レビュー

Switch2版「FF7リメイク インターグレード」レビュー

Switch2でクラウドたちの物語を持ち運べる時代が到来! ミッドガルの美しさに改めて感涙

【ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード】
1月22日 発売予定
価格:
パッケージ版 5,478円
ダウンロード版 5,478円
デジタルデラックスエディション 7,101円

 スクウェア・エニックスより、「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」(以下、「FF7リメイク インターグレード」)が、Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Windows向けに1月22日に発売される。価格は5,478円より。なお、パッケージ版はSwitch2版のみの展開となる。

 1997年に初代プレイステーションで発売され、世界中のゲーマーを虜にした伝説のRPG「ファイナルファンタジーVII」(以下、「FF7」)。そのフルリメイクプロジェクト第1作目として2020年に発売された「FF7リメイク」は、単なるグラフィックスの向上にとどまらず、コマンドバトルとアクションの融合、キャラクターの深掘りによって、新たな傑作として生まれ変わった。

 本稿では、Switch2版を先行してプレイできたので、Switch2という携帯機で遊べることの意義、そして筆者の溢れんばかりの愛を、文字数の許す限り語っていきたい。まだ本作に触れたことがない人はもちろん、既にPS4/PS5版を遊び尽くしたという歴戦のソルジャーたちも、ぜひお付き合いいただきたい。

使用しているスクリーンショットは注釈がない限りSwitch2版のものとなる
【『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』 発売日発表トレーラー |Nintendo Switch 2 版 / Xbox Series X|S版】

「FF7」についておさらいをしておこう

 「FF7」は1997年にプレイステーション用ソフトとして発売され、世界累計1,000万本以上の販売を記録したRPG。「FF7リメイク」はそのフルリメイク作品として、2020年4月10日にPS4で先行発売された。(三部作のうちの第一部となる)

 さらに、2021年6月10日にはPS5版本編とユフィの新規エピソードを追加した「FF7リメイク インターグレード」が発売に。後にPC向けにも発売された。

 今回はその「FF7リメイク インターグレード」をより多くのプラットフォームで遊べるようにするもので、Switch2などの3ハード向けにリリースされる。

Switch2版のスクリーンショット
ほぼ同じアングルで撮影したPS5版の写真との比較。さすがに並べてみると解像度や明るさなどに多少の差はあれど、Switch2でも十分プレイに支障のないクオリティのグラフィックスを維持している

このクオリティは事件だ。Switch2が映し出すミッドガル

 まず特筆すべきは、やはりSwitch2での動作パフォーマンスとグラフィックスだろう。公式情報によると、Switch2版は30fpsでの動作となる。これはPS4版と同等の仕様だが、決して侮ってはいけない。最新の携帯ハードであるSwitch2のスペックを活かし、ライティングやテクスチャの表現はPS4版を凌駕するクオリティに仕上がっているという。

 筆者はPS5 Proにて60fpsで動作する「FF7リメイク インターグレード」も体験しているが、RPGにおいて30fpsは決してマイナス要素ではない。もちろんfpsは高いほうが望ましいかもしれないが、むしろ映画のような重厚な手ごたえと、安定した描画が約束されているのであれば、プレイへの没入感は一切削がれないと言っていい。何より、「あのグラフィックスが手のひらサイズに収まっている」という事実に感動を覚えるはずだ。

見よ、このクラウドの凛々しさを。Switch2でこのクオリティのRPGが全く問題なく動くことに、ただひたすら驚愕するばかりだ

 魔晄炉から立ち上る怪しげな蒸気、スラム街の雑多で生活感あふれる路地、神羅ビルの冷徹なまでの金属光沢。それらすべてが、高精細なSwitch2のディスプレイの中で息づく。

 特に注目したいのは、キャラクターの表情だ。クラウドの憂いを帯びた瞳、ティファの真っ直ぐな笑顔、バレットの暑苦しくも頼もしい叫び。それらは彼らがそこに実在しているかのような親近感を覚えることになるだろう。

ティファ。とにかく可愛いとしか言いようがない。可愛い
バレットはフルボイスになったことで一層キャラが立ったと言えるひとりだ。ぜひまだプレイしていない人はバレットに注目してほしい。ウザいのだがそこに思わず笑ってしまうという、そんなキャラクターだ

