファミコンで1991年に発売された、和風で底抜けに明るい横スクロールアクションゲーム「がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻」。それが、筆者の初めての“がんばれゴエモン体験”だった。
どこかコミカルなキャラクター・ゴエモンとエビス丸が、所狭しと暴れ回る。横スクロールアクションとして見ると、まだ幼かった筆者には難易度が高く感じたが、それでも何度もプレイしたくなる魅力があった。
それから「がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス」、「がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め」、「がんばれゴエモン きらきら道中 僕がダンサーになった理由」……。当時の筆者と筆者の周りにいたあの頃のゲームキッズは、ゴエモンたちが作り出す、和風でポップな世界を駆け回るのが楽しみだった。
そんな「がんばれゴエモン」シリーズが、40周年を機に13タイトルをまとめたプレイステーション 5/Nintendo Switch/Steam用レトロゲームコレクション「がんばれゴエモン大集合!」として帰ってきた。
今回は発売に先駆けて本作をプレイできたので、13タイトルの中から2000年にゲームボーイカラーで発売された「がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!」をプレイしたレビューをお届けしたい。
「がんばれゴエモン!からくり道中」(1986)
「がんばれゴエモン2」(1989)
「がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル」(1990)
「がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻」(1991)
「がんばれゴエモン さらわれたエビス丸」(1991)
「がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝」(1992)
「がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス」(1993)
「がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め」(1994)
「がんばれゴエモン きらきら道中 僕がダンサーになった理由」(1995)
「それ行け♥エビス丸からくり迷路 消えたゴエモンの謎!!」(1996)
「がんばれゴエモン 黒船党の謎」(1997)
「がんばれゴエモン 天狗党の逆襲」(1999)
「がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!」(2000)
13タイトル、3つのハード、初移植4作品
まずは「がんばれゴエモン大集合!」の全体像を整理しておきたい。収録タイトルは1986年にファミコン用として発売された第1作「がんばれゴエモン!からくり道中」に始まり、2000年のゲームボーイカラー用「がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!」まで、14年間にわたるシリーズの歩みが1作に収まっている。
内訳はファミコンが4本、スーパーファミコンが5本、ゲームボーイ/ゲームボーイカラーが4本。ジャンルもアクションだけでなく、外伝シリーズのコマンド選択式RPGが2本に加え、エビス丸が主役のアクションパズルが1本と、「がんばれゴエモン」という看板の下にこれだけ多様なジャンルが同居している事実に改めて驚かされた。
そしてなにより注目すべきは、今回初めて現行機に移植される4作品の存在だ。「がんばれゴエモン きらきら道中 僕がダンサーになった理由」「それ行け♥エビス丸からくり迷路 消えたゴエモンの謎!!」のスーパーファミコン用タイトル2本と、「がんばれゴエモン 天狗党の逆襲」「がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!」のゲームボーイ/ゲームボーイカラーの2本が初移植となっている。
これらのタイトル全てが、ミスをしてもすぐにやり直せる「巻き戻し」や、いつでもセーブ&ロードできる「クイックセーブ/ロード」といったサポート機能付きで遊べるようになるのだ。また、一部タイトルでは、ゲーム速度をアップさせる「ターボ」や、ボタンを連射する機能も備えている。
この事実の羅列だけでも、当時「がんばれゴエモン」を追いかけていた世代にとっては本作がどれだけ待ち望まれていた作品なのかがわかる。
GBC用「星空士ダイナマイッツあらわる!!」初体験記
本稿でメインに取り上げる初移植4作品のひとつ、ゲームボーイカラー用「がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!」は、筆者にとって文字通り初体験のタイトルだった。
2000年に発売された本作は、まずストーリーの導入からして、「がんばれゴエモン」らしさ全開だ。江戸の上空に突如現れた巨大なUFOから姿を見せたのは、謎の宇宙人「星空士ダイナマイッツ」。地球征服を高らかに宣言し、配下のからくりネコ軍団を使って日本各地を荒らし始める。
一方のゴエモンはというと、南国で開催中の「日本小判投げ選手権」に出場中。エビス丸は雪国の「全国うまいもの早食い大会」の真っ最中。楽しみにしていた大会がダイナマイッツの襲来のせいで中止に追い込まれ、ブチ切れたゴエモンとエビス丸がそれぞれの旅先から敵を追いかけ始める。このスタート地点からして、シリーズ特有のコミカルさが炸裂している。世界征服の危機なのに動機が「大会を返せ」なのだから。この温度感がゴエモンでなくてなんなのか。
ゲームの構造を見ていこう。本作はスーパーファミコン用「がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス」のシステムを踏襲したエリアマップ式の横スクロールアクションだ。マップ上に配置されたステージを順にクリアして通行可能エリアを広げていく構成で、各エリアには町ステージ・道中ステージ・拠点(ボス)ステージが配置されている。
