レビュー

映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」レビュー

みんなで約18年育てた種を割る時が来た!ついに公開となる劇場版ガンダムSEED最新作を時を超えた想いをこめて楽しもう!

【映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」】

公開日:2024年1月26日

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」メインビジュアル

 本日から公開となった映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」は“平成のファーストガンダム”を標榜して作られた第1作「機動戦士ガンダムSEED」(TV:2002年~)、そしてその続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」(TV:2004年~)の後2006年に一度映画化のリリースが出されたもののこれまで公開されることがなかった、これぞまさに“ファン待望”というべき作品が令和の時代についに公開となります。

 約18年ものあいだファンをいつだ?いつだ?とやきもきさせていた「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」はどういった作品になったのでしょうか。「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」終盤で描かれたプラントのギルバート・デュランダル議長が提唱・実行しようとしたデスティニープランは人々から自由を奪い取るものだったため、キラ達は「覚悟はある」「僕は戦う!」として自らが選んでいける自由と明日を勝ち取りました。映画はこの2年後のC.E.(コズミック・イラ)75を舞台に描かれることになります。

C.E.75「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」

 デスティニープランを拒絶し勝ち取った自由な社会ではあったものの、憎しみの連鎖は止まることはなかった。やはり二つの人類の対立と憎しみは今もなお続いており独立運動やブルーコスモスによる侵攻が確認されるなど各地で火種がくすぶり続けていた。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」メカビジュアル

 オーブ代表首長のカガリは自由な社会が継続されているかを監視するため世界平和監視機構「コンパス」を設立しラクス・クラインがその初代総裁に就任する。これは地球連合(大西洋連邦)・プラント・オーブが共同で創設したものでこれまでの大きな2度の戦争を乗り越えてきた者たちが協力して作り上げたものだった。

 コンパスには主にキラ、ムウ、マリューといったオーブ軍アークエンジェルに所属していた者、シンやルナマリア・ホークなどザフト軍ミネルバに所属していた精鋭たちが集まってそれらの戦闘に介入し、世界の秩序を監視する任務に就いていた。さらにオーブからアスランとメイリン・ホークが国家間の情報伝達などを担う隠密組織「ターミナル」に出向している。

 そういった状況の中ザフトの支援を受け、地球連合内のユーラシア連邦から独立した国家「ファウンデーション」からブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案されたコンパスはキラやラクスを向かわせるのだった。

 「覚悟を持って戦う!」と言いそれを遂行しているキラや、それに協力することになったシン、別組織にいるアスラン、総裁になったラクスといったシリーズを通しての各々、そして新キャラクターとなったファウンデーションの面々。それぞれの思いがどこにあるのか。なにを想って戦っているのかが明らかになる。そして世界は……。

映画キャッチコピー「私の中にあなたはいます。あなたの中に私はいますか?」

 映画冒頭のあらすじはファンの皆さんであればすでにご存じかと思います。予告やPV等で披露されている数々の映像や「キラ、やめろ!」「終わらせる、ここで!」「彼女の研究テーマはコーディネーターを超える種を作りだすこと」「そんな世界、人は望まない!」「罠だわ!」「闇に落ちろ、キラ・ヤマト!」といったセリフの数々。これらはいったいどういう意味なのか、SNS界隈で激論が繰り広げられた予想合戦はどこまで合っているのか!?その真偽はぜひ劇場で確認していただきたいと思います。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」ティザービジュアル

 本日より公開された映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」は約18年の時を超えついに現実のものとなりました。TV版として紡がれた2作を超え、その先の物語を見ることができるのはとてもうれしいことですね。

 映像の美しさは現在のクオリティでもちろん文句の付け所もありません!筆者もそこかしこで感情が高まり涙がこぼれました。特に2002年からのガンダムSEEDファンの皆さんには同じ思いをしていただけると思います。

重なる想いが幾重にも連なる人物描写

 新キャラクターとなるファウンデーションの面々の一癖も二癖もありそうなキャラクターデザインが公開されていて皆さんいろいろと想像されていますよね。予告やPVで描かれているオルフェ・ラム・タオとラクス、キラの関係性にもドキドキハラハラしながら状況や展開をおっかけてみてください。

 そしてガンダムSEEDファンなら気になるキラとアスランの関係性ですが、当初別の組織でそれぞれ活動しています。前2作同様今作でももちろん両者が語り合うことになります。

 その掛け合いはこれまでの2作(2つの大きな戦争)を乗り越えた二人がたどり着いた現在の境地に立って交わされるのですがそれぞれが“人間”として意見をぶつけ合います。その人間味あふれるやり取りにぜひ注目していただきたいと思います。筆者はかなりぐっときました。

大胆なガンダムSEEDアクションは劇場でこそ映える!