 「FF7リメイク」は、カットシーンとゲームプレイがシームレスに繋がる演出が特徴だが、携帯モードでプレイすることで、その没入感は「観る」から「体験する」へと、より高次元なものへと昇華されたように感じた。これは、据え置き機の大画面とはまた違った、贅沢な体験だ。

「FF7」の記憶を鮮やかに上書きする、ドラマティックな物語

 改めて、「FF7リメイク」で描かれる物語について触れておこう。本作は、原作「FF7」の序盤にあたる「ミッドガル脱出」までを、驚異的な密度で再構築した作品だ。「分作の1作目? ボリューム不足なんじゃないの?」と未プレイの方から、そんな声が聞こえてきそうだ。だが、断言しよう。その心配は杞憂である。

 原作では数時間で駆け抜けたミッドガルが、本作では一本の長編RPGとして成立するほどのボリュームと深みを持って描かれる。星の生命エネルギー(ライフストリーム)である魔晄を独占する巨大企業「神羅カンパニー」と、それに反抗する組織「アバランチ」。

 主人公クラウドは、神羅の元ソルジャー・クラス1stという経歴を持つ傭兵として、アバランチの作戦に参加する。「興味ないね」という言葉を口癖のように言い放ち、他者との関わりを拒絶していたクラウドが、仲間たちとの戦いを通じて、少しずつだが心を開いていく過程があまりにも丁寧に描かれる。

 特に筆者が推したいのは、アバランチのメンバーであるビッグス、ウェッジ、ジェシーの3人だ。原作では脇役だった彼らに、本作ではしっかりとしたバックボーンとエピソードが用意されている。実家の母親の手料理を懐かしむジェシー、猫を愛する気弱なウェッジ、冷静だが仲間思いのビッグス。彼らがただのテロリストではなく、それぞれの生活と守りたいものを持った「人間」として描かれることで、物語の重厚さが何倍にも増している。彼らと共にミッドガルの上層プレートを見上げ、スラムの酒場で語り合う時間は、何気ないようでいて、かけがえのない思い出となる。だからこそ、その後に訪れる運命が、より一層胸に刺さるのだ。筆者は何度プレイしても、七番街プレートの攻防戦で涙を堪えることができない。

アバランチのメンバーのひとり、ジェシー。彼女は本作でティファ、エアリスに続く「第三のヒロイン」とすら呼べる地位を確立する

 そして、ヒロインたちとの関係性も見逃せない。幼馴染としてクラウドを気遣い、健気に支えるティファ。不思議な力と積極的な行動力で、クラウドを振り回しながらも導くエアリス。彼女たちの魅力が、最新のグラフィックスとボイスによって描かれている。

 ティファのちょっとした仕草や視線の動き、エアリスの言葉の裏に隠された意味深なニュアンス。それらを携帯モードでもじっくり観察できるというのは、ある意味でSwitch2版最大の特権かもしれない。

 個人的には、チャプター9のウォール・マーケットでの一連のイベント(特にクラウドの女装)は必見だ。あのハチャメチャな展開が美麗なグラフィックスで繰り広げられるシュールさと興奮は、筆舌に尽くしがたい。

クラウドのダンスシーンは必見!
ウォールマーケットの重鎮のひとり、アニヤン。彼とクラウドのダンスシーンで流れるBGM「STAND UP!」も素晴らしいBGMのひとつ
クラウドの女装はもちろん、各種ヒロインもこれまでのクラウドの行動によって衣装が3パターンの中から変化するので、全員の各衣装をコンプリートしてほしい

アクションとコマンドの至高の融合! 戦略性が光るバトルシステム

 「FF7リメイク」を語る上で欠かせないのが、完成されたバトルシステムだ。「アクションは苦手……」、「昔ながらのコマンドバトルが好きだった」という往年のファンも安心してほしい。本作のバトルは、アクションの爽快感とコマンドバトルの戦略性が見事に融合している。

 基本はアクションで、移動、攻撃、回避、ガードをリアルタイムで行なう。攻撃を当てたり時間が経過したりするとATBゲージが溜まり、ゲージを消費して強力なアビリティや魔法、アイテムを使用するコマンドバトルへと移行する。 この「コマンド選択中」は時間がスローモーションになるため、焦ることなくじっくりと戦況を見極め、次の一手を考えることができるのだ。つまりアクションの操作感と、司令塔としての判断力を同時に楽しめる。

