(2014/9/17 00:00)
エレクトロニック・アーツの最新作「ザ・シムズ 4(The Sims 4)」が日本でも9月4日に発売された。様々な要素が強化された新しいシムたちの人生を体験してみた。
「ザ・シムズ 4」はシムという人間たちの街を作っていくシミュレーションゲーム。シムはそれぞれに個性や将来の夢、才能を持っていて、放っておいても自分たちの生活を続ける。プレーヤーはシムの行動を指示したり、時折出てくる選択肢に答えたりすることで、シムたちが理想的な人生を送れるよう手助けをする。
欧米ではPCゲームとしては記録的なヒット作で、新作の「ザ・シムズ 4」も初登場で首位にランクインしている。前作「ザ・シムズ 3(The Sims 3)」もいまだにDLCが発売されてはヒットしている。延々とプレイしている人が多いのは、それだけ離れがたい魅力があるのだろう。
今回は、親子に子ども2人という日本の標準家庭でプレイしてみた。シムたちが繰り広げる人生劇場を俯瞰しつつ、「ザ・シムズ 4」のシステムや面白さなどにも触れていきたい。
まずはシムを作る。夫婦と子ども2人、日本に良くある標準家庭を作ってみた
シリーズを重ねるごとに進化を続けてきた「ザ・シムズ」シリーズだが、今作ではキャラメイクのインターフェイスが一新され、粘土細工をいじるような感覚的な操作が可能になった。
そのキャラメイクの詳細についてはデモ版の記事に詳しく紹介しているのでぜひご一読いただきたい。製品版では、子どもや高齢者も作成可能になり、世帯作成の幅がさらに広がっている。また「ザ・シムズ 4」ではオンライン要素がかなり強化されている。ギャラリーを通じて、他のプレーヤーが作った世帯や部屋、家をダウンロードして自分の作った家族に統合したり、新しい世帯としてプレイしたりすることができる。
まずは新しいキャラメイクを使って作ったシムたちを紹介しよう。キャラクター作成の自由度が非常に高いので、自分でこんな風に作るという方向性をあらかじめ設定しておかないと、色々と迷って決めかねてしまう。そこで今回は、「日本の標準家庭」を想定し、夫、妻と子ども2人の年収600万円くらいの4人世帯という設定で作って見た。キャラの名前は、日本人に多い名前を適当に検索して筆者が付けたものだ。
まず夫の名はサトウミノル。アートな事が好きで家族思い、ITベンチャーに勤務する今どきのお父さんという設定だ。妻カズコと、長女のヒナ、長男のユウマといっしょに念願のマイホームに引っ越してきた、という脳内設定だ。この脳内設定にそった人格にするために、外見の後「願望」と「特質」を設定する。
シムには人生を通した大きな目標となる「願望」がある。「願望」は「人気」や「創造性」、「愛」、「知識」など10種類あり、ゲームをスタートした後も変更することができる。ミノルの場合は「途方もないお金持ち」を選んだ。
性格を方向付ける3つの「特質」は、「感情」が9種類、「趣味」が6種類、「ライフスタイル」が11種類、「社交」が9種類の計35種類。ミノルはベンチャー企業にいそうな人物像を想定して「家族志向」、「クリエイティブ」、「自信家」という3つをチョイスした。同じように、妻カズコを作る。こちらの脳内設定は、大学を出た後、勤務した会社を寿退社して、今は専業主婦というイメージ。専業主婦なので願望は「最高に幸せな家族」、いいところのお嬢さん感を出したかったので、特質は「音楽好き」、「野心家」、「外交的」という3つを選んだ。
2人の子どもは1からキャラメイクするのではなく、夫婦の遺伝子を使って作成した。性別と子どもの年齢を選んで、後は気に入った感じの子どもが出てくるまでランダムボタンを押しまくる。同じ遺伝子でも、かなり雰囲気の違う子どもができるのが面白い。もちろんできた子どもをベースに、カスタマイズすることも可能だ。今回はいじらず、そのままの顔を採用した。
子どもは小学生のうちは願望が「創造性」、「社交」、「精神」、「運動」の4つしかない。特質は小学生では枠が1つ、ティーンでは2つになり、若者になってようやく大人と同じ3つが設定できるようになる。
ちなみに子どもの年代は「ザ・シムズ 4」にあった「幼児」がなくなり、小学生の「子ども」、中学生の「ティーン」、高校生の「若者」の3つだけになった。今後のアップデートで追加される可能性はあるが、今の所赤ん坊からいきなり小学生になるので、少し違和感はある。遺伝子を使った家族関係は他に、親や兄弟姉妹も作成可能。片親は誰かわからないという設定でも作成できる。
家族が揃ったら、最後に画面左上にあるボタンで関係性を設定するのを忘れないようにしたい。ここで親子や、兄弟という設定をしておかないと、単なる同居者という扱いになってしまう。
家族の設定がすべて終わったら保存していよいよゲームスタートだ。作ったデータは、ギャラリーの中のマイライブラリに保存されている。「ザ・シムズ 4」には自分で作ったシムや家をグローバルのプレーヤー間でやりとりできるコミュニティが用意されている。ギャラリーのコミュニティタブからオンラインに入ると、現在のプレイ人数やアップロードされているアイテムの数などが表示されたトップ画面に切り替わる。
ギャラリーは一般のプレーヤーが作ったものと、開発しているMaxisが用意しているもの、フォローしたプレーヤーが作ったものに分かれていて、それぞれ世帯、区画、部屋のカテゴリがある。気に入ったものがあれば、ダウンロードしてマイライブラリに入れた後ゲーム内で使うことができる。ただし区画と部屋は、そこを作るのに必要だった費用分のお金(ゲーム内通貨のシムリオン)が必要だ。