 “SEEDアクション”と称されるド派手なアクションのモビルスーツ戦はTV版前2作を上回りかなり迫力のある映像をCGで実現しています。モビルスーツや戦闘シーンは派手なSEEDアクションを完全に描き切りその情報量は何度も見ないと追いつけないほどです。

 過去の作品ではCGで戦艦やモビルスーツを表現する場合どうしてもおもちゃっぽさが出ることがありましたがこの映画ではそんなことはみじんも感じませんし、感じる暇もないほどスピーディな展開をみせます。

 可変機構を搭載したライジングフリーダムガンダムとイモータルジャスティスガンダムが戦場に駆けつけ、空中戦では軽やかさとスピーディさで状況が目まぐるしく展開、地上戦を繰り広げたら重さを感じたり、CGモデリングされた機体であることを生かして各装備が破綻なく使われていて思わずため息がこぼれるほどです。

 劇中で腕に装備させたシールドをくるりと回転させて上下位置を変えるところなんかも丁寧に描かれていますからさらに情報量や密度が高まったガンダムSEEDモビルスーツアクションをぜひ注目してみて下さい!

音響で感じるガンダムSEED世界のつながり

 映画の劇伴は前2作同様、音楽家・佐橋俊彦氏が担当されています。続編が作られる作品の場合に好感を持てるかは音楽や効果音などの音響面がとても大きなウェイトを占める場合がありますが、今作でもまさしくガンダムSEEDの世界観を感じられる楽曲に仕上がっていましたのでそこは心配なく楽しめると思います。

 まさかのコラボレーションとなった西川貴教 with t.komuroによるテーマソング「Freedom」から始まると一気にあの世界、時間、テンションに引き込まれることと思います。それから序盤のモビルスーツ戦で使われる効果音(ビーム音)は新たなイメージともなりそうな使われ方に感じました。こちらも注目してみてください。サプライズな楽曲もあります!

映画となったガンダムSEEDの世界に舞い降りる

 劇中には様々なオマージュや1カットのみご出演の方など含めこれまで見続けてきたファンにはお愉しみなシーンもたっぷりありますし、それらが小さい波・大きい波として幾重にもつらなるように想像を超えるシーンやストーリーがこれでもか!と押し寄せる感覚に陥るでしょう。

 映画が始まった瞬間、一瞬にしてあの頃に帰っている自分に気が付くと思います。

 間違いなく、あなたの待ち望んだ「機動戦士ガンダムSEED」がそこにあります。

映画の上映・イベント展開情報

 本日より公開された映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」は初日にあたる1月26日(金)に劇場先行発売の「HG1/144 ライジングフリーダムガンダム[クリアカラー]」、パンフレットも通常盤・豪華版の2種類があり劇場グッズも多数発売されます。毎週変わる入場者特典もあるのでぜひともコンプリートしたいところですね。翌週の2月2日(金)から別の劇場先行ガンプラが発売されます。※劇場先行ガンプラは後ほどプレミアムバンダイでも発売される予定です。

 1月28日(日)には公開記念舞台挨拶&全国ライブビューイングが決定!全国のライブビューイング会場でこの時を楽しみにしていた全国のファンが集えるお祭りになること間違いなしです。

 2月9日(金)からはラージフォーマットとなるMX4D、4DX、Dolby CinemaR(ドルビーシネマ)版での上映が決定!MX4Dと4DXでは可動するシートでSEEDアクションで描かれるすさまじい戦闘シーンをより楽しむことができるでしょう。ドルビーシネマでは高いコントラストと立体音響に包まれる質の高い映像体験が得られます。

 そして集大成となるイベントが2月18日(日)に「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~FREEDOM 新たな未来(とき)へ~」としてパシフィコ横浜 国立大ホールで開催!キャストによるオーディオコメンタリー付き上映会やキャストのトークショー、アーティストのライブなど「機動戦士ガンダムSEED」が凝縮されたものとなります。様々な世代が育ててきた種を割る瞬間をいっしょに楽しみましょう!