レビュー
「CODE VEIN II」レビュー
美しいビジュアルで描かれる、心をえぐる物語。バディと旅するソウルライク風アクションRPG
2026年1月27日 10:00
- 【CODE VEIN II】
- 通常版:1月29日 発売予定(Steam版は1月30日)
- 価格:通常版 8,910円(Steam版はオープン価格)ほか
1月29日に発売される、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/Steam用ドラマティック探索アクションRPG「CODE VEIN II(コードヴェイン2)」。本作は前作「CODE VEIN」から実に6年ぶりのシリーズタイトルとなり、随所に前作にないパワーアップが見受けられる作品となっている。
シリーズの特徴にもなっている「“ソウルライク系ゲーム”のテイスト+アニメ調グラフィックのキャラクターによって描かれる重厚なストーリー」に磨きをかけながら、今作では自らゲームジャンルとして謳っている“ドラマティック探索アクション”の要素に凄まじい熱量を感じることができた。
相変わらずキャラクターのビジュアルとクセが強かったり、“死にゲー”初心者にオススメできる要素が多かったりと、本作の味とも言える魅力を多く確認できたので気になる人はぜひ本記事をチェックしてほしい。
なお、本編ストーリーについて一部ネタバレも含んでいるため注意してほしい。
吸血鬼のバディたちと時を超えて世界を救う物語
本作は「リンネ」と呼ばれる変質現象により文明が崩壊しながらも、吸血鬼と人間が共存することで滅びを免れている世界が舞台となる。
突如として現われた、吸血鬼を化け物に変化させる「渇望の月」の影響で滅びの一途を辿っている世界で、主人公は「時間を超える力」を持つ吸血鬼の少女「ルゥ」と共に世界の崩壊を防ぐために動き出す。
現代と100年前の世界を行き交いながら様々なキャラクターと交流し、“時間”が織りなす多くのドラマを経て“バディ”と共に世界の終わりと謎に立ち向かっていくのだ。
公式YouTubeチャンネルにて本作の世界観を感じられるストーリートレーラーが公開されているのであわせてチェックしてほしい。
次に冒頭のストーリーに沿ってゲーム全体の流れを合わせて紹介しよう。
主人公(プレーヤー)は任務中に命を落とした吸血鬼ハンターで、物語は主人公を蘇生させるために「ルゥ」から心臓の半分をもらうというエキサイティングな展開で幕を開ける。
主人公は文字通り一心同体となった「ルゥ」に導かれるまま彼女と行動を共にする事になる。
「ルゥ」が所属する人類の救済を掲げる組織「マグメル」の長である「ラヴィニア」と出会った主人公は、世界の現状について説明される。
彼女曰く、今の世界を救うためには、100年前に「リンネ」をその身に取り込み自ら封印される事で一時的に世界を救った英雄たちの封印を解き、限界を迎える前にその英雄の命を奪う必要があるという。
そして封印を解く方法は現代には存在しないため「ルゥ」の「時間を超える力」で過去の世界に飛び、封印を解除できる方法を探るのだ。
主人公は手始めに「ルゥ」の力を安定させる「術式」を求めて「100年前のマグメル」へとタイムスリップし、英雄たちの命を奪う旅路が本格的に動き出す。
本作のストーリーで非常に“味”を感じる部分はタイムスリップが巻き起こす数々の展開だ。その傾向は最初の行き先である「100年前のマグメル」の段階から存分に発揮される。
100年前のマグネルは吸血鬼の力の具現化である「術式」を研究する機関となっており、世界も現代ほど衰退していない影響で、良くも悪くも“現代よりは”活気のある世界なのだ。
そこで出会い、交流を深める仲間たちのエピソードの数々が、この作品の方向性を強くプレーヤーに示してくれている。
例えば最初のバディとして道中を共にする「ノア」。現代では石像となってしまっている人物だ。
過去への干渉は未来を変えて世界の崩壊を招きかねないので「ラヴィニア」に禁止されているのだが、「ルゥ」の術式を探す旅の中で主人公たちは「ノア」が石像になった原因と思われる「マグメル襲撃」のタイミングに出くわす。そして結果的に主人公と「ルゥ」は自分の意思でその禁を破り「ノア」を救う形で未来を変えてしまう。しかしながら、作品全体の空気感として“未来をむやみに変える行為に否定的な雰囲気”を出しているのが特徴的だ。「ノアを救えて良かったね!」という空気にはならないのである。
