レビュー
「ルイージマンション2 HD」レビュー
ルイージのオバケ退治物語再び。掃除機でオバケを吸い込むアクションが熱い!
2024年6月20日 22:00
- 【ルイージマンション2 HD】
- 6月27日 発売予定
- 価格
- パッケージ版:6,578円
- ダウンロード版:6,500円
任天堂の「マリオ」シリーズのルイージを主役に据えたアクションゲームとして、国内外でスマッシュヒットを飛ばしている「ルイージマンション」。そのシリーズ第2弾がHDリマスター化され、Nintendo Switch用「ルイージマンション2 HD」が6月27日に発売される。
オバケ研究の第一人者、オヤ・マー博士が開発したオバケを吸い込む「オバキューム」を装備して、無数のオバケ達が住み着いた館に再び挑むルイージの姿を描く本作。2013年にニンテンドー3DSで発売された「ルイージマンション2」のHDリマスター版で、単にグラフィックスが高解像度になっただけでなく、Switchのコントローラーに最適化された操作が用意されるなど、遊びやすさを追求した進化点も見られる。
据置きゲーム機で初めて遊べるようになった本作のプレイレビューを本稿にてお届けしよう。
オバ渓谷の調査役として強制的に呼び出されたルイージの受難再び!
夜空に浮かんだ「ダークムーン」の不思議な光が注ぐオバ渓谷。ある日このダークムーンがキングテレサによって壊されてしまい、渓谷でオヤ・マー博士と仲良く暮らしていたオバケ達が突如暴れ出す事件が発生する。博士によって半ば無理矢理呼び寄せられたルイージは、破壊されたダークムーンのカケラを集めるために、オバ渓谷の調査へと向かうことになる。
ルイージとオヤ・マー博士は前作で知り合った仲だが、そのストーリーを知らなくても問題なくプレイできる内容なのでご安心を。一方で、ルイージのオバケ退治のプレイフィールはシリーズ通してほぼ共通のもので、Switchでは先に発売された「ルイージマンション3」を体験した後に遊ぶのも問題ないはずだ。
「マリオ」シリーズとは一線を画すコミカルなゴシックホラーな世界観もシリーズ恒例。半透明のキュートなオバケ達をオバキュームで吸い込んでいくアクションや、任天堂の歴代ゲーム機がガジェットとして登場する設定は筆者も大好きで、実は初代のゲームキューブ版から通して遊んでいたりする。「マリオ」シリーズで個人的に好きなキャラクターの上位に入るテレサが出てくるのも嬉しい限りだ。
オヤ・マー博士の依頼でルイージがオバケ退治に向かう先は、オバ渓谷にある複数の建物。劇中ではこれらを総じて「マンション」と呼んでいる。マンションごとの個性的な内部構造やギミックは細かいところまでしっかり作られていて、ワクワクするような遊びが組み込まれているのも本作の大きな魅力である。
マンション内部は迷路のようになっていて、シチュエーションに準じたトラップやギミックがあり、それを解かないと進めないポイントもある。もちろんそこには無数のオバケ達が登場。彼らがいる部屋は事前に予兆があり、周囲の明かりが暗くなったり、ポルターガイスト現象が発生したりするのが基本だ。原則としてそこにいる全てのオバケを捕獲しないと次の部屋に進むことができない。
手強いオバケ達に対抗するためにルイージが手にするのが、クラシカルな掃除機の形をした「オバキューム」だ。これはオバケを吸い込んで捕獲するメカで、オバケに限らず、お金やモノを吸い込んだり、逆に吹き飛ばしたりする機能も持っている。先端には懐中電灯を兼ねたストロボがあり、オバケを捕獲するときはこれをピカッと光らせて、ひるませたところでオバキュームで吸い込むのである。
オバケには体力があって、これが高いと簡単には吸い込ませてくれない。吸い込んでいる間は常にオバケと反対方向に動いて引っ張ることで体力を減らすことができ、オバケの体力が0になるとスポンッ!と吸い込んで捕獲できるという流れが一連の攻防だ
オバケとの引っ張り合いは本作の醍醐味であり、実体のないオバケと戦う感触を上手くゲーム化していて、筆者が本作で最も好きなところである。ゲームを進めるとオバキュームがパワーアップして複数のオバケと長時間の攻防も可能となるが、敵もさるもので、サングラスを付けてストロボを防いだり、背景のモノに隠れたりと、単純な攻防では吸い込めない存在も現われる。さらにいくつかの手順を踏まないと倒せないボスオバケや、他のオバケとは性質が違うテレサも登場。彼らを吸い込んで捕獲する手段を考えるのもまた楽しいところだ。
「ルイージマンション3」の操作スタイルを導入。これにより遊びやすさがグッと増した
元々はニンテンドー3DSでリリースされた本作だが、今回のHDリマスター化にあたり、Switchでは先に発売された「ルイージマンション3」の操作スタイルを導入している。オプションの「Rスティックでの向きの操作」を「上下方向」から「水平方向」に切り替えることで、Rスティックでルイージの向きを周囲360度方向に変えられるようになるのだ。
操作自体斬新なものではないが、ニンテンドー3DSでは物理的に不可能だった操作スタイルであり、Rスティックで任意方向にオバキュームを向けながら移動ができるようになったことで、オバケとの攻防時の操作性が大幅に向上している。なお上下方向にはジャイロ操作かX&Bボタンで向けられるフォローがあり、さらにストロボやAプルはRボタンにもアサインされているので、Rスティックから指を放すことなくこれらのアクションができるなど、細かいところまでケアが行き届いている。
本作はステージクリアスタイルだが、1つのマンションが1つのステージというわけではなく、ストーリーに則って進んでいく。オヤ・マー博士の都合で強制的にラボに戻されてしまうこともあって「ムムッ!?」と思うこともあるが、ルイージの活動は調査が主なのでここは仕方がないところ。
直前にクリアしたステージまでは何度でもやり直すことができ、ストーリーの途中で入手する見えないものを照らし出す「ダークライト」を持って、最初に挑んだときには見つけられなかったテレサや隠しアイテムの宝石などを探すプレイスタイルもある。
また今回は発売前のレビューなのでプレイできなかったのだが、オンライン/オフラインの最大4人のプレイヤーでゴールを目指す「テラータワー」も健在で、ソロプレイでは味わえない連帯感や緊張感も味わえるはずだ。
「マリオ」シリーズのジャンプアクションとはまったく違うゲームデザインで、特に初回のプレイは、探索や謎解きをしながらじっくりと進めていくプレイスタイルになると思われ、その感触に多少なり好みは分かれると思う。とはいえ、前述の通りオバケと遭遇したときの攻防は実に熱く、近年新作が公開された懐かしのゴースト退治映画シリーズが好きだったりすると、より楽しめるのではないだろうか。
Switchでは先に発売された続編の「ルイージマンション3」とセットで持っていて損のない傑作なので、この機会にぜひ手に入れて、暑い夏にピッタリの(!?)オバケ退治ストーリーを味わっていただきたいものだ。
(C) Nintendo