PCゲーミングデバイスレビュー「ASUS PG278Q」

ASUS PG278Q

WQHDの密度感と視野の広がり。ちょっと便利なゲーム向けHUD機能も

WQHDの密度感と視野の広がり。ちょっと便利なゲーム向けHUD機能も

広大なデスクトップ
上下視野角も良好

 本製品を使い始めてまずはじめに印象深いのが、WQHDという解像度による画素の密度感だ。27インチというサイズはゲーミングモニターとしては大きめだが、画面にがぶりつきになってゲームをプレイしても画素の粗さが目につかない画面の情報量のおかげで、22~24インチのフルHDという標準的なゲーミングモニターからの移行においては純粋に“視野の広がり”みたいなものを実感できる。

 もちろん、デスクトップ作業も快適になる。最近はフルHDでとったゲーム動画を触ることも増えたが、例えば動画編集ソフトではフルHDの動画を実寸で表示したまま、タイムラインやエフェクトの編集ができるのが有難い。筆者は職業柄いろいろなウェブサイトやPDFを表示しながら記事を書くことが多いが、WQHDの広さはそういった作業にも充分な広さを提供してくれる。

 パネルの発色も良好だ。高速応答を追求したTNパネルというと、IPSやVAパネルに比べて色ムラやダイナミックレンジの不足といった懸念がよく言われるが、技術は進歩している。本製品の発色は上質で、黒浮き、白潰れといったドギツさは皆無。視野角はスペック値以上に広い印象で、すくなくとも正面近くで見ている限りは色ムラを感じることは一切ない。

左右視野角はスペック値以上の印象。実用範囲内で色ムラ等を感じることはまずない

背面、OSD操作ボタン

 そういった基本表示機能に加えて面白いのが、本製品の背面ボタンやOSDからアクセスするいくつかのゲーム向け機能だ。

 ひとつは「TURBO」機能といい、ボタンを押す度に、PCによるリフレッシュレート指定をオーバーライドしてモニター側のリフレッシュレートを60Hz、120Hz、144Hzの3パターンに変更できる。これはゲーム側で強制的に画面モードが60Hzとなるような場合に、続けて述べるULMB機能と組み合わせて使うと有効だ。

リフレッシュレートのオーバーライドが可能

ULMBの設定はOSDメニュー内

 ULMB機能というのは、Ultra-Low-Motion-Blurの略で、本製品に搭載されているG-Sync映像エンジンに一緒に載っている機能のひとつ。60Hzまたは120Hz時に、映像リフレッシュの合間にバックライト消灯による黒挿入を行なうことで、CRTモニター的なインパルス駆動をエミュレートし、残像を局限まで低減するという機能だ。巷には60fpsでしか動作しないゲームもチラホラあるが、そういったコンテンツで120Hz駆動+ULMBを用いると驚くほど滑らかな印象に変わる。ただし、映像の明るさは半分弱になるので部屋を暗くしないと辛い。

ULMBオフ時の明るさ
ULMBオン時の明るさ

 それから、「GamePlus」機能として画面上の中心に照準や、画面端にタイマーをオーバーレイ表示する機能もある。タイマー機能は使い道がいまひとつわからないが、照準機能は特定のゲームではとても便利だ。たとえばアイアンサイトオンリーで照準が出ないリアル系のFPSで、モニターにペンで赤丸を書いて代用せずに済む。

画面中心に照準をオーバーレイ表示。デザインも選べる
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(佐藤カフジ)