ゲーム中には、様々な場面で過去を変えられるタイミングが存在し、キャラクターの生死が絡む過去改変を行なうかどうかはプレーヤーに一任される場合も多いのが本作の面白いポイントだろう。
過去を変えると現代にも変化が現われるのがタイムスリップ物のお約束。だが、普通のタイムスリップものと異なり、仲間が長命の吸血鬼なので、100年後の未来でもそのままの姿で「おっ久しぶり~!」くらいのノリで接してくるところに本作独自の世界観を感じられた。
本来石像になっていた「ノア」を救出したことで100年後の現代でも彼と再会することができたり、100年前に術式開発を手伝った職人たちから主人公へ贈り物があったりなど、時を超えた人間ドラマを垣間見られるのも本作の魅力だ。
物語を進めると自由に過去の時代に飛べるようになるのだが、同じ人物でも全ての事情を知っている現代と救出された直後の過去世界では会話内容やキャラクターの雰囲気が異なるなど、細かいキャラクター描写の違いにも力が入っている。
通常のタイムスリップものとは異なる、本作独自の世界観を活かした様々なシチュエーションが用意されているのだ、
“クセ”が詰め込まれたキャラクターたち
そして物語を彩るキャラクターたちがとにかく魅力で溢れているのも本作の大きな強みだ。
まず相棒となる「ルゥ」の段階から“クセ”が詰め込まれた可愛さをしている。現代のトレンドでもある「太ももは太ければ太いほど良い」を体現したようなご立派すぎる下半身は全体的なビジュアルの高さと相まって非常に目の保養となるだろう。
性格面でもパッと見は感情の起伏が薄いクール系のキャラクターのように見えて、旅の随所で可愛らしい一面を覗かせる場面が沢山用意されているのが嬉しいところ。
バイクで相乗りしている際にポロっと感傷を漏らしたり、他のキャラクターと仲良くする主人公にどこか不満げな表情を見せたりと、味わい深いキャラクターとなっている。
主人公が背中を預ける他の仲間たちも非常に濃いキャラクター性を持っている。
100年前のマグメルで出会う「ノア」と「ヴァレンティン」は男でも惚れるビジュアルの良さに加えて、野犬のような性格の「ノア」と学者肌の「ヴァレンティン」が親友のような関係性な所に凄まじい“クセ”を感じる事ができる。
現代マグメルを統括する「ラヴィニア」は、野望も身長もスケールが大きすぎて驚くし、後に仲間になる「ジョゼ」は全体的にスケールが小さいのに「姉御肌で料理好き」みたいな見た目とは反対の特性を持っていたりなど、出てくるキャラクターがクセのバーゲンセール状態である。
それでいて登場キャラクターの多くが悲しい過去・結末を迎えるようなパターンも多い。感情を大きく揺さぶられる場面も多く、プレーヤーが直接物語に干渉できるタイミングも多いので非常に高い没入感が生まれている。
サブイベント等でキャラクターの掘り下げが行なわれたり、フォトモードで自由なタイミングで撮影が行なえる等、キャラゲーとしての魅力も存分に詰まっているのも本作の魅力と言えるだろう。
“死にゲー”初心者でも楽しめるアクション&ビルドシステム!
続いて本作のシステム周りについて紹介しよう。
ゲームの基本はいわゆる“ソウルライク系”のシステムを踏襲した内容となっており、アクションのプレイ感も同タイプのゲームを触った事のあるプレーヤーならすぐに理解できる内容となっている。
ダンジョン攻略もリスポーン地点となる「ヤドリギ」を解放しながらの探索、敵からのダメージ量や即死スポットのパターン、“死にゲー”としてのボス難易度など、“ソウルライク”と聞けばイメージがしやすい高難易度の作りとなっていた。
プレーヤーの攻撃方法は装備した各武器による通常アクション、武器ごとに4つ装備の付け替えが可能な「術式(スキル)」、吸血が行なえる「ジェイル」による攻撃、専用の武器を召喚して強力な攻撃を行なう「伝承術式」の4つだ。
ゲーム全体を通して「術式」系統のスキルを発動させるには「イコル」を消費するのだが、「ジェイル」による吸血攻撃や敵を「ブレイク」状態にした際に行なえる「特殊吸血」など“吸血アクション”を行なう事で回復できるようになっている。
この「術式」と「吸血」のサイクルをどれだけ上手くバトル中に組み込み、ダメージ効率を上げられるかが本作のバトルにおいて重要な要素だ。