 敵には「バーストゲージ」があり、弱点を突いたり特定の攻撃を当てたりすることでゲージが溜まっていく。ゲージが最大になると敵はバースト状態となり、一定時間無防備かつ大ダメージを与えられるチャンスタイムとなる。いかに効率よくバーストさせ、そこに最大火力を叩き込むか。この駆け引きが最高に熱い。

敵の大攻撃を瓦礫の影に隠れてやり過ごす、といったような戦闘ギミックもあるので油断はできない

 そして、操作キャラクターの切り替えが極めて重要だ。クラウドは大剣による近接攻撃、バレットは遠距離射撃、ティファは素早い格闘、エアリスは魔法攻撃と、それぞれ明確な役割がある。空を飛んでいる敵にはバレット、動きが速い敵にはティファ、魔法が弱点の敵にはエアリス……と、状況に応じて瞬時にキャラを切り替え、連携して戦う感覚は、まさに全員で戦っているという実感を与えてくれる。

 もちろん、難易度設定も充実している。 ストーリーを楽しみたい人向けの「EASY」、標準的な「NORMAL」に加え、アクション操作をオートに任せてコマンド選択に集中できる「CLASSIC」モードも搭載。「CLASSIC」モードなら原作に近い感覚で、現代のグラフィックスによるド派手なバトルを楽しむことができる。アクションが苦手な人への配慮も完璧だ。

 逆に、歯ごたえを求める人には、クリア後に解禁される「HARD」モードが待っている。アイテム使用不可、MP回復手段の制限など、極限の縛りの中で戦うこのモードは、バトルの理解度を試される至高の遊び場だ。筆者も過去に「HARD」に挑戦したものの、ヘルハウスやエアバスターなどに何度も床を転がさせられたが、それも今となっては良い思い出……いや、トラウマだ。

新モードでより遊びやすく!

 しかし、そんな辛酸を舐めたのも、本作では高笑いに変わる新モードが追加される。

 それが「ゲームブースト設定」だ。これは「常にHP/MP最大」、「常にリミットゲージ最大」、「常にATB最大」、「常にダメージ9999」など、ゲームを楽に進めるための新機能で、PS5版など既存のプラットフォーム版にも1月22日にアップデートで実装されることになっている。

どのブーストを使用するのかを自分でON/OFF自由に設定できる

 さらに昨年追加された「強くてニューゲーム」モードとこれらを組み合わせることで、より一層ゲームを楽に進められるようになっており、「アクション苦手」勢はもちろんのこと、「もう何回もプレイしたけれどまたストーリーを見直したい」というような場合にもぴったりなモードだ。

 ……とは言え。一応「FF7リメイク」を10周ほどプレイした筆者の意見としては“初見プレイ時にはあまりブースト機能を多用しないほうが良い”というのが結論である。

 先ほどヘルハウスの話をちらりとしたが、ヘルハウスは筆者の「FF7リメイク」プレイ時の最大のトラウマで、初見時にはなんと30分近く(しかも難易度EASYで)も戦った。「倒せない……強い……硬い……しんどい……」それがヘルハウス戦の思い出だ。

ヘルハウス戦。なまじリアルなだけに絵面がシュールで笑えるのだが、笑えるのはこの一瞬だけでバトルが始まるとその表情が強張りへと変わる

 筆者は今回「強くてニューゲーム」でプレイしており、クラウドのレベルはこの時点で47。(レベル50がMAX)ヘルハウスに攻撃を数発当てるだけでフェーズが進んでいってしまう。楽だ、あまりにも楽すぎる。あのヘルハウス戦が5分もかからずに終わってしまった。こんなのヘルハウスじゃないとも感じた。

 そして何より勿体ないのは、本作におけるインタラクティブミュージックの完成形とも言えるBGM「ヘルハウス」を楽しむ間もなくバトルが終わってしまったことに尽きる。

 本作をプレイするとわかると思うが、本作におけるボス戦のBGMというのはいずれもフェーズ毎に非常に美しく遷移していくのだが、ヘルハウス戦のBGMというのがこの美しい遷移の極みとも言えるような出来なのだ。「ヘルハウス」の曲には様々な「FF7」の有名楽曲の印象的なフレーズが使われており、まるでラスボス楽曲のような壮大さがあるのだが、これを楽しむ間もなく一瞬で終えてしまうのはあまりに惜しい、と感じてしまった。