ただし、ハードの世代差は感じる。ゲームボーイカラーの画面の解像度はスーパーファミコンに比べればかなり窮屈だし、ゲームボーイカラーには十字キーとABボタン、スタートボタンとセレクトボタンしかない。ハード自体のスペック差もあり、簡略化せざるを得なかった要素が多くあるのは事実だろう。だが、そうした弱点を受け入れながら、本作はゴエモンらしさを強く感じさせる作品に仕上がっていた。
キセルやコテで敵を張り倒しながら、足場をジャンプで繋いでいく。砂漠、地底、凍てつく洞窟まで、バラエティに富んだステージ構成はよく練られている。ひとつひとつの操作から返ってくる手応えが、スーパーファミコンの「奇天烈将軍マッギネス」で覚えたゴエモンのそれと、確かに地続きである。限られたドット数の中に、シリーズの骨格がきちんと残っているのだ。
ゲームを進めていくと、途中からゴエモンとエビス丸のキャラクター切り替えにも対応するようになる。スーパーファミコンシリーズで確立されたキャラクターごとの役割分担が、ボタン数の少ないゲームボーイカラーでもきちんと成立していることに驚かされた。
さらに本作は、王道の横スクロールアクションだけに留まらない。強制縦・横スクロールのシューティングパートも盛り込まれており、サスケとヤエがそれぞれ専用ステージとして登場する。横スクロールアクションの合間にシューティングが挟まることで、ゲーム全体のリズムに変化が生まれる。
ステージの構成がやや長めで、中間セーブポイントも少ないため、ミスをしたときのやり直しが少し大変に感じる場面もあった。だが、巻き戻し機能があるので、サクッと巻き戻してリトライできるのはありがたい。
そして本作最大の驚きが、携帯機にもかかわらず本格的なゴエモンインパクト戦が搭載されていることだ。巨大メカ同士のド派手な殴り合いが売りだったゴエモンインパクト戦を、ゲームボーイ/ゲームボーイカラーの限られたハードスペックの中でしっかり成立させているのは、かなりのチャレンジ精神を感じる。
シリーズファンにとってインパクト戦はゴエモンの代名詞のようなものだが、ゲームボーイ/ゲームボーイカラーでこれを再現するのは技術的にも相当な挑戦だったはずだ。「ゴエモンインパクトを操って巨大な敵と殴り合う」というコアな部分はきちんと再現されている。携帯機でここまでやったのか、と率直に感心させられた。
また、ステージ中に流れるBGMも非常に良かった。本作のBGMには、過去のシリーズ作品の楽曲のアレンジが含まれている。聴き覚えのある和風ポップな旋律。“ゴエモン節”とも言えるあの特徴的なメロディは健在だった。
ゲームボリュームとしてはコンパクトだ。町なども含めると、全21個のステージで構成されており、SFC作品のようなどっしりとした長尺ではない。だがその中には、横スクロールアクション、シューティング、インパクト戦と、バリエーション豊かなゲーム体験を詰め込んでおり、プレーヤーを飽きさせない。
「がんばれゴエモン大集合!」をプレイすることで、これまで知らなかったゴエモンに会えたこと。そして、それが「ちゃんと『がんばれゴエモン』だった」こと。それは、数十年の時を経た今、感じた再会の喜びだった。
スーパーファミコン黄金期の手触りを、今のハードで
次に向かったのは、筆者が夢中になったスーパーファミコン時代のタイトルの棚だ。「がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻」のタイトル画面を見た瞬間、まだ幼かった筆者にアクションゲームの面白さを叩き込んでくれた記憶が蘇る。
再プレイしてみると、当時よりもゲームが上手くなったおかげでスムーズに進める部分も増えた。それに加えて、巻き戻しのサポート機能により、さらに進めやすくなった。ボスとの戦闘中でも仕切り直せる安心感は、あの頃クリアできなかった悔しさ、このステージの先が見たいという気持ちを、今度こそ叶えてくれる。同じ悔しさを持っていた我々と同世代のファンには強く刺さるはずだ。
そこから続くSFCのシリーズ作品「奇天烈将軍マッギネス」、「獅子重禄兵衛のからくり卍固め」、「きらきら道中」……あの時夢中になったゴエモンたちの世界。それを今改めて最新ハードでプレイしているのは、長く会えていなかった旧友と出会い、当時の思い出を語り合い笑い合っているような、懐かしさと嬉しさがあった。
細かな世代や思い入れのあるタイトルの差はあれど、当時のゲームライフの一部をゴエモンたちと駆け抜けたファンなら、その懐かしさと嬉しさは強く感じられるだろう。
40年分のゴエモンが、変わらないテンションで待っている
本作は、「がんばれゴエモン」シリーズ40周年の歴史の中で、平成が幕を上げる80年代後半から90年代にかけて、テレビの前に座りゴエモンやエビス丸と駆け回った世代には、ドンピシャのタイトルだ。それが各種サポート機能で遊びやすく蘇る。これほど嬉しいことはない。
確かに、今作ではNINTENDO64や、プレイステーション世代のシリーズに触れることはできない。だが、13タイトルを収録し、初移植4作品込みというボリュームは、コレクションとして十分に誠実だと感じる。そして、巻き戻しやクイックセーブといったサポート機能は、難易度の高さで当時断念したプレーヤーに「もう一度」を言わせる力がある。
当時を知るゲーマーには、それぞれのお気に入りのタイトルから、シリーズを知らない人はピンとくるタイトルからプレイすれば、軽快で、ポップで、底抜けにハッピーな江戸を舞台にした物語が、数十年の時を経ても当時と変わらないテンションで受け入れてくれる。令和になっても「がんばれゴエモン」シリーズが提供してくれる輝きは一切失われていなかった。
(C)Konami Digital Entertainment
















































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