攻撃アクションに関連した全ての要素はプレーヤーがカスタマイズできるので、選択肢の多い自由なバトルアクションを楽しむ事ができるだろう。
ソウルライク味が強いとはいえ、本作独自のゲーム性も多数用意されているので安心してほしい。
まず大きな要素となるのが「バディ」の存在だ。前作「CODE VEIN」から続投となるこのシステムがさらに進化している。
「バディ」はゲーム中に契約を結んだ吸血鬼と行動を共にできるシステムとなっており、バトルの際に協力して敵と戦うことが可能だ。
単純に戦力が2倍になるだけでなく、敵の攻撃が「バディ」に向かっているタイミングは隙だらけになるので攻撃チャンスが増えるなど本作独自の戦略を楽しめる要素となっている。
また本作では新たにバディを「憑依」させるシステムも登場。文字通りバディをその身に取り込み「憑依」させることで、主人公のステータス上昇やスキルを付与でき、1人で無双したい場合や敵の攻撃を自分に集中させたい時などに重宝するアクションとなる。
上昇するステータスやスキルの恩恵はバディに選んだキャラクター毎に異なるので、状況に合わせたバディの選択がさらに1段階奥深くなったと言える。
バディの変更は各リスポーン地点でしか行なえないが、「召喚」と「憑依」はゲーム中にいつでも切り替えられるため、状況に合わせたバディとの連携を楽しむことができる。
ボス戦の難易度は“死にゲー”なだけあり、非常にやり応えを感じられるゲーム性となっている。
筆者はそこまでアクションが上手くない部類だが、本作のアクション性に慣れるための最初の難関となっている「喪神の襲撃者」に3時間以上費やしたレベルだ。
各章の大ボスはもちろん、道中やサブダンジョンで遭遇するボスにも初見殺し性能が多分に含まれているので“ソウルライク”らしいやりごたえを十分に楽しめるだろう。
とはいえその中でもゲームシステムを上手く使えば戦いを有利にできる仕掛けが数多く見受けられた。
例えば「バディ」に前線を思い切り任せて自分は後ろからひたすら遠距離攻撃を行なうスタイルだったり、敵が「ブレイク」状態になって弱点が露呈している時は「憑依」して一気にダメージを稼ぐなど本作らしい立ち回りである程度突破が容易なのだ。
「術式」によってはボスに対して特攻となる動きが可能なものも存在するので、試行錯誤する面白さはしっかり残っている。
キャラクターのビルドシステムも独自の路線を突き抜けているので紹介したい。
主人公を強化する上で重要となるのがバトルスタイルの指針を定める「ブラッドコード」の存在だ。
「ブラッドコード」は吸血鬼から授与される装備品のようなもので、それぞれ固有の特殊能力を持ちながら主人公の基本防御性能や「イコル」の総数などを決める重要なアイテムとなっている。
また主人公のアクションに関わってくる6つの能力値を担うアイテムにもなっており、この能力値を参照して装備可能な武器やアイテムをチョイスしていくのが本作の基本となる。
大剣なら「腕力」、片手剣なら「器用」、ルーンブレードなら「精神」といった具合に要求される能力値の箇所や大小は武器によって異なり、この能力値をオーバーするように装備をチョイスしてしまうと「過剰負荷効果」というデメリットが発生する仕組みになっている。一例を挙げれば「腕力が足りてないとスタミナを通常より多く消費する」といった具合だ。
これらを総合的に判断して自分のバトルスタイルに見合う「ブラッドコード」をチョイスしてくのが本作のカスタマイズ要素として非常に面白いポイントだ。
「ルゥ」のブラッドコードなら「精神」が高く特定の攻撃に「スロウ」効果を付与、「ノア」のブラッドコードなら「器用」が高く致命的な一撃を受けても体力を1残せる、といった感じで「ブラッドコード」毎の特色もかなりハッキリ分かれている。
加えて各ステータスを補強できる「ブースター」という装備品も存在しているので、弱点を克服する使い方もできれば長所を伸ばすビルドも可能と自由度はかなり高い。
従来の“ソウルライク系”タイトルではステータスの割振り等で行っていたこのビルド要素を、本作では「ブラッドコード」に簡略的な形で集約していると捉える事もできる。
利点としては「ブラッドコード」や装備品を変更するだけでいつでもどのタイミングでも様々なバトルスタイルに変化させて遊ぶことができ、逆に「ブラッドコード」を活かすような形でカスタマイズを考えられる点などは本作独自の面白さだろう。
「ドラマティック探索アクション」の名に恥じない冒険要素!