 もちろん、何回もプレイしているユーザーにとっては選択肢の1つになるが、初見のプレーヤーにはBGM「ヘルハウス」をはじめとした各所BGMの美しさを味わってもらうためにも、過度なブーストは使用しないのを推奨したいところだ。これは筆者のエゴでもあるので、強制したいわけではない。その点はご理解いただきたい。

ヘルハウス戦のBGMをすっ飛ばしてしまったプレーヤーには何卒オリジナルサウンドトラックで改めて「ヘルハウス」を聴き直してみてほしい。

新規ミニゲームからオリジナル版でもあったミニゲームのリメイクも

 本作にはオリジナル版で遊べたスクワットなどのミニゲームも収録されている。

ウォールマーケットの代表的なミニゲーム、スクワット
スクワットは初級、中級、上級の3種類。上級は勝つのがなかなか大変だ

 また、アバランチのアジトであるセブンスヘブンではダーツが遊べたりといった新規ミニゲームも実装されているので、こちらにも注目してほしい。

ダーツ。実際のダーツルールと同様の301ルールが採用されている。これはダーツボードに打った際の得点を301点ぴったりにするという遊び方で、いかに少ない投数でクリアできるかが重要だ
301点達成時のクラウドのドヤ顔も可愛い

 さらに、ウォールマーケットでは前述のダンスシーンがリズムゲームとなっており、タイミングよくボタンを押すことでクラウドがかっこいいダンスを見せてくれる。ダンスのミニゲームに入る前に練習モードを体験することができるので、初見のひとは練習モードをやっておきたい。

ダンスのミニゲームは上手く踊れれば「アニヤンのピアス」がもらえる。PS4/PS5版ではトロフィーの取得条件にもなっていたので、できるだけミスなく踊りたい

忍びの末裔、見参! 「ユフィ」の新規エピソードが最高に可愛い

 「インターグレード」の最大の特徴といえば、やはりユフィを主人公とした新規エピソード「FF7R EPISODE INTERmission」だ。原作では隠しキャラクターだったウータイのシノビであるユフィが、本作においてはミッドガル潜入作戦という独自のストーリーで描かれる。ただし、「INTERmission」はチュートリアルがないため、メインストーリークリア後のプレイが推奨されている。

ユフィが主人公のオリジナルストーリーとはなっているが、この「INTERmission」をクリアしていることで続編である「FF7 リバース」への没入感も変わるため、メインストーリーをクリアしたらこちらもぜひともプレイしてほしい

 このユフィが、とにかく可愛い。マテリアに目を輝かせたり、自信満々に振る舞ったかと思えばドジを踏んだり、生意気だけど憎めないキャラクターだ。コロコロと表情を変える彼女の姿に、誰もが心を奪われることだろう。筆者は元々オリジナル版の時からユフィ推しとして生きていくことを誓っている身なので、このオリジナルストーリーの追加は本当に嬉しかった。

 バトルスタイルもクラウドたちとは一味違う。巨大な手裏剣を使った遠近両用の攻撃、忍術による属性変化、そして相棒のソノンとの連携アクション。特にソノンとの連携は、本編にはないシステムで、二人で同時に攻撃を仕掛けたり、強力な連携アビリティを放ったりと、バディ感あふれる戦いが楽しめる。

 ソノンもまたいいキャラなのだ。妹分であるユフィを過保護なまでに見守る兄貴分。二人の掛け合いは見ていて微笑ましい。

新規エピソード「FF7R EPISODE INTERmission」に登場するユフィとソノン

音楽の力が、思い出を鮮やかに彩る

 「FF」シリーズといえば音楽。「FF7」もまた、植松伸夫氏による名曲の宝庫だ。「FF7リメイク」ではそれらの名曲が現代風に、そしてシーンに合わせてダイナミックにアレンジされている。

 オープニングで流れる「爆破ミッション」の重厚なオーケストラや、エアリスとの出会いで流れる「エアリスのテーマ」の繊細なピアノ。そしてボス戦で流れる「闘う者達」や「更に闘う者達」の様々なアレンジ。どの曲も、原曲へのリスペクトに溢れつつ、新たな感動を与えてくれる。

 特に筆者が推したいのは、先ほども紹介した「ヘルハウス」をはじめ、エアリスとふたりで進むことになるエリアで流れるBGM「陥没道路」だ。この楽曲の最大の魅力は、これまでの「FF7 リメイク」のイメージを覆すような、洗練されたエレクトロニック・サウンドと中毒性の高いグルーヴにある。

 シンセサイザーを多用したエレクトロ・ポップの要素を取り入れつつ、どこかレトロなゲームミュージックのDNAも感じさせる構成で、「FINAL FANTASY XIII-2」や「ライトニング リターンズ FFXIII」の楽曲を手掛けている鈴木光人氏特有の透明感のあるシンセ音と、腰にくる太いベースラインが特徴の一曲となっている。

 また、エアリスとふたりきりの場面ということもあり、アップテンポでポジティブな音色がふたりの心の根底に「楽しさ」があるようなまさに「デート感」を演出してくれているのだ。

陥没道路。汚れた廃道や瓦礫、モンスターがあふれている道でありながら、それを彩るおしゃれでクールな楽曲のコントラストが、ミッドガルという街の多様性を象徴している
「陥没道路」はお忍びデートという雰囲気を盛り上げてくれる一曲。ちなみに筆者は昔から本当に鈴木光人氏の楽曲が好きで好きでたまらないので、ひいき目が入っているのは認めよう

 またBGMといえば、ジュークボックスで聴けるアレンジ楽曲の数々も忘れてはならない。街中のショップや酒場などで手に入るディスクを集めると、チョコボのテーマやファンファーレなどが、ジャズ風やサンバ風など様々なアレンジで楽しめる。

 このジュークボックスで手に入る楽曲のひとつで忘れてほしくない名曲が「忠犬スタンプ」である。これまた鈴木光人氏の楽曲で、一聴すると子ども向けの明るいマーチやアニメソングのように聞こえるが、その背景を知ると聞こえ方が変わる二面性が魅力だ。スタンプは神羅カンパニーのマスコットとして市民に愛され、神羅への忠誠心を植え付けるための存在。そしてこのテーマ曲は誰もが一度聞けば口ずさめるシンプルで陽気な旋律で、これは大衆に浸透させるためのプロパガンダソングとして完璧に計算されている。つまりこの曲が楽しげに流れれば流れるほど、ミッドガルの市民が神羅という巨大企業に知らず知らずのうちに飼い慣らされている現状が浮き彫りになっていくのである。

「忠犬スタンプ」のディスクはゲームの某所で買うことができるので、買い忘れがないようにしたい

1月22日、再び星を巡る旅へ

 「FF7リメイク」は、単なる懐古的な作品ではない。29年前のあの日の衝撃と感動を現代の技術と解釈で再構築し、新たな驚きと共に提示してくれた、ゲーム史に残る傑作だ。それが、Switch2という新たな翼を得て、いつでもどこでも楽しめるようになる。これは、ある種の「革命」ではないだろうか。

 他のプラットフォームで遊んだ人も、Switch2版で改めて「手の中のミッドガル」を体験してみてほしい。1周目は必死すぎて見逃していた伏線や、キャラクターの細かな表情の変化にも、2周目なら気づくことができるかもしれない。 「あ、この時のクラウド、実はこんな顔してたんだ」、「このセリフ、後の展開を知ってると意味深すぎる……」、「見落としていたけど、こここんな演出があったのか……」などなどそんな発見ができるのも、リメイクならではの楽しみ方だ。

クラウドとティファ急接近!?
決意にも似た何かを感じるエアリスの表情

 もちろん、シリアスばかりではない。例えば本作は看板や電車内の広告、闘技場でのフラワースタンド演出など細部に至るまで本当に凝っており、こういう様々なスタッフのこだわりを探すのも非常に楽しいように仕上がっている。

ウォールマーケットの闘技場で勝ち進んでいくと控室の前にフラワースタンドが贈られる

 そしてまだプレイしたことがない人は、この機会にぜひクラウドたちとの冒険に出かけてほしい。 そこにはきっと貴方の心を揺さぶる、忘れられない体験が待っているはずだ。

 「興味ないね」なんて言わせない。1月22日、我々は再び魔晄の光あふれるミッドガルへと降り立つ。星を救う旅の第一歩が、また始まるのだ。

オリジナル版のミッドガルではほとんど出番のないセフィロスだが……本作ではどのように描かれているのかもぜひ期待しておいてほしいポイントだ