本作で一番驚いた進化ポイントは探索要素の拡大だ。より広大な世界を自由に探索できるようになっており、移動方法として「バイク」が新たに登場している。
メインシナリオを進める道中で立ち寄れるサブダンジョンのようなスポットも多く、クリアすれば強力なアイテムの入手や一定エリアにバフ効果を付与するフィールドパワーが解放されるなど恩恵も大きい。
各キャラクターのサブクエストでは、メインシナリオで立ち寄らなかった場所にも頻繁に赴くことになるので、“世界を冒険している”という感覚が絶大にパワーアップしているのだ。
何より、バディとバイクを相乗りして、荒廃した世界を自由に爆走するだけで抜群のロケーションを楽しめるのが素晴らしい。相乗りした際のセリフやバイクの乗り方はキャラクター毎に特徴が出ており、その差分やシチュエーションを網羅するだけでも十分に楽しめるだろう。
PVなどを見て推しキャラが見つかったプレーヤーはぜひ本作でツーリングを楽しんでほしい。
プレーヤーの心に残る英雄たちの苦悩・決断・別れ
最後に筆者が本作にどっぷり浸かるきっかけとなったエピソードを紹介したい。
封印された英雄の命を奪う旅路の中で最初に立ち向かうのが英雄「ジョゼ」のエピソードなのだが、初っ端から中々にハードな展開がお出しされる。
「ジョゼ」の封印を解く手がかりを求めて「ジョゼ」の生きた時代にタイムスリップした主人公は紆余曲折を経てなぜか「ジョゼ」本人とバディを組み、なんなら仮とは言え許嫁という立場まで獲得することになる。
サッパリとした性格の彼女と良い感じの関係になるにつれて、次第に「えっ現代では俺この人を殺さないといけないんだよね……?」という一抹の不安を抱えながらストーリーを進める羽目になるのだ。
不安を抱えながらもストーリーを進めていると、嬉しくも最悪なことに「ジョゼ」という人物が丁寧に掘り下げられていく。
現代で彼女が封印に至ってしまった経緯、自身の命のリミットの中で街の人々を救いたい彼女の情熱、自分のせいで犠牲になってしまった妹への贖罪など……これでもかというほどプレーヤーに「ジョゼ」を好きになってもらうストーリーが挟まれるのだ。
最終的に主人公は街の水質汚染の原因となっていた「リンネ」を撃破し彼女の願いの1つを叶えることに成功するのだが、その信頼の証として受け取った武器が封印を解く鍵となることが発覚し現代に戻らなければならなくなる。
薄々ながらずっと一緒には居られないことを察していた「ジョゼ」との別れのシーンは、バディとしての信頼と彼女の優しさを感じられて非常に心にくるものがあった。
その上で、現代に帰って待ち受けているのは「リンネ」を取り込んでバケモノへと姿を変えてしまった「ジョゼ」と、その存在を断ち切らねばならない主人公の運命である。悲しすぎる……。
過去で「ジョゼ」と主人公が接触したことで、これまでの現代より多少明るい世界になっていながらも、根本的な部分となる「ジョゼ」が封印されてしまう結末自体は変えられていないのだ。
対峙した「ジョゼ」は主人公が消えてから100年の間に発生した悲しみと怒りに満ちた人生の影響でバケモノ状態でも視力を失っており、悲痛な叫びを上げ続けるだけの存在と化している。
戦いの最中、対峙している存在が主人公と気付いてしまった「ジョゼ」は自分を止めてほしいという願いと最後に主人公と出会えて嬉しかったという2つの感情を見せながら暴走。決着後、バケモノの姿ながら最後に主人公を抱きかかえるように消えていった「ジョゼ」の姿を見て、筆者は本作の方向性をハッキリ理解できたと感じている。
ボス戦後にこの結末を変えるには「ジョゼ」との縁を活性化させる何かを探し出して再び歴史を辿る必要があると語られるが、この運命を変えるかサブクエストを行なうかはプレーヤーの選択次第となっている。
記事冒頭でも取り上げた通り、本作はゲーム全体を通して“未来を無暗に変える行為に否定的な雰囲気”を出しているので運命を捻じ曲げてもいいのか非常に悩ましい選択を迫られるのだ。
プレーヤーの心情的にも「好きなキャラは助けるに決まっているだろう!」という派閥と、「ジョゼの人生を自分の都合で好き勝手にいじるのはよくない」という派閥に分かれる部分だと思うので、この選択をプレーヤーに委ねるゲーム性は非常に面白い采配だと思う。
本作の物語が刺さる人にはとことん刺さる“攻めたテイスト”である事がわかるだろう。
今回は「CODE VEIN II」のレビューをさせてもらったが、前作以上にソウルライク味を感じるダークテイストの中に“キャラゲー”としての要素を上手く取り込めている作風だったと感じている。
アクション面や探索面も飛躍的にパワーアップしていて爽快感が強く、“死にゲー”としてはカスタマイズ次第で初心者にもオススメできるレベルにカジュアルだったのも好印象だ。
様々なプレイヤーへのフックとなる要素が多い作品なので、ぜひ気になった人はプレイしてみてほしい。
CODE VEIN TM II & (C)Bandai Namco Entertainment Inc.




